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番外編
2.二人きりの長期休暇②*
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屋敷に戻ると、砂で汚れた体を清めるため、浴場に案内された。
風呂というからにはバスタブが待っていると思いきや、実際に案内されたのは露天風呂だった。これには腰を抜かしそうなほど驚いてしまった。
なんでもこの地では、光の魔力が含有する湯が湧き上がるらしい。それに目を付けたブラッドリー公爵が、妻の病の進行を遅らせるために、この地に別荘を建てたそうだ。お金持ちのやることは、スケールが違う……。
圧倒されつつも戸を開けると、湯けむりの先に石で囲われた温泉があった。それを囲むように、白い花をつけた木が植えられている。水面に花びらが浮かんでいる光景は、なんとも優美だ。
僕は身体中についた砂を洗い流した後、つま先からゆっくり湯に浸かった。
「はあ~。あったかくて、気持ちいい」
湯の温度は少しぬるめ。これならゆっくり入っていられそうだ。
癒し効果のある光の魔力が含有しているだけあって、浸かっているだけでリラックスできた。僕は両足を伸ばして、深く息を吐きだした。
休暇中とはいえ、昼間から温泉に入っているなんて贅沢だ。ダミアンの別荘に来なければ、こんな経験もできなかった。あらためて誘ってもらって良かったと実感していた。
まったりと湯に浸かっていると、がらりと戸が開いてダミアンが顔を覗かせる。
「湯加減はどうだ?」
僕は伸ばした脚を引っ込めて、膝を抱えて座り直す。
「あ、はい。ちょうどいいです!」
「そうか……。ぬるいようだったら、温度を上げようと思ったんだが」
「このままで大丈夫ですよ」
ダミアンの手を煩わせることはない。適温だと伝えると、ダミアンは安堵したように頬を緩めた。
「着替えは脱衣所においてあるから、ゆっくり浸かっているといい」
そう告げると、ダミアンは戸に手をかけて出ていこうとしていた。
「あの、寮長は入らないんですか?」
そう尋ねると、ダミアンは戸に手をかけたまま静止する。
別におかしなことを言ったつもりはない。ダミアンだって、僕と一緒に海岸を散策していたから砂を被っているはずだ。どうせ後で入るのなら、今一緒に入ってしまった方が合理的に思えた。ダミアンとは、寮の大浴場でも一緒になったことはあるわけだし、今更恥ずかしがることでもない。
下心なんて微塵もなかったが、ダミアンはまったく別の解釈をしていた。
「それは、誘っていると捉えていいのか?」
背を向けたまま尋ねられる。その質問で、とんでもない勘違いをされていることに気付いた。
「ち、違います! 僕は湯に浸かりながら、ゆっくりお喋りをしようと……。ただのコミュニケーションです! 男同士の裸の付き合い!」
温泉とは別の意味で顔が火照っていく。下心なんてなかったつもりだったけど、指摘されると僕自身もおかしな想像をしてしまった。
振り返ったダミアンは、赤い瞳を爛々と輝かせている。口元では、にやりと不敵な笑みを浮かべていた。
「裸の付き合いか……。なるほど。それもいいな」
納得したように頷くと、ダミアンはシャツを脱ぎ始めた。
* * *
どうしてこうなった? 僕は湯に浸かりながら、頭を抱えていた。
誰かと温泉に入る時、普通は隣同士で座ると思う。それなのに僕らは、前後に座っていた。
ダミアンの脚の間に収まるように座らされて、脇からは手を回されている。これではダミアンに抱きかかえられているようだ。
背中にダミアンの肌が触れるたびに、妙に緊張してしまう。これではゆっくり風呂に入るどころではない。
困惑している僕の気も知らず、ダミアンはあばらにすりすりと手を這わせてきた。
「前から思っていたが、貴様の身体は細すぎる。ちゃんと食事をとっているのか?」
「い、いつもサンドイッチしか食べていない人に、言われたくないですね!」
照れ隠しで反抗的な態度をとると、あばらを触っていたダミアンはふっと小さく笑う。かと思えば、手を上に滑らせていき、胸の先端につんと触れた。
「ふぁっ……」
不意に敏感な場所を触られて、甘い声を漏らす。ダミアンは何事もなかったかのように再びあばらをさすっていた。
いまのは絶対にわざとだ。じっと顔を上げて睨みつけると、ダミアンはおかしそうに笑う。
「どうした? 口数が減ってきたぞ」
わざとらしく指摘してくる。一体誰のせいだと思っているんだ!
恥ずかしくなって口元まで湯に浸かると、ダミアンは胸の先をひっかくように弄り始める。その刺激で、びくんっと体が飛び跳ねた。
「あっ、あ、あっ……。喋るだけって、言ったじゃないですか!」
「喋りたいことがあるなら、好きに喋ればいい」
「こ、この状態じゃ、無理ぃ……」
執拗に弄られたせいで、胸の先が芯を持ち始める。ぷっくりと膨れ上がった蕾を見ているだけで、羞恥心がこみあげた。
「そんなに風呂が気持ちいいか?」
にやりと笑いながら尋ねられる。この男は、本当に意地が悪い!
淡い刺激を与えられたせいで、僕のものは湯の中でも分かるほどに勃ちあがっている。きゅっと内腿を閉じながら、ダミアンにはバレませんように、と願っていた。
しかし願いも空しく、ダミアンは昂ぶりに手を伸ばす。
「そこ、だめっ……」
静止しても、聞き入れてはもらえず。芯を持ったものは、ダミアンの手の中に納まった。
そのまま、ゆるゆると上下に扱かれる。抗えない快楽に支配されて、無意識に腰を浮かせてしまった。
「あ、あ、あっ、それ、だめ……」
「駄目というわりには、どんどん硬くなっていくぞ」
弄りながら実況されると、余計に恥ずかしくなる。視覚情報を遮断するように、僕は両手で顔を覆い隠した。
まっすぐ座っていることすらできなくなって、ダミアンの背中に体を預ける。その瞬間、ごりっとした硬いものが腰にあたった。それがダミアン自身だと気付くのに、そう時間はかからなかった。
恐る恐る振り返ると、湯の中で逸物が勃ちあがっている。僕のものよりも、ずっと大きくて逞しい。
圧倒されながらまじまじと見つめていると、ダミアンも視線に気付く。
「なんだ? 言いたいことがあるなら、はっきり言え」
「あ……えっと、寮長のには触れていないのに、なんで……」
おずおずと尋ねると、ダミアンは決まりが悪そうに視線を逸らす。
「……好きな男の身体に触っているんだ。反応するのは当然だろう」
好きな男と言われて、きゅっと胸が締め付けられる。
そうか。ダミアンは、僕のことが好きだから、こんな風に反応してしまうのか。
この状況に興奮しているのは自分だけではない。そう気付くと、与えられる快楽も素直に受け止められるようになった。
ダミアンに背中に体を預けながら、上目遣いで見上げる。
「あ、あの、寮長……。僕も、触っていいですか?」
その言葉で、ダミアンは手を止める。僕からそんな申し出をするとは思わなかったんだろう。
こんなことを口にするのは恥ずかしいし、上手くできる自信もない。だけど、僕の中にも好きな人に触れたいという欲求が芽生えていた。
「僕も、寮長を気持ちよくしたい、です……」
頬が燃え上がりそうになりながら訴えると、湯の中でいきり勃っていたものがピクリと震える。次の瞬間、腰を掴まれて半回転させられた。
「おわっ……」
軽々と持ち上げられて、向かい合わせで座らされる。そうなると必然的にお互いの張りつめたものも向き合う状態になった。
これはかなり恥ずかしい。直視できずに顔を背けていると、ダミアンに手を掴まれる。
「触りたいのだろう?」
昂ぶりに誘導されると、恐る恐る握ってみる。すると、湯とは異なる種類の熱が伝わってきた。
「ふ、わぁ……すごい……」
ごくりと生唾をのむ。自分のものとは全然違う。握っているだけでも、興奮が煽られた。
形を確かめるように上下に手を滑らせてみると、ダミアンが眉を寄せながら熱い息をこぼす。その反応で、ダミアンも感じていることが伝わってきた。
他人のものに触れたのは初めてだけど、同じ男だからどうすれば良いのかは分かっている。より快感を与えようと、手の動きを速めてみた。
上下に扱くと、ダミアンの呼吸は次第に荒くなる。
「ふぅ……上手だな」
その言葉で、ダミアンに与えている快楽が自分にも跳ね返ってくる。喜んでもらえると、僕の中でも気分が高揚した。
手の動きを速めると、ダミアンも負けじと急き立ててくる。
「ふぁっ……気持ちいい……」
互いに触り合って、高め合っている。どちらかに支配されるのではなく、互いに快楽を共有しているんだ。
一方的に与えられるよりも、こちらの方がずっと興奮を搔き立てられた。
先端からは、湯とは異なる粘性のある液体が溢れ出す。それを拭うように先端を擦られると、ぞくぞくと快感が沸き上がってくる。
「あ……もう、出そう、です」
限界はすぐそこまで迫っている。無意識で足を開きながら訴えると、ダミアンはやけに色気のある笑みを浮かべる。
「構わない」
「で、でも、このままだと、お湯が……」
このまま達したら、湯を汚してしまう。せっかくの温泉を、僕の体液で汚してしまうのは申し訳なかった。
そんな僕の気も知らず、ダミアンはラストスパートとばかりに激しく扱きだす。その刺激に耐えられるはずがなかった。
「あっ、あ、あっ、本当に、出ちゃいます。くっ、あぁ――」
尿道に快感が走った瞬間、ダミアンに尻を掴まれる。ザブンと湯から引き上げられると、正面からがっちりと抱えられた。
僕はダミアンにしがみつきながら、小刻みに体を震わせる。ぴゅ、ぴゅ、と放たれた白濁は、ダミアンと僕の腹を汚していった。
余韻に浸りながら、たらりと垂れていく液体を見ていると、ダミアンがくくっとおかしそうに笑い出す。
「湯を汚すのは躊躇いがあるくせに、俺を汚すのは平気なんだな」
「そ、そういうわけじゃ……。ごめんなさい!」
湯を汚すよりも、悪いことをしてしまった。恥ずかしくて目を瞑っていると、ダミアンは僕を抱きかかえたまま瞼にキスを落とした。
「安心しろ。怒っているわけではない」
え、と声を漏らしながら目を開けると、ダミアンは愛おしいものでも見るような眼差しでこちらを見下ろしていた。
さりげなく視線を落とすと、隠しきれないほど昂ったものが僕の尻にあてられていた。
ダミアンは興奮しているんだ。その事実を認識すると、顔面に熱が集まっていく。
小さく微笑みかけられると、ダミアンは耳元に顔を寄せた。
「ここだと体が冷える。続きは部屋でしよう」
続きと胸の内で繰り返すと、体の奥が疼く。尿道に残っていた熱は、たらりと先端からあふれ出した。
風呂というからにはバスタブが待っていると思いきや、実際に案内されたのは露天風呂だった。これには腰を抜かしそうなほど驚いてしまった。
なんでもこの地では、光の魔力が含有する湯が湧き上がるらしい。それに目を付けたブラッドリー公爵が、妻の病の進行を遅らせるために、この地に別荘を建てたそうだ。お金持ちのやることは、スケールが違う……。
圧倒されつつも戸を開けると、湯けむりの先に石で囲われた温泉があった。それを囲むように、白い花をつけた木が植えられている。水面に花びらが浮かんでいる光景は、なんとも優美だ。
僕は身体中についた砂を洗い流した後、つま先からゆっくり湯に浸かった。
「はあ~。あったかくて、気持ちいい」
湯の温度は少しぬるめ。これならゆっくり入っていられそうだ。
癒し効果のある光の魔力が含有しているだけあって、浸かっているだけでリラックスできた。僕は両足を伸ばして、深く息を吐きだした。
休暇中とはいえ、昼間から温泉に入っているなんて贅沢だ。ダミアンの別荘に来なければ、こんな経験もできなかった。あらためて誘ってもらって良かったと実感していた。
まったりと湯に浸かっていると、がらりと戸が開いてダミアンが顔を覗かせる。
「湯加減はどうだ?」
僕は伸ばした脚を引っ込めて、膝を抱えて座り直す。
「あ、はい。ちょうどいいです!」
「そうか……。ぬるいようだったら、温度を上げようと思ったんだが」
「このままで大丈夫ですよ」
ダミアンの手を煩わせることはない。適温だと伝えると、ダミアンは安堵したように頬を緩めた。
「着替えは脱衣所においてあるから、ゆっくり浸かっているといい」
そう告げると、ダミアンは戸に手をかけて出ていこうとしていた。
「あの、寮長は入らないんですか?」
そう尋ねると、ダミアンは戸に手をかけたまま静止する。
別におかしなことを言ったつもりはない。ダミアンだって、僕と一緒に海岸を散策していたから砂を被っているはずだ。どうせ後で入るのなら、今一緒に入ってしまった方が合理的に思えた。ダミアンとは、寮の大浴場でも一緒になったことはあるわけだし、今更恥ずかしがることでもない。
下心なんて微塵もなかったが、ダミアンはまったく別の解釈をしていた。
「それは、誘っていると捉えていいのか?」
背を向けたまま尋ねられる。その質問で、とんでもない勘違いをされていることに気付いた。
「ち、違います! 僕は湯に浸かりながら、ゆっくりお喋りをしようと……。ただのコミュニケーションです! 男同士の裸の付き合い!」
温泉とは別の意味で顔が火照っていく。下心なんてなかったつもりだったけど、指摘されると僕自身もおかしな想像をしてしまった。
振り返ったダミアンは、赤い瞳を爛々と輝かせている。口元では、にやりと不敵な笑みを浮かべていた。
「裸の付き合いか……。なるほど。それもいいな」
納得したように頷くと、ダミアンはシャツを脱ぎ始めた。
* * *
どうしてこうなった? 僕は湯に浸かりながら、頭を抱えていた。
誰かと温泉に入る時、普通は隣同士で座ると思う。それなのに僕らは、前後に座っていた。
ダミアンの脚の間に収まるように座らされて、脇からは手を回されている。これではダミアンに抱きかかえられているようだ。
背中にダミアンの肌が触れるたびに、妙に緊張してしまう。これではゆっくり風呂に入るどころではない。
困惑している僕の気も知らず、ダミアンはあばらにすりすりと手を這わせてきた。
「前から思っていたが、貴様の身体は細すぎる。ちゃんと食事をとっているのか?」
「い、いつもサンドイッチしか食べていない人に、言われたくないですね!」
照れ隠しで反抗的な態度をとると、あばらを触っていたダミアンはふっと小さく笑う。かと思えば、手を上に滑らせていき、胸の先端につんと触れた。
「ふぁっ……」
不意に敏感な場所を触られて、甘い声を漏らす。ダミアンは何事もなかったかのように再びあばらをさすっていた。
いまのは絶対にわざとだ。じっと顔を上げて睨みつけると、ダミアンはおかしそうに笑う。
「どうした? 口数が減ってきたぞ」
わざとらしく指摘してくる。一体誰のせいだと思っているんだ!
恥ずかしくなって口元まで湯に浸かると、ダミアンは胸の先をひっかくように弄り始める。その刺激で、びくんっと体が飛び跳ねた。
「あっ、あ、あっ……。喋るだけって、言ったじゃないですか!」
「喋りたいことがあるなら、好きに喋ればいい」
「こ、この状態じゃ、無理ぃ……」
執拗に弄られたせいで、胸の先が芯を持ち始める。ぷっくりと膨れ上がった蕾を見ているだけで、羞恥心がこみあげた。
「そんなに風呂が気持ちいいか?」
にやりと笑いながら尋ねられる。この男は、本当に意地が悪い!
淡い刺激を与えられたせいで、僕のものは湯の中でも分かるほどに勃ちあがっている。きゅっと内腿を閉じながら、ダミアンにはバレませんように、と願っていた。
しかし願いも空しく、ダミアンは昂ぶりに手を伸ばす。
「そこ、だめっ……」
静止しても、聞き入れてはもらえず。芯を持ったものは、ダミアンの手の中に納まった。
そのまま、ゆるゆると上下に扱かれる。抗えない快楽に支配されて、無意識に腰を浮かせてしまった。
「あ、あ、あっ、それ、だめ……」
「駄目というわりには、どんどん硬くなっていくぞ」
弄りながら実況されると、余計に恥ずかしくなる。視覚情報を遮断するように、僕は両手で顔を覆い隠した。
まっすぐ座っていることすらできなくなって、ダミアンの背中に体を預ける。その瞬間、ごりっとした硬いものが腰にあたった。それがダミアン自身だと気付くのに、そう時間はかからなかった。
恐る恐る振り返ると、湯の中で逸物が勃ちあがっている。僕のものよりも、ずっと大きくて逞しい。
圧倒されながらまじまじと見つめていると、ダミアンも視線に気付く。
「なんだ? 言いたいことがあるなら、はっきり言え」
「あ……えっと、寮長のには触れていないのに、なんで……」
おずおずと尋ねると、ダミアンは決まりが悪そうに視線を逸らす。
「……好きな男の身体に触っているんだ。反応するのは当然だろう」
好きな男と言われて、きゅっと胸が締め付けられる。
そうか。ダミアンは、僕のことが好きだから、こんな風に反応してしまうのか。
この状況に興奮しているのは自分だけではない。そう気付くと、与えられる快楽も素直に受け止められるようになった。
ダミアンに背中に体を預けながら、上目遣いで見上げる。
「あ、あの、寮長……。僕も、触っていいですか?」
その言葉で、ダミアンは手を止める。僕からそんな申し出をするとは思わなかったんだろう。
こんなことを口にするのは恥ずかしいし、上手くできる自信もない。だけど、僕の中にも好きな人に触れたいという欲求が芽生えていた。
「僕も、寮長を気持ちよくしたい、です……」
頬が燃え上がりそうになりながら訴えると、湯の中でいきり勃っていたものがピクリと震える。次の瞬間、腰を掴まれて半回転させられた。
「おわっ……」
軽々と持ち上げられて、向かい合わせで座らされる。そうなると必然的にお互いの張りつめたものも向き合う状態になった。
これはかなり恥ずかしい。直視できずに顔を背けていると、ダミアンに手を掴まれる。
「触りたいのだろう?」
昂ぶりに誘導されると、恐る恐る握ってみる。すると、湯とは異なる種類の熱が伝わってきた。
「ふ、わぁ……すごい……」
ごくりと生唾をのむ。自分のものとは全然違う。握っているだけでも、興奮が煽られた。
形を確かめるように上下に手を滑らせてみると、ダミアンが眉を寄せながら熱い息をこぼす。その反応で、ダミアンも感じていることが伝わってきた。
他人のものに触れたのは初めてだけど、同じ男だからどうすれば良いのかは分かっている。より快感を与えようと、手の動きを速めてみた。
上下に扱くと、ダミアンの呼吸は次第に荒くなる。
「ふぅ……上手だな」
その言葉で、ダミアンに与えている快楽が自分にも跳ね返ってくる。喜んでもらえると、僕の中でも気分が高揚した。
手の動きを速めると、ダミアンも負けじと急き立ててくる。
「ふぁっ……気持ちいい……」
互いに触り合って、高め合っている。どちらかに支配されるのではなく、互いに快楽を共有しているんだ。
一方的に与えられるよりも、こちらの方がずっと興奮を搔き立てられた。
先端からは、湯とは異なる粘性のある液体が溢れ出す。それを拭うように先端を擦られると、ぞくぞくと快感が沸き上がってくる。
「あ……もう、出そう、です」
限界はすぐそこまで迫っている。無意識で足を開きながら訴えると、ダミアンはやけに色気のある笑みを浮かべる。
「構わない」
「で、でも、このままだと、お湯が……」
このまま達したら、湯を汚してしまう。せっかくの温泉を、僕の体液で汚してしまうのは申し訳なかった。
そんな僕の気も知らず、ダミアンはラストスパートとばかりに激しく扱きだす。その刺激に耐えられるはずがなかった。
「あっ、あ、あっ、本当に、出ちゃいます。くっ、あぁ――」
尿道に快感が走った瞬間、ダミアンに尻を掴まれる。ザブンと湯から引き上げられると、正面からがっちりと抱えられた。
僕はダミアンにしがみつきながら、小刻みに体を震わせる。ぴゅ、ぴゅ、と放たれた白濁は、ダミアンと僕の腹を汚していった。
余韻に浸りながら、たらりと垂れていく液体を見ていると、ダミアンがくくっとおかしそうに笑い出す。
「湯を汚すのは躊躇いがあるくせに、俺を汚すのは平気なんだな」
「そ、そういうわけじゃ……。ごめんなさい!」
湯を汚すよりも、悪いことをしてしまった。恥ずかしくて目を瞑っていると、ダミアンは僕を抱きかかえたまま瞼にキスを落とした。
「安心しろ。怒っているわけではない」
え、と声を漏らしながら目を開けると、ダミアンは愛おしいものでも見るような眼差しでこちらを見下ろしていた。
さりげなく視線を落とすと、隠しきれないほど昂ったものが僕の尻にあてられていた。
ダミアンは興奮しているんだ。その事実を認識すると、顔面に熱が集まっていく。
小さく微笑みかけられると、ダミアンは耳元に顔を寄せた。
「ここだと体が冷える。続きは部屋でしよう」
続きと胸の内で繰り返すと、体の奥が疼く。尿道に残っていた熱は、たらりと先端からあふれ出した。
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