131 / 183
精霊の加護128 ドーラとトーラへ
しおりを挟む
精霊の加護
Zu-Y
№128 ドーラとトーラへ
この日、4人の公爵様方は、それぞれの領地にご帰還なさると言うことで、王都は朝から多くの見物人が出ていた。
公爵様が王都とご領地を往復されるときは、それぞれの騎士団や近衛隊を300名程、引き連れて行かれるので、通称、公爵行列と呼ばれ、多くの見物人が出るのだ。
まず東部公爵様の御一行が、王宮の南にある大手門から出て東に転じ、王都東門から東部へと旅立って行った。
続いて西部公爵様の御一行が、王宮の大手門から出て西に転じ、王都西門から西部へと旅立って行った。
さらに南部公爵様の御一行が、王宮の大手門から出てそのまま進み、王都南門から南部へと旅立って行った。
最後に北部公爵様の御一行が、王宮の大手門から出て時計回りに、王宮外縁を半周し、王都北門から北部へと旅立つ。俺たちスピリタスは、新調したアクアビット号で、この一行に護衛として加わっている。
アクアビット号の配置は、北部公爵様の乗る馬車のすぐ後ろで、この位置はすぐ前に次いで重要な位置である。もちろん最重要な護衛ポジションは、近衛隊の馬車だ。近衛隊は、北部公爵様の馬車の左右も固めている。
ベスがスノウに、ビーチェがナイトに、それぞれ騎乗して、アクアビット号の左右にいる。アクアビット号の御者をしているリーゼとは会話ができる位置だ。
御者席のすぐ後ろの座席にはジュヌとカルメン、その後ろの座席にはドーラとトーラが座っている。
俺はと言うと、馬車の屋上の見張台にいて、9人の精霊たちは、俺のまわりをふわふわと浮遊しながらついて来ている。
精霊たちがいるせいか、北部公爵様の行列への民からの歓声が、一番大きかった気がする。
王都の民に見送られながら王都を出発し、道中は至って順調。
そりゃそうだ。北部公爵様のこの軍勢に手を出す馬鹿な盗賊などいるはずもなく、魔獣ですら軍勢の威容を警戒して、いや、怯えて、近付いて来られまい。
途中で宿泊した宿場町での俺たちは、北部公爵様御用達の宿屋、いわゆる本陣に、一緒に泊めてもらうなど、至れり尽くせりだった。
もちろん、北部公爵様には、宿屋での夕餉の席では、帝国紀行や教国紀行の詳細を聞かれ、俺もついつい話してしまった。横にベスがいてくれたのも、大いに助かった。
と言うのも、ベスは、北府騎士団の副団長を務めていたのと、御父上のバース伯爵様が、今は引退しているものの、永年、北部公爵様の懐刀だった経緯から、北部公爵様とは懇意だったからである。
一方、ベス、ドーラ、トーラを除くわが妻たちは、最初はガチガチに緊張していたが、夕餉を重ねるうちに、北部公爵様に打ち解けて行った。まあ、慣れて来たと言うべきか。笑
いよいよ明日は北府入りと言う夕餉の席で、北部公爵様に尋ねられた。
「そう言えばゲオルク、北府には何の用なのだ?」
「はい。実はドーラとトーラに、結婚指輪を贈ろうと思いまして。」
「「え?」」ドーラとトーラが驚いている。そう言や、まだ言ってなかったな。
「なるほどな。当てはあるのか?」
「はい。チルを仲間にしにブレナまで行くときに、宝石商の護衛をしたんですが、その宝石商がカデフィの宝石工房を紹介してくれまして、わが妻たちへの結婚指輪は、そこで買ったんですよ。
ですからその宝石商に、その宝石工房から同じのを仕入れて来てくれと、注文の手紙を出しておいたんです。
これと同じのですね。」俺は自分の指輪を見せた。
北部公爵様はまじまじと見つめ、
「ほう、ダイヤの指輪か。付与もあるようだな?」
「流石ですね。俺のは、集中の能力上昇補正の付与が付いてます。
ちなみに、リーゼが攻魔、ジュヌが回復、カルメンが支援、ベスが防御、ビーチェが疾風の付与なので、ドーラには攻撃、トーラには剛力の付与を付けます。」
「ゲオルク、結婚指輪も冒険用とはな。」北部公爵様は若干呆れておられるが、機能的な方がいいに決まっている。それにわが妻たちの能力を上げれば、それだけ身の安全に繋がるのだ。
翌日、北府入りして、北府滞在中は、北部公爵様のお屋敷で御厄介になることになった。
北府到着の夜は当然、晩餐会である。晩餐会には、バース伯爵様のご嫡男で、バース家の北府屋敷に詰めておられる義兄上のアンドリュー様と、その奥方のジェニファー様も招待されていた。ベスへの配慮だろう。
「ご領主様ご一家の、お成~り~。」北部公爵様、そしておそらく奥方様、あとはご嫡男様だろう。俺たちと、義兄上御夫妻はさっと立って黙礼した。精霊たちはふわふわ浮いてるけれども。汗
「皆の者、座るがいい。
ゲオルク、わが奥と嫡男だ。見知りおいてくれ。」奥方様は40代かな?美人だな。
あれ?このご嫡男様はなんか見覚えがあるぞ。どこかで会ってないか?
「奥方様、ご嫡男様、ゲオルク・スピリタスです。北部公爵様には、いつもお引き立て頂いております。」
「御屋形様から伺ってますわ。そうそう、この度は侯爵へのご昇進、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「意外だわ。ベスを乗りこなしたと言うからどんな猛者かと思っていましたのに、至って普通のお方ですのね。」なんかベスの姉上のキャサリン様も同じようなことを言ってたな。笑
「奥方様、お戯れを。」ベスが苦笑いをしている。笑
「あら、あなた、ベスなのね。まあまあ、すっかり素敵になっちゃって。見違えたわ。騎士団副長のお転婆娘が、こんなに素敵な淑女になるなんて。」奥方様は大袈裟に驚いて見せているが、戯れておられるな。なかなかお茶目なお方だ。笑
しかし奥方様の仰る通り、スピリタス調のドレスを身にまとったベスは、騎士の身なりとは大きく印象が違う。もっとも他のわが妻たちもそうだがな。
「奥方様…。」ベスは困惑している。こんなベスは、なかなか見られないな。笑
「母上様、お戯れはその辺で。
スピリタス候、私は北部公爵家嫡男のリチャード。先だっては、主要街道の復旧と盗賊団の捕縛に尽力してもらって本当にありがたかった。その後も凄まじい働きじゃないか。」
「え?あっ!あー、近衛隊副長のリチャードか?」思い出した。北府近衛隊副長のリチャードだ!道理で見覚えがあるはずだ。
「ははは。やっと思い出してくれたようだな。スピリタス候、いや、ゲオルク。」
「いや、まさかリチャードが、あ、リチャード様が北部公爵様のご嫡男様だったとは…。知らなかったとは言え、大変失礼いたしました。」
「近衛隊副長のときは身分を表に出さないからね。それに、ゲオルク、私たちは友だ。リチャードのままでいいよ。私もスピリタス候ではなく、ゲオルクと呼ばせてもらう。いいね?」
北部公爵様を窺うと、頷かれたので、
「分かった。リチャード。元気そうだな。」
「わが君、リチャード様とは、いつ懇意になったのだ?」
「最初に会ったのは、ベスもいたけど、北府騎士団詰所を半壊させて、無能な元団長と質の悪い団員を捕らえたとき。
その後、メタを仲間にしに単独行動したときに、雪崩の復旧と盗賊団の捕縛の功績を、リチャードがギルドへ口添えしてくれたんだよ。そのおかげで、Aランク相当になれたようなもんだね。」
「ゲオルク、あれは正当な評価を伝えただけだ。ギルドが『Bランクに上がったばかりだから…、』などと馬鹿なことを抜かすものだから、正当に評価しろと意見してやっただけさ。」
「では、リチャード様のおかげで、わが君は、私たちを口説けるようになったと言うことか。」
「確かにそう言うことになるな。」リチャードに感謝だ。
「はいはい、その辺で。お料理が冷めてしまうわ。
御屋形様、お言葉を。」
奥方様のこのひと言で北部公爵様がご挨拶され、晩餐会が始まった。
「義兄上、ジェニファー様、お久しぶりです。」
「ゲオルク、とんとん拍子の出世じゃないか。おめでとう。」
「旦那様、ゲオルク様は、侯爵様ですのよ。」
「おお、そうでしたな。ゲオルク様。」
「義兄上、勘弁して下さいよー。」
俺が侯爵になったから、伯爵家嫡男の義兄上とは、立場が逆転してしまった。それでも公の場ならいざ知らず、俺は義兄上の妹婿だし、年齢的にも俺が15歳下だしな。
義兄上は、リチャードとも懇意で、将来リチャードが北部公爵を継いだら、その側近になるそうだ。
ところで、義兄上が先程からトーラをチラ見している。
ロリ巨乳のジェニファー様を殊の外、愛でられている義兄上だ。初めて会ったときも、酔っていたとは言え、俺にロリ巨乳の魅力を力説し、俺に新たな眼を開かせてくれた御仁なのである。トーラはロリ巨乳だから、ストライクゾーンなのだろう。笑
楽しい晩餐会が終わると、義兄上がやって来た。あのエロい顔。何を言いたいのかが手に取るように分かる。笑
義兄上が、こそっと耳打ちして来た。
「ゲオルク、そなたもロリ巨乳の魅力を解したと見える。同志を得た思いだ。」
「義兄上のおかげです。脱がしたときのギャップが堪りませんな。ぐふふ。」
「だろう!やはりそなたは見所がある。くくく。ただな、ベスも含めて他の女たちも分け隔てなくな。」
「それはもう。これからたっぷりと。」
「なんと、公爵邸でかよ。」
「王宮でも散々やってますんで。」
「何?そなた、知らぬのか?王宮では、安全対策として侍女たちが監視しておるのだぞ。」
「知っておりますよ。報告をする痴女どのたちが赤面し、報告を受けた殿下が呆れ返るような痴態を演じております。」
「なんと…!うーむ、なるほどなー。そなたは肝が据わっておる。とんとん拍子に出世する訳よな。」いや、それは違うんじゃないかな?苦笑
義兄上の眼が怪しく輝いた。憐れ、ジェニファー様は、今宵、義兄上の餌食か。俺も頑張ろうっと。笑
で、その夜、わが妻たちを分け隔てなく堪能したことは言うまでもないよな。そしてリーゼの魔力上限を100上げたのだった。
翌日、俺は、わが妻たちと精霊たちを伴って、ジャックさんが勤める宝石店に行った。
ジャックさんは仕入れ部門を任されていて、定期的に鉱山エリアのカデフィやブレナへ、宝石の買い出しに行っている。ジャックさんと知り合ったのは、メタを仲間にしに行くときに、ジャックさんの行商馬車の護衛を引き受けたからだ。
あのとき、ジャックさんが紹介してくれたカデフィの宝石工房で、能力上昇補正の付与が付いたダイヤの指輪を全員分購入したのだが、ジャックさんの口利きで随分安く仕入れることができたのだ。
ちょうどその帰りに、俺はAランク相当になったので、購入した指輪をそのまま結婚指輪に使った訳だ。
「俺はゲオルク。ジャックさんいるかな?」店員に尋ねると、ジャックさんが出て来た。
「やあゲオルクさん、この度はまたご注文を頂きまして…、え?えー!エリザベス様?」
「???…相すまぬ。私はそなたを思い出せぬのだが、どこぞでお会いしたろうか?」
「大変失礼しました、直接お会いしたことはございません。騎士団で副長をされていた折、民を労わるお姿を遠目に拝見しました。」
「左様であったか。」
「で、ジャックさん。注文した品は?」
「おお、ゲオルクさん。すみません。ご希望の品、仕入れておきましたよ。」ジャックさんは指輪を出して来た。俺は指輪を受け取り、
「ドーラ。」「はい。」左手の薬指に攻撃の指輪をはめた。
「トーラ。」「はい。」左手の薬指に剛力の指輪をはめた。
ふたりがキスをして来たので、交互に応えていると、ジャックさんがコホンと咳払いをした。
「あ、ジャックさん、ごめん。つい…。」
「お気に召して頂いたようでよかったです。」
俺は指輪の代金、大金貨2枚を支払った。
「なんか、また負けてもらって悪いね。」
「いえいえ、ゲオルクさんには多少なりともお値引きさせて頂きませんと…。」
護衛したときの往路で、雪崩で通行不能になった主要街道を精霊魔法で復旧し、復路で盗賊団を壊滅させたことを、未だに恩義に感じてくれているらしい。
それから、店長も出て来て挨拶して行った。
「さて、用事も済んだし、東府へ行くか?」
「わが君、せっかく北府まで来たゆえ、バースまで行かぬか?」
「いいわね。あなた、行きましょう。」
「バース、ベスの、故郷?」
「ああ、温泉の町だ。」
『『『『『『『『『温泉!』』』』』』』』』精霊たちが食いついて、バース行が決まった。笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/10/16
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№128 ドーラとトーラへ
この日、4人の公爵様方は、それぞれの領地にご帰還なさると言うことで、王都は朝から多くの見物人が出ていた。
公爵様が王都とご領地を往復されるときは、それぞれの騎士団や近衛隊を300名程、引き連れて行かれるので、通称、公爵行列と呼ばれ、多くの見物人が出るのだ。
まず東部公爵様の御一行が、王宮の南にある大手門から出て東に転じ、王都東門から東部へと旅立って行った。
続いて西部公爵様の御一行が、王宮の大手門から出て西に転じ、王都西門から西部へと旅立って行った。
さらに南部公爵様の御一行が、王宮の大手門から出てそのまま進み、王都南門から南部へと旅立って行った。
最後に北部公爵様の御一行が、王宮の大手門から出て時計回りに、王宮外縁を半周し、王都北門から北部へと旅立つ。俺たちスピリタスは、新調したアクアビット号で、この一行に護衛として加わっている。
アクアビット号の配置は、北部公爵様の乗る馬車のすぐ後ろで、この位置はすぐ前に次いで重要な位置である。もちろん最重要な護衛ポジションは、近衛隊の馬車だ。近衛隊は、北部公爵様の馬車の左右も固めている。
ベスがスノウに、ビーチェがナイトに、それぞれ騎乗して、アクアビット号の左右にいる。アクアビット号の御者をしているリーゼとは会話ができる位置だ。
御者席のすぐ後ろの座席にはジュヌとカルメン、その後ろの座席にはドーラとトーラが座っている。
俺はと言うと、馬車の屋上の見張台にいて、9人の精霊たちは、俺のまわりをふわふわと浮遊しながらついて来ている。
精霊たちがいるせいか、北部公爵様の行列への民からの歓声が、一番大きかった気がする。
王都の民に見送られながら王都を出発し、道中は至って順調。
そりゃそうだ。北部公爵様のこの軍勢に手を出す馬鹿な盗賊などいるはずもなく、魔獣ですら軍勢の威容を警戒して、いや、怯えて、近付いて来られまい。
途中で宿泊した宿場町での俺たちは、北部公爵様御用達の宿屋、いわゆる本陣に、一緒に泊めてもらうなど、至れり尽くせりだった。
もちろん、北部公爵様には、宿屋での夕餉の席では、帝国紀行や教国紀行の詳細を聞かれ、俺もついつい話してしまった。横にベスがいてくれたのも、大いに助かった。
と言うのも、ベスは、北府騎士団の副団長を務めていたのと、御父上のバース伯爵様が、今は引退しているものの、永年、北部公爵様の懐刀だった経緯から、北部公爵様とは懇意だったからである。
一方、ベス、ドーラ、トーラを除くわが妻たちは、最初はガチガチに緊張していたが、夕餉を重ねるうちに、北部公爵様に打ち解けて行った。まあ、慣れて来たと言うべきか。笑
いよいよ明日は北府入りと言う夕餉の席で、北部公爵様に尋ねられた。
「そう言えばゲオルク、北府には何の用なのだ?」
「はい。実はドーラとトーラに、結婚指輪を贈ろうと思いまして。」
「「え?」」ドーラとトーラが驚いている。そう言や、まだ言ってなかったな。
「なるほどな。当てはあるのか?」
「はい。チルを仲間にしにブレナまで行くときに、宝石商の護衛をしたんですが、その宝石商がカデフィの宝石工房を紹介してくれまして、わが妻たちへの結婚指輪は、そこで買ったんですよ。
ですからその宝石商に、その宝石工房から同じのを仕入れて来てくれと、注文の手紙を出しておいたんです。
これと同じのですね。」俺は自分の指輪を見せた。
北部公爵様はまじまじと見つめ、
「ほう、ダイヤの指輪か。付与もあるようだな?」
「流石ですね。俺のは、集中の能力上昇補正の付与が付いてます。
ちなみに、リーゼが攻魔、ジュヌが回復、カルメンが支援、ベスが防御、ビーチェが疾風の付与なので、ドーラには攻撃、トーラには剛力の付与を付けます。」
「ゲオルク、結婚指輪も冒険用とはな。」北部公爵様は若干呆れておられるが、機能的な方がいいに決まっている。それにわが妻たちの能力を上げれば、それだけ身の安全に繋がるのだ。
翌日、北府入りして、北府滞在中は、北部公爵様のお屋敷で御厄介になることになった。
北府到着の夜は当然、晩餐会である。晩餐会には、バース伯爵様のご嫡男で、バース家の北府屋敷に詰めておられる義兄上のアンドリュー様と、その奥方のジェニファー様も招待されていた。ベスへの配慮だろう。
「ご領主様ご一家の、お成~り~。」北部公爵様、そしておそらく奥方様、あとはご嫡男様だろう。俺たちと、義兄上御夫妻はさっと立って黙礼した。精霊たちはふわふわ浮いてるけれども。汗
「皆の者、座るがいい。
ゲオルク、わが奥と嫡男だ。見知りおいてくれ。」奥方様は40代かな?美人だな。
あれ?このご嫡男様はなんか見覚えがあるぞ。どこかで会ってないか?
「奥方様、ご嫡男様、ゲオルク・スピリタスです。北部公爵様には、いつもお引き立て頂いております。」
「御屋形様から伺ってますわ。そうそう、この度は侯爵へのご昇進、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「意外だわ。ベスを乗りこなしたと言うからどんな猛者かと思っていましたのに、至って普通のお方ですのね。」なんかベスの姉上のキャサリン様も同じようなことを言ってたな。笑
「奥方様、お戯れを。」ベスが苦笑いをしている。笑
「あら、あなた、ベスなのね。まあまあ、すっかり素敵になっちゃって。見違えたわ。騎士団副長のお転婆娘が、こんなに素敵な淑女になるなんて。」奥方様は大袈裟に驚いて見せているが、戯れておられるな。なかなかお茶目なお方だ。笑
しかし奥方様の仰る通り、スピリタス調のドレスを身にまとったベスは、騎士の身なりとは大きく印象が違う。もっとも他のわが妻たちもそうだがな。
「奥方様…。」ベスは困惑している。こんなベスは、なかなか見られないな。笑
「母上様、お戯れはその辺で。
スピリタス候、私は北部公爵家嫡男のリチャード。先だっては、主要街道の復旧と盗賊団の捕縛に尽力してもらって本当にありがたかった。その後も凄まじい働きじゃないか。」
「え?あっ!あー、近衛隊副長のリチャードか?」思い出した。北府近衛隊副長のリチャードだ!道理で見覚えがあるはずだ。
「ははは。やっと思い出してくれたようだな。スピリタス候、いや、ゲオルク。」
「いや、まさかリチャードが、あ、リチャード様が北部公爵様のご嫡男様だったとは…。知らなかったとは言え、大変失礼いたしました。」
「近衛隊副長のときは身分を表に出さないからね。それに、ゲオルク、私たちは友だ。リチャードのままでいいよ。私もスピリタス候ではなく、ゲオルクと呼ばせてもらう。いいね?」
北部公爵様を窺うと、頷かれたので、
「分かった。リチャード。元気そうだな。」
「わが君、リチャード様とは、いつ懇意になったのだ?」
「最初に会ったのは、ベスもいたけど、北府騎士団詰所を半壊させて、無能な元団長と質の悪い団員を捕らえたとき。
その後、メタを仲間にしに単独行動したときに、雪崩の復旧と盗賊団の捕縛の功績を、リチャードがギルドへ口添えしてくれたんだよ。そのおかげで、Aランク相当になれたようなもんだね。」
「ゲオルク、あれは正当な評価を伝えただけだ。ギルドが『Bランクに上がったばかりだから…、』などと馬鹿なことを抜かすものだから、正当に評価しろと意見してやっただけさ。」
「では、リチャード様のおかげで、わが君は、私たちを口説けるようになったと言うことか。」
「確かにそう言うことになるな。」リチャードに感謝だ。
「はいはい、その辺で。お料理が冷めてしまうわ。
御屋形様、お言葉を。」
奥方様のこのひと言で北部公爵様がご挨拶され、晩餐会が始まった。
「義兄上、ジェニファー様、お久しぶりです。」
「ゲオルク、とんとん拍子の出世じゃないか。おめでとう。」
「旦那様、ゲオルク様は、侯爵様ですのよ。」
「おお、そうでしたな。ゲオルク様。」
「義兄上、勘弁して下さいよー。」
俺が侯爵になったから、伯爵家嫡男の義兄上とは、立場が逆転してしまった。それでも公の場ならいざ知らず、俺は義兄上の妹婿だし、年齢的にも俺が15歳下だしな。
義兄上は、リチャードとも懇意で、将来リチャードが北部公爵を継いだら、その側近になるそうだ。
ところで、義兄上が先程からトーラをチラ見している。
ロリ巨乳のジェニファー様を殊の外、愛でられている義兄上だ。初めて会ったときも、酔っていたとは言え、俺にロリ巨乳の魅力を力説し、俺に新たな眼を開かせてくれた御仁なのである。トーラはロリ巨乳だから、ストライクゾーンなのだろう。笑
楽しい晩餐会が終わると、義兄上がやって来た。あのエロい顔。何を言いたいのかが手に取るように分かる。笑
義兄上が、こそっと耳打ちして来た。
「ゲオルク、そなたもロリ巨乳の魅力を解したと見える。同志を得た思いだ。」
「義兄上のおかげです。脱がしたときのギャップが堪りませんな。ぐふふ。」
「だろう!やはりそなたは見所がある。くくく。ただな、ベスも含めて他の女たちも分け隔てなくな。」
「それはもう。これからたっぷりと。」
「なんと、公爵邸でかよ。」
「王宮でも散々やってますんで。」
「何?そなた、知らぬのか?王宮では、安全対策として侍女たちが監視しておるのだぞ。」
「知っておりますよ。報告をする痴女どのたちが赤面し、報告を受けた殿下が呆れ返るような痴態を演じております。」
「なんと…!うーむ、なるほどなー。そなたは肝が据わっておる。とんとん拍子に出世する訳よな。」いや、それは違うんじゃないかな?苦笑
義兄上の眼が怪しく輝いた。憐れ、ジェニファー様は、今宵、義兄上の餌食か。俺も頑張ろうっと。笑
で、その夜、わが妻たちを分け隔てなく堪能したことは言うまでもないよな。そしてリーゼの魔力上限を100上げたのだった。
翌日、俺は、わが妻たちと精霊たちを伴って、ジャックさんが勤める宝石店に行った。
ジャックさんは仕入れ部門を任されていて、定期的に鉱山エリアのカデフィやブレナへ、宝石の買い出しに行っている。ジャックさんと知り合ったのは、メタを仲間にしに行くときに、ジャックさんの行商馬車の護衛を引き受けたからだ。
あのとき、ジャックさんが紹介してくれたカデフィの宝石工房で、能力上昇補正の付与が付いたダイヤの指輪を全員分購入したのだが、ジャックさんの口利きで随分安く仕入れることができたのだ。
ちょうどその帰りに、俺はAランク相当になったので、購入した指輪をそのまま結婚指輪に使った訳だ。
「俺はゲオルク。ジャックさんいるかな?」店員に尋ねると、ジャックさんが出て来た。
「やあゲオルクさん、この度はまたご注文を頂きまして…、え?えー!エリザベス様?」
「???…相すまぬ。私はそなたを思い出せぬのだが、どこぞでお会いしたろうか?」
「大変失礼しました、直接お会いしたことはございません。騎士団で副長をされていた折、民を労わるお姿を遠目に拝見しました。」
「左様であったか。」
「で、ジャックさん。注文した品は?」
「おお、ゲオルクさん。すみません。ご希望の品、仕入れておきましたよ。」ジャックさんは指輪を出して来た。俺は指輪を受け取り、
「ドーラ。」「はい。」左手の薬指に攻撃の指輪をはめた。
「トーラ。」「はい。」左手の薬指に剛力の指輪をはめた。
ふたりがキスをして来たので、交互に応えていると、ジャックさんがコホンと咳払いをした。
「あ、ジャックさん、ごめん。つい…。」
「お気に召して頂いたようでよかったです。」
俺は指輪の代金、大金貨2枚を支払った。
「なんか、また負けてもらって悪いね。」
「いえいえ、ゲオルクさんには多少なりともお値引きさせて頂きませんと…。」
護衛したときの往路で、雪崩で通行不能になった主要街道を精霊魔法で復旧し、復路で盗賊団を壊滅させたことを、未だに恩義に感じてくれているらしい。
それから、店長も出て来て挨拶して行った。
「さて、用事も済んだし、東府へ行くか?」
「わが君、せっかく北府まで来たゆえ、バースまで行かぬか?」
「いいわね。あなた、行きましょう。」
「バース、ベスの、故郷?」
「ああ、温泉の町だ。」
『『『『『『『『『温泉!』』』』』』』』』精霊たちが食いついて、バース行が決まった。笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/10/16
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる