「化け猫」

夢幻

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「蛇女郎」

蛇女郎 14☁️

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私は一日一回は、自分の体に戻る
二回の時もある、ほぼ二回戻る


まず、かりんがお風呂の時
着替えに隠して自分を持っていき、蛇の体にシャワーをかけ、かりんを湯船に入れてから、自分の体に戻って、自分も湯船をスイスイ楽しむ

湿度があって気持ちがいい



洋風のお風呂でバスタブが大きい
かりんの父親は体格が大きく、特注のサイズだそうだ
おかげで広く泳げる
あっちにスィー、こっちにスィーで気持ちがいい
かりんも悠々に、足が伸ばせる
アイボリー系の浴室で、明るく綺麗だ
かりん(私)が、掃除をしているのだから当然だ
自分の寛ぐ場所くらいはねと、エヘンとした気持ちになる
綺麗なお風呂を見ていると
神社の宮司も、人の来ない(少ない)、寄り付かない(階段長くて)、手水をいつ見ても綺麗にしていた
(よく考えれば、まあまあな歳なのに、よく階段行ったり来たりと丈夫な爺様と思う)


それと同じだ
でも人間のお風呂に、人間と入る人生があるとは思っていなかった


シャワーを固定ノズルにかけ、出しっぱなしにし、自分の体に戻って、シャワー!!

雨に打たれているようで、気持ちがいい
これは、人間の文明の利器でも最高ーーーの物と思う
もう、元の生活に戻れないっwって、冗談で思う時もある

シャワー(笑)

かりんの中にいる時に、シャワーを蛇の私を色んな角度からあてる。
蛇の私は動かない、当然だが

かりんがいたら、私に色んな角度からシャワーをかけて貰う遊びをしていただろうなと、思う
「そこかけてー」って、
自分も催促してるだろうな、そこそこって


湯船をゆらゆら泳いでいる蛇の姿を見たら、かりんはキャッキャと喜んだろうなと、小さいかりんを思ったりする


考えても仕方ない事を、何度でも繰り返す


でも、お風呂に入っていると気分もほぐれて、まだいい。さびしい気持ちが、いっぱいに広がるが


シャワーを浴びながら、動かないかりんを見ているとさびしさが、悲しさが、自分の奥底から冷たい水が上がってきて広がっていく感じがする
何処までも、何処までも広がる波紋のように

かりん、目を覚まさないかなと思う
急に、両腕を上にグッと伸びをして


蛇の私が、動かしているかりん

湯船に入っているかりんは、動かない

このなんとも言えない気持ち
サイボーグを動かしている訳ではないと、思ってはいるが


・・・本当は、かりんは死んでいて、自分が入って動かしてしまった為、動き成長してしまったのではないかと、思ったりもする


現実を見ていないのでは、本当はと...
私は... 生きている?のかと考える時もある

本当は、私はあの男に踏まれて死んでいて、かりんもあの石畳みに叩きつけられて死んでしまったのではと、考える時もある

私自身が、死を自覚できなくて、死んだ私の想念とも思う時もあって


さみしさが、心を悲しくさせると思う


その気持ちが強くなると、考え直す
「いや、これは現実なのだと」

かりんが目を覚まさずからの年月
時代の進化は凄まじい、特に通信、ネット系
自分の想像力でここまでは無いと思い、笑う
笑う、笑う、笑うんだけどZzz


私は、そう強く感じる時は、熱く湯を沸かし直し浸かり、しゃっきとして、お風呂を上がり、グラスに注いだオレンジジュースに生卵2個落として飲む
私の活力

可愛い女の子が、生卵カパっと飲み混んでる姿は、親はみたくはないだろうなと思って、オレンジジュースは、私の配慮だ
(かりんの両親には、並々ならぬ配慮をしている。オスの蛇が、可愛いいかりんを動かしていますと言う気持ちが、私に申し訳ないと思わせ、顔にでないようにと思ってる。かりんの両親は、基本的にいい人達だ。少し過保護かも知れない、私が相談しなさすぎるかも知れない、かえって心配してるのかも知れない。かりんの同い年の子に比べると、親との距離は遠いからとも考える。ま、仕方ないよなと思う。中身蛇だしと)


自分への、蛇の食事はササミやうずらの卵を頂く
冷蔵庫から貰う
かりんの好物だと言う事にしてある
てへ(笑)、だよなぁ


たまに、神社でも捕食する

食事はね、結構ご馳走になったとおもう(笑)



続く
→「蛇女郎」15
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