救国の魔女と滅国の皇子~プログラマーは魔法も作れる!?~

一条弥生

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プログラマー、魔法技術者に転職する

22.プログラマー、魔法を創造するも

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早朝から魔術の創造を始めて、日が暮れかけた頃、私は倒れた。

サンくんの声で目覚めた私は、サンくんが呼びに行ったら砂地で倒れていたらしい。

原因は魔力の枯渇だった。

どうやら、調子に乗って色んなことを試しすぎたらしい。

「ツバキ、明日は一日休んだ方がいいよ。」

「大丈夫。寝たら治るよ、これくらい。」

「この村に来てからゆっくり休んだことないだろ?」

「あるよ。」

「俺は見た事ないぞ。」

「先週、半日も休んだよ。」

「半日はゆっくり休んだ内に入らない。」

「入るよ。やりたいことが沢山あるから、全然疲れてないし。」

「疲れてるから倒れたんだろ。とにかく、明日は絶対安静だ!」

最初の職場では、休みはなかった。有給は取っていることになっていたけど、休みの日も朝から晩まで家で仕事をしていた。

次の職場も似たようなものだった。

だからちょっと倒れたくらいでこんなに心配されることに面を食らった。

「単なる魔力の枯渇だよ。注意してやれば大丈夫だから。」

「ツバキ、俺、なんでツバキが記憶を失って倒れてたのか考えたんだ。」

サンくんはいつになく真面目な顔をした。

「ツバキはあの時、魔力切れを起こしてたんじゃないか?だからボロボロになるまで魔法が使えなくて、ギリギリで大きい魔法を使えて助かったけど、反動か何かで記憶を失った。」

サンくんの話を、真剣な眼差しを見ながら聞いた。

「今回は危険の無いところで倒れたから良かったけど、もし森の中で倒れていたら命が危なかった。ツバキはこれから魔物と戦うんだろ。魔物の前で魔力切れを起こして倒れたら、今度こそ死んでしまうんだぞ。」

「死んじゃうか...そうだね...」

すっかり平和ボケに戻っていた。私はこれから危険な度に身を投じるというのに。

「そうだよ。死んだら終わりなんだ。村の皆も心配してたんだ。ツバキは毎日魔術の研究を一日中してるし、そうじゃない時は誰かしらの手伝いをしてる。誰もツバキが俺達みたいに休んでるところを見たことがないから、心配してた。」

「そうだったんだ...ごめんね、心配させて。」

「当然のことだよ。だからツバキ、明日は絶対安静だ。これからは定期的にしっかり休みを取る事。休日もだ。街に行っても忘れるなよ。」

「うん。そうする。」

「休みを取るのは普通のことだろ。全く、ツバキは今までどんな環境で生きてたんだ?ちょっと待遇の良い奴隷みたいだって親父が言ってたぞ。」

「ちょっと...待遇のいい...奴隷...」

やめてサンくん。私、何だか凄いダメージを受けちゃう。

ちょっと待遇が良かっただけマシだったんだと思ってしまって、またダメージを受けた。

これからはフリーランスだ。自分で休みを決められるんだから、サンくんの言う通り、休みの管理をちゃんとしよう。

「サンくん、ありがとう。」

「当たり前だ。ツバキ、体は大事にしろよ。」

「うん、気を付けるよ。」
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