ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第5章 外国編

これまでの経緯(リオル編2)

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「兄上が子供というのは……精神年齢は否定できんか」
「どんな皇子なんだろ……」
「あんたや妹の第二皇女様はどうしたんだ? 部下たちですら認めていないんだろ?」

 ローグが『妹』という言葉を口にした時、リオルの顔が険しくなった。その表情には悲しみと疑念と怒りが感じられる。

「妹のサーラは、初めのうちは私のように兄上を非難していたんだが、いつしか様子がおかしくなったんだ。何をするにも消極的になってしまった」
「消極的にってどんな感じにですか?」
「帝都で集めた話では政治に詳しくて心優しい姫様だと聞いているんだが?」
「……ふっ、本来ならその情報であっている。もともとあまり積極的な子ではなかったんだが国の政治には必ず表に出るだけの度胸があったんだ。そして、父上の期待にもこたえられるほど聡明な子なのだ、私と違ってな」
(この人、自分が脳みそ筋肉馬鹿だってことは自覚してるのか……?)

 リオルは少し懐かしそうに妹について話す。だが、ここでミーラが疑問を投げかけてきた。

「もともと積極的でない? それってちょっと違うような……?」
「ミーラ?」
「何? どういうことだ?」
「国の政治には必ず表に出るってだけでも結構積極的な気がするんです。私だったら間違いなく怖気づいて逃げるか気絶しちゃいますよ?」
「お、おい……(ちっ、馬鹿が)」
「な、何を言うか! 私に比べれば、あいつは自分で剣や槍をもって戦場に立つこともなければ、訓練もしないし、体術だって護身術だけで満足しているんだぞ! それを積極的だというのか!?」
「ひいい!?」
「……落ち着いてくれ。ミーラが言ってるのは多分一般市民の視点からという話だ。決して皇族としてという意味ではないよ」
「む、むう……」
「そもそも、自ら戦場にまでたつあんたと比べるなんて極端な話じゃないか。気にしないでくれよ、話が進まない」
「…………」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」

(相手が皇女だと知って震えてたくせに、つまんないこと聞くなよ……)

 ミーラのつまらない疑問(ローグの見立てでは)にリオルが怒り出すが、ローグが上手くごまかして何とか収まった。話が再開する。

「……まあ、ともかく、変わってしまったサーラを私は受け入れられず、そのまま疎遠になってしまったんだ。その結果、私と兄上が対立してサーラは傍観するという構図になったのだ」
「そんな……」
「そして今は、あんたが反逆者扱いというわけだが、それもその兄の差し金か?」
「それは間違いない、何しろ兄上が私がありもしない反逆を企てていて父上に毒を盛っていたなどと騒ぎだしたのだからな」
「それで今に至ると?」
「私を犯罪者扱いなど、同じ皇族にしかできない。今それができるのは兄上だけだが……」
「「?」」

 リオルは再び険しい顔になる。余程、この状況を作った内の一人に自分の兄がいることに思うことがあるのだろう。
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