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精霊の加護107 臣従か同盟かの攻防
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精霊の加護
Zu-Y
№107 臣従か同盟かの攻防
俺たち同盟締結使節団一行は外交馬車2台で、高級宿屋を出て帝宮へと向かった。
大手門は厳重に警備されている。警備兵たちは敵意むき出しで俺たち一行を睨んで来る。俺が西の塔を倒壊させたことを知っているのだろう。
まあ予告したしな。
門の警備隊の前で外交馬車を停めると、同行の役人たちが取次ぎを依頼した。
ひとりが取次に行ったものの、相変わらず警備兵たちは俺たちを睨んでいたので、少し遊んでやることにした。笑
「おい、そこの警備兵。ちょっと来い。」俺を睨み付けていた警備兵たちのひとりを呼び寄せた。
「何か用か?」
「同盟締結の使者にその目付きはなんだ?お前らは戦を望んでいるのか?」
「同盟だと?昨日、お前は西の塔を破壊したではないか!」
「そりゃあ、今日の交渉を有利に進めるためだ。だからケガ人が出ないように予め教えてやっただろ?」
「なんだと?」
「今日話が纏まらなければ、今夜はあの東の蔵を潰す。貴重品があったら運び出しとけよ。」
「いい加減にしろ!」
「その台詞はお前らの皇帝に言えよ。早く王国に恭順しろとな。」
「おのれ!」剣の柄に手を掛けた警備兵だが、抜く前に地面から生えて来た蔓で拘束されて転がった。
「ツリ、よくやった。」『えへへー。』
ばっと寄って来た他の警備兵たちも、すべて蔓でぐるぐる巻きにしてやった。
で、俺たちは帝宮の大会議室にいる。
俺たちは、わが妻たちと精霊たちに役人たちが交渉の席にいる。ゲオルク学校の連中は、控室で待機中だ。
帝国側は、皇帝、帝太子、第二帝子、エカチェリーナ姫、そして宰相の5名が、交渉の席に着いている。その他は侍従らしい奴らとか衛兵らしき奴らがそこそこいて、皆、直立不動で壁際に立っている。
まず、宰相が帝国側の5人を紹介したので、それを受けて俺が応じた。
「俺は王国の同盟締結使節団正使、ゲオルク・スピリタス伯爵だ。
早速だがこちらの要求を告げる。俺の帝国内自由行動権。反王国分子の幹部の引き渡し。エカチェリーナ姫の王国留学。虎林の里の解放および、ホワイトタイガー獣人隊の即時解散と隊員の兵役終了。」
すぐさま帝国の宰相が反応した。
「待たれよ。正使どの。当初の要求に虎林の里とホワイトタイガー獣人隊のことはなかったはず。」
「ああ、昨日俺が加えた。俺には交渉に関して自由裁量権があるのでな。」
「虎林の里のこともホワイトタイガー獣人隊のことも帝国の内政ゆえ、干渉しないで頂きたい。」
「ホワイトタイガー獣人隊は、わが王国に対しての備えであろう?ならば、同盟する以上、不要ではないか。それに虎林の里はわが妻の郷里。帝国の配下に置かれるは不愉快だ。」
「わが妻だと?
ん?お前はエカチェリーナの従者のトーラではないか!」
第二帝子が俺の後ろに控えるトーラに気付いて、問い質して来た。
「ああ、昨日、エカチェリーナ姫より貰い受け、昨夜、わが妻とした。」
この台詞の意味を悟ったのだろう。エカチェリーナがとても切なそうな顔をして俯いた。
もちろんトーラとは合意の上だが、エカチェリーナは、俺が無理やり犯ったと思ったに違いない。
「なんだと?」
「第二帝子、お前が余計な小細工をするからだ。妹とその従者を犠牲にして、王国と帝国を戦に引きずり込もうとは、信じられん暴挙だな。」
「どういうことだ?」帝太子が尋ねて来たので、俺は事情を説明した。
「昨日、第二帝子が放った未熟な暗殺者がふたり、俺たちを襲いに来たのだ。もちろんそのふたりは捕らえた。殺してもよかったのだがな、同盟交渉を行う前に決裂させてもいかんので、暴挙を水に流すための代価を要求したのだ。
こちらの要求通り、トーラを譲り受け、エカチェリーナ姫は王国への留学を承知した。」
この情報に、帝太子と宰相は驚いていた。一方で、皇帝は無表情。知らなかった情報なら皇帝のポーカーフェイスは流石としか言いようがないが、エカチェリーナから内々に報告が行っていたと言うのが妥当だろうな。
なお、第二帝子は苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。
宰相が皇帝とコソコソと会話している。そして宰相が答えた。
「分かりました。姫の王国留学と、虎林の里の解放は受け入れます。ホワイトタイガー獣人隊も解散しましょう。その代わり、帝国内自由行動権はご容赦を。そして、反王国派の処罰はこちらに任せて頂きたい。」
「その要求は呑めない。それから、王国へ連行する反王国派には、第二帝子も入れて頂く。」第二帝子の顔が蒼褪めた。
「それでは交渉になりませんぞ。」宰相がムッとした。
「交渉?そちらがこちらの条件を呑む決心をするだけだと思うが?」
「話にならんな。」皇帝が呟いた。
「そうか。皇帝がそう言うなら、今日の会合はここまでにしよう。まあ、ゆっくり話し合ってくれ。続きは明日。それから今宵は、東の蔵の倒壊にご注意召さるるようにな。」
「待たれよ。」宰相が気色ばんだ。
「何かな?気が変わったのかな?」
「昨夜の西の塔の倒壊は、そなたらの仕業か?」
「われらは宿屋を一歩も出ておらんが?それに昨夜の俺は、トーラを思う存分堪能していたのだがな。」帝国側の連中がギョッとした。俺のこの切り返しを想定していなかったのだろう。笑
「お頭様、言わないで。恥ずかしい。」トーラが俯いた。エカチェリーナが、再び切なそうな顔をしてトーラから眼を逸らした。
「トーラ、今宵もたっぷりかわいがってやるぞ。東の蔵の倒壊まで、俺のせいにされたら堪らんからな。」
「トーラ。」エカチェリーナは目尻に涙を浮かべている、その後、俺をキッと睨んで来た。
「姫、ありがとう。トーラは、大丈夫。」トーラのこのひと言に、エカチェリーナは、ぽろぽろと涙を零した。
なんか、俺、エカチェリーナから物凄く悪者認定されている気がするんですけど…。
「それではまた明日。」俺たちが席を立つと、
「待たれよ。」また宰相が止めて来たのだが、
「お前、宰相の分際で皇帝の意向を無視するんじゃねぇよ。分を弁えろ。」
皇帝と宰相が、ぐぐっと歯を噛み締め、帝太子は、なぜか感心した表情をしている。第二帝子はまだ蒼褪めており、エカチェリーナは涙をぬぐっていた。
俺たち同盟締結使節団は、帝宮を後にして高級宿屋に戻った。
同盟と言う名目の臣従交渉が纏まらなかったため、早々に交渉を打ち切って宿屋に戻ったから、まだ昼前である。
お微行で帝都観光でもしてみたいが、同盟締結までは敵対関係ゆえ、そうも行くまいな。
さて、4つの条件のうち、エカチェリーナの王国留学と、トーラの故郷の虎林の里の自治権回復は取り付けた。トーラに関する条件は俺が加えたものだから、王太子殿下からの3条件については、ひとつしか達成できていない。
残る条件は、俺の帝国内自由行動権と、反王国派幹部の引き渡しである。
今宵、東の蔵を倒壊させたら、言うことを聞くだろうか?それとも明日は帝宮内で暴れてやろうか?
今日、反王国派幹部の引き渡しについて、第二帝子も加えるようにと、ハードルを上げてやった。第二帝子はエカチェリーナとトーラを捨て駒にして仕掛けて来た訳だから、許す訳にはいかない。
ハードルを上げたことで容易に合意できなくなった訳だから、ひと晩にひとつずつ倒壊させる建物の数が増えることになる。そうすると皇帝の威信は落ちるし、帝都の民へのプレッシャーも大きくなる。
一方で、とっとと同盟を締結して、帝国内にいると言う闇の精霊を探しに行きたいと言うのも本音だ。帝国内自由行動権だけでも得られれば、反王国幹部の引き渡しは帝国内の行動を終えてからでもいい。教国のときもそうだったしな。
あれこれ考えている間に、昼餉の準備が整った。
昼餉には、ゲオルク学校も呼んだ。役人たちは呼ばなかったがな。
「帝都はどうだ?」
「んー、護衛で帝宮に行く以外は外出できないんで何とも言えないっすね。」ま、そうだわな。
「なんか、こう、ちょっとは外出したいかなって思いますね。
なあ、皆。」
ホルヘの問い掛けに、残りの4人が頷く。
「同盟が締結出来たら外出制限もなくなると思うぞ。」
「そう言えば、なんですぐに同盟締結にならなかったんすか?」
「条件が合わないんだ。互いの要求が対立しててさ、摺り寄せ中なんだよ。」
「師匠、一発、ぶち込んじゃえば?」
「おいおい、話し合いに来てるのに、そんな乱暴なこと言うなよ。」
それを聞いたわが妻たちが、ぷっと吹き出した。苦笑
「そう言えば、トーラさんって、帝国の姫さんの従者さんですよね?ここんとこ、ずっと師匠んとこに詰めてますけど、つなぎ役で来てるんすか?」
アルフォンソの問い掛けに、トーラがこっちを見る。
「いや、俺の従者として貰い受けて、わが妻に加えた。」
「「「「「はあ?」」」」」
「いやいや、師匠、それはちょっとヤバいんじゃないですか?」ホルヘが突っ込んで来た。こいつ、真面目だしな。
「なんで?」俺はホルヘに聞き返す。
「いや、なんでって…、流石に昨日の今日でそれは…。」
「トーラがさ、従者だからって、いちいち遠慮してたんだよ。食事も一緒に摂ろうとしなかったんだぜ。でな、だったら妻に加えりゃ、遠慮しなくなるんじゃないかって思ってな。」
「「「そんな理由?」」」マチルダとレベッカとルイーザがハモった。
「それだけじゃないよ。ロリ巨乳のトーラは俺の好みにどストライクだったし。」
トーラが赤くなった。笑
「しっかし、師匠も龍人のドーラさんに、獣人のトーラさんって、守備範囲が広いっすね。」
「何言ってるんだ?人と変わらんぞ。ドーラは角があるだけだし、トーラは耳と尻尾はもふもふでな、手触りが堪らんのだ!」
「まじっすか?」
「そのうちエルフとかドワーフとかにもちょっかい出しそう。」
ジト目のゲオルク学校とは対照的に、笑いを堪えるわが妻たちなのであった。
昼餉の後、ゲオルク学校が部屋から出て行ってしばらく経ってから、ノックの音がした。
「スピリタス卿、よろしいですか?」
役人たちがぞろぞろとやって来たので、俺はスイートルームのひと部屋に、役人たちを招き入れた。
「で、何かな?」
「今日の交渉ですが、あれでは纏まるものも、纏まらないかと。」
「ほう。どう言うことかな?」
「反王国派幹部の引渡しですが、第二帝子を名指ししたためハードルが高くなってしまいました。」
「そうだな。あっさり承諾されても困るからな。」
「どういうことです?」
「帝宮を半分くらいは倒壊させたいのさ。皇帝の威信を落とし、帝都の民にプレッシャーを与えるためにな。」
「なるほど。」「妙手。」「そう言うことか。」役人たちが口々に感想を漏らす。
「第二帝子を条件に付けてハードルを上げたから、帝国が一番譲れない条件は反王国派幹部の引渡しになっただろ?そうするとさ、次に譲歩して来るのは帝国内自由行動権だよな。俺としてはとっとと同盟を締結して、帝国内を回りたいんだよ。」
「では、帝国内自由行動権を承諾したら、反王国派幹部の引渡しは譲歩して、同盟を締結されるんですか?」
「いや、俺が帝国内の行動を終えるまでに、第二帝子以下、反王国派幹部を捕えておくと言う付帯条件を付けるのさ。」
「なるほど。」
「この条件を呑むまでに数日掛かろうな。その間に帝宮の建物もいくつか潰せるだろ。」
「分かりました。そこまでお考えとは、感服致しました。」
役人たちは納得してスイートルームから出て行った。
午後は、わが妻たちとむふふタイムだ。
昨日、トーラとの初夜と言うことで遠慮してくれたわが妻たちを、取っ替え引っ替え、お礼と称して大サービスをしたのだった。当然、魔力上限まで到達していないリーゼ、ジュヌ、カルメンの上限を100ずつ上げた。
最後に発情期のトーラとは最後まで行った。
ホワイトタイガーで獣人のトーラと、エンシェントドラゴンで龍人のドーラは、俺の子種を望んでいるから、生でいい。妊娠したら里に帰って子を産むのだそうだ。
ちなみに龍人は遺伝子が強いため、人と交わっても生まれるのはドラゴンだそうだ。獣人は人とのハーフが産まれるらしい。
どちらも人とは種族が違うので、人との間に子供はできにくい。
わが妻たちとの情事は夕刻まで続いた。だって7人だもんな。笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/8/28
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№107 臣従か同盟かの攻防
俺たち同盟締結使節団一行は外交馬車2台で、高級宿屋を出て帝宮へと向かった。
大手門は厳重に警備されている。警備兵たちは敵意むき出しで俺たち一行を睨んで来る。俺が西の塔を倒壊させたことを知っているのだろう。
まあ予告したしな。
門の警備隊の前で外交馬車を停めると、同行の役人たちが取次ぎを依頼した。
ひとりが取次に行ったものの、相変わらず警備兵たちは俺たちを睨んでいたので、少し遊んでやることにした。笑
「おい、そこの警備兵。ちょっと来い。」俺を睨み付けていた警備兵たちのひとりを呼び寄せた。
「何か用か?」
「同盟締結の使者にその目付きはなんだ?お前らは戦を望んでいるのか?」
「同盟だと?昨日、お前は西の塔を破壊したではないか!」
「そりゃあ、今日の交渉を有利に進めるためだ。だからケガ人が出ないように予め教えてやっただろ?」
「なんだと?」
「今日話が纏まらなければ、今夜はあの東の蔵を潰す。貴重品があったら運び出しとけよ。」
「いい加減にしろ!」
「その台詞はお前らの皇帝に言えよ。早く王国に恭順しろとな。」
「おのれ!」剣の柄に手を掛けた警備兵だが、抜く前に地面から生えて来た蔓で拘束されて転がった。
「ツリ、よくやった。」『えへへー。』
ばっと寄って来た他の警備兵たちも、すべて蔓でぐるぐる巻きにしてやった。
で、俺たちは帝宮の大会議室にいる。
俺たちは、わが妻たちと精霊たちに役人たちが交渉の席にいる。ゲオルク学校の連中は、控室で待機中だ。
帝国側は、皇帝、帝太子、第二帝子、エカチェリーナ姫、そして宰相の5名が、交渉の席に着いている。その他は侍従らしい奴らとか衛兵らしき奴らがそこそこいて、皆、直立不動で壁際に立っている。
まず、宰相が帝国側の5人を紹介したので、それを受けて俺が応じた。
「俺は王国の同盟締結使節団正使、ゲオルク・スピリタス伯爵だ。
早速だがこちらの要求を告げる。俺の帝国内自由行動権。反王国分子の幹部の引き渡し。エカチェリーナ姫の王国留学。虎林の里の解放および、ホワイトタイガー獣人隊の即時解散と隊員の兵役終了。」
すぐさま帝国の宰相が反応した。
「待たれよ。正使どの。当初の要求に虎林の里とホワイトタイガー獣人隊のことはなかったはず。」
「ああ、昨日俺が加えた。俺には交渉に関して自由裁量権があるのでな。」
「虎林の里のこともホワイトタイガー獣人隊のことも帝国の内政ゆえ、干渉しないで頂きたい。」
「ホワイトタイガー獣人隊は、わが王国に対しての備えであろう?ならば、同盟する以上、不要ではないか。それに虎林の里はわが妻の郷里。帝国の配下に置かれるは不愉快だ。」
「わが妻だと?
ん?お前はエカチェリーナの従者のトーラではないか!」
第二帝子が俺の後ろに控えるトーラに気付いて、問い質して来た。
「ああ、昨日、エカチェリーナ姫より貰い受け、昨夜、わが妻とした。」
この台詞の意味を悟ったのだろう。エカチェリーナがとても切なそうな顔をして俯いた。
もちろんトーラとは合意の上だが、エカチェリーナは、俺が無理やり犯ったと思ったに違いない。
「なんだと?」
「第二帝子、お前が余計な小細工をするからだ。妹とその従者を犠牲にして、王国と帝国を戦に引きずり込もうとは、信じられん暴挙だな。」
「どういうことだ?」帝太子が尋ねて来たので、俺は事情を説明した。
「昨日、第二帝子が放った未熟な暗殺者がふたり、俺たちを襲いに来たのだ。もちろんそのふたりは捕らえた。殺してもよかったのだがな、同盟交渉を行う前に決裂させてもいかんので、暴挙を水に流すための代価を要求したのだ。
こちらの要求通り、トーラを譲り受け、エカチェリーナ姫は王国への留学を承知した。」
この情報に、帝太子と宰相は驚いていた。一方で、皇帝は無表情。知らなかった情報なら皇帝のポーカーフェイスは流石としか言いようがないが、エカチェリーナから内々に報告が行っていたと言うのが妥当だろうな。
なお、第二帝子は苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。
宰相が皇帝とコソコソと会話している。そして宰相が答えた。
「分かりました。姫の王国留学と、虎林の里の解放は受け入れます。ホワイトタイガー獣人隊も解散しましょう。その代わり、帝国内自由行動権はご容赦を。そして、反王国派の処罰はこちらに任せて頂きたい。」
「その要求は呑めない。それから、王国へ連行する反王国派には、第二帝子も入れて頂く。」第二帝子の顔が蒼褪めた。
「それでは交渉になりませんぞ。」宰相がムッとした。
「交渉?そちらがこちらの条件を呑む決心をするだけだと思うが?」
「話にならんな。」皇帝が呟いた。
「そうか。皇帝がそう言うなら、今日の会合はここまでにしよう。まあ、ゆっくり話し合ってくれ。続きは明日。それから今宵は、東の蔵の倒壊にご注意召さるるようにな。」
「待たれよ。」宰相が気色ばんだ。
「何かな?気が変わったのかな?」
「昨夜の西の塔の倒壊は、そなたらの仕業か?」
「われらは宿屋を一歩も出ておらんが?それに昨夜の俺は、トーラを思う存分堪能していたのだがな。」帝国側の連中がギョッとした。俺のこの切り返しを想定していなかったのだろう。笑
「お頭様、言わないで。恥ずかしい。」トーラが俯いた。エカチェリーナが、再び切なそうな顔をしてトーラから眼を逸らした。
「トーラ、今宵もたっぷりかわいがってやるぞ。東の蔵の倒壊まで、俺のせいにされたら堪らんからな。」
「トーラ。」エカチェリーナは目尻に涙を浮かべている、その後、俺をキッと睨んで来た。
「姫、ありがとう。トーラは、大丈夫。」トーラのこのひと言に、エカチェリーナは、ぽろぽろと涙を零した。
なんか、俺、エカチェリーナから物凄く悪者認定されている気がするんですけど…。
「それではまた明日。」俺たちが席を立つと、
「待たれよ。」また宰相が止めて来たのだが、
「お前、宰相の分際で皇帝の意向を無視するんじゃねぇよ。分を弁えろ。」
皇帝と宰相が、ぐぐっと歯を噛み締め、帝太子は、なぜか感心した表情をしている。第二帝子はまだ蒼褪めており、エカチェリーナは涙をぬぐっていた。
俺たち同盟締結使節団は、帝宮を後にして高級宿屋に戻った。
同盟と言う名目の臣従交渉が纏まらなかったため、早々に交渉を打ち切って宿屋に戻ったから、まだ昼前である。
お微行で帝都観光でもしてみたいが、同盟締結までは敵対関係ゆえ、そうも行くまいな。
さて、4つの条件のうち、エカチェリーナの王国留学と、トーラの故郷の虎林の里の自治権回復は取り付けた。トーラに関する条件は俺が加えたものだから、王太子殿下からの3条件については、ひとつしか達成できていない。
残る条件は、俺の帝国内自由行動権と、反王国派幹部の引き渡しである。
今宵、東の蔵を倒壊させたら、言うことを聞くだろうか?それとも明日は帝宮内で暴れてやろうか?
今日、反王国派幹部の引き渡しについて、第二帝子も加えるようにと、ハードルを上げてやった。第二帝子はエカチェリーナとトーラを捨て駒にして仕掛けて来た訳だから、許す訳にはいかない。
ハードルを上げたことで容易に合意できなくなった訳だから、ひと晩にひとつずつ倒壊させる建物の数が増えることになる。そうすると皇帝の威信は落ちるし、帝都の民へのプレッシャーも大きくなる。
一方で、とっとと同盟を締結して、帝国内にいると言う闇の精霊を探しに行きたいと言うのも本音だ。帝国内自由行動権だけでも得られれば、反王国幹部の引き渡しは帝国内の行動を終えてからでもいい。教国のときもそうだったしな。
あれこれ考えている間に、昼餉の準備が整った。
昼餉には、ゲオルク学校も呼んだ。役人たちは呼ばなかったがな。
「帝都はどうだ?」
「んー、護衛で帝宮に行く以外は外出できないんで何とも言えないっすね。」ま、そうだわな。
「なんか、こう、ちょっとは外出したいかなって思いますね。
なあ、皆。」
ホルヘの問い掛けに、残りの4人が頷く。
「同盟が締結出来たら外出制限もなくなると思うぞ。」
「そう言えば、なんですぐに同盟締結にならなかったんすか?」
「条件が合わないんだ。互いの要求が対立しててさ、摺り寄せ中なんだよ。」
「師匠、一発、ぶち込んじゃえば?」
「おいおい、話し合いに来てるのに、そんな乱暴なこと言うなよ。」
それを聞いたわが妻たちが、ぷっと吹き出した。苦笑
「そう言えば、トーラさんって、帝国の姫さんの従者さんですよね?ここんとこ、ずっと師匠んとこに詰めてますけど、つなぎ役で来てるんすか?」
アルフォンソの問い掛けに、トーラがこっちを見る。
「いや、俺の従者として貰い受けて、わが妻に加えた。」
「「「「「はあ?」」」」」
「いやいや、師匠、それはちょっとヤバいんじゃないですか?」ホルヘが突っ込んで来た。こいつ、真面目だしな。
「なんで?」俺はホルヘに聞き返す。
「いや、なんでって…、流石に昨日の今日でそれは…。」
「トーラがさ、従者だからって、いちいち遠慮してたんだよ。食事も一緒に摂ろうとしなかったんだぜ。でな、だったら妻に加えりゃ、遠慮しなくなるんじゃないかって思ってな。」
「「「そんな理由?」」」マチルダとレベッカとルイーザがハモった。
「それだけじゃないよ。ロリ巨乳のトーラは俺の好みにどストライクだったし。」
トーラが赤くなった。笑
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「まじっすか?」
「そのうちエルフとかドワーフとかにもちょっかい出しそう。」
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役人たちがぞろぞろとやって来たので、俺はスイートルームのひと部屋に、役人たちを招き入れた。
「で、何かな?」
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「ほう。どう言うことかな?」
「反王国派幹部の引渡しですが、第二帝子を名指ししたためハードルが高くなってしまいました。」
「そうだな。あっさり承諾されても困るからな。」
「どういうことです?」
「帝宮を半分くらいは倒壊させたいのさ。皇帝の威信を落とし、帝都の民にプレッシャーを与えるためにな。」
「なるほど。」「妙手。」「そう言うことか。」役人たちが口々に感想を漏らす。
「第二帝子を条件に付けてハードルを上げたから、帝国が一番譲れない条件は反王国派幹部の引渡しになっただろ?そうするとさ、次に譲歩して来るのは帝国内自由行動権だよな。俺としてはとっとと同盟を締結して、帝国内を回りたいんだよ。」
「では、帝国内自由行動権を承諾したら、反王国派幹部の引渡しは譲歩して、同盟を締結されるんですか?」
「いや、俺が帝国内の行動を終えるまでに、第二帝子以下、反王国派幹部を捕えておくと言う付帯条件を付けるのさ。」
「なるほど。」
「この条件を呑むまでに数日掛かろうな。その間に帝宮の建物もいくつか潰せるだろ。」
「分かりました。そこまでお考えとは、感服致しました。」
役人たちは納得してスイートルームから出て行った。
午後は、わが妻たちとむふふタイムだ。
昨日、トーラとの初夜と言うことで遠慮してくれたわが妻たちを、取っ替え引っ替え、お礼と称して大サービスをしたのだった。当然、魔力上限まで到達していないリーゼ、ジュヌ、カルメンの上限を100ずつ上げた。
最後に発情期のトーラとは最後まで行った。
ホワイトタイガーで獣人のトーラと、エンシェントドラゴンで龍人のドーラは、俺の子種を望んでいるから、生でいい。妊娠したら里に帰って子を産むのだそうだ。
ちなみに龍人は遺伝子が強いため、人と交わっても生まれるのはドラゴンだそうだ。獣人は人とのハーフが産まれるらしい。
どちらも人とは種族が違うので、人との間に子供はできにくい。
わが妻たちとの情事は夕刻まで続いた。だって7人だもんな。笑
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設定を更新しました。R4/8/28
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
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これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
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