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2章 地球激闘編
14話 伝説の食材 その1
しおりを挟む「よしでは昼食に出かけよう」
「さっきの店でよかったのでは?」
「そうだな、結構メニューが豊富だったぞ。さすが漫画喫茶発祥の地だな」
瑠偉と美憂はそう主張したがそうはいかない、名古屋人としてアレを食べないと禁断症状が出てしまう、深いコク、そして究極の旨味<味噌煮込みうどん>これを食べずして最終バトルには行けないぜ、ふっふふふふ・・・
「なによ黙り込んで…キモいんだけど」
瑠偉のいつも通りの馬頭が俺を襲う「っな・・キモいっ・・」
「マスター、ヨダレが出ています」
「「「え?」」」
聞きなれない声色が聞こえ全員が驚きの声をあげその方向を見るとララが居た。
「ララちゃん、その声は?」
「麻衣様これは今現在で一番勢いのある女性声優の声です、前回ごマスターに言われた通り調査を行い変更したしました」
機械的な声だったララの声が高音で澄んだとても綺麗な声に変わっていた、この声色で歌わせたら酔うな・・・大勢のファンが付きそうだ。
「では行くか、こっちだ」
「兼次ちゃんどうやって行くの? まさか飛ばないよね?」
「抜かりはない、事前に調べてあるぞ。人気のない場所からテレポートする」
そのままビル群の隙間を抜け周りに人がいないことを確認してテレポートする。
……
再び似たようなビルの隙間に現れる、そこから隙間を縫いながら大通りに出て少し歩いたところで立ち止まる。
「ここは?」
「見るがいい、ここが味噌煮込みうどんの聖地<八馬餅屋総本家>の本店だ」
見上げると10年前ほどに見たままの建物が立っていた、実際は60年程過ぎているので外見はかなり老朽化が進んでいた、コンクリートの外壁はかなり黒ずんでいるし、濃い茶色だった屋根はかなり薄くなっていた。
「いらしゃいませー」
入ると当時のままのレジカウンターがそこにあった、さすが老舗だな。
「5人だ、テーブルで頼む」
「かしこまりました、こちらです」
店員に6人テーブルを案内され着席した、俺の隣はララ向かいには麻衣、美憂、瑠偉の順に座った。
「お決まりになりましたら、お呼びください」
そう言って<おしぼり>と<お茶>を置いていく、側にあるメニューを取り広げると昔と変わらぬ品数が並んでいた。
「何を頼めばいいんだ?」
「美憂よ、親子煮込みを頼むのがベターな選択だな、いわゆる全部の載せだ。
と言うわけで全員同じメニューでいいかな?」
「と言うか、基本のうどんに鶏肉と卵の組み合わせで4種類しかないけど?」
「まぁ、そうだな・・・・いちいち突っ込むなよ瑠偉」
テーブルに置いてある店員呼び出しボタンを押して人を呼ぶとすぐに店員がやってきた。
「ご注文を伺います」
「親子煮込みとおでんを5人分たのむ」
「ご注文を繰り返します、親子煮込みが5個とおでんが5個ですね」
「ああ」
「それでは少々お待ちください」
店員が去るのを確認したかのように瑠偉が話かけてきた。
「なぜ5人分? ララさんは食べれないんじゃ?」
「1人だけ注文しないのは不自然だろう、俺が2人分食べるから」
そう言いながらララを見ると左手で湯呑を取って興味深く中身を見ていた、ララは右手を出すと人差し指を伸ばす、すると指の先端が4つに割れ細い管が伸びてきてお茶の中に入った。
「ララ、何してるんだ?」
「成分分析です、マスター」
「出来そうか?」
「お茶の作り方はネットで調査済みです、お茶の木は静岡東部に無人の茶畑があります。除染をしてから農業島に持ち込み栽培を開始しましょう」
静岡東部と言うと核ミサイルの汚染範囲か…無人ならお茶の木を頂いても問題ないだろう、あとは除染問題か・・・
「ところでララ、東京全域の除染は可能か?」
「可能です、約3日もあれば完全に除染できます」
「方法は?」
「特殊な周波数の磁力線を発生させ放射線を光に変換します、同時に放射性物質は強制崩壊させて安定体の物質に変わります、これらは70時間で完了します」
「中条たちには秘密にしておけよ」
「了解です」
思ってたより除染が早くできるな、さすが地球より進んだ科学力と言ったところか、これは何かの交渉材料の切り札として取っておく必要があるな。
「なにか、よからぬことを企んでいるわね・・・」
「なんだよ瑠偉、これは大人の駆け引きだ邪魔をしないでもらおうか」
瑠偉は俺の行動に諦めたのか溜息ひとつ漏らさず聞き流している、麻衣を見ると先ほどからスマホをずっと操作している。
「兼次ちゃん、スマホが圏外なの・・・」
「麻衣、46年経っているって解っているよな?」
おそらく料金未納で止められたうえに、電波方式も変わっているんだろう。新しく買うにしても、銀行口座とか住所とか無いしな、まずはそこを何とかしないと何も出来ん。
「ララ、マイナンバーシステムに侵入できたか?」
「閉鎖されたネットワークの為、侵入は不可能でした」
「ではナノマシンを展開してくれ、とりあえず日本限定で早急に頼む」
「了解しました、日本のコンピューター支配を開始します」
「とりあえず君たちのスマホは住所と口座ができたら最新モデルを買ってやる、
それまで我慢しろ。そうだなララ、中条に住宅とか戸籍はこちらで用意するから学校の編入だけ頼むと言っておいてくれ、余計な貸しは作りたくない」
「了解しました、連絡しておきます」
「お待たせしましたー」
俺達の会話が落ち着いたころ店員が料理を運んできた、テーブルにトレーが並べられた、では食べるとするか・・・
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