精霊の加護

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精霊の加護139 無人島命名~ラスプ・デルスゥデ島

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精霊の加護
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№139 無人島命名~ラスプ・デルスゥデ島

 朝餉を摂ってから、アクアビット号で北の浜を出発。昨日、樹林の中を切り開いた島の周回道路を通って、およそ1時間で東の入り江に行った。

 東の入り江では、昨日、クレに造ってもらった船着場に、クロチュデルスゥデ号が係留されていた。俺たちを気付くと、ラモが早速声を掛けて来た。
「やぁ、ゲオルク。
 ご婦人方は今日も一段とお美しい。太陽かと思ったよ。はっはっはっ。」
 俺にはあっさりとした挨拶だけで、わが妻たちを早速持ち上げている。こいつ、ほんとにブレない。苦笑

「ラモ、おはよう。
 昨日の晩に山頂に行ったんだが、夜空がきれいでな、満天の星の下で眠れるように、グランピング場を造ろうと思うんだ。」
「まあいいけどさ、星はここからでも、十分にきれいだったよ。」
「山頂付近は、ペガサスもたまに来るんだ。ペガサスに会えるかもって、いいと思わないか?」
「なるほど、そりゃいいね。まぁ、僕はご婦人方に会える方がいいけどね。
 で、今日はどうするんだい?山頂への道を造るのかい?」
「いや、先に南の入り江と西のマングローブを見ようと思う。船を出してくれるか?」
「もちろんお安い御用さ。」

 東の入り江を出ると、面舵を一杯に切って右に旋回し、南に進路を変え、無人島とリシッチャ島の間を抜けた。サンゴ礁の南部群島は、南部湾と外洋の境目だ。
 無人島に沿って徐々に進路を南から西に転じて行く。外洋に出ると、急に波がきつくなった。
 やがてクロチュデルスゥデ号は、外海に面した無人島の南岸の入り江に寄せた。聞いていた通り、入り江と言うには、陸への切り込み方が浅い。
「港にするにはここがいいと思うんだ。ただし外海の波が直に寄せるから、防波堤が必須だよ。でもゲオルクの精霊魔法なら防波堤もすぐできるだろ?」
「確かにできるけどさ、東の入り江にも港は造っただろ?ここにも造る必要があるのか?」
「東の港は、この無人島の玄関口さ。リシッチャ島との間で人や物資の輸送をするんだ。こっちの港は外洋に出るための基地さ。外洋では回遊性の大型魚の漁ができる。マグロやカツオなんかだな。それとあそこを見てみるといい。」
 ラモが南の沖を指さし、双眼鏡を貸してくれた。

 どれどれ?んーと…、
 あれ?もしかして噴水?…海でかよ??なんだ、ありゃ???
「ほら、潮を吹いただろう?クジラだよ。」
「クジラ?」
「そうさ。それと昨日はイルカの群れも見た。」
「漁業専用に港にするのか?」
「そうだね。それとこの先にはいい塩梅の浜もあって、外海のいい波が来るからサーフィンなんかにもいいと思うよ。」なるほどな、チャラいけど、ラモはやっぱり海の男だな。正直見直した。

 クレの精霊魔法で、南の入り江の東端から、海底を5m幅でせり上げて、南を迂回して西へ向かって大きく入り江を包み込むようにした。
 入り江の西端からもやはり5m幅で海底をせり上げて、東からの防波堤の内側に入り込むように、西の防波堤を造った。これにより、この入り江の港は、南西側に出入口ができたことになる。まるで、片方のはさみだけが大きいカニのシオマネキのようだ。
 この間、クレに魔力補給すること数回。クレが大活躍だ。
 南の入り江の中央に、船着場を造ってクロチュデルスゥデ号を着け、上陸してこの入り江の様子を確認した。

 その後、再び出航して、南の港にすぐ西にある、南の浜を海上から目視で確認し、無人島の西岸に回り込んだ。
 島の西側は、びっしりのマングローブ林で、確かに大型の船を着けられそうな場所はない。しかしエビの養殖場としての可能性が期待できる。
 西岸では上陸せずに、海上から無人島を観察して、そのまま北の浜の前を回航し、再び東の入りへの港へと入港した。

 時刻はもう昼をまわっている。
 俺たちは、東の港で昼餉を摂りつつ、無人島の開発計画を練った。
「まずは無人島を1周する周回道路を造ろうと思う。ここ東の港から南の港、南の浜と繋いで、西のマングローブを抜けて、北の浜に出る。北の浜とここ東の港は昨日繋げたから、これで周回道路の完成だ。
 それと、ここ東の浜から山頂への登山道を通す。島内の陸の交通面の整備はそんなところかな。」
「お前さん、宿屋は北の浜と山頂と南の浜に造るのかい?」
「そうだね。海水浴客を見越した北の浜の宿屋、グランピング客をメインにした山頂の宿屋、そして、サーファー相手の南の浜の宿屋だね。」

「あなた、それだけじゃなくて、集落も造る必要があるわよ。東の入り江の港で島への出入管理をするのだからメイン集落よね。それと、南の入り江では漁業の集落、西のマングローブでは養殖の集落、それと宿屋関連の場所も集落が要るわね。」
「そうだね。島のメイン産業は観光と漁業ってことになるな。そうすると移民を募らなきゃいけないだろうな。」
「旦那様、移民の募集は南部の町や村で掛けることになりますわね。特に、リシッチャ島のラクシーサや、南府、ヴァジェノ、ネヴェッツィ辺りの主要都市ではしっかり宣伝した方がいいと思いますわ。」
「ダーリン、僕も友達に声を掛けてみるよー。」

「なぁ、ラモ。東の港の開発を頼めないか?船乗りの目線から寄港しやすい玄関口を造って欲しいんだ。」
「うーん、魅力的なお誘いだけど、僕には南部湾警備隊の仕事もあるしなぁ。ちちっ…、南部公に相談してみないと何とも言えないよ。」
「まぁそうだよな。それと南部公爵様には、内政に長けた役人の派遣をお願いしたいな。」
「それは大丈夫さ。ちちっ…南部公もその辺は分かってるよ。何たってゲオルクと折半とは言え、税収がなかった無人島から税が上がるようになるんだからね。」
「それを言われると辛いんだが、向こう3年は税を免除しようと思ってな。」
「おや。移民優遇措置かい?」
「うん、わざわざ引っ越して来てくれる訳だからさ。」
「そこに眼が行くとは大したものじゃないか。ゲオルク、見直したよ。」なぜ、一介の船長でしかないラモに褒められるんだ?まぁいいけど。苦笑

「お頭様、水の確保。忘れちゃダメ。」
「おお、トーラ、サンキューな。雨水が山に浸み込んで麓で湧出してるらしいからさ、貯水池も造っといた方がいいな。」
「ところで主様。移民が来たら無人島ではなくなるゆえ、島に名前を付けた方がいいと思うのじゃがの?いかがかや?」
「ああ、それな。島の名前はラスプ・デルスゥデにするよ。南部言葉で、南部のラスプ村って意味だな。」
「おお、よい名じゃ。馬車の名前はよかったがの、馬たちに付けた名前は滑りまくっておったゆえ、言い出すべきか迷っておったのじゃが、言い出してよかったのじゃ。」このやろ…。
「そうよねぇ。」「ですわね。」「そうだね。」「で、あるな。」「だよねー。」「トーラも、そう、思う。」皆、揃ってそう思ってたのか?…泣くぞ、コラ!

 昼餉を摂りつつのミーティングの後、東の入り江港を起点に、精霊魔法を駆使して樹林を切り開き、無人島改めラスプ・デルスゥデ島の周回道路を造って行った。
 東の入り江港から南の入り江港へ、そして南の浜、日が暮れて、夜の帳が辺りを包む頃、西のマングローブ林に着いたので、今日はここまでとする。
 今日の午後は丸々道普請で、5時間ちょっと掛かったが、なかなかいいペースだった。

 西に面したマングローブ林の一画に、開けた場所を造った。ここには、将来、養殖集落にするつもりだ。
 いつもの如く、精霊たちに野営所を造ってもらった。当然、露天風呂もだ。周囲の安全を警戒しつつ、皆で風呂に入ることにした。
 昨日の精霊たちに下見で分かっているが、この島には獣は多くいるものの、大きな獣はいない。だから多少は警戒を緩めることができる。いずれにしても、特大精霊たちがいる場所に仕掛けて来るとも思えないがな。

 露天風呂では、わが妻たち7名と第五形態になったツリのメロンボール16個を、じっくりと心行くまで鑑賞した。
 あとは第四形態の精霊たち8名の並乳16個を揉んだ。第五形態になったとき、立派なメロンボールに育つように願いを込めて。先行投資である。
 湯船の中で、マイドラゴンが出番を寄越せとブイブイ言っているが、無視である。今宵こそ、わが妻たちとむふふタイムを過ごすのだ。

 ところで、クレの様子がやたらとべたべたして来て、べろちゅーの頻度も上がっている。
 まだそれほど頻繁ではないので、今宵はないと思うが、明日か明後日辺りには、第五形態へ進化するかもしれない。確かにここラスプ・デルスゥデ島に来てからは、クレの活躍する機会が、飛び抜けて多かった。港の船着場や防波堤を海底からせり上げるのに、何度もクレの精霊魔法を使わせてもらったものな。

 メロンボール16個によるぱふぱふを堪能して風呂から上がると、夕餉である。いつも通りの野営飯だ。
 ツリに育ててもらった新鮮な野菜類をぶつ切りにして鍋にぶち込み、チルが冷凍させていた獣肉を、アクアビット号の倉庫から降ろして、ぶつ切りにし、やはり鍋にぶち込む。
 今日の味付けはピリ辛のカレーだ。俺の大好物。ってか、もしカレーが嫌いな奴がいるのなら会ってみたいものだ。きっと味覚が崩壊しているに違いない。そう言う奴が旨いって言う料理ってどんなんだろ?マジで興味あるわ。笑

 その夜、俺は久しぶりにわが妻たちを堪能した。回復魔法やバフを使ってのむふふな秘めごとは、体を壊す元だからやめるようにと、ミュンヒェー辺境伯のハイジに諫められてから、ひと夜、3人までにしている。
 え?それでも多いって?余計なお世話だ、ほっとけよ。それに今夜は久し振りなんだからいいだろう!

 今宵は、リーゼ、ジュヌ、カルメンを頂いた。もちろん妊娠のリスクを減らすため、お口だったけどな。それでもマイドラゴンはご機嫌だった。だってわが妻たちと来たら、舌遣いが神業なんだもの!

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設定を更新しました。R4/11/6

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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