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第3章 組織編
操り人形
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魔法協会の門前。
しばらくして、魔法協会から騒音や悲鳴が聞こえなくなった。それは魔法協会の全ての魔道具と魔術が停止したことを意味する。ローグはそのことに少し感心した。
「ほう。思ったより早かったな。もう少しかかるとおもったんだけどな。さては、4人のうち誰かが『魔力崩し』に対抗できる魔法持ちだったか?」
「そうみたいだったよ。なんか、魔法がはじき返されるような感覚があったから……」
「向こうにも魔力か魔法に干渉するタイプがいるってことか、ハードルが上がったな~」
「それで、次はどうすんだ坊主?」
ルドガーがローグに問いかけるが、ルドガーはこの次にすることは知っていた。これで魔法協会全体を混乱させるという第一段階が終わったのだ。次の段階に入る準備はすでにできている。それをあえて聞くのは、彼が元は戦場で戦う兵士だったからだろう。戦場において、作戦を決行する重要性を体で知っているのだ。確認を怠ることは無い。
「もちろん、この二人に出向いてもらうさ。なあ、お二人さん」
「「…………」」
ローグは仮面をつけた男たちに話しかけるが、二人は答えない。その様子を見たルドガーはどこか複雑な心境のようだ。ミーラは特に気にしたりはしない。ルドガーもミーラも、この二人が何者かを知っているからだ。
「まさか、あのお前がこんな風になるとはな。なあ、バルムド」
「…………」
名前を呼ばれても、答えは返ってこなかった。この二人の正体は、バルムドとハイドという数日前にローグを襲撃してきた魔法協会の追手だった。しかし今は、ローグ達の都合のいい駒になってしまった。理由はもちろん、ローグの【外道魔法】によるものだ。ただ、この場合はミーラのケースとは違っていた。ミーラの場合は心を作り替えたものだが、この二人は体の自由が奪われたのだ。つまり、ミーラと比べれば、操らぬ人形か操り人形かという違いだ。
「それじゃあ、仮面外して暴れてもらおうか【外道魔法・色欲】『愚かな人形』」
ローグの魔法がかかった二人は、仮面を外して魔法協会の門を開いた。外した仮面が道端に捨てられる。そんな二人は内心、こんなふうに思っていた。
(畜生! 畜生! クソガキめ!)
(よくもこんな辱めを! 許さん! 絶対に許さんぞ!)
二人は心の中で怒り狂っているのだが、その思いは表に出せないどころか、魔法にかけられて口を利くことさえできない。屈辱の極みである。二人はそのまま、魔法協会に入っていった。その様子を見ていたローグは、二人がかぶっていた仮面を拾って、次の指示を出す。
「また騒ぎになりだしたら、今度は俺たちが中に突入する。もっとも、その前に彼らを転移するけどな」
バルムド達が突入することで第二段階が始まった。肝心のローグ達が突入するのは、第三段階になるのだ。
しばらくして、魔法協会から騒音や悲鳴が聞こえなくなった。それは魔法協会の全ての魔道具と魔術が停止したことを意味する。ローグはそのことに少し感心した。
「ほう。思ったより早かったな。もう少しかかるとおもったんだけどな。さては、4人のうち誰かが『魔力崩し』に対抗できる魔法持ちだったか?」
「そうみたいだったよ。なんか、魔法がはじき返されるような感覚があったから……」
「向こうにも魔力か魔法に干渉するタイプがいるってことか、ハードルが上がったな~」
「それで、次はどうすんだ坊主?」
ルドガーがローグに問いかけるが、ルドガーはこの次にすることは知っていた。これで魔法協会全体を混乱させるという第一段階が終わったのだ。次の段階に入る準備はすでにできている。それをあえて聞くのは、彼が元は戦場で戦う兵士だったからだろう。戦場において、作戦を決行する重要性を体で知っているのだ。確認を怠ることは無い。
「もちろん、この二人に出向いてもらうさ。なあ、お二人さん」
「「…………」」
ローグは仮面をつけた男たちに話しかけるが、二人は答えない。その様子を見たルドガーはどこか複雑な心境のようだ。ミーラは特に気にしたりはしない。ルドガーもミーラも、この二人が何者かを知っているからだ。
「まさか、あのお前がこんな風になるとはな。なあ、バルムド」
「…………」
名前を呼ばれても、答えは返ってこなかった。この二人の正体は、バルムドとハイドという数日前にローグを襲撃してきた魔法協会の追手だった。しかし今は、ローグ達の都合のいい駒になってしまった。理由はもちろん、ローグの【外道魔法】によるものだ。ただ、この場合はミーラのケースとは違っていた。ミーラの場合は心を作り替えたものだが、この二人は体の自由が奪われたのだ。つまり、ミーラと比べれば、操らぬ人形か操り人形かという違いだ。
「それじゃあ、仮面外して暴れてもらおうか【外道魔法・色欲】『愚かな人形』」
ローグの魔法がかかった二人は、仮面を外して魔法協会の門を開いた。外した仮面が道端に捨てられる。そんな二人は内心、こんなふうに思っていた。
(畜生! 畜生! クソガキめ!)
(よくもこんな辱めを! 許さん! 絶対に許さんぞ!)
二人は心の中で怒り狂っているのだが、その思いは表に出せないどころか、魔法にかけられて口を利くことさえできない。屈辱の極みである。二人はそのまま、魔法協会に入っていった。その様子を見ていたローグは、二人がかぶっていた仮面を拾って、次の指示を出す。
「また騒ぎになりだしたら、今度は俺たちが中に突入する。もっとも、その前に彼らを転移するけどな」
バルムド達が突入することで第二段階が始まった。肝心のローグ達が突入するのは、第三段階になるのだ。
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