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第12話「止まれ! これ以上近づいたら発砲する!」
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さて、場所は変わりまして東京湾に浮かぶ人工島、中華人民共和国特別開発区域——通称・大陸埠頭です。
中国国有企業「上海建設公司」が所有していまして、大使館と同様、秘密裏に治外法権が認められている特殊な場所です。
島の上には鉄筋コンクリートのビルが立ち並び、明かりは工事用の投光器のみ。煌々とした夜の東京湾で歪な存在感を放っています。
島の入り口には2人の見張りが立っていました。
2人とも手にはサブマシンガンを携え、こちらにやってくる千鳥足の男に怪しげな視線を投げかけている。
「おい、お前! ここは酔っ払いのきていい場所じゃねえぞ!」
足元がおぼつかない男は肩からボストンバックをさげ、それでも一歩、また一歩と近づいてくる。あと2、3歩で島と本土との境界——すなわち治外法権が発生するラインに近づこうというところ。
見張り二人は顔を見合わせますと、
「止まれ! これ以上近づいたら発砲する!」
「これは警告だ、冗談じゃない!」
不審者に銃口を向けた。
ところが千鳥足の男、フラッとしたかと思うと————
一瞬で「2人」の
「後ろ」に!!
「ちょっと失礼」
声がしたかと思えば、首元に強烈な痛みが走り、
2人の見張りはあっという間に気を失ってしまいました。
* * *
ボストンバックから取り出したショットガンで峰打ちを行いましたのは、言わずもがな、
松立和博。
1メートル近い銃身を、引き金を起点にクルリと回転させると、倒れるか倒れないかの姿勢で走 り 出 す 。
待ち構えますのは、外で暇そうにしてる武装した3人組。入り口の見張りと同じく、手にはサブマシンガンを抱えていた。
3人とも、この平和国家・日本で侵入者など来るはずもないと呑気に夜空を見上げている。
見上げたところで投光器のせいで星ひとつ見えやしない。丑三つ時も過ぎ、眠気も増してくる頃。
「ふあ~ぁ~」
1人が欠伸したところで松立は
背後に回
り
|——み込
|
|=> スパン
|=> スパン
|=> スパン
↓
峰打ちで討ち取る。
しかし、ちょうどそこに巡回から戻ってきた兵士が1名。
彼は真面目だけが取り柄と自負しており、他の3人がサボっている間も自分だけは見回りを行おうとその場を離れていたのです。
倒れる3人の上に立つ見知らぬ男。
「なッ————!」
叫ぼうとするやいなや、
松立はショットガンを発砲!
真面目男の体は吹き飛ばされ、鉄筋コンクリートの柱に体を強打して動かなくなった。
ところがこれ、死んだわけではありません。
松立が発射したのは特製ゴム弾でして、当たって気を失うことはあるものの、死亡する確率は限りなく低い代物なのです。
* * *
さあ、入り口を制圧しました松立和博。
ボストンバックから小型グライダーを取り出すと、紙飛行機の要領でポーンと空高く投げる。
「天気晴朗なれども波高し」な今宵の東京湾。港風にのったグライダーはグングンと高度を上げ、上空50メートルに達する。
「さあて」
松立は舌なめずりしながらスマホの画面を見た。
スマホからはグライダーが捉えた敵影が次々と表示されてくる。それを見ながら、彼は内通者からの情報と擦り合わせて作戦を組み立てていく。
「よし!」
1分も経たずに松立、
走り出す。
ツッ ツッ
————と向かうは
ツッ
島の南東にある10階建てのビル。
裏口に立つ見張り2人を峰打ちで倒し、
1階に侵入する。
グライダーからの情報によれば、各階に最低4人の見回り。
アジトがあると思われる6階までは計25名。
装備はサブマシンガンからアサルトライフルに変わっていますが、松立にとっては、えんぴつからシャーペンに変わったようなもの。
しかも、彼らは単独で見回りをしていましたから、もうこれは「倒してください」と言ってるようなものでした。
瞬く間に
バタバタバタバタバタバタッ
と、倒れていく!
* * *
しかし、松立がどれほど隠密に長けていようと場所は敵の本拠地です。
わずかな打撃音、靴擦れ、風切音がコンピュータの音、部下の会話を縫って〝違和感〟を呼び起こす。
「萧巍……萧巍」
6階にいます支部の責任者、陈庆彩は悪党の中でもそういった〝違和感〟を捉える才がありまして、部下の萧巍を呼び寄せる。
「どうしました、ボス」
この萧巍という男。2メートルを超える巨漢で、地元上海では「黒嶽破軍」と恐れられるほどの喧嘩屋です。拳だけでも強いというのに、上海集團に引き抜かれてからはマシンガンも携行するようになった。
まさに、鬼に金棒の状態。
「下の様子がおかしい。調べてきてくれ」
「是」
* * *
その頃、松立はと言いますと4階の敵を一掃しまして五階へ向かうところ。
中国国有企業「上海建設公司」が所有していまして、大使館と同様、秘密裏に治外法権が認められている特殊な場所です。
島の上には鉄筋コンクリートのビルが立ち並び、明かりは工事用の投光器のみ。煌々とした夜の東京湾で歪な存在感を放っています。
島の入り口には2人の見張りが立っていました。
2人とも手にはサブマシンガンを携え、こちらにやってくる千鳥足の男に怪しげな視線を投げかけている。
「おい、お前! ここは酔っ払いのきていい場所じゃねえぞ!」
足元がおぼつかない男は肩からボストンバックをさげ、それでも一歩、また一歩と近づいてくる。あと2、3歩で島と本土との境界——すなわち治外法権が発生するラインに近づこうというところ。
見張り二人は顔を見合わせますと、
「止まれ! これ以上近づいたら発砲する!」
「これは警告だ、冗談じゃない!」
不審者に銃口を向けた。
ところが千鳥足の男、フラッとしたかと思うと————
一瞬で「2人」の
「後ろ」に!!
「ちょっと失礼」
声がしたかと思えば、首元に強烈な痛みが走り、
2人の見張りはあっという間に気を失ってしまいました。
* * *
ボストンバックから取り出したショットガンで峰打ちを行いましたのは、言わずもがな、
松立和博。
1メートル近い銃身を、引き金を起点にクルリと回転させると、倒れるか倒れないかの姿勢で走 り 出 す 。
待ち構えますのは、外で暇そうにしてる武装した3人組。入り口の見張りと同じく、手にはサブマシンガンを抱えていた。
3人とも、この平和国家・日本で侵入者など来るはずもないと呑気に夜空を見上げている。
見上げたところで投光器のせいで星ひとつ見えやしない。丑三つ時も過ぎ、眠気も増してくる頃。
「ふあ~ぁ~」
1人が欠伸したところで松立は
背後に回
り
|——み込
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峰打ちで討ち取る。
しかし、ちょうどそこに巡回から戻ってきた兵士が1名。
彼は真面目だけが取り柄と自負しており、他の3人がサボっている間も自分だけは見回りを行おうとその場を離れていたのです。
倒れる3人の上に立つ見知らぬ男。
「なッ————!」
叫ぼうとするやいなや、
松立はショットガンを発砲!
真面目男の体は吹き飛ばされ、鉄筋コンクリートの柱に体を強打して動かなくなった。
ところがこれ、死んだわけではありません。
松立が発射したのは特製ゴム弾でして、当たって気を失うことはあるものの、死亡する確率は限りなく低い代物なのです。
* * *
さあ、入り口を制圧しました松立和博。
ボストンバックから小型グライダーを取り出すと、紙飛行機の要領でポーンと空高く投げる。
「天気晴朗なれども波高し」な今宵の東京湾。港風にのったグライダーはグングンと高度を上げ、上空50メートルに達する。
「さあて」
松立は舌なめずりしながらスマホの画面を見た。
スマホからはグライダーが捉えた敵影が次々と表示されてくる。それを見ながら、彼は内通者からの情報と擦り合わせて作戦を組み立てていく。
「よし!」
1分も経たずに松立、
走り出す。
ツッ ツッ
————と向かうは
ツッ
島の南東にある10階建てのビル。
裏口に立つ見張り2人を峰打ちで倒し、
1階に侵入する。
グライダーからの情報によれば、各階に最低4人の見回り。
アジトがあると思われる6階までは計25名。
装備はサブマシンガンからアサルトライフルに変わっていますが、松立にとっては、えんぴつからシャーペンに変わったようなもの。
しかも、彼らは単独で見回りをしていましたから、もうこれは「倒してください」と言ってるようなものでした。
瞬く間に
バタバタバタバタバタバタッ
と、倒れていく!
* * *
しかし、松立がどれほど隠密に長けていようと場所は敵の本拠地です。
わずかな打撃音、靴擦れ、風切音がコンピュータの音、部下の会話を縫って〝違和感〟を呼び起こす。
「萧巍……萧巍」
6階にいます支部の責任者、陈庆彩は悪党の中でもそういった〝違和感〟を捉える才がありまして、部下の萧巍を呼び寄せる。
「どうしました、ボス」
この萧巍という男。2メートルを超える巨漢で、地元上海では「黒嶽破軍」と恐れられるほどの喧嘩屋です。拳だけでも強いというのに、上海集團に引き抜かれてからはマシンガンも携行するようになった。
まさに、鬼に金棒の状態。
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「是」
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