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射手の統領045 本拠帰館
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射手の統領
Zu-Y
№45 本拠帰館
俺たち6人に、アキナを加えた7人で夕餉を摂ることにした。もちろん行き付けの東都前寿司である。
「大将、こんばんは。7人な。」
「らっしゃい。西都からお帰りかい?」
「おう。これ、西都の土産だ。」
「お、千枚漬じゃねぇか。これは東都じゃなかなか手に入らねぇんだ。わざわざすまねぇな。」
「大将にはいつもサービスしてもらってるからな。」
「今日は、別嬪さんが4人か。ひとりいないな。その代わりに、かわいい嬢ちゃんがふたりかい?」
「まぁ、大将ったら、お上手やわぁ。」「お世辞言うたかて、何も出ぇへんよ。」
「おや、西の人か?」
「西都で仲間になったんだ。」
「そうかい、西の人なら熟れ寿司か押し寿司だな。東都前の活きのいいのを食わせてやるよ。」
「おいしなぁ。」「ホンマやなぁ。」
ふたりはいい食べっぷりだ。ライからたくさん食わないと成長しないと言われてから、頑張って食うようにしている。
ライによると、ふたりの気力量が並外れているため、成長にまわるはずの養分までもが、気力の維持に使われているのだ。ゆえに、たくさん食べて、成長にまわる養分を確保しなければならない。
「嬢ちゃんたち、いい食いっぷりだ。気に入ったぜ。何が一番旨かった?」
「「全部!」」
「そう来たかい。こりゃ、参ったぜ。」大将は嬉しそうだ。
しばらくして、穴子の一本握りがドーンと2つ出て来た。
「嬢ちゃんたち、これは俺からのおごりだ。」
「「わぁ!」」
「ごちそうさま。」
「大将、おおきに。美味しかったえ。」
「ホンマや。アタル兄、またここ、連れて来てな。」
ふたりは、穴子の一本握りが大層気に入り、この後も必ず注文するようになった。じきに「いつもの」で一本握りが出て来るようになるのは後日譚。笑
サヤ姉、サジ姉、ホサキは、今夜から実家に行って、それぞれの御父上に、西都土産を渡しつつ、商都までの旅の内容、聖湖での蒼碧龍攻略、今後のセプトの活動予定について報告をし、キノベとの同盟と山髙屋との提携について、意見を聞いて来る。
この同盟と提携については、同盟勢力の拡大ということで、わが同盟の基本方針に合っているから問題はあるまいが、話を通しておくのが礼儀である。もっとも山髙屋との提携はすでに成ってしまったがな。
報告に明日1日を見て、明日の夕刻ないし、明後日の午前中にユノベ本拠に帰ることになった。
アキナは、山髙屋東都総本店に帰り、数日のうちに後任への引継ぎを済ませてから、セプトに合流することになった。セプトに合流後は、しばらくユノベで弓の技を基礎から学ぶ。
キョウちゃんズは、俺と一緒に今夜からユノベ本拠だ。叔父貴たちには今夜のうちに引き合わせ、明日はユノベ本拠の家来どもに紹介する。
「えー、また宴?」「長いんは、嫌やなぁ。」
「婚儀の練習だと思って我慢してくれよ。」
「「え?婚儀?」」真っ赤っか×2+モジモジ×2=ちょろい×2。笑
明後日、俺は古都の帝家宝物殿にある金剛鏑の件で、帝居を訪ねる。その帰りに、東都総本店に寄って、アキナにユノベ本拠の流邏石を渡す。それまでにアキナの引継ぎが終わってれば、そのままアキナをテンバへ連れて帰る。
サヤ姉、サジ姉、ホサキは東都前寿司を出たとこで別れ、それぞれが流邏石で実家に飛んで行った。俺はキョウちゃんズと一緒に、アキナを東都総本店に送ってから、3人揃って流邏石でテンバのユノベ本拠館に飛んだ。
「あ、若、お帰りなさい。」
「おう、お勤めご苦労。叔父貴どのたちへ帰館を伝えてくれ。すぐに表座敷へ行く。」
サキョウとウキョウは不安気にまとわりついて来る。子供だし、初めての場所だからしょうがないな。俺はふたりの手を取って表座敷へ連れて行った。
表座敷で待っていると、叔父貴たちがやって来た。
「叔父貴どのたち、ただいま戻った。留守居、大儀。」
「アタル、戻ったか。無事で何よりじゃ。」
「ところで、蒼碧龍の首尾は?」
「上々だ。」俺は叔父貴たちに青く光るウズ鏑を見せた。
「「「おー、美しい。」」」相変わらず叔父貴たちはよくハモる。笑
「して、そのお子たちは?」
「サキョウとウキョウ。西都で仲間になった陰士だ。サキョウはデバフ、ウキョウはバフを使う。効果はふたりともおよそ5割。」
「「「なんと!」」」またハモった。笑
「ふたりは、オミョシ分家の姫だ。」
「「「なんと!」」」またまたハモった。笑
俺は叔父貴たちに、
キョウちゃんズが単一能力のために、オミョシの習わしで、分家から勘当されていること。
気力量が多過ぎて、放出口を使い切ってること。
ふたりに陽の術の素質があること。
その陽の術の素質を開花させるには、適性の合う七神龍を眷属にした俺が、ふたりを抉じ開けねばならないこと。
抉じ開けたら、男として責任を取るつもりであること。
を語った。
例によって、サキョウにウズ鏑を持たせ、サキョウを青く発光させ、水の適性があることを示した。叔父貴たちは大層驚いていた。
それから、山髙屋との提携の話と、まとめて来た条件について話した。
一人娘のアキナと俺が婚約。
ユノベによる販路の護衛、これはユノベの家来どもの実践訓練とし、食費と宿泊費のみ受け取り、護衛の手当は不要。
その代わり、平時は物資の調達と幾ばくかの割引、有事の際は軍資金の提供。
販路の安全が確保できれば、流通が盛んになり、消費と生産が活性化し、民は潤い豊かになる。
すると税収が上がる。
つまり将来的には、テンバを領地に持つユノベに返って来る。
と、ここまで話すと叔父貴たちの眼の色が変わった。
「アタル、でかした。文句の付けようがない条件だ。」
「アタルは目端が効くのう。さすが次期統領じゃ。」
「山髙屋の一人娘を口説き落とすとはのぅ。しかも、あの山髙屋の社長にそれを認めさせて来るとは、いやはや大したものだ。」
「アキナが来たら、叔父貴どのたちのうち、どなたかおひとりが山髙屋に出向いて、提携の正式な申し入れをしてきて欲しい。」
引き続き、今後のセプトの活動について、その展望を話し、帝居に古都宝物殿から金剛鏑を譲り受ける勅許を貰いに行くことを語ると、叔父貴たちはまた驚いていた。
「勅許など簡単には出まいぞ。」
「五摂家の公家から紹介状を貰っているから何とかなると思う。」
「「「五摂家とな?」」」ほんとによくハモる。笑
「ああ、西都ギルドのギルマスが五摂家筆頭、コノエの三男坊だった。」
「アタルは、人脈の運が強いの。」
「うむ。次期統領として頼もしいの。」
その後、キノベへ馬の技を習得がてら、タヅナをもらい受けに行き、キノベを同盟に加える構想を語った。もはや叔父貴たちは、驚かなくなって来た。驚きを通り越して、すっかり呆れているのだ。
「キノベの姫も口説き落としたのか?」
「いやはや、あの堅物だった兄貴のお子が、女誑しとは。」
「叔父貴どのたち、誤解だ。すべてはユノベのため、ひいては和の国の平和のためだぞ。」
「大丈夫か?5人もの嫁を、しっかり御しきれるのか?」
「嫁筆頭に、サヤ姉とサジ姉のふたりがいるから大丈夫だ。」
「サヤにサジと言えば、姉貴たちからアタルの流邏石を預かっておる。」
「結局、流邏石は使わず、東都まで歩いたそうだ。」
「相当懲りたようでの、内々にトノベどのとヤクシどのから、礼を言われたわ。」
俺は、トコザとトマツの流邏石を受け取った。
サキョウとウキョウは、おそらく飽きているが、我慢している。
「まぁ、報告はこんなとこだ。」
「そうか、アタルもオミョシの姫たちも疲れておろう。温泉にでも浸かってゆっくり休め。」
「「温泉?」」キョウちゃんズが反応した。ふたりは大の温泉好きだ。
「ユノベ副拠にもあるが、ここ本拠にも副拠に負けないくらいあるぞ。姫たちは温泉は好きか?」
「「大好きや。」」
「なぁ、アタル兄、すぐに温泉行こ。」
「せや、話は終わったんやろ?早よ、行こ。」
「分かった分かった。
ところで叔父貴どのたち、サキョウとウキョウは、姫ではなく、そのまま名前で呼んでくれ。」
俺たちは表座敷を出て湯殿に向かった。俺はもちろん白湯だ。キョウちゃんズも白湯について来る。
内湯で湯を浴びて、すぐに露天に浸かった。この硫黄臭が何とも心地よい。
「湯の華がいっぱいやねぇ。」「匂いもぷんぷんやねぇ。」
ふたりもすっかり寛いでいる。サキョウもウキョウもホントに温泉が好きなんだな。
しばらくすると、ふたりが寄って来て、伸ばした左脚にサキョウ、右脚にウキョウが座り、背中からもたれ掛かって来た。
「廻船ではできひんかった日課をやってぇな。」「今日の分も入れて4日分やで。」
そういうことか。成長のための刺激ね。俺はふたりの頂に触れた。ん?すでにつんつんしてるではないか。
「あれ、もう反応してるじゃん。」
「そうなんよ。廻船に乗ってからずっとなんよ。」
「うちもや。服と擦れてまうねん。」
「これだけ反応してるなら、もう刺激しなくていいんじゃね?」
「そやろか。でも続けてぇな。」
「そう言えば、今日はくすぐったがらないな。」
「そやね、あまりくすぐったないわ。」
「それより、なんやええ気持ちやねん。」
「ふーん。マッサージして来た効果が出て来たのかな?
それより擦れるんならブラした方がいいんじゃないか?サヤ姉たちが帰って来たら、相談してみろよ。」
「「うん。」」
俺は刺激をしばらく続けてから、頃合いを見計らって終了した。
成り行き上マッサージをしてやってたが、やはりぺったんこにはまったくそそられない。少しでも膨らんで来ると、また少しは違うのだろうがな。もうお役御免でいいのではないか?
白湯から出て、俺たちは別れ、それぞれの部屋に行った。寂しがらない様に、キョウちゃんズはふたり部屋にしている。俺は久々に自室でベッドに寝転んだ。あー、嫁が恋しい。廻船では何もなかったし、西都最後の夜はキョウちゃんズと同室、その前の晩のご奉仕以来だから、今日で5日目だ。抜こう。
コンコン、コンコン。え?ノック?ドアを開けるとキョウちゃんズがいた。
「アタル兄、あのな、眠れへんねん。」「アタル兄、一緒に寝てもろてもええ?」
おいおい、ふたりとも涙目じゃないか。やっぱり故郷を遠く離れて寂しいのだな。かわいそうに。
「おう、今夜はいいぞ。その代わり、皆が帰って来たら、部屋で眠るんだぞ。」
「「うん。」」
ふたりを部屋に招き入れ、ベッドで左腕にサキョウ、右腕にウキョウを抱え、3人で川の字になると、安心したふたりはすぐにスヤスヤと寝息を立て始めた。寝顔が超かわいい。まるで天使だ。
確認のため、寝巻の上から頂をまさぐると、やはりふたりともつんつんしている。そろそろ成長が始まるかもしれんな。
それにしても、まぁなんだ、これじゃぁ、今日も抜けんのね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/4/3
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№45 本拠帰館
俺たち6人に、アキナを加えた7人で夕餉を摂ることにした。もちろん行き付けの東都前寿司である。
「大将、こんばんは。7人な。」
「らっしゃい。西都からお帰りかい?」
「おう。これ、西都の土産だ。」
「お、千枚漬じゃねぇか。これは東都じゃなかなか手に入らねぇんだ。わざわざすまねぇな。」
「大将にはいつもサービスしてもらってるからな。」
「今日は、別嬪さんが4人か。ひとりいないな。その代わりに、かわいい嬢ちゃんがふたりかい?」
「まぁ、大将ったら、お上手やわぁ。」「お世辞言うたかて、何も出ぇへんよ。」
「おや、西の人か?」
「西都で仲間になったんだ。」
「そうかい、西の人なら熟れ寿司か押し寿司だな。東都前の活きのいいのを食わせてやるよ。」
「おいしなぁ。」「ホンマやなぁ。」
ふたりはいい食べっぷりだ。ライからたくさん食わないと成長しないと言われてから、頑張って食うようにしている。
ライによると、ふたりの気力量が並外れているため、成長にまわるはずの養分までもが、気力の維持に使われているのだ。ゆえに、たくさん食べて、成長にまわる養分を確保しなければならない。
「嬢ちゃんたち、いい食いっぷりだ。気に入ったぜ。何が一番旨かった?」
「「全部!」」
「そう来たかい。こりゃ、参ったぜ。」大将は嬉しそうだ。
しばらくして、穴子の一本握りがドーンと2つ出て来た。
「嬢ちゃんたち、これは俺からのおごりだ。」
「「わぁ!」」
「ごちそうさま。」
「大将、おおきに。美味しかったえ。」
「ホンマや。アタル兄、またここ、連れて来てな。」
ふたりは、穴子の一本握りが大層気に入り、この後も必ず注文するようになった。じきに「いつもの」で一本握りが出て来るようになるのは後日譚。笑
サヤ姉、サジ姉、ホサキは、今夜から実家に行って、それぞれの御父上に、西都土産を渡しつつ、商都までの旅の内容、聖湖での蒼碧龍攻略、今後のセプトの活動予定について報告をし、キノベとの同盟と山髙屋との提携について、意見を聞いて来る。
この同盟と提携については、同盟勢力の拡大ということで、わが同盟の基本方針に合っているから問題はあるまいが、話を通しておくのが礼儀である。もっとも山髙屋との提携はすでに成ってしまったがな。
報告に明日1日を見て、明日の夕刻ないし、明後日の午前中にユノベ本拠に帰ることになった。
アキナは、山髙屋東都総本店に帰り、数日のうちに後任への引継ぎを済ませてから、セプトに合流することになった。セプトに合流後は、しばらくユノベで弓の技を基礎から学ぶ。
キョウちゃんズは、俺と一緒に今夜からユノベ本拠だ。叔父貴たちには今夜のうちに引き合わせ、明日はユノベ本拠の家来どもに紹介する。
「えー、また宴?」「長いんは、嫌やなぁ。」
「婚儀の練習だと思って我慢してくれよ。」
「「え?婚儀?」」真っ赤っか×2+モジモジ×2=ちょろい×2。笑
明後日、俺は古都の帝家宝物殿にある金剛鏑の件で、帝居を訪ねる。その帰りに、東都総本店に寄って、アキナにユノベ本拠の流邏石を渡す。それまでにアキナの引継ぎが終わってれば、そのままアキナをテンバへ連れて帰る。
サヤ姉、サジ姉、ホサキは東都前寿司を出たとこで別れ、それぞれが流邏石で実家に飛んで行った。俺はキョウちゃんズと一緒に、アキナを東都総本店に送ってから、3人揃って流邏石でテンバのユノベ本拠館に飛んだ。
「あ、若、お帰りなさい。」
「おう、お勤めご苦労。叔父貴どのたちへ帰館を伝えてくれ。すぐに表座敷へ行く。」
サキョウとウキョウは不安気にまとわりついて来る。子供だし、初めての場所だからしょうがないな。俺はふたりの手を取って表座敷へ連れて行った。
表座敷で待っていると、叔父貴たちがやって来た。
「叔父貴どのたち、ただいま戻った。留守居、大儀。」
「アタル、戻ったか。無事で何よりじゃ。」
「ところで、蒼碧龍の首尾は?」
「上々だ。」俺は叔父貴たちに青く光るウズ鏑を見せた。
「「「おー、美しい。」」」相変わらず叔父貴たちはよくハモる。笑
「して、そのお子たちは?」
「サキョウとウキョウ。西都で仲間になった陰士だ。サキョウはデバフ、ウキョウはバフを使う。効果はふたりともおよそ5割。」
「「「なんと!」」」またハモった。笑
「ふたりは、オミョシ分家の姫だ。」
「「「なんと!」」」またまたハモった。笑
俺は叔父貴たちに、
キョウちゃんズが単一能力のために、オミョシの習わしで、分家から勘当されていること。
気力量が多過ぎて、放出口を使い切ってること。
ふたりに陽の術の素質があること。
その陽の術の素質を開花させるには、適性の合う七神龍を眷属にした俺が、ふたりを抉じ開けねばならないこと。
抉じ開けたら、男として責任を取るつもりであること。
を語った。
例によって、サキョウにウズ鏑を持たせ、サキョウを青く発光させ、水の適性があることを示した。叔父貴たちは大層驚いていた。
それから、山髙屋との提携の話と、まとめて来た条件について話した。
一人娘のアキナと俺が婚約。
ユノベによる販路の護衛、これはユノベの家来どもの実践訓練とし、食費と宿泊費のみ受け取り、護衛の手当は不要。
その代わり、平時は物資の調達と幾ばくかの割引、有事の際は軍資金の提供。
販路の安全が確保できれば、流通が盛んになり、消費と生産が活性化し、民は潤い豊かになる。
すると税収が上がる。
つまり将来的には、テンバを領地に持つユノベに返って来る。
と、ここまで話すと叔父貴たちの眼の色が変わった。
「アタル、でかした。文句の付けようがない条件だ。」
「アタルは目端が効くのう。さすが次期統領じゃ。」
「山髙屋の一人娘を口説き落とすとはのぅ。しかも、あの山髙屋の社長にそれを認めさせて来るとは、いやはや大したものだ。」
「アキナが来たら、叔父貴どのたちのうち、どなたかおひとりが山髙屋に出向いて、提携の正式な申し入れをしてきて欲しい。」
引き続き、今後のセプトの活動について、その展望を話し、帝居に古都宝物殿から金剛鏑を譲り受ける勅許を貰いに行くことを語ると、叔父貴たちはまた驚いていた。
「勅許など簡単には出まいぞ。」
「五摂家の公家から紹介状を貰っているから何とかなると思う。」
「「「五摂家とな?」」」ほんとによくハモる。笑
「ああ、西都ギルドのギルマスが五摂家筆頭、コノエの三男坊だった。」
「アタルは、人脈の運が強いの。」
「うむ。次期統領として頼もしいの。」
その後、キノベへ馬の技を習得がてら、タヅナをもらい受けに行き、キノベを同盟に加える構想を語った。もはや叔父貴たちは、驚かなくなって来た。驚きを通り越して、すっかり呆れているのだ。
「キノベの姫も口説き落としたのか?」
「いやはや、あの堅物だった兄貴のお子が、女誑しとは。」
「叔父貴どのたち、誤解だ。すべてはユノベのため、ひいては和の国の平和のためだぞ。」
「大丈夫か?5人もの嫁を、しっかり御しきれるのか?」
「嫁筆頭に、サヤ姉とサジ姉のふたりがいるから大丈夫だ。」
「サヤにサジと言えば、姉貴たちからアタルの流邏石を預かっておる。」
「結局、流邏石は使わず、東都まで歩いたそうだ。」
「相当懲りたようでの、内々にトノベどのとヤクシどのから、礼を言われたわ。」
俺は、トコザとトマツの流邏石を受け取った。
サキョウとウキョウは、おそらく飽きているが、我慢している。
「まぁ、報告はこんなとこだ。」
「そうか、アタルもオミョシの姫たちも疲れておろう。温泉にでも浸かってゆっくり休め。」
「「温泉?」」キョウちゃんズが反応した。ふたりは大の温泉好きだ。
「ユノベ副拠にもあるが、ここ本拠にも副拠に負けないくらいあるぞ。姫たちは温泉は好きか?」
「「大好きや。」」
「なぁ、アタル兄、すぐに温泉行こ。」
「せや、話は終わったんやろ?早よ、行こ。」
「分かった分かった。
ところで叔父貴どのたち、サキョウとウキョウは、姫ではなく、そのまま名前で呼んでくれ。」
俺たちは表座敷を出て湯殿に向かった。俺はもちろん白湯だ。キョウちゃんズも白湯について来る。
内湯で湯を浴びて、すぐに露天に浸かった。この硫黄臭が何とも心地よい。
「湯の華がいっぱいやねぇ。」「匂いもぷんぷんやねぇ。」
ふたりもすっかり寛いでいる。サキョウもウキョウもホントに温泉が好きなんだな。
しばらくすると、ふたりが寄って来て、伸ばした左脚にサキョウ、右脚にウキョウが座り、背中からもたれ掛かって来た。
「廻船ではできひんかった日課をやってぇな。」「今日の分も入れて4日分やで。」
そういうことか。成長のための刺激ね。俺はふたりの頂に触れた。ん?すでにつんつんしてるではないか。
「あれ、もう反応してるじゃん。」
「そうなんよ。廻船に乗ってからずっとなんよ。」
「うちもや。服と擦れてまうねん。」
「これだけ反応してるなら、もう刺激しなくていいんじゃね?」
「そやろか。でも続けてぇな。」
「そう言えば、今日はくすぐったがらないな。」
「そやね、あまりくすぐったないわ。」
「それより、なんやええ気持ちやねん。」
「ふーん。マッサージして来た効果が出て来たのかな?
それより擦れるんならブラした方がいいんじゃないか?サヤ姉たちが帰って来たら、相談してみろよ。」
「「うん。」」
俺は刺激をしばらく続けてから、頃合いを見計らって終了した。
成り行き上マッサージをしてやってたが、やはりぺったんこにはまったくそそられない。少しでも膨らんで来ると、また少しは違うのだろうがな。もうお役御免でいいのではないか?
白湯から出て、俺たちは別れ、それぞれの部屋に行った。寂しがらない様に、キョウちゃんズはふたり部屋にしている。俺は久々に自室でベッドに寝転んだ。あー、嫁が恋しい。廻船では何もなかったし、西都最後の夜はキョウちゃんズと同室、その前の晩のご奉仕以来だから、今日で5日目だ。抜こう。
コンコン、コンコン。え?ノック?ドアを開けるとキョウちゃんズがいた。
「アタル兄、あのな、眠れへんねん。」「アタル兄、一緒に寝てもろてもええ?」
おいおい、ふたりとも涙目じゃないか。やっぱり故郷を遠く離れて寂しいのだな。かわいそうに。
「おう、今夜はいいぞ。その代わり、皆が帰って来たら、部屋で眠るんだぞ。」
「「うん。」」
ふたりを部屋に招き入れ、ベッドで左腕にサキョウ、右腕にウキョウを抱え、3人で川の字になると、安心したふたりはすぐにスヤスヤと寝息を立て始めた。寝顔が超かわいい。まるで天使だ。
確認のため、寝巻の上から頂をまさぐると、やはりふたりともつんつんしている。そろそろ成長が始まるかもしれんな。
それにしても、まぁなんだ、これじゃぁ、今日も抜けんのね。
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設定を更新しました。R4/4/3
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
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