ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

文字の大きさ
127 / 252
第4章 因縁編

因縁の対決

しおりを挟む
 ミーラはレオンに怒りをぶつける。

「よくもそんなことを言えるわね! 誰のせいであんな目に遭ったと思ってるのよ!」
「魔法協会の誘いに乗った君自身の浅はかさが原因だよ。違う?」
「くっ!」

 レオンの返事にミーラが歯噛みする。ミーラを焼いたのはレオンで間違いないようだが、魔法協会に加わると決断したのはミーラ自身なのも確かだ。そこは否定できないのだ。

「ミーラ、もう取り合うな。お前が何を言っても無駄だ」
「ぐ……それは……」
「ミーラは相変わらず思慮が浅いからだね。ローの……ローグの言う通りだよ。魔法協会の情報から君も協力者みたいだけどね」
「うう……」
「しかし、それだけのことを知ってるお前が俺たちの目の前に現れたってことは……」
「そうだね。君たち二人を捕まえて王国を混乱させた事件の首謀者として突き出させてもらうとするよ」
「なっ!?」
「…………?」

 レオンは驚くほど素直に目的を語りだした。ローグはそこに違和感を覚えた。レオンのこれまでの性格を考えれば、最初はうまく口を使って騙しにかかると予想していた。だから、何を言っても敵対しようと思っていたのだ。

(どういうことだ? 騎士団に所属していたのは知っていたが、そこで性格が変わった? いや違うな。あの性悪な性格が所属が変わっただけで治るはずがない。ミーラとのやり取りでもそれが分かる。だとすれば……)

「やはりそうなるか。だが、何故一人で来たんだ? 大勢で囲ったほうが手っ取り早いだろうに」
「…………!」
「ふむ、そうだね。僕一人で君たちを捕らえれば手柄を独り占めできるからかな。今の僕なら強くなった君が相手でも勝てそうな気もするからね」
「何?」

 驚くべきことに、レオンはたった一人でローグとミーラの二人を捕らえると宣言した。しかも、ローグが強くなったことを知ったうえでだ。レオンの言葉にローグは苛立ちを交えて答える。

「ほう。相変わらず自分のことしか考えないやつだな。おまけにかなりの自信家だ」
「ふふふ。それほどでも……あるかな」
「ふざけないで!」
「え?」
「あんたは今のローグを知らないからそんなことが言えるのよ! あんたこそ浅はかだったわね!」
「まあそうだな。俺が強力な魔法を二つも持ってることを知ってて一人で戦おうとするとはな」
「そうかな?」

 レオンはミーラの言うように「今のローグを知らない」わけではない。それが意味することについて、ローグは考える。それは二人にとって都合が悪いことだった。

(レオンは本当に一人で来ているわけじゃない、俺達が向かう先に騎士団が先回りするための時間を稼いでいる、そういう可能性がある。だが、本当に一人で来ているとすれば、それに見合うだけの実力を持っている可能性もある)

 レオンは王国の情報網を通して今のローグとミーラのことを知っているようだが、ローグとミーラのほうは今のレオンのことを知らない。少なくとも、騎士団にいることだけは分かっている。

(高い可能性があるとすれば後者だな。レオンが時間稼ぎを買って出るなんてらしくないしな。もしくは両方か。どっちにしろ、俺たちの状況が悪いのは確かだ。ならば、ここでもたもたしていられないな。じっくり復讐するのは今度にするか)

 ローグは決断した。先に進むためにすべきことを。それは……

「レオン。話はもう終わりだ。このままだとお前のペースに持っていかれそうだからな」
「へえ。どうするの?」
「今ここで戦おう。お前を倒して先に進ませてもらう」
「やっぱりそうだよね。楽しませてもらおうかな」
「ローグ、私も!」
「お前は周りを警戒してろ。何かあれば声を掛けてくれればいいから」
「……分かった」
「1対1か。期待してるよ」
「ちっ、言ってろ」

 ローグとレオン。因縁の対決が始まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ
ファンタジー
入学式から3週間目にして『退学」を言い渡された。 (早くない?RTAじゃないんだからさ。) 自分で言うのもアレだけど、入学してからは結構真面目に通ってた。 けど、どうやら教員の不況を買ってしまったらしい。 幸か不幸か、退学まで1週間の執行猶予が与えられた。 けど、今更どう足掻いても挽回する事は不可能だろうし、 そもそも挽回する気も起こらない。 ここまでの学園生活を振り返っても 『この学園に執着出来る程の魅力』 というものが思い当たらないからだ。 寧ろ散々な事ばかりだったな、今日まで。 それに、これ以上無理に通い続けて 貴族とのしがらみシミッシミの薬師になるより 故郷に帰って自由気ままな森番に復職した方が ずっと実りある人生になるだろう。 私を送り出した公爵様も領主様も、 アイツだってきっとわかってくれる筈だ。 よし。決まりだな。 それじゃあ、退学するまでは休まず毎日通い続けるとして…… 大人しくする理由も無くなったし、 これからは自由気ままに、我儘に、好き勝手に過ごす事にしよう。 せっかくだし、教員達からのヘイトをカンストさせるのも面白そうだ。 てな訳で……… 薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。 …そう息巻いて迎えた執行猶予満了日、 掲示板に張り出された正式な退学勧告文を 確認しに行ったんだけど…… どういう事なの?これ。

処理中です...