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第179.4話 夢は子孫に託す
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(宰相の息子視点)
全てが終わっていた。そう思うことしか出来なかった。
「……まさか、そこまで状況が動いていたとは……」
私が兵士たちに捕まっている間に、あの馬鹿王子とローイはとんでもないことをしてくれた。まさか、オルフェ・イーノックに不貞をさせようとするとは思わなかった。それも、あの男爵令嬢を利用してまで……。
「どこの世界にそこまでのことをする王子がいるんだよ……」
そして、失敗して更に立場を悪くした。もはや何の利用価値もなくなった。いや、それどころか側近だった私の立場も悪くなってしまった。あの王子の馬鹿さ加減を分かっていたつもりでいたが、予想を遥かに超えていた。
「……私の思い描いた未来が、失われた」
こうなってしまっては、私の計画は実行不可能だ。落ちぶれた王子の側近というレッテルがつきまとうことになれば、公爵令嬢どころかまともな縁談が来るかどうかも怪しい。宰相の息子という立場は残っているが逆に言えばそれだけだ。私自身の評価は馬鹿王子のせいで……!
「……いや、まだ諦めるのは早い。そもそも、今回の件はおかしいことがあるんだ」
国家反逆罪という名目で私は兵士たちに捕まった。しかし、いくらなんでも無理がありすぎるのだ。いくら王子の命令でも国の兵士がそんな無茶苦茶な命令を疑わずに従うなんておかしい。それに、私が拘束されていた時間が長すぎる。本来なら、あんな冤罪などすぐに晴らす事ができたはずだ。もっと早く自由になれたはずなんだ!
「これは、何か大きな力が働いて私の動きを封じていたとしか思えない。王家か公爵家の圧力を持って私を……そうに違いない!」
そう思わずにはいられなかった。そう思わなければ、これから何をしたらいいか分からないし、やる気もおきないだろうから。
「何かしらの圧力があるのならば、私が遠い未来でも逆転できる道があるはずだ!」
そう思って父に協力してもらうように要求したのに、思わぬ答えが返ってきた。
「マークよ。もうよせ。お前は身の丈に合わない目的を持つべきではない。それ以上はお前の命に関わる」
「そ、そんな!?」
「王家か公爵家の圧力? そんなものが働いている時点で宰相程度でどうにもならん。お前が生かされているだけでもありがたいくらいなのだぞ? そんなことも分からんのか? 同僚のグロン・ギンベスを遠回しに陥れておいて」
「な、何をっ!?」
「私が気づかぬと思っていたのか? そんなでは嫡男にしておくべきか怪しいものだな」
「……っ!?」
父上は非協力的だったのだ。それどころか思わぬ痛手をつかれてしまった。しかも、嫡男の立場を奪うことをほのめかされるなんて……。
「言っておくが、私が駄目だったからと言ってミュド家の者に頼るなよ? はっきり言ってそれは自殺行為に等しいからな」
……言われなくてもあんなおかしい男に縋るはずもない。宰相の父上に頼れないとなれば、もう無理ではないか。
「……仕方ない。私の夢は子孫に託すか」
父との話を終えた後にそう思った。そうなると次に私のすべきことは婚約者選びになる。
忙しくなりそうだ……。
全てが終わっていた。そう思うことしか出来なかった。
「……まさか、そこまで状況が動いていたとは……」
私が兵士たちに捕まっている間に、あの馬鹿王子とローイはとんでもないことをしてくれた。まさか、オルフェ・イーノックに不貞をさせようとするとは思わなかった。それも、あの男爵令嬢を利用してまで……。
「どこの世界にそこまでのことをする王子がいるんだよ……」
そして、失敗して更に立場を悪くした。もはや何の利用価値もなくなった。いや、それどころか側近だった私の立場も悪くなってしまった。あの王子の馬鹿さ加減を分かっていたつもりでいたが、予想を遥かに超えていた。
「……私の思い描いた未来が、失われた」
こうなってしまっては、私の計画は実行不可能だ。落ちぶれた王子の側近というレッテルがつきまとうことになれば、公爵令嬢どころかまともな縁談が来るかどうかも怪しい。宰相の息子という立場は残っているが逆に言えばそれだけだ。私自身の評価は馬鹿王子のせいで……!
「……いや、まだ諦めるのは早い。そもそも、今回の件はおかしいことがあるんだ」
国家反逆罪という名目で私は兵士たちに捕まった。しかし、いくらなんでも無理がありすぎるのだ。いくら王子の命令でも国の兵士がそんな無茶苦茶な命令を疑わずに従うなんておかしい。それに、私が拘束されていた時間が長すぎる。本来なら、あんな冤罪などすぐに晴らす事ができたはずだ。もっと早く自由になれたはずなんだ!
「これは、何か大きな力が働いて私の動きを封じていたとしか思えない。王家か公爵家の圧力を持って私を……そうに違いない!」
そう思わずにはいられなかった。そう思わなければ、これから何をしたらいいか分からないし、やる気もおきないだろうから。
「何かしらの圧力があるのならば、私が遠い未来でも逆転できる道があるはずだ!」
そう思って父に協力してもらうように要求したのに、思わぬ答えが返ってきた。
「マークよ。もうよせ。お前は身の丈に合わない目的を持つべきではない。それ以上はお前の命に関わる」
「そ、そんな!?」
「王家か公爵家の圧力? そんなものが働いている時点で宰相程度でどうにもならん。お前が生かされているだけでもありがたいくらいなのだぞ? そんなことも分からんのか? 同僚のグロン・ギンベスを遠回しに陥れておいて」
「な、何をっ!?」
「私が気づかぬと思っていたのか? そんなでは嫡男にしておくべきか怪しいものだな」
「……っ!?」
父上は非協力的だったのだ。それどころか思わぬ痛手をつかれてしまった。しかも、嫡男の立場を奪うことをほのめかされるなんて……。
「言っておくが、私が駄目だったからと言ってミュド家の者に頼るなよ? はっきり言ってそれは自殺行為に等しいからな」
……言われなくてもあんなおかしい男に縋るはずもない。宰相の父上に頼れないとなれば、もう無理ではないか。
「……仕方ない。私の夢は子孫に託すか」
父との話を終えた後にそう思った。そうなると次に私のすべきことは婚約者選びになる。
忙しくなりそうだ……。
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