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第5章 外国編
VS異形アゼル1
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異形の姿になったアゼルの懐まで向かってくるローグ達。それに対して、アゼルは全ての触手を繰り出して迎え撃って出た。
「ウオオオオウッ!」
ビュンビュンッ
風を切るような音さえ鳴らすほどの速さで迫りくる触手だが、ローグに届くのを防ぐ手がいくつもあった。そのうちの一人がリオルだ。彼女は剣を振るって触手を切ったり、防いだりしている。
「兄上! あなたの相手は私が、私達がなろう! ローグはそのまま兄上の元へ行け! 時間は稼いでやる!」
アゼルの触手と戦っているのはリオルだけではない。彼女を信じ、共に戦おうとする帝国の兵士たちも居るのだ。
「リオル様に続け!」
「あの少年を援護しろ!」
「アゼル様を救うんだ!」
その中にはこんな男もいる。帝国の騎士団長サーファだ。リオルに匹敵する剣技で触手を切り裂いていく。
「少年よ、君が何者かは分かりかねるが、リオル様が信頼をなさっている以上は味方とみなす! 必ずやアゼル様をお助けするのだぞ!」
戦ってくれる者たちの声を聞いてローグは自分の胸が熱くなるのを感じた。
(……こんなふうに期待されるのは生まれ変わって初めてだな。きっと昔の俺のままだったら喜んだだろうな)
ローグの――ロー・ライトの記憶だけには期待された思い出などは無かった。それとは逆に、前世の記憶は研究成果もあって期待ばかりされた人生だった。前世で期待されてるのに離れていたため、今更そんな思いを向けられてもうれしくもない……とローグは思っていた。
しかし、現実になってみて違った。ローグは結構、彼らに感動していた。
(これだけ期待されて、思いを背負ったんだ。何もできないわけにはいかないよな! 全く、俺のキャラじゃないよ!)
「ああ! 俺に任せろ!」
大勢の助けを得て、ローグはアゼルとの距離を縮めていった。その様子を見守る少女が二人いた。ミーラとサーラだ。
「す、すごい……。あんな怪物相手にみんなしてひるまないなんて!」
「……怪物の正体はアゼル兄さまですけどね」
「あっ! ごめんなさい! そんなつもりで言ったわけでは……」
サーラが悲し気に笑うのを見て、ミーラは何気なく言ってしまったことを後悔した。あれでも元は人間だったのだ。その妹が隣にいたのに「怪物」呼ばわりするなど、人の気持ちを考えていなかったようなものだ。
(私……なんてことを! どうしよう、女の子相手に。しかも皇女様でもあるんだけど!)
すぐ隣にいたのは年下の女の子。それでいて帝国の皇女だ。下手をすれば不敬罪だってありうる。それを頭に入れていなかった自分のふがいなさに悔やんでも悔やみきれない。しかし、ミーラは運がよかった。サーラの次の言葉でそう思えた。
「……いいえ、仕方ありません。あのような姿では怪物呼ばわりは無理もありません。私も実の兄とは思えないのですし……」
「そ、そうですか! 失礼しました! 本当に申し訳ありません!」
ものすごい勢いで頭を下げるミーラだが、サーラは特に気にした様子もない。
「ミーラさんと言いましたね。ローグは勝てると思いますか?」
「え? あ、はい、勝てると思います。あの人はとんでもない強さを身につけて戦ってきましたから」
「それでは、兄も救えると?」
「それは…………すいません、初めてのパターンなんでちょっと分からないです……」
ミーラからすると、ローグの戦いは敵を叩き潰すばかりで、誰かを救い出すという印象は薄い。こんな状況も初めてなので、サーラに問われてミーラは分からないと言うしかできない。
「……すいません、ローグを信じるしか……」
「気にしなくて結構ですよ。ローグを信用できるかは兄のこともありますが、この戦いの結末で決まりますから」
「?」
サーラはそれだけ言うと、戦いを見守るのに集中する。
「ウオオオオウッ!」
ビュンビュンッ
風を切るような音さえ鳴らすほどの速さで迫りくる触手だが、ローグに届くのを防ぐ手がいくつもあった。そのうちの一人がリオルだ。彼女は剣を振るって触手を切ったり、防いだりしている。
「兄上! あなたの相手は私が、私達がなろう! ローグはそのまま兄上の元へ行け! 時間は稼いでやる!」
アゼルの触手と戦っているのはリオルだけではない。彼女を信じ、共に戦おうとする帝国の兵士たちも居るのだ。
「リオル様に続け!」
「あの少年を援護しろ!」
「アゼル様を救うんだ!」
その中にはこんな男もいる。帝国の騎士団長サーファだ。リオルに匹敵する剣技で触手を切り裂いていく。
「少年よ、君が何者かは分かりかねるが、リオル様が信頼をなさっている以上は味方とみなす! 必ずやアゼル様をお助けするのだぞ!」
戦ってくれる者たちの声を聞いてローグは自分の胸が熱くなるのを感じた。
(……こんなふうに期待されるのは生まれ変わって初めてだな。きっと昔の俺のままだったら喜んだだろうな)
ローグの――ロー・ライトの記憶だけには期待された思い出などは無かった。それとは逆に、前世の記憶は研究成果もあって期待ばかりされた人生だった。前世で期待されてるのに離れていたため、今更そんな思いを向けられてもうれしくもない……とローグは思っていた。
しかし、現実になってみて違った。ローグは結構、彼らに感動していた。
(これだけ期待されて、思いを背負ったんだ。何もできないわけにはいかないよな! 全く、俺のキャラじゃないよ!)
「ああ! 俺に任せろ!」
大勢の助けを得て、ローグはアゼルとの距離を縮めていった。その様子を見守る少女が二人いた。ミーラとサーラだ。
「す、すごい……。あんな怪物相手にみんなしてひるまないなんて!」
「……怪物の正体はアゼル兄さまですけどね」
「あっ! ごめんなさい! そんなつもりで言ったわけでは……」
サーラが悲し気に笑うのを見て、ミーラは何気なく言ってしまったことを後悔した。あれでも元は人間だったのだ。その妹が隣にいたのに「怪物」呼ばわりするなど、人の気持ちを考えていなかったようなものだ。
(私……なんてことを! どうしよう、女の子相手に。しかも皇女様でもあるんだけど!)
すぐ隣にいたのは年下の女の子。それでいて帝国の皇女だ。下手をすれば不敬罪だってありうる。それを頭に入れていなかった自分のふがいなさに悔やんでも悔やみきれない。しかし、ミーラは運がよかった。サーラの次の言葉でそう思えた。
「……いいえ、仕方ありません。あのような姿では怪物呼ばわりは無理もありません。私も実の兄とは思えないのですし……」
「そ、そうですか! 失礼しました! 本当に申し訳ありません!」
ものすごい勢いで頭を下げるミーラだが、サーラは特に気にした様子もない。
「ミーラさんと言いましたね。ローグは勝てると思いますか?」
「え? あ、はい、勝てると思います。あの人はとんでもない強さを身につけて戦ってきましたから」
「それでは、兄も救えると?」
「それは…………すいません、初めてのパターンなんでちょっと分からないです……」
ミーラからすると、ローグの戦いは敵を叩き潰すばかりで、誰かを救い出すという印象は薄い。こんな状況も初めてなので、サーラに問われてミーラは分からないと言うしかできない。
「……すいません、ローグを信じるしか……」
「気にしなくて結構ですよ。ローグを信用できるかは兄のこともありますが、この戦いの結末で決まりますから」
「?」
サーラはそれだけ言うと、戦いを見守るのに集中する。
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