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第3章 組織編
線引き
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「何故だ……何故なんだ!? 何故、貴様のような子供がそんなことを知ってるんだ!? こんなことは書類にも記していないはずなのに!?」
「一体、どうやって知った!? 何をどうすればお前のようなイカれたガキに知られるんだ!?」
トーレンとメルガーはローグに向かって叫ぶ。二人はすっかり冷静さを失っていた。そんな二人に対してローグが答えたのは……。
「どうやって知ったかだと? 強いて言うなら自分で推測して導き出した、かな?」
「「はあ!?」」
……嘘ではないのだが、誰も納得するはずがない。
「ふざけるな! 馬鹿にしやがって!」
「田舎で暮らしていたのに、自力で魔法の秘密を暴けるはずがないだろ! ましてや、国の秘密など論外だ!」
トーレンとメルガーは怒って怒声を上げる。ローグの計画通りに。
「それもそうか。だが、あんたたちに知る権利はあるのか?」
「「ああ!?」」
「俺が言ったことはこの国の国民のほとんどが知らないんだろう。それなのにあんたたちだけが知ってるのは不公平と思わないのか?」
「「っ!」」
ローグの言葉は二人にとっては理不尽なものだった。あくまでもこの二人には。
「何を馬鹿なことを言うんだ! 私達は国のために働いているだけなんだ! そのためには魔法に関するあらゆる情報を知る義務があるんだ! そこらの一般人とは違う!」
「その通りだ。お前は我々が多くの人を犠牲にしていることが気に入らないようだが、それが最終的に国の利益につながっていることは分かるはず。ここで我々を始末したとしても何も変わることは無い。この国が我々を、魔法協会を求めているのだからな」
「……まるで絶対権力者のセリフだな」
ローグは冷めた目で二人を見るが、気にされはしなかった。
「当たり前だ! 私達は選ばれた存在、私達こそがこの国の要なんだ! 研究のために人を犠牲にすることを許された絶対的な存在なんだ!」
「絶対権力者とは、確かに我々のことを指すかもしれんな。騎士団はともかく、国王陛下を含む国の上層部は我々の味方。たいていの要求は呑んでくれる。そういう意味では影の権力者ともいえるのだろう。そんな我らを敵に回したらどうなる? この国に一生追われる身になることになるぞ、分かっているのか?」
「…………」
トーレンは偉そうになり、メルガーは落ち着きを取り戻して挑発するような口調に変わった。ローグと話しているうちに自分たちの後ろ盾を思い出して余裕を取り戻したようだ。それでも、ローグの冷めた気持ちは変わらない。
「呆れたな」
「はあっ!?」
「……何?」
「発展には犠牲がつきもの……それは理解できるが、露骨に、目に見える形で、必要性もない犠牲まで出すのは愚かしいことだ。魔法の研究者ならもっと線引きすべきだ」
線引き。それはローグの前世でも悩んだものだった。ローグの前世の『ナイトウ・ログ』は死ぬまで悩み苦悩し続けたのだ。だが、ローグの目の前にいるこの二人は……。
「な、何を……」
「線引きだと?」
「本当に犠牲が必要なのか、何を犠牲にすべきか、何のためにするべきか、どう責任を持つべきか、あんたたちはそういう線引きができていない。かなりあいまいだ。そんなだから、目的があれば何をしてもいい、許される、かばってもらえる、そんな考えが出来上がるんだ。実際、今日まで無事だったんだからな」
ろくな線引きをしない研究者などローグにとっては軽蔑するしかない。研究者として失格なのだ。目の前の二人は決して理解しないだろう。
「ちっ、何を言うかと思えば……」
「線引きなどして何にな……」
「まあ、あんたたちにはそういうことを理解してもらおうとは思わない。話してみて罪悪感を一切感じられなかったからな。俺が言いたいことも、あんたたちに喋ってもらいたいことも全部言葉にしてもらったしな」
カチッ
「「……?」」
((なんだ、さっきの音は?))
ローグはポケットから突っ込んでいた手を戻した。その手には何かが握られていた。
「一体、どうやって知った!? 何をどうすればお前のようなイカれたガキに知られるんだ!?」
トーレンとメルガーはローグに向かって叫ぶ。二人はすっかり冷静さを失っていた。そんな二人に対してローグが答えたのは……。
「どうやって知ったかだと? 強いて言うなら自分で推測して導き出した、かな?」
「「はあ!?」」
……嘘ではないのだが、誰も納得するはずがない。
「ふざけるな! 馬鹿にしやがって!」
「田舎で暮らしていたのに、自力で魔法の秘密を暴けるはずがないだろ! ましてや、国の秘密など論外だ!」
トーレンとメルガーは怒って怒声を上げる。ローグの計画通りに。
「それもそうか。だが、あんたたちに知る権利はあるのか?」
「「ああ!?」」
「俺が言ったことはこの国の国民のほとんどが知らないんだろう。それなのにあんたたちだけが知ってるのは不公平と思わないのか?」
「「っ!」」
ローグの言葉は二人にとっては理不尽なものだった。あくまでもこの二人には。
「何を馬鹿なことを言うんだ! 私達は国のために働いているだけなんだ! そのためには魔法に関するあらゆる情報を知る義務があるんだ! そこらの一般人とは違う!」
「その通りだ。お前は我々が多くの人を犠牲にしていることが気に入らないようだが、それが最終的に国の利益につながっていることは分かるはず。ここで我々を始末したとしても何も変わることは無い。この国が我々を、魔法協会を求めているのだからな」
「……まるで絶対権力者のセリフだな」
ローグは冷めた目で二人を見るが、気にされはしなかった。
「当たり前だ! 私達は選ばれた存在、私達こそがこの国の要なんだ! 研究のために人を犠牲にすることを許された絶対的な存在なんだ!」
「絶対権力者とは、確かに我々のことを指すかもしれんな。騎士団はともかく、国王陛下を含む国の上層部は我々の味方。たいていの要求は呑んでくれる。そういう意味では影の権力者ともいえるのだろう。そんな我らを敵に回したらどうなる? この国に一生追われる身になることになるぞ、分かっているのか?」
「…………」
トーレンは偉そうになり、メルガーは落ち着きを取り戻して挑発するような口調に変わった。ローグと話しているうちに自分たちの後ろ盾を思い出して余裕を取り戻したようだ。それでも、ローグの冷めた気持ちは変わらない。
「呆れたな」
「はあっ!?」
「……何?」
「発展には犠牲がつきもの……それは理解できるが、露骨に、目に見える形で、必要性もない犠牲まで出すのは愚かしいことだ。魔法の研究者ならもっと線引きすべきだ」
線引き。それはローグの前世でも悩んだものだった。ローグの前世の『ナイトウ・ログ』は死ぬまで悩み苦悩し続けたのだ。だが、ローグの目の前にいるこの二人は……。
「な、何を……」
「線引きだと?」
「本当に犠牲が必要なのか、何を犠牲にすべきか、何のためにするべきか、どう責任を持つべきか、あんたたちはそういう線引きができていない。かなりあいまいだ。そんなだから、目的があれば何をしてもいい、許される、かばってもらえる、そんな考えが出来上がるんだ。実際、今日まで無事だったんだからな」
ろくな線引きをしない研究者などローグにとっては軽蔑するしかない。研究者として失格なのだ。目の前の二人は決して理解しないだろう。
「ちっ、何を言うかと思えば……」
「線引きなどして何にな……」
「まあ、あんたたちにはそういうことを理解してもらおうとは思わない。話してみて罪悪感を一切感じられなかったからな。俺が言いたいことも、あんたたちに喋ってもらいたいことも全部言葉にしてもらったしな」
カチッ
「「……?」」
((なんだ、さっきの音は?))
ローグはポケットから突っ込んでいた手を戻した。その手には何かが握られていた。
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