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第179.3話 今更
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(元王太子視点)
ミロアが王宮からレトスノム家の屋敷に帰っていった後、僕は自室でこれからのことを考えていた。
「イーザの地で地方領主か……」
王太子の立場を失った挙げ句に最終的に辺境で地方領主とは、随分と転落したものだ。そこまで落ちぶれるとは思ってもいなかったな。だけど……
「なんでだろう……? 思ったほど悔しい気がしないな……」
悔しい気持ちがあまりわかないのは、僕自信が自業自得だと思っているからなんだろうな。そもそも、今までが僕に都合がいいくらい甘かったとさえ思える。公爵令嬢の婚約者を蔑ろにして、怠惰な生活をした挙げ句、他の女に執心するような男が王太子、次期国王だなんて許されるはずがない。誰もが不安にしか思わないだろう。
「ははっ、皮肉だな。こんなことになってやっと自分を見つめ直せるなんて……本当に皮肉だな」
そして、情けなくて惨めだ。多分、ずっと前から分かってて目を背けていたんだろう。だけど、今は違うと言える自分がいる。ミロアと決着をつけて変われたと自覚できる。
「でも、これからは……もっと変わらないと……」
これから僕の人生は大きく変わる。それに合わせて、いやその前に僕自身が変わらないといけないんだな。反省するべきことをきちんと反省して、周囲の人達の言葉に耳を傾けて、どんなことにも目をそらさないでいかないといけないんだ。
「……そのために何から始めるべきかな? 勉強? 基礎知識? それとも他の何か?」
……何から始めるか。それは地道なところから始めるしかないか。いや、誰かの助言を聞いてからでも遅くはない。そのために側近が王族にあてられるんだけど、あいつらに頼るのは少し違う気がするな。かといって、今更父上と母上に頼むにしても会わせる顔がない……。
そう思っていたんだけど……
「ガンマ殿下。国王陛下と王妃様がお呼びです。すぐ支度なさってください」
「は?」
今度は何だ? ミロアとの話が終わった後に呼び出すなんて……僕は何かやらかしたか? まあ、いいか。もう今更だしな。
◇
そういうことで父上と母上に呼び出されたんだけど……。
「ガンマよ。今一度、王族ではなく親子として話をしよう……」
「親と子として水入らずの話なんて、貴方には今更でしょうけど……」
驚くべきことに、父と母は『王族』を抜きにして僕と話をしようというのだ。
「ほ、本当に、今更だよ……父上、母上……」
思わず声が震える。今更なんだという激情が溢れそうになるのを堪える。当然だ。親子として会話するなんて僕の方からずっと望んできたことなんだから。
ミロアが王宮からレトスノム家の屋敷に帰っていった後、僕は自室でこれからのことを考えていた。
「イーザの地で地方領主か……」
王太子の立場を失った挙げ句に最終的に辺境で地方領主とは、随分と転落したものだ。そこまで落ちぶれるとは思ってもいなかったな。だけど……
「なんでだろう……? 思ったほど悔しい気がしないな……」
悔しい気持ちがあまりわかないのは、僕自信が自業自得だと思っているからなんだろうな。そもそも、今までが僕に都合がいいくらい甘かったとさえ思える。公爵令嬢の婚約者を蔑ろにして、怠惰な生活をした挙げ句、他の女に執心するような男が王太子、次期国王だなんて許されるはずがない。誰もが不安にしか思わないだろう。
「ははっ、皮肉だな。こんなことになってやっと自分を見つめ直せるなんて……本当に皮肉だな」
そして、情けなくて惨めだ。多分、ずっと前から分かってて目を背けていたんだろう。だけど、今は違うと言える自分がいる。ミロアと決着をつけて変われたと自覚できる。
「でも、これからは……もっと変わらないと……」
これから僕の人生は大きく変わる。それに合わせて、いやその前に僕自身が変わらないといけないんだな。反省するべきことをきちんと反省して、周囲の人達の言葉に耳を傾けて、どんなことにも目をそらさないでいかないといけないんだ。
「……そのために何から始めるべきかな? 勉強? 基礎知識? それとも他の何か?」
……何から始めるか。それは地道なところから始めるしかないか。いや、誰かの助言を聞いてからでも遅くはない。そのために側近が王族にあてられるんだけど、あいつらに頼るのは少し違う気がするな。かといって、今更父上と母上に頼むにしても会わせる顔がない……。
そう思っていたんだけど……
「ガンマ殿下。国王陛下と王妃様がお呼びです。すぐ支度なさってください」
「は?」
今度は何だ? ミロアとの話が終わった後に呼び出すなんて……僕は何かやらかしたか? まあ、いいか。もう今更だしな。
◇
そういうことで父上と母上に呼び出されたんだけど……。
「ガンマよ。今一度、王族ではなく親子として話をしよう……」
「親と子として水入らずの話なんて、貴方には今更でしょうけど……」
驚くべきことに、父と母は『王族』を抜きにして僕と話をしようというのだ。
「ほ、本当に、今更だよ……父上、母上……」
思わず声が震える。今更なんだという激情が溢れそうになるのを堪える。当然だ。親子として会話するなんて僕の方からずっと望んできたことなんだから。
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