ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

文字の大きさ
46 / 252
第2章 奴隷編

魔法協会

しおりを挟む
 魔法協会。王国の所有する魔法の最高研究機関だ。魔法に関する研究成果を毎年発表することで、王国の繁栄の貢献している。しかし、魔法協会には悪い噂もある。魔法の研究のために、死者を出すほどの非人道的な魔法実験を繰り返してるというものだった。魔法協会にスカウトされたものの中には、行方不明者が多数いるからだ。もし本当ならとんでもない不祥事だが、ローグはその噂を聞いても驚きはしなかった。

「科学でも魔法でも発展のためには犠牲はつきものだ。そこはこの時代でも変わらないってことだ。最も、露骨に必要のない犠牲は許されはしないがな。その辺の線引きは魔法協会はどうかな?」

 ローグも前世では魔法の研究者、『ナイトウ・ログ』だった。研究する側として犠牲を出すことは仕方が無いとも考えているのだ。実際、『ナイトウ・ログ』の研究のために犠牲が出たこともあった。ローグにとっては苦い思い出だ。そのローグは今、魔法協会の前までやってきた。

「ほう、ここが魔法協会か。立派な要塞って感じだな」

 魔法協会の外見は、まるで要塞のようだった。門の前は多数の魔術が仕掛けられているが、ローグの見立てでは侵入者や不審者対策のようで、警備もかなり厳重なようだ。ローグは期待が持てたが、同時に不安にもなった。

(これだけ警備に厳重だということはよほどの秘密があるということだ。過去の世界のことも何か関係あればいいんだが、今の俺でも簡単に入り込めそうにないな。誰にも気づかれずに忍び込むのは無理だと考えたほうがいいだろう)

 ローグの見立てでは、仕掛けられた魔術は門の前だけではなく、魔法協会の至る所にあるようだった。ローグの実力なら突破できなくはないが、魔法協会側の実力者の強さに関しては未知数なため、下手なまねはできない。穏便に入れればいいのだが、そんな都合のいい方法は今のローグには無い。

(何か抜け道が無いか調べてみるか? ……いや待てよ、『あの女』の関係者だと言えば少なくとも『あの女』には会えるんじゃないか?)

 ローグは魔法協会に入り込む手段を考える中で、『あの女』の関係者としてならそれが可能だと思いついたが、それも難しいことに気付いた。

(ダメだ。『あの女』が応じる保証はない。それ以前に魔法協会自体が無関係者の立ち入りを徹底して禁止してるしな。そこは旧世界の魔法研究所とかと通じてるな、悪い噂があることも含めて。そうなると、入り込むよりも前に『あの女』に会ってみることから始めるか)

 そう思ったローグは、魔法協会から離れていった。復讐対象の『あの女』を探すことにしたのだ。魔法協会のような組織に関わるのは、得策ではない。かつての彼だったら、スカウトしてもらうという考えもあったが、今のローグはそこまで浅はかではない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜

伽羅
ファンタジー
 事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。  しかも王子だって!?  けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。  助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。  以前、投稿していた作品を加筆修正しています。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...