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初恋
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『駄目です、アルフレッド様。こんなところでは』
クスクス笑いながらしなだれかかるレイチェル嬢。
『大丈夫。誰もいないよ。我と君だけしかいない。ほら、もっとこちらへ』
レイチェル嬢の腰に手を添えぐっと抱き寄せ笑顔を見せるアルフレッド様。レイチェル嬢も、ほんのり赤く染まった頬を隠す様にアルフレッド様の胸に寄りかかります。
薔薇の咲き誇る庭園の東屋で、仲睦まじく過ごす2人の姿を少し離れた生垣の陰から見つめる私。もう見慣れてしまった光景だけど、それでも私の心は.......。
わたくしはエリーゼ。グラストン侯爵の1人娘で、アルフレッド様はフォンゴールド国の王太子様。
私が10歳、アルフレッド様が12歳の時に王命で婚約者となりました。
黄金に輝く髪に夜明け前の空の様な深い紺碧の瞳。
『エリーゼ嬢。アルフレッドです。婚約者として、宜しく頼むね』
笑顔でわたくしに声をかけて下さったお姿を見て、一瞬で心を奪われたあの時。
わたくしの初恋。大事な大事な思い出。胸の奥底に仕舞い込んだ大切な想い。わたしの心を奪ったあの方の為に、国1番の淑女とならねばと強く誓いました。
それからは妃教育の日々。マナーや他国との外交に必要な知識や会話。分刻みのスケジュールをこなしつつ月に1度の アルフレッド様とのお茶会。
互いの日々を報告し合い、婚約者としての仲をゆっくりと育ていく。恋したあの方の為に研鑽する毎日。
辛くて涙を流した日も、それでもあの方の為に頑張らねばと歯を食いしばった日々もありました。
それなのに、アルフレッド様が16歳で国の貴族や王族が学ばなければならない高等学院に入学してから、少しずつ歯車が狂っていきました
月に1度のお茶会が、アルフレッド様のご都合で中止になる事も度々。予定通りに開催しても、つまらなそうお顔で紅茶を飲み終えれば直ぐに席を立ち去ってしまうアルフレッド様。
アルフレッド様のお心がわたくしから離れていってしまっている事を感じぜずにはいられせんでした。
アルフレッド様の入学から2年後。わたくしも学院に入学しました。勿論アルフレッド様の婚約者として。
そこで目にしたのは、わたくしではない令嬢と仲睦まじく過ごされているアルフレッド様のお姿でした。
令嬢はシルナベル子爵の次女のレイチェル様。艶やかに燃える様な紅い髪に、豊満な肢体を持たれた学園で1番の美姫と謳われる方でした。
わたくしは、白とも間違われかねない銀の髪。ささやかに主張する程度の胸しかない肢体。レイチェル様と比べるまでもありません。
入学したばかりのある放課後。
今月のお茶会について、アルフレッド様のご都合を伺う為に訪れた王室専用のサロンで、
『あんな面白みもない女。王命で致し方なく婚約者となっているだけだ。我が心はそなたのものだ』
レイチェル様を熱く見つめるアルフレッド様。
『わたくしも、アルフレッド様をお慕いしてます。あぁ、なぜ、あの様な方がアルフレッド様の婚約者なのでしょう』
さめざめと泣くレイチェル様を強く抱きしめるアルフレッド様の姿を見た時。
アルフレッド様のお心が離れてしまっていたのだと知ったのでした。
わたくしが入学した際には、密やかにお付き合いをされていたアルフレッド様とレイチェル様でしたが、幾らもたたないうちに隠す事もなく、私の目の前でも平然と睦まじく過ごす毎日。
私との婚約は王命です。学院の生徒も先生も皆様こ存知です。
アルフレッド様の側近でいらっしゃったサイラス宰相閣下のご嫡子、リカルド様がアルフレッド様の行いを諌めて下さいましたが、御不快を被り側近から外されてしまいました。
そんなことがあれば、もう誰もアルフレッド様の行いを諌める方はいらっしゃいません。
若さで目の前の事しかみえなくなっている、王命には逆らえないのだから、今だけだ、学院を卒業すれば成人、子供だからと許される時は終わるのだから、それまで我慢しなさい、と、わたくしに声をかけて下さる方達もいらっしゃいました。父上様もそうおっしゃいました。
わたくしが至らなかったのです。国1番の淑女にと誓ったのに、アルフレッド様のお眼鏡に叶わなかった、わたくしがいけなかったのです.....。
********
今日は卒業式。
国王陛下、宰相閣下以下閣僚の方々、子息令嬢を学院に通わせている貴族の方達が一堂に会します。
式はつつがなく終えました。後は卒業パーティーです。
学院の卒業を以ってこの国では成人となります。パーティーは卒業生の社交界へのデビューの場となります。
婚約者のいるものはパートナーとして参加をする決まりになっております。わたくしはアルフレッド様の婚約者。本来ならばアルフレッド様の隣にいるのはわたくしであるはずなのですが、壇上のアルフレッド様の隣には美しく着飾ったレイチェル様。
『ここにいる皆に宣言する。エリーゼ・グラストン侯爵令嬢との婚約を破棄し、新たにレイチェル・シルナベル子爵令嬢を婚約者とする!!』
くるべき時が来てしまいました。
突然のアルフレッド様の宣言に、参加していた卒業生や親達が驚き会場が騒めきます。
高らかに宣言したアルフレッド様を潤んだ瞳で見つめるレイチェル様。レイチェル様を見つめるアルフレッド様。もう2人だけの世界です。
『かしこまりました。アルフレッド王太子様との婚約破棄、謹んで受け承ります』
妃教育で培ったカテーシーで応じます。素直に応じたわたくしに拍子抜けしたのか、『わ、わかればいい』とアルフレッド王太子様が答えます。
卒業生やその家族、高位貴族や国の閣僚の方々なども一同に会するこの場で婚約破棄を言い渡されたわたくしには、もう、新な嫁ぎ先などはありません。こんな醜聞にまみれた令嬢の行き先など、修道院しか・・・・。
『待ちなさい』
威厳に満ちた声が会場内に響き渡ります。
『アルフレッド、どう言う事だ?』
壇上の中心におられた陛下が、アルフレッド様に冷ややかな視線を向けられます。
ここファンゴールド王国の国王陛下様です。
先王が急な病に倒れ為に17歳で国王となり、以来21年間ファンゴールド王国を治めてこられました。18歳で隣国の王女様を妃に娶られ、アルフレッド様を設けられました。
王妃様はとても美しく可憐な方だったと伺っております。アルフレッド様が3歳の時に病気でお亡くなりに。
アルフレッド様の黄金に輝く髪に夜明け前の空の様な深い紺碧の瞳は、陛下に瓜二つなのです、
『父上!私の妃にエリーゼは相応しくありません!エリーゼとの婚約は破棄して新たにレイチェルと婚約を結びたいと思います!』
アルフレッド様が、隣にいらっしゃるレイチェル様を抱き寄せ、陛下におっしゃいました。
『アルフレッド。エリーゼとの婚約は王命だ。それをお前は破棄すると、そう言うのか?お前の一存で?』
国王陛下は声を荒げる事もなく、静かにアルフレッド様に問いかけられますが、その場の空気が息苦しくなるくらい冷ややかに重くなっていきます。
『父上、あ、いや、陛下。確かに事前に陛下に采をあおがなかったのは私の責ですが、それをもってしても揺るがない大罪をエリーゼは冒したのです!』
『穏やかではない内容だが。大罪とは?』
『エリーゼは私と言う婚約者がありながら、別の男に懸想していたのです!』
アルフレッド様の言葉に、わたくしはショックを受けて頭の中が真っ白になってしまいました。誰にも告げる事なく、わたくしの胸に中にだけ息づいていたあの方への想い。
これまであの方に認めていただく為に頑張ってまいりましたのに、こんな事になるなんて。
余りのショックにアルフレッド様の言葉に返す言葉もなく、蒼白となって立ち尽くすわたくしの姿を見て、会場がますます騒めきます。
(アルフレッド様が最初に浮気じゃなくて、もしかしてエリーゼ様の方が先に浮気を?)
(何も申し開きもしないな、エリーゼ様。アルフレッド様の言う事が本当なのか?)
(アルフレッド様の行いを諌めなかったのは、自分も後ろめたかったからかしら?)
会場から、ヒソヒソと聴こえてくる話し声に、アルフレッド様はさもあらんと言った表情を浮かべて話されます。
『エリーゼ付きの侍女より内々に報告されました。エリーゼが時折、四阿で、誰ぞの名を呟いて物思いに耽り涙を流していると』
(なんて事だ。王太子の婚約者なのに他に想う相手がいるなんて)
(なんて、はしたない方なんでしょ。信じられませんわ)
会場がますます騒めきます。
『エリーゼ、申し開きを致してみよ。申し開きができるのであればな』
勝ち誇った様に壇上でアルフレッド様が話されます。アルフレッド様の隣に立たれているレイチェル様も、扇で口元を隠されてはいますが、わたくしを見て嬉しそうに微笑んでいらっしゃいます。
蒼白になったまま一言も弁明する事もなく立ち尽くすわたくしを見て、アルフレッド様やレイチェルさまは勿論、パーティーに参加された方々もわたくしに蔑んだ視線を投げかけます。
『侍女が申しておったわ。小声にて全ては聞き取れなかったが、アレク様と。そう其方が口にしていたと』
会場が一瞬のうちに静まりした。
とうとう、わたくしの胸の中に隠していた想いが白日の元に晒されてしまいました。
『アレクなる名は高位貴族の中には該当する者はいない。下位貴族か、まさか平民なのではあるまいな?』
『平民ですか?まさか、そんな。侯爵令嬢のエリーゼ様が、平民に心を寄せるなど。高位貴族の誇りは何処に捨ててしまったのでしょう。そんな方が婚約者だったなんて。可哀想なアルフレッド様』
泣き崩れるレイチェル様を支えて、我の心を慮ってくれるのはそなただけとアルフレッド様が声をかけていらっしゃいます。
会場はアルフレッド様とレイチェル様の声以外は物音一つ、衣摺れさえも聞こえません。
『エリーゼ嬢。アルフレッドの申す事は真実か?』
国王陛下がわたくしに尋ねます。
『陛下…。アルフレッド様の仰る通りでございます。わたくしは、アルフレッド様ではない方をお慕い申し上げております』
静まり返った会場に、声なき響めきが広がります。
『やはりな…。なんて女だ。不敬にも甚だしい』
『アルフレッド様のお気持ちをなんてお思いになってたのでしょう』
アルフレッド様とレイチェル様が、侮蔑の目でわたくしを壇上から見下ろしています。
『アルフレッド、控えよ』
『陛下?しかしっ…』
『我の言葉が聞けぬと?』
陛下のお言葉で、憎々しげな表情を浮かべつつ、アルフレッド様は唇を閉じられます。
『エリーゼ嬢。辛い思いをさせてすまなかった。アルフレッドの行状はリカルドや学院長、王宮の女官長から聞き及んでいる。若気の至り、自らの立場を考えれば改まるのではと楽観していた我が悪かったのだ。申し訳ない』
王座につかれたま陛下が頭を下げられます。
『陛下!そんな女になにをっ……!』
『陛下?!おやめください。アルフレッド様のお心に叶わなかった上に、心を寄せられなかったわたくしが悪いのです。』
『エリーゼ嬢…。エリーゼ嬢の気持ちは揺るがないものなのか?』
頭を上げた陛下がわたくしを見つめます。
『はい、陛下。わたくしはもう自分の心に嘘はつけません』
『想いを貫くのは荊の路かもしれない。今ある全てを無くしたとしても、そなたの想いに応じて貰えぬかもしれぬ。それでもその想いを貫くつもりなのか?』
『はい、陛下』
淀みなく答えるわたくしに、項垂れた陛下は右手でお顔を隠され大きな溜息を吐かれつつ、呟かれました。
『全く、昔から頑固なところは変わりない』
先程までの冷ややかな空気が何処に行ってしまったのか、うっすら目元を赤らめた陛下が、玉座から立ち上がって話されます。
『王太子アルフレッドと、エリーゼ・グラストン侯爵の婚約は王命として解消とする』
アルフレッド様が、歓喜します。
『レイチェル、陛下が認めて下さったぞ。これで、君が私の婚約者だ。エリーゼ、其方とは今日限りだ。もう顔も見たくない。一刻も早くこの場から立ち去れ!もう遠慮する事はないぞ。其方が懸想している者のところにでも行くが良い!』
一方的に捲し立てるアルフレッド様。しかし、それも長くは続きませんでした。
『アルフレッドは今宵をもって王太子の座を降り、第一王子とする』
『へ、陛下⁈』
またしても会場が響めきました。わたくしも驚きです。
王太子はこの国では陛下についで、王位継承権一位の立場になります。第一王子となると、立太子をする前の状態を示しますので、王位継承者とは言えない立場です。
陛下には、お子はアルフレッド様しかおりません。王妃様が早世してしまわれましたのですから。
『アルフレッドとレイチェル嬢の婚約の儀については、今後の2人の行いを見て決めたい』
『へ、陛下、お待ち下さい。私が何故第一王子などと。陛下の後を継ぐのは私しかおりません!なにをもって、そんな』
青褪めた表情を浮かべながら、アルフレッド様が陛下に問います。レイチェル様は陛下の言葉に蒼白になって、アルフレッド様に縋り付いています。
『この様な場で一方的に令嬢に婚約破棄を申しつけるなど。民の見本となる王家たる者のすべき事ではない。』
『しかしっ、エリーゼが他の者に懸想していたのは間違いなく』
『アレクと申したか?エリーゼ嬢が思いを寄せて居る者の名は』
『さ、さようです。確かにエリーゼ付きの侍女が申しておりました。間違いありません!』
『其方はアレクなる名に覚えはないのか?』
陛下がアルフレッド様に尋ねます。
『その様な名など。知りません。きっとどこぞの平民の名でしょう』
『平民か。そうか、覚えはないか』
陛下とアルフレッド様のやりとりを聞いていた宰相様や大臣などの閣僚閣下達が顔面蒼白になっていきます。
わたくしもアルフレッド様のお言葉に驚きを隠せません。
平民だなどと。わたくしが思う以上にアルフレッド様は世の中を理解していないのかも知れません。
『そなたの申すアレクだが、正式な名はアレクサンダーだ。その名も心当たりはないのか?』
『アレクサンダー ですか?聞き覚えはありません、でも、なぜ陛下がその名をご存じで?』
アルフレッド様に縋り付いていたレイチェル嬢ですら、信じらないと言った表情でアルフレッド様を見上げます。縋り付いていた手から力が抜けていくのが見えます。
『そうか・・・・・』
『陛下、一体、どういう事なのですか?そのアレクサンダーなる者は一体何もなのですか?陛下がお知りになっているとなると、平民ではなく貴族席に連なる者なのですか?』
納得がいかないといった表情を浮かべて、アルフレッド様が陛下にお尋ねになります。
『よく知っている。そなたが知らなかった事に驚いたよ』
『一体そのアレクサンダーとは一体どこの誰なのですか?』
『そなたの目の前におる』
『へ?目の前?陛下一体なにを?目の前にいるのは陛下ではないですか?』
『そうだ。我がアレクサンダーだ』
『へ?え、え、え?!ち、父上?』
アルフレッド様はご自分の御父上様の御名もご存じではなかったのでしょうか?アレクサンダー・ファンゴールド。それが我が国の陛下の御名前です。
確かに、普段から父上とは呼ばず、陛下と申せとは言われていらっしゃいましたが、それにしましても・・・。
『己の父親の名前も知らぬとは。王妃の忘れ形見と思い育ててきたのが悪かったのか。もう、よい、下がれ。今後の事は、追って沙汰する』
『ち、父上!!!』
陛下のお傍に駆け寄ろうとしたアルフレッド様の行く手を遮る形で近衛騎士の方々が遮ります。
陛下が視線でお命じになると、近衛騎士の方々が、何やら叫んでいるアルフレッド様と座り込んでしまったレイチェル様二人を会場から連れ出されしまわれました。
お二人が会場を出られると、陛下がおっしゃいました。
『皆の物、第一王子が迷惑をかけた。祝いの席を申し訳なかった。さぁ、仕切り直しだ。今宵を楽しむが良い』
張りつめていた会場の空気がようやく和らぎます。ざわめきや衣擦れの音も戻りつつあります。
『エリーゼ嬢。少し話をしようか。我と共にこちらへ』
壇上から降りてきた陛下がわたくしに手を差し伸べられます。
会場にいらっしゃる皆様の視線が、差し伸べられた陛下の手を取ったわたくしに一気に集まった様なそんな気がします。
会場から王宮の庭園につづくバルコニーから陛下の手にひかれて歩くわたくし。
陛下の手の温もりを離したくなくて、ギュッと力を籠めます。
庭園の東屋に促され座ります。
陛下も先に座られておりましたが、なぜわたくしはその陛下の膝の上に座っているのでしょう?
『あ、あの陛下。』
『なんだい、エリーゼ嬢』
わたくしの髪を指に絡めながら、陛下がわたくしを優しく抱きしめて下さいます。
『きゃ、あ、あの陛下。い、いけません』
淑女たるもの、殿方の膝の上に座るなど、ましてや陛下の膝の の上にだなんて、そんな事。
恥ずかしさの余り全身から火が出てしまいそうです。
『エリーゼ嬢。なにが、いけないんだね?エリーゼ嬢は我を想っていると、先程そう言ったのではなかったかな』
『それは…。確かにわたくしはずっと陛下を想ってきました』
『お互いを思いあっている2人が触れ合うのは自然な事だよ』
わたくしの髪に口付けをされた陛下はそのままわたくしを見つめてきます。だ、誰か、助けてください。私を見つめる陛下の視線で、もう心臓が焼け焦げてしまいそうです。
『へ、陛下。陛下もわたくしを想っていてくださったと?』
わたくしだけどはなく、陛下もわたくしを?
『そうだ。其方は気が付いていなかったかも知れないがね。可愛いエリーゼ。一度は逃してあげたけど、もう、逃しはしないよ』
そう言って陛下はわたくしの唇に静かに口付けをされました。
わたくし、もう、無理ですわ………。
陛下との初めての口付けを堪能する前に、気を失ってしまったわたくしを抱き抱えて庭園から戻られた陛下の姿を見て、会場の皆様が歓喜され卒業パーティーが祝賀会に替わってしまった事。
ようやく陛下に妃が迎えられると、閣僚の方々が泣きに泣いて祝杯を挙げられた事。
会場にいらっしゃった私の父上様が、陛下に義父上とお言葉を頂いて卒倒してしまった事。
次の日の朝、陛下の腕の中で目覚めたわたくしに陛下が笑いながら教えてくださった事が、陛下の妃となり、王妃になったわたくしの今でも楽しい思い出です。
クスクス笑いながらしなだれかかるレイチェル嬢。
『大丈夫。誰もいないよ。我と君だけしかいない。ほら、もっとこちらへ』
レイチェル嬢の腰に手を添えぐっと抱き寄せ笑顔を見せるアルフレッド様。レイチェル嬢も、ほんのり赤く染まった頬を隠す様にアルフレッド様の胸に寄りかかります。
薔薇の咲き誇る庭園の東屋で、仲睦まじく過ごす2人の姿を少し離れた生垣の陰から見つめる私。もう見慣れてしまった光景だけど、それでも私の心は.......。
わたくしはエリーゼ。グラストン侯爵の1人娘で、アルフレッド様はフォンゴールド国の王太子様。
私が10歳、アルフレッド様が12歳の時に王命で婚約者となりました。
黄金に輝く髪に夜明け前の空の様な深い紺碧の瞳。
『エリーゼ嬢。アルフレッドです。婚約者として、宜しく頼むね』
笑顔でわたくしに声をかけて下さったお姿を見て、一瞬で心を奪われたあの時。
わたくしの初恋。大事な大事な思い出。胸の奥底に仕舞い込んだ大切な想い。わたしの心を奪ったあの方の為に、国1番の淑女とならねばと強く誓いました。
それからは妃教育の日々。マナーや他国との外交に必要な知識や会話。分刻みのスケジュールをこなしつつ月に1度の アルフレッド様とのお茶会。
互いの日々を報告し合い、婚約者としての仲をゆっくりと育ていく。恋したあの方の為に研鑽する毎日。
辛くて涙を流した日も、それでもあの方の為に頑張らねばと歯を食いしばった日々もありました。
それなのに、アルフレッド様が16歳で国の貴族や王族が学ばなければならない高等学院に入学してから、少しずつ歯車が狂っていきました
月に1度のお茶会が、アルフレッド様のご都合で中止になる事も度々。予定通りに開催しても、つまらなそうお顔で紅茶を飲み終えれば直ぐに席を立ち去ってしまうアルフレッド様。
アルフレッド様のお心がわたくしから離れていってしまっている事を感じぜずにはいられせんでした。
アルフレッド様の入学から2年後。わたくしも学院に入学しました。勿論アルフレッド様の婚約者として。
そこで目にしたのは、わたくしではない令嬢と仲睦まじく過ごされているアルフレッド様のお姿でした。
令嬢はシルナベル子爵の次女のレイチェル様。艶やかに燃える様な紅い髪に、豊満な肢体を持たれた学園で1番の美姫と謳われる方でした。
わたくしは、白とも間違われかねない銀の髪。ささやかに主張する程度の胸しかない肢体。レイチェル様と比べるまでもありません。
入学したばかりのある放課後。
今月のお茶会について、アルフレッド様のご都合を伺う為に訪れた王室専用のサロンで、
『あんな面白みもない女。王命で致し方なく婚約者となっているだけだ。我が心はそなたのものだ』
レイチェル様を熱く見つめるアルフレッド様。
『わたくしも、アルフレッド様をお慕いしてます。あぁ、なぜ、あの様な方がアルフレッド様の婚約者なのでしょう』
さめざめと泣くレイチェル様を強く抱きしめるアルフレッド様の姿を見た時。
アルフレッド様のお心が離れてしまっていたのだと知ったのでした。
わたくしが入学した際には、密やかにお付き合いをされていたアルフレッド様とレイチェル様でしたが、幾らもたたないうちに隠す事もなく、私の目の前でも平然と睦まじく過ごす毎日。
私との婚約は王命です。学院の生徒も先生も皆様こ存知です。
アルフレッド様の側近でいらっしゃったサイラス宰相閣下のご嫡子、リカルド様がアルフレッド様の行いを諌めて下さいましたが、御不快を被り側近から外されてしまいました。
そんなことがあれば、もう誰もアルフレッド様の行いを諌める方はいらっしゃいません。
若さで目の前の事しかみえなくなっている、王命には逆らえないのだから、今だけだ、学院を卒業すれば成人、子供だからと許される時は終わるのだから、それまで我慢しなさい、と、わたくしに声をかけて下さる方達もいらっしゃいました。父上様もそうおっしゃいました。
わたくしが至らなかったのです。国1番の淑女にと誓ったのに、アルフレッド様のお眼鏡に叶わなかった、わたくしがいけなかったのです.....。
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今日は卒業式。
国王陛下、宰相閣下以下閣僚の方々、子息令嬢を学院に通わせている貴族の方達が一堂に会します。
式はつつがなく終えました。後は卒業パーティーです。
学院の卒業を以ってこの国では成人となります。パーティーは卒業生の社交界へのデビューの場となります。
婚約者のいるものはパートナーとして参加をする決まりになっております。わたくしはアルフレッド様の婚約者。本来ならばアルフレッド様の隣にいるのはわたくしであるはずなのですが、壇上のアルフレッド様の隣には美しく着飾ったレイチェル様。
『ここにいる皆に宣言する。エリーゼ・グラストン侯爵令嬢との婚約を破棄し、新たにレイチェル・シルナベル子爵令嬢を婚約者とする!!』
くるべき時が来てしまいました。
突然のアルフレッド様の宣言に、参加していた卒業生や親達が驚き会場が騒めきます。
高らかに宣言したアルフレッド様を潤んだ瞳で見つめるレイチェル様。レイチェル様を見つめるアルフレッド様。もう2人だけの世界です。
『かしこまりました。アルフレッド王太子様との婚約破棄、謹んで受け承ります』
妃教育で培ったカテーシーで応じます。素直に応じたわたくしに拍子抜けしたのか、『わ、わかればいい』とアルフレッド王太子様が答えます。
卒業生やその家族、高位貴族や国の閣僚の方々なども一同に会するこの場で婚約破棄を言い渡されたわたくしには、もう、新な嫁ぎ先などはありません。こんな醜聞にまみれた令嬢の行き先など、修道院しか・・・・。
『待ちなさい』
威厳に満ちた声が会場内に響き渡ります。
『アルフレッド、どう言う事だ?』
壇上の中心におられた陛下が、アルフレッド様に冷ややかな視線を向けられます。
ここファンゴールド王国の国王陛下様です。
先王が急な病に倒れ為に17歳で国王となり、以来21年間ファンゴールド王国を治めてこられました。18歳で隣国の王女様を妃に娶られ、アルフレッド様を設けられました。
王妃様はとても美しく可憐な方だったと伺っております。アルフレッド様が3歳の時に病気でお亡くなりに。
アルフレッド様の黄金に輝く髪に夜明け前の空の様な深い紺碧の瞳は、陛下に瓜二つなのです、
『父上!私の妃にエリーゼは相応しくありません!エリーゼとの婚約は破棄して新たにレイチェルと婚約を結びたいと思います!』
アルフレッド様が、隣にいらっしゃるレイチェル様を抱き寄せ、陛下におっしゃいました。
『アルフレッド。エリーゼとの婚約は王命だ。それをお前は破棄すると、そう言うのか?お前の一存で?』
国王陛下は声を荒げる事もなく、静かにアルフレッド様に問いかけられますが、その場の空気が息苦しくなるくらい冷ややかに重くなっていきます。
『父上、あ、いや、陛下。確かに事前に陛下に采をあおがなかったのは私の責ですが、それをもってしても揺るがない大罪をエリーゼは冒したのです!』
『穏やかではない内容だが。大罪とは?』
『エリーゼは私と言う婚約者がありながら、別の男に懸想していたのです!』
アルフレッド様の言葉に、わたくしはショックを受けて頭の中が真っ白になってしまいました。誰にも告げる事なく、わたくしの胸に中にだけ息づいていたあの方への想い。
これまであの方に認めていただく為に頑張ってまいりましたのに、こんな事になるなんて。
余りのショックにアルフレッド様の言葉に返す言葉もなく、蒼白となって立ち尽くすわたくしの姿を見て、会場がますます騒めきます。
(アルフレッド様が最初に浮気じゃなくて、もしかしてエリーゼ様の方が先に浮気を?)
(何も申し開きもしないな、エリーゼ様。アルフレッド様の言う事が本当なのか?)
(アルフレッド様の行いを諌めなかったのは、自分も後ろめたかったからかしら?)
会場から、ヒソヒソと聴こえてくる話し声に、アルフレッド様はさもあらんと言った表情を浮かべて話されます。
『エリーゼ付きの侍女より内々に報告されました。エリーゼが時折、四阿で、誰ぞの名を呟いて物思いに耽り涙を流していると』
(なんて事だ。王太子の婚約者なのに他に想う相手がいるなんて)
(なんて、はしたない方なんでしょ。信じられませんわ)
会場がますます騒めきます。
『エリーゼ、申し開きを致してみよ。申し開きができるのであればな』
勝ち誇った様に壇上でアルフレッド様が話されます。アルフレッド様の隣に立たれているレイチェル様も、扇で口元を隠されてはいますが、わたくしを見て嬉しそうに微笑んでいらっしゃいます。
蒼白になったまま一言も弁明する事もなく立ち尽くすわたくしを見て、アルフレッド様やレイチェルさまは勿論、パーティーに参加された方々もわたくしに蔑んだ視線を投げかけます。
『侍女が申しておったわ。小声にて全ては聞き取れなかったが、アレク様と。そう其方が口にしていたと』
会場が一瞬のうちに静まりした。
とうとう、わたくしの胸の中に隠していた想いが白日の元に晒されてしまいました。
『アレクなる名は高位貴族の中には該当する者はいない。下位貴族か、まさか平民なのではあるまいな?』
『平民ですか?まさか、そんな。侯爵令嬢のエリーゼ様が、平民に心を寄せるなど。高位貴族の誇りは何処に捨ててしまったのでしょう。そんな方が婚約者だったなんて。可哀想なアルフレッド様』
泣き崩れるレイチェル様を支えて、我の心を慮ってくれるのはそなただけとアルフレッド様が声をかけていらっしゃいます。
会場はアルフレッド様とレイチェル様の声以外は物音一つ、衣摺れさえも聞こえません。
『エリーゼ嬢。アルフレッドの申す事は真実か?』
国王陛下がわたくしに尋ねます。
『陛下…。アルフレッド様の仰る通りでございます。わたくしは、アルフレッド様ではない方をお慕い申し上げております』
静まり返った会場に、声なき響めきが広がります。
『やはりな…。なんて女だ。不敬にも甚だしい』
『アルフレッド様のお気持ちをなんてお思いになってたのでしょう』
アルフレッド様とレイチェル様が、侮蔑の目でわたくしを壇上から見下ろしています。
『アルフレッド、控えよ』
『陛下?しかしっ…』
『我の言葉が聞けぬと?』
陛下のお言葉で、憎々しげな表情を浮かべつつ、アルフレッド様は唇を閉じられます。
『エリーゼ嬢。辛い思いをさせてすまなかった。アルフレッドの行状はリカルドや学院長、王宮の女官長から聞き及んでいる。若気の至り、自らの立場を考えれば改まるのではと楽観していた我が悪かったのだ。申し訳ない』
王座につかれたま陛下が頭を下げられます。
『陛下!そんな女になにをっ……!』
『陛下?!おやめください。アルフレッド様のお心に叶わなかった上に、心を寄せられなかったわたくしが悪いのです。』
『エリーゼ嬢…。エリーゼ嬢の気持ちは揺るがないものなのか?』
頭を上げた陛下がわたくしを見つめます。
『はい、陛下。わたくしはもう自分の心に嘘はつけません』
『想いを貫くのは荊の路かもしれない。今ある全てを無くしたとしても、そなたの想いに応じて貰えぬかもしれぬ。それでもその想いを貫くつもりなのか?』
『はい、陛下』
淀みなく答えるわたくしに、項垂れた陛下は右手でお顔を隠され大きな溜息を吐かれつつ、呟かれました。
『全く、昔から頑固なところは変わりない』
先程までの冷ややかな空気が何処に行ってしまったのか、うっすら目元を赤らめた陛下が、玉座から立ち上がって話されます。
『王太子アルフレッドと、エリーゼ・グラストン侯爵の婚約は王命として解消とする』
アルフレッド様が、歓喜します。
『レイチェル、陛下が認めて下さったぞ。これで、君が私の婚約者だ。エリーゼ、其方とは今日限りだ。もう顔も見たくない。一刻も早くこの場から立ち去れ!もう遠慮する事はないぞ。其方が懸想している者のところにでも行くが良い!』
一方的に捲し立てるアルフレッド様。しかし、それも長くは続きませんでした。
『アルフレッドは今宵をもって王太子の座を降り、第一王子とする』
『へ、陛下⁈』
またしても会場が響めきました。わたくしも驚きです。
王太子はこの国では陛下についで、王位継承権一位の立場になります。第一王子となると、立太子をする前の状態を示しますので、王位継承者とは言えない立場です。
陛下には、お子はアルフレッド様しかおりません。王妃様が早世してしまわれましたのですから。
『アルフレッドとレイチェル嬢の婚約の儀については、今後の2人の行いを見て決めたい』
『へ、陛下、お待ち下さい。私が何故第一王子などと。陛下の後を継ぐのは私しかおりません!なにをもって、そんな』
青褪めた表情を浮かべながら、アルフレッド様が陛下に問います。レイチェル様は陛下の言葉に蒼白になって、アルフレッド様に縋り付いています。
『この様な場で一方的に令嬢に婚約破棄を申しつけるなど。民の見本となる王家たる者のすべき事ではない。』
『しかしっ、エリーゼが他の者に懸想していたのは間違いなく』
『アレクと申したか?エリーゼ嬢が思いを寄せて居る者の名は』
『さ、さようです。確かにエリーゼ付きの侍女が申しておりました。間違いありません!』
『其方はアレクなる名に覚えはないのか?』
陛下がアルフレッド様に尋ねます。
『その様な名など。知りません。きっとどこぞの平民の名でしょう』
『平民か。そうか、覚えはないか』
陛下とアルフレッド様のやりとりを聞いていた宰相様や大臣などの閣僚閣下達が顔面蒼白になっていきます。
わたくしもアルフレッド様のお言葉に驚きを隠せません。
平民だなどと。わたくしが思う以上にアルフレッド様は世の中を理解していないのかも知れません。
『そなたの申すアレクだが、正式な名はアレクサンダーだ。その名も心当たりはないのか?』
『アレクサンダー ですか?聞き覚えはありません、でも、なぜ陛下がその名をご存じで?』
アルフレッド様に縋り付いていたレイチェル嬢ですら、信じらないと言った表情でアルフレッド様を見上げます。縋り付いていた手から力が抜けていくのが見えます。
『そうか・・・・・』
『陛下、一体、どういう事なのですか?そのアレクサンダーなる者は一体何もなのですか?陛下がお知りになっているとなると、平民ではなく貴族席に連なる者なのですか?』
納得がいかないといった表情を浮かべて、アルフレッド様が陛下にお尋ねになります。
『よく知っている。そなたが知らなかった事に驚いたよ』
『一体そのアレクサンダーとは一体どこの誰なのですか?』
『そなたの目の前におる』
『へ?目の前?陛下一体なにを?目の前にいるのは陛下ではないですか?』
『そうだ。我がアレクサンダーだ』
『へ?え、え、え?!ち、父上?』
アルフレッド様はご自分の御父上様の御名もご存じではなかったのでしょうか?アレクサンダー・ファンゴールド。それが我が国の陛下の御名前です。
確かに、普段から父上とは呼ばず、陛下と申せとは言われていらっしゃいましたが、それにしましても・・・。
『己の父親の名前も知らぬとは。王妃の忘れ形見と思い育ててきたのが悪かったのか。もう、よい、下がれ。今後の事は、追って沙汰する』
『ち、父上!!!』
陛下のお傍に駆け寄ろうとしたアルフレッド様の行く手を遮る形で近衛騎士の方々が遮ります。
陛下が視線でお命じになると、近衛騎士の方々が、何やら叫んでいるアルフレッド様と座り込んでしまったレイチェル様二人を会場から連れ出されしまわれました。
お二人が会場を出られると、陛下がおっしゃいました。
『皆の物、第一王子が迷惑をかけた。祝いの席を申し訳なかった。さぁ、仕切り直しだ。今宵を楽しむが良い』
張りつめていた会場の空気がようやく和らぎます。ざわめきや衣擦れの音も戻りつつあります。
『エリーゼ嬢。少し話をしようか。我と共にこちらへ』
壇上から降りてきた陛下がわたくしに手を差し伸べられます。
会場にいらっしゃる皆様の視線が、差し伸べられた陛下の手を取ったわたくしに一気に集まった様なそんな気がします。
会場から王宮の庭園につづくバルコニーから陛下の手にひかれて歩くわたくし。
陛下の手の温もりを離したくなくて、ギュッと力を籠めます。
庭園の東屋に促され座ります。
陛下も先に座られておりましたが、なぜわたくしはその陛下の膝の上に座っているのでしょう?
『あ、あの陛下。』
『なんだい、エリーゼ嬢』
わたくしの髪を指に絡めながら、陛下がわたくしを優しく抱きしめて下さいます。
『きゃ、あ、あの陛下。い、いけません』
淑女たるもの、殿方の膝の上に座るなど、ましてや陛下の膝の の上にだなんて、そんな事。
恥ずかしさの余り全身から火が出てしまいそうです。
『エリーゼ嬢。なにが、いけないんだね?エリーゼ嬢は我を想っていると、先程そう言ったのではなかったかな』
『それは…。確かにわたくしはずっと陛下を想ってきました』
『お互いを思いあっている2人が触れ合うのは自然な事だよ』
わたくしの髪に口付けをされた陛下はそのままわたくしを見つめてきます。だ、誰か、助けてください。私を見つめる陛下の視線で、もう心臓が焼け焦げてしまいそうです。
『へ、陛下。陛下もわたくしを想っていてくださったと?』
わたくしだけどはなく、陛下もわたくしを?
『そうだ。其方は気が付いていなかったかも知れないがね。可愛いエリーゼ。一度は逃してあげたけど、もう、逃しはしないよ』
そう言って陛下はわたくしの唇に静かに口付けをされました。
わたくし、もう、無理ですわ………。
陛下との初めての口付けを堪能する前に、気を失ってしまったわたくしを抱き抱えて庭園から戻られた陛下の姿を見て、会場の皆様が歓喜され卒業パーティーが祝賀会に替わってしまった事。
ようやく陛下に妃が迎えられると、閣僚の方々が泣きに泣いて祝杯を挙げられた事。
会場にいらっしゃった私の父上様が、陛下に義父上とお言葉を頂いて卒倒してしまった事。
次の日の朝、陛下の腕の中で目覚めたわたくしに陛下が笑いながら教えてくださった事が、陛下の妃となり、王妃になったわたくしの今でも楽しい思い出です。
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