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最終章
意地や立場
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◇
リオル率いる帝国軍はもう王都の目の前まで来ていた。
「あれが王都、王国の首都か。我らがここまで到達したのは今回が初めてだな」
「そうですね殿下。私も長年帝国の騎士として戦争に出てきましたが、王都をこの目で見るのは初めてです」
後から帝国の増援として合流したサーファもリオルと並んで王都を眺める。彼も王国との決戦に思うことがあるようだ。何しろ長い間祖国を苦しめた王国を下す時が来たのだと思えば居ても立っても居られないのだろう。
「そうか、そうだな。そして、今日初めて我ら帝国が勝利するのだ。今度という今度こそは勝利は譲らない! 魔法などという力が使えなくなってしまった軟弱な王国などに負けるわけにはいかないんだ!」
「そうですな。ただ、王国も魔法が使えなくても戦わないという選択はないようですよ」
「そのようだな。そこだけは褒めてやらんでもない」
リオルとサーファは王都の手前に並ぶ軍隊を見る。彼らは王国側の軍隊だ。王国中が混乱状態にある中で、帝国が責めてきたという知らせを受けて迎撃と防衛のために集結したようだ。その数は今リオルの率いる帝国軍とほぼ同じだ。しかし、彼らの顔色は誰もが青褪めているため良くないと言える。士気も高くはないだろう。
「長年王国を支えてきた魔法という力が失われても国を守るために立ち上がるものがあれだけ集まるとはな。流石は王国、というべきか?」
「彼らも意地や立場があるのでしょうな。国を失えば困るのは国民ですからな。彼らも例外ではありません」
国民を守るのが兵士や騎士の役目。それはどんな国も変わらない常識だ。魔法の有無は関係はない。
「かもな。だからこそ、ここで叩き潰させてもらうとしよう。私達には私達の立場があるのでな。全軍! 戦闘開始!」
「「「「「おおおおおおおおおおお!!」」」」」
リオルの命により、帝国軍は王都を守る王国軍に向けて突撃していった。帝国軍と王国軍。両者は王都の目と鼻の先で激突した。
「王国軍を打ち破れ! その先にある王都を攻め落とし、帝国に勝利を捧げるのだ!」
リオルの指揮のもと王国軍と戦う帝国軍は全く怯むことなく敵を次々に打ち倒していく。守りにばかりの王国軍はなすすべもなく倒れていくものばかり続出していった。
「……これは勝負あったな」
帝国の軍用馬車の中、戦闘を眺める黒髪黒目の少年は感想を一言呟いた。
リオル率いる帝国軍はもう王都の目の前まで来ていた。
「あれが王都、王国の首都か。我らがここまで到達したのは今回が初めてだな」
「そうですね殿下。私も長年帝国の騎士として戦争に出てきましたが、王都をこの目で見るのは初めてです」
後から帝国の増援として合流したサーファもリオルと並んで王都を眺める。彼も王国との決戦に思うことがあるようだ。何しろ長い間祖国を苦しめた王国を下す時が来たのだと思えば居ても立っても居られないのだろう。
「そうか、そうだな。そして、今日初めて我ら帝国が勝利するのだ。今度という今度こそは勝利は譲らない! 魔法などという力が使えなくなってしまった軟弱な王国などに負けるわけにはいかないんだ!」
「そうですな。ただ、王国も魔法が使えなくても戦わないという選択はないようですよ」
「そのようだな。そこだけは褒めてやらんでもない」
リオルとサーファは王都の手前に並ぶ軍隊を見る。彼らは王国側の軍隊だ。王国中が混乱状態にある中で、帝国が責めてきたという知らせを受けて迎撃と防衛のために集結したようだ。その数は今リオルの率いる帝国軍とほぼ同じだ。しかし、彼らの顔色は誰もが青褪めているため良くないと言える。士気も高くはないだろう。
「長年王国を支えてきた魔法という力が失われても国を守るために立ち上がるものがあれだけ集まるとはな。流石は王国、というべきか?」
「彼らも意地や立場があるのでしょうな。国を失えば困るのは国民ですからな。彼らも例外ではありません」
国民を守るのが兵士や騎士の役目。それはどんな国も変わらない常識だ。魔法の有無は関係はない。
「かもな。だからこそ、ここで叩き潰させてもらうとしよう。私達には私達の立場があるのでな。全軍! 戦闘開始!」
「「「「「おおおおおおおおおおお!!」」」」」
リオルの命により、帝国軍は王都を守る王国軍に向けて突撃していった。帝国軍と王国軍。両者は王都の目と鼻の先で激突した。
「王国軍を打ち破れ! その先にある王都を攻め落とし、帝国に勝利を捧げるのだ!」
リオルの指揮のもと王国軍と戦う帝国軍は全く怯むことなく敵を次々に打ち倒していく。守りにばかりの王国軍はなすすべもなく倒れていくものばかり続出していった。
「……これは勝負あったな」
帝国の軍用馬車の中、戦闘を眺める黒髪黒目の少年は感想を一言呟いた。
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