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130.ワカマリナ視点/男の声
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(ワカマリナ視点)
……遂に夜が明けてしまいましたわ。本当にこんなところに朝まで閉じ込めるだなんて信じられませんわ。
「王宮の兵士は最低ですわ。次期女王たるわたくしをこんなところに朝までだなんて……」
こんなことになってしまうと流石に疑問を持ちますわ。わたくしがお姉様を排除しようとした行為が本当に正しかったのかどうか……。
今思い返せば、兵士の者達はわたくしがお姉様をナイフで殺そうとしたことを咎めていた気がします。わたくしがお姉様がどれほど害悪なのか説明したのに、聞き入れてくれることはありませんでした。お姉さまがわたくしとアクサン様の未来を妨げようとしていると言っても呆れるか頭を抱えて聞く耳を持とうともしない態度で……。
考えたくはありませんが、お姉さまは自分が立ち上げた商会のお金を使って兵士たちを買収しているのでは? そして、そのお金の誘惑に負けた兵士共がわたくしを陥れるために……ああ、考えたくもありませんわ!
「誰か、わたくしを出しなさい! お姉様の陰謀を阻止しなくてはなりませんの!」
やはりお姉さまは恐るべき存在でしたわ。わたくしはこんなところに入っている場合ではありません! 一刻も早くお姉さまをやっつけないと、わたくしの未来は真っ暗ですわ!
だからこそ、わたくしは精いっぱい叫びます。ここから出しなさい、と。わたくしを開放なさい、と。
すると、兵士の者が入ってきました。やった! 遂にわたくしの思いが通じたのです!
「そこの貴方! わたくしを助けに来たのでしょう! すぐにここから、」
「よし! ワカマリナの方はまだいるぞ! どうやら逃げたのは王子だけか」
え? 何を言っておりますの? ああ! 行かないでください!
「お待ちなさい! わたくしをここからだし……て……」
……そのまま行ってしまわれましたわ。何ですの? わたくしを助けに来たのではありませんの!? 冷やかしに出も来たというのですか、最低! あの男もきっとお姉さまの差し金ですわ! 悔しい!
「もう許せない! わたくしの行く手を阻む者は皆痛い目を見ればいいのですの!」
本心からそう思いました。わたくしの敵はもう謝っても許さないと決めました。たとえそれが血の繋がった姉だったとしても……!
そんな悲壮な決意を固めた時、何やら騒がしくなりました。
「な、何だお前達は!? ここに居るのは王子を誑かして国に恥をかかせた悪女、ぐへあっ!」
さっきの男の声、というか悲鳴が聞こえました。誰かと争っているのでしょうか?
「何が悪女だ! いずれ国母となる女性に向かって不敬だぞ!」
「私達の希望をこのままにしては置けません!」
「牢屋に入れるなんて、恥を知れ!」
わたくしは三人の男の声にハッとしました。彼らの声には聞き覚えがあったのです。かつてはアクサン様の周りにいて、わたくしとも仲良くなれた人たち。いつの間にかアクサン様と距離を開けたけど、わたくしとは隠れて一緒にいてくれた人たちの声ですわ。
「「「「ワカマリナ!」」」」
そして今、彼らは牢屋に閉じ込められたわたくしの目の前に……! それは、騎士団長の息子ライアン・ライニードル、宰相の息子パリコ・ペティアー、伯爵子息クエス・チョン。ついでに後から現れた辺境伯子息ゲンダ・エヌエイの四人でした。
……遂に夜が明けてしまいましたわ。本当にこんなところに朝まで閉じ込めるだなんて信じられませんわ。
「王宮の兵士は最低ですわ。次期女王たるわたくしをこんなところに朝までだなんて……」
こんなことになってしまうと流石に疑問を持ちますわ。わたくしがお姉様を排除しようとした行為が本当に正しかったのかどうか……。
今思い返せば、兵士の者達はわたくしがお姉様をナイフで殺そうとしたことを咎めていた気がします。わたくしがお姉様がどれほど害悪なのか説明したのに、聞き入れてくれることはありませんでした。お姉さまがわたくしとアクサン様の未来を妨げようとしていると言っても呆れるか頭を抱えて聞く耳を持とうともしない態度で……。
考えたくはありませんが、お姉さまは自分が立ち上げた商会のお金を使って兵士たちを買収しているのでは? そして、そのお金の誘惑に負けた兵士共がわたくしを陥れるために……ああ、考えたくもありませんわ!
「誰か、わたくしを出しなさい! お姉様の陰謀を阻止しなくてはなりませんの!」
やはりお姉さまは恐るべき存在でしたわ。わたくしはこんなところに入っている場合ではありません! 一刻も早くお姉さまをやっつけないと、わたくしの未来は真っ暗ですわ!
だからこそ、わたくしは精いっぱい叫びます。ここから出しなさい、と。わたくしを開放なさい、と。
すると、兵士の者が入ってきました。やった! 遂にわたくしの思いが通じたのです!
「そこの貴方! わたくしを助けに来たのでしょう! すぐにここから、」
「よし! ワカマリナの方はまだいるぞ! どうやら逃げたのは王子だけか」
え? 何を言っておりますの? ああ! 行かないでください!
「お待ちなさい! わたくしをここからだし……て……」
……そのまま行ってしまわれましたわ。何ですの? わたくしを助けに来たのではありませんの!? 冷やかしに出も来たというのですか、最低! あの男もきっとお姉さまの差し金ですわ! 悔しい!
「もう許せない! わたくしの行く手を阻む者は皆痛い目を見ればいいのですの!」
本心からそう思いました。わたくしの敵はもう謝っても許さないと決めました。たとえそれが血の繋がった姉だったとしても……!
そんな悲壮な決意を固めた時、何やら騒がしくなりました。
「な、何だお前達は!? ここに居るのは王子を誑かして国に恥をかかせた悪女、ぐへあっ!」
さっきの男の声、というか悲鳴が聞こえました。誰かと争っているのでしょうか?
「何が悪女だ! いずれ国母となる女性に向かって不敬だぞ!」
「私達の希望をこのままにしては置けません!」
「牢屋に入れるなんて、恥を知れ!」
わたくしは三人の男の声にハッとしました。彼らの声には聞き覚えがあったのです。かつてはアクサン様の周りにいて、わたくしとも仲良くなれた人たち。いつの間にかアクサン様と距離を開けたけど、わたくしとは隠れて一緒にいてくれた人たちの声ですわ。
「「「「ワカマリナ!」」」」
そして今、彼らは牢屋に閉じ込められたわたくしの目の前に……! それは、騎士団長の息子ライアン・ライニードル、宰相の息子パリコ・ペティアー、伯爵子息クエス・チョン。ついでに後から現れた辺境伯子息ゲンダ・エヌエイの四人でした。
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