ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第5章 外国編

生物兵器

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 ローグ達がサーラとも協力関係を結んだ直後、サーラの部屋のドアが勢いよく開けられた。何と、一人の兵士が入ってきたのだ。

「サーラ様! サーラ様! どうか起きてください!」

「「「「っ!?」」」」

 兵士の顔は何やら緊迫した感じだ。それ以外の者たちはみんな驚いた。みんなとはローグ・ミーラ・リオル・サーラの4人のことである。

((((マズい、面倒なことになった!))))

 4人はほぼ同じことを思った。皇女二人と外国人二人が話し込んでいる状況をどう説明すればいいのか。

 だが、兵士の口からは4人にとって都合のいい言葉が出てきた。

「サーラ様、一緒にお逃げくだ……あ、あなたはリオル様ではありませんか! 戻ってきてくださったのですね!」
「え? あ、そ、その、それは……」

 兵士はリオルの存在に気付くと、驚くと同時に喜んでいた。その様子を見たリオルも驚いた。だが、驚くのこここからだった。

「リオル様! あなた様の冤罪を証明できず申し訳ありません!」 
「なっ!?」

 兵士は今度はリオルに向かって土下座を始めた。リオルの無実を信じ、それを証明できないことに謝罪を始めたのだ。リオルは反応に困ってしまう。

「ですが、今は城の中でとんでもない事態が起こってしまいました! 都合のいい話なのは承知ですが、どうかご協力ください!」
「「「っ!?」」」
「ど、どういうことだ? 何があったというのだ?」
「リオル様の強さが必要なのです! 実はアゼル様が、大変なことに……」

 この後、兵士の話を聞いたリオルは血相を変えて兄・アゼルの元に向かった。ローグ達も一緒に続いた。



大広間。

 リオルは、ローグ達は、恐ろしい光景を目にした。それは異様な姿をした一人の男だった。その男は背中から複数の触手を生やし、取り囲む兵士を相手に触手だけで戦っていた。触手は大きくて太いものが2本、細いものが十数本、どれも先端に小さな爪があって殺傷能力が高い。すでに何人かの兵士が倒れていた。

「り、リオル様! リオル様が戻ってきた!」
「そんな、こんな時にお戻りになられるとは!」
「サーラ様もいるぞ!」

 多くの兵士がリオルに声を掛けるがリオルには聞こえていなかった。それだけに目の前の光景が衝撃的だったのだ。何しろ、問題の男も見覚えがあったのだ。皇族の着る服、金髪、真っ赤に充血しているが青い瞳の眼、やつれているのは目に見えて分かるその顔はリオルが産まれた時から知っている顔だった。何しろ先に生まれた兄の顔だ。

「そんな、姉さま、あれはまさか……」
「あ、兄上……?」

 背中に触手を生やす異様な男の正体は第一皇子にしてリオルとサーラの兄・アゼル・ヒルディアだった。

「あれがリオさんのお兄さん!? あんなのが!?」
「おいおい、マジかよ……!」

 ミーラは恐ろしくて青い顔して震えていた。人から触手が生えるなど、彼女の眼には恐ろしくて気味が悪いのだろう。

 一方、ローグはまた別の意味でおぞましく感じていた。それと同時に嫌悪感が湧いていた。男の背中に生える触手のほうに見覚えがあったのだ。過去の世界の写真とレポートによる情報しか知らないが、特徴を見ただけで分かってしまった。

(なんてこった、あれはパラサイトオクトパスじゃないか! あんなものまで生き残ってたのかよ、なんて時代だ!)

 パラサイトオクトパスはトリニティウルフのような合成生物だ。ただし、こちらは遺伝子操作が盛んに行われた末に作られた生物兵器であり、作った者たちにとっては都合のいい存在だったらしい。
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