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仲間
40.セクハラセンサー
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最初の街、ラクタナを出て、私は馬車に揺られていた。
ブティックで無理を言って作ってもらったクッションを敷いて、悪路を凌いでいた。
この馬車は行商人の馬車で、私は護衛だ。
馬車に乗せてもらった上に、何も無ければ何もせずにお金を貰えるのだから、とっても楽だ。何もなければ。
「コノエさん、あんたの発明品、うちに売ってくれよ。」
「申し訳ないですが。」
「一瞬で大金持ちになれるぞ。」
「お金の問題じゃないんです。」
次の街、ネルンは、地方都市だけどラクタナより大きな街だ。
別の街に行こうと思っていたけど、ギルドマスターに勧められたから行き先を変更した。
ネルンにも色々と問題があるらしい。
1番は水不足の問題。なんでも、井戸を掘ってもすぐ水が枯れるらしい。
井戸水が枯れるなら、原因は山にあるはずだけど、その山は高ランクの魔物がいて調査がなかなか進まない。
もしかしたら調査の手伝いを依頼されるかもしれないらしく、どうすればいいか考えていた。
「コノエさんよ、何で冒険者なんかになったんだ?」
おっと、このニュアンスは嫌な感じだぞ。
セクハラパワハラ日常茶飯事だった職場で培ったセンサーが反応した。
「成り行きです。」
「あんたならいくらでも貰い手があっただろうに。」
愛想笑いを返した。これは結婚云々のタイプのセクハラだ。
「美人だし、おっぱいがデケェだろ。」
殴るぞこのクソ親父、とは言えないから、ひたすら愛想笑いで返す。
「公爵の嫁にだってなれるぞ。自慢じゃあないが、旅をして色んな女を見てきて、そういうの、分かるんだよ。中々の上玉なんだから勿体ねえ。俺が紹介してやろうか?」
「すみません。旅の目的があるので。」
この人と後6時間過ごさなきゃいけないなんて、寝たフリでもしてようか。
護衛が寝るのはダメか。
イヤホンとスマホがあれば、話し掛けるなオーラが出せるんだけど。
会話を少なくすると決めて、私は景色を眺めた。
こうして眺めてるだけだと、ヨーロッパの原風景だ。
ここが中世ヨーロッパに似ているのだから、日本に似ている国もあるかもしれない。
「お米が食べたいな...」
ハッとして首を横に振った。
感傷に浸ってたいたら、歩みを止めそうで怖い。
目を閉じて周辺の音を聞いていると、遠くに中型の獣が走る足音が聞こえた。
サーチは遠すぎるものや認識できない物には使えない弱点があるから、何なのかはわからないけど、こっちに向かっていることには間違いない。
「前方斜め右方向から中型の四足歩行の獣の足音が聞こえます。全力で走ってる訳では無いみたいですけど、こっちに向かっています。」
「なんだって?ここからは何も見えないぞ。」
「350mくらい先です。ただ、このまま進むと出くわす可能性があります。できれば追い返したいんですけど...」
「討伐だ討伐!また襲って来たらどうすんだ!」
「手酷く負い返せば戻って来ませんよ。」
「売ったら金になるだろ!」
「あのサイズを馬車に載せるのは無理ですし、解体してたら日が暮れます。追い払うのがベストだと思います。」
商人は大きな舌打ちをした。
ブティックで無理を言って作ってもらったクッションを敷いて、悪路を凌いでいた。
この馬車は行商人の馬車で、私は護衛だ。
馬車に乗せてもらった上に、何も無ければ何もせずにお金を貰えるのだから、とっても楽だ。何もなければ。
「コノエさん、あんたの発明品、うちに売ってくれよ。」
「申し訳ないですが。」
「一瞬で大金持ちになれるぞ。」
「お金の問題じゃないんです。」
次の街、ネルンは、地方都市だけどラクタナより大きな街だ。
別の街に行こうと思っていたけど、ギルドマスターに勧められたから行き先を変更した。
ネルンにも色々と問題があるらしい。
1番は水不足の問題。なんでも、井戸を掘ってもすぐ水が枯れるらしい。
井戸水が枯れるなら、原因は山にあるはずだけど、その山は高ランクの魔物がいて調査がなかなか進まない。
もしかしたら調査の手伝いを依頼されるかもしれないらしく、どうすればいいか考えていた。
「コノエさんよ、何で冒険者なんかになったんだ?」
おっと、このニュアンスは嫌な感じだぞ。
セクハラパワハラ日常茶飯事だった職場で培ったセンサーが反応した。
「成り行きです。」
「あんたならいくらでも貰い手があっただろうに。」
愛想笑いを返した。これは結婚云々のタイプのセクハラだ。
「美人だし、おっぱいがデケェだろ。」
殴るぞこのクソ親父、とは言えないから、ひたすら愛想笑いで返す。
「公爵の嫁にだってなれるぞ。自慢じゃあないが、旅をして色んな女を見てきて、そういうの、分かるんだよ。中々の上玉なんだから勿体ねえ。俺が紹介してやろうか?」
「すみません。旅の目的があるので。」
この人と後6時間過ごさなきゃいけないなんて、寝たフリでもしてようか。
護衛が寝るのはダメか。
イヤホンとスマホがあれば、話し掛けるなオーラが出せるんだけど。
会話を少なくすると決めて、私は景色を眺めた。
こうして眺めてるだけだと、ヨーロッパの原風景だ。
ここが中世ヨーロッパに似ているのだから、日本に似ている国もあるかもしれない。
「お米が食べたいな...」
ハッとして首を横に振った。
感傷に浸ってたいたら、歩みを止めそうで怖い。
目を閉じて周辺の音を聞いていると、遠くに中型の獣が走る足音が聞こえた。
サーチは遠すぎるものや認識できない物には使えない弱点があるから、何なのかはわからないけど、こっちに向かっていることには間違いない。
「前方斜め右方向から中型の四足歩行の獣の足音が聞こえます。全力で走ってる訳では無いみたいですけど、こっちに向かっています。」
「なんだって?ここからは何も見えないぞ。」
「350mくらい先です。ただ、このまま進むと出くわす可能性があります。できれば追い返したいんですけど...」
「討伐だ討伐!また襲って来たらどうすんだ!」
「手酷く負い返せば戻って来ませんよ。」
「売ったら金になるだろ!」
「あのサイズを馬車に載せるのは無理ですし、解体してたら日が暮れます。追い払うのがベストだと思います。」
商人は大きな舌打ちをした。
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