ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

文字の大きさ
247 / 252
最終章

砂煙

しおりを挟む
 大きな揺れにリオルもローグも帝国軍も驚いた。

「な、なんだ!? 地震か!?」

「殿下、もしや魔法では!?」

「いや、それはない。大きな魔力は感じられなかったから本当に大地が揺れただけだ」

「そ、そうなのか? いや、ローグが言うならそうか」

 大地の揺れにリオルやサーファは「魔法ではないか!?」と焦ったが、ローグが冷静に分析したので少し落ち着いた。

「気をつけろよ。ただの地震ならそれはそれで面倒だ。多分、余震が来るか最悪大きな地震が起こる」

「ええ!? こんな大事な時に地震なんて、」

ズゥウゥゥゥゥウゥゥゥゥウゥゥゥン!!

「「「「「っ!?」」」」」

 またもやリオルの言葉を遮るかのように大地の揺れが起こった。しかも先ほどよりも大きく少し長く。

「くっ、落ち着け皆!」

「ちっ! 結構でかい! 最悪な奴だ……ん?」

 帝国軍が慌てふためく中、ローグは気付いた。王都の方で砂煙が上がっていることに。それもとても大きな砂煙が。

(もしや、王都で大きな建物が崩壊したのか?)

 あれだけの砂煙が王都で上がるのは不自然だ。よほど大きな建物が崩壊したりしなければあり得ない。かつて、ローグが壊滅させた魔法協会も騒動の中で砂煙を上げたことがあるが、今目にしているのはそれ以上だ。

(魔法協会以上の建物が崩壊したか? まあ、魔法が使えないようにしてやったが、それと同時にいろんな魔術も消し去ってやったからな。建物を補強する術式が消えたから建造物の崩壊が起こってもおかしいことじゃないがな。大地の揺れもそれが原因か?)

 自身が治まった。それを機に、ローグはリオルに自分の分析を告げる。

「リオさん、王都で大きな建物が派手に崩壊した可能性がある。あの砂煙の量からしてな。地震もそれが原因だろう」

「何? ……本当だ。あんなに砂煙が舞い散るとは、それだけ大きな建物が崩壊したのか。だとすれば大地の揺れも納得がいくな」

「しかし殿下。王都の大きな建物の崩壊が地震の原因だとすれば、王都で何が崩壊したというのですか?」

「直接、王都に言ってみなければ分からない。少し様子を見てから王都に進軍したらどうかな?」

「「……………」」

 ローグの分析と進言を聞いてリオルとサーファは考える。地震のせいで帝国軍は少し動揺してしまったし、王都を攻め落とす過程でまた地震が起きたら面倒だ。それに砂煙も気になる。リオルとサーファはしばらく考え込んだ。

「……もう少し様子を見よう。焦って失敗するよりはましだ。ここは王都から距離を取って少し休もう」

 リオルの指示で帝国軍の進軍は今から三十分後となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

エレンディア王国記

火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、 「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。 導かれるように辿り着いたのは、 魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。 王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り―― だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。 「なんとかなるさ。生きてればな」 手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。 教師として、王子として、そして何者かとして。 これは、“教える者”が世界を変えていく物語。

処理中です...