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第5章 外国編
新たな襲撃1
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帝国の宿。
もう辺りは暗くなっていた。今、この部屋にはリオル一人がいるだけだった。彼女は数時間前には二人の重要人物と会話していた。それも敵国を裏切り大事件を引き起こした首謀者だ。そのうちの一人は黒髪黒目の少年ローグ・ナイト。リオルより二つ年下だが、その心はとても年下の少年とは感じられなかった。不思議と相当な人物と思えるような雰囲気を感じさせられた。
「…………」
その少年との会話の内容をリオルはベッドに寝そべりながら思い出す。
(俺が今まで見てきた魔法は人々に差別を生み、力を求めて悲劇を起こさせる要因になっている。俺はそんな魔法の在り方を変えたい、もしくは消したいと思っている。今のままでは世界全体の全人類のためにならないからな)
(世界全体? 全人類?)
(……本気でそんなことを……? お前は一体……?)
(俺は本気だ。あんたなら分かるんだろ、嘘を見破れるんだからな)
(それは……)
(そもそも、あんただって俺と協力しようとか考えなかったわけじゃないはずだ。そうでなきゃ、こんな話し合いなどしないだろ?)
(…………)
(お互いの利害は一致するんだ。ここで手を組もうじゃないか、第一皇女リオル・ヒルディア)
(私は……)
「…………」
魔法を扱う国に生まれながら魔法の存在とその在り方に危機感を覚えている。あの年でそんな思考ができるなんて、どんな人生を送ってきたんだろう。リオルはそんなことを考えるが、考えるよりも動くほうが得意なリオルが考えても無駄だろう。どれどころかローグ本人が教えない限り分かるはずがない。前世の記憶があるからなど、この時代の誰が想像できる?
コンッ コンッ
「っ!?」
その後のことを思い出す途中で、リオルの部屋のドアがノックされた。どうやら、誰かが訪ねてきたようだ。驚いたリオルはとっさに武器に手を伸ばした。
(……誰だ?)
追われている身としては緊張せざるを得ない。ベッドから飛び起きたリオルは、ドアの正面にある小さな覗き穴から訪ねてきた人物を確認してみた。そこにいたのは茶髪のポニーテールの少女だった。
(ああ、彼女は……)
リオルの記憶が正しければ、その少女の名はミーラ・リラ。今日出会ったローグ・ナイトについてきた頼りなさそうな感じの少女だった。
(どうしたのだ? こんな軟弱そうな彼女が一人で来るなんて……)
リオルがミーラを頼りなさそうと思うのは仕方がなかった。いつも一緒にいると思われるローグ・ナイトは堂々としている(ふてぶてしい気もする)のに比べて、ミーラはリオルの正体を知ったとたんに緊張しっぱなしでいるのだ。そして、今も緊張が解けないでいる様子だ。
「……」
ガチャッ
リオルはドアを開けた。ミーラとローグを完全に信用したわけではないが、開けても問題ないと判断したのだ。ローグを通じて彼女が非戦闘員ということも知っている。そんな彼女が一人で訪ねてきたことが意外だった。
「こ、こんばんわ……。皇じ……」
「おい! 私のことは『リオ』と呼べ。私の正体は秘密なんだ」
「リ、リオさん……」
『皇女』と口にしそうだったミーラだが、リオルは遮って呼び方について注意した。所かまわず『皇女様』呼ばわりはマズいことぐらいは分かっているため、ローグとともに『リオ』と呼ぶということに決めたのだ。
「それで何の用だ? 何かあったか?」
「あの、ローグがクロズクの襲撃を……」
「襲撃されたのか!?」
「ひっ!」
もう辺りは暗くなっていた。今、この部屋にはリオル一人がいるだけだった。彼女は数時間前には二人の重要人物と会話していた。それも敵国を裏切り大事件を引き起こした首謀者だ。そのうちの一人は黒髪黒目の少年ローグ・ナイト。リオルより二つ年下だが、その心はとても年下の少年とは感じられなかった。不思議と相当な人物と思えるような雰囲気を感じさせられた。
「…………」
その少年との会話の内容をリオルはベッドに寝そべりながら思い出す。
(俺が今まで見てきた魔法は人々に差別を生み、力を求めて悲劇を起こさせる要因になっている。俺はそんな魔法の在り方を変えたい、もしくは消したいと思っている。今のままでは世界全体の全人類のためにならないからな)
(世界全体? 全人類?)
(……本気でそんなことを……? お前は一体……?)
(俺は本気だ。あんたなら分かるんだろ、嘘を見破れるんだからな)
(それは……)
(そもそも、あんただって俺と協力しようとか考えなかったわけじゃないはずだ。そうでなきゃ、こんな話し合いなどしないだろ?)
(…………)
(お互いの利害は一致するんだ。ここで手を組もうじゃないか、第一皇女リオル・ヒルディア)
(私は……)
「…………」
魔法を扱う国に生まれながら魔法の存在とその在り方に危機感を覚えている。あの年でそんな思考ができるなんて、どんな人生を送ってきたんだろう。リオルはそんなことを考えるが、考えるよりも動くほうが得意なリオルが考えても無駄だろう。どれどころかローグ本人が教えない限り分かるはずがない。前世の記憶があるからなど、この時代の誰が想像できる?
コンッ コンッ
「っ!?」
その後のことを思い出す途中で、リオルの部屋のドアがノックされた。どうやら、誰かが訪ねてきたようだ。驚いたリオルはとっさに武器に手を伸ばした。
(……誰だ?)
追われている身としては緊張せざるを得ない。ベッドから飛び起きたリオルは、ドアの正面にある小さな覗き穴から訪ねてきた人物を確認してみた。そこにいたのは茶髪のポニーテールの少女だった。
(ああ、彼女は……)
リオルの記憶が正しければ、その少女の名はミーラ・リラ。今日出会ったローグ・ナイトについてきた頼りなさそうな感じの少女だった。
(どうしたのだ? こんな軟弱そうな彼女が一人で来るなんて……)
リオルがミーラを頼りなさそうと思うのは仕方がなかった。いつも一緒にいると思われるローグ・ナイトは堂々としている(ふてぶてしい気もする)のに比べて、ミーラはリオルの正体を知ったとたんに緊張しっぱなしでいるのだ。そして、今も緊張が解けないでいる様子だ。
「……」
ガチャッ
リオルはドアを開けた。ミーラとローグを完全に信用したわけではないが、開けても問題ないと判断したのだ。ローグを通じて彼女が非戦闘員ということも知っている。そんな彼女が一人で訪ねてきたことが意外だった。
「こ、こんばんわ……。皇じ……」
「おい! 私のことは『リオ』と呼べ。私の正体は秘密なんだ」
「リ、リオさん……」
『皇女』と口にしそうだったミーラだが、リオルは遮って呼び方について注意した。所かまわず『皇女様』呼ばわりはマズいことぐらいは分かっているため、ローグとともに『リオ』と呼ぶということに決めたのだ。
「それで何の用だ? 何かあったか?」
「あの、ローグがクロズクの襲撃を……」
「襲撃されたのか!?」
「ひっ!」
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