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序章 出会い編
第13話 気まずい……/悔しい?
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※数時間後
「ミエダ、もう大丈夫か?」
「ええ、十分回復したわ」
「そうか、ならもうそろそろ行こう」
「……うん」
あれから、私はゼクトに回復魔法をかけ続けてもらっていた。人生の恩人に手間をかけさせて申し訳ないというか情けないわ……。回復が終わって休んだ後、鍋の外に出るんだけど、何か怖いわね……。
「い、行くわよ。何を思ってるのか分からなくもないけど……先へ進まないと……」
「分かってる、行こう……」
私達は十分休んだ後、鍋の上まで登った、森が見渡せる位置まで。そこで見たものは、私の想像を超えるものだった。
「こ、これは!? 森が、森が抉られてる!? しかも一直線に!」
「そ、そうね……私のファイヤーシューティングの炎の矢で森を焼きながら抉った結果ね」
私は事実を淡々と言うけど、内心は落ち着かない。ていうか、怖い。……魔力操作の技術じゃなくて、私の魔力が、私の魔力量が、私の魔法が、私のしたことが、私自身のことが全て怖い……!! 私の放った魔法の通った後が森を大きく抉った! 今でさえ、赤黒く熱を帯びているし、周りに焼け焦げた魔物の死体が見える! こんなことになるなんて……。
「ミ、ミエダさ~ん……」
「な、なにかしら、ゼクトくん……?」
「あなたがこれをやったんだよね……?」
「そ、そうよ……は、はは、すごいでしょ?」
「そうっすね……」
ゼクトも私も、目が笑わずに笑っている。私たちは互いにどう接すればいいか分からなくなっている。そりゃそうよね……。こんなことができる女なんて怖いでしょうね……。無理して誤魔化そうとしてるけど無駄なんだわ……。ゼクトの反応がどう出るか分からないけど、きっと……。
「ち、ちっくしょおおおおおおおおおお!!」
「ええ!? ちょ、ちょっと待って、どうしたのよ急に!?」
「く、悔しいんだよ! 先を越されるなんて~!」
「は、はあ? 先を越されるって、何言ってんの!?」
「だってそうだろうがよ~。この状況はつまり! ミエダが俺の助言ですっげえ強くなって魔物どもを一掃したってことだろ! 大活躍じゃねえか! 俺がやってやろうとしたのによ~、ちくしょー!」
「……悔しい? え? ええ~?」
……あ、あれ~? く、悔しいの? そんな反応するとは思ってなかったんだけど……? 私のほうはどう反応すればいいのかな? ゼクトの助言で魔力操作ができて、魔法を不用意に放って魔物の大半が一掃したのは事実なんだけど……まあ、確かに大活躍にはなるんだけどね。でも、なんか釈然としないわ……。
「あ、あの~、ゼクト~……じ、実は私、そんなつも……」
「だがしかし!」
「ふぇ!?」
「次は俺だ! 俺が活躍してやるんだ! 負けねえぞ! いいな、ミエダ!」
「は、はい! わ、私も負けません! が、頑張ってね!」
「おう!」
……しまった。流されて「頑張ってね!」なんて言っちゃった~! 何が「私も負けません!」よ! も~! ゼクトが悔しがるのは予想外だけど、これも時代の変化なのね。
「話は変わるけど、もう先に進もうかな? ダンジョンに森があるパターンは知らないからどうする?」
「え、う~ん、私もこんなパターンはよく知らないけど、迷路や中が広い部屋だと何かしらの仕掛けや目印があったりするから、この場合は何か目立つものを目指せばいいんじゃない?」
「目立つもの? いったいどんな?」
「そうねえ、森の中に大きな何かが……あっ! あれなんかそんな感じよ!」
「あれって? あ!」
ゼクトが急に話を変えてくれた。とりあえず私もそれに合わせよう。そして、私が見つけて指さしたのは、怪しい神殿のような建物だ。……もう少しでぶっ壊すところだったけどね。
「ミエダ、もう大丈夫か?」
「ええ、十分回復したわ」
「そうか、ならもうそろそろ行こう」
「……うん」
あれから、私はゼクトに回復魔法をかけ続けてもらっていた。人生の恩人に手間をかけさせて申し訳ないというか情けないわ……。回復が終わって休んだ後、鍋の外に出るんだけど、何か怖いわね……。
「い、行くわよ。何を思ってるのか分からなくもないけど……先へ進まないと……」
「分かってる、行こう……」
私達は十分休んだ後、鍋の上まで登った、森が見渡せる位置まで。そこで見たものは、私の想像を超えるものだった。
「こ、これは!? 森が、森が抉られてる!? しかも一直線に!」
「そ、そうね……私のファイヤーシューティングの炎の矢で森を焼きながら抉った結果ね」
私は事実を淡々と言うけど、内心は落ち着かない。ていうか、怖い。……魔力操作の技術じゃなくて、私の魔力が、私の魔力量が、私の魔法が、私のしたことが、私自身のことが全て怖い……!! 私の放った魔法の通った後が森を大きく抉った! 今でさえ、赤黒く熱を帯びているし、周りに焼け焦げた魔物の死体が見える! こんなことになるなんて……。
「ミ、ミエダさ~ん……」
「な、なにかしら、ゼクトくん……?」
「あなたがこれをやったんだよね……?」
「そ、そうよ……は、はは、すごいでしょ?」
「そうっすね……」
ゼクトも私も、目が笑わずに笑っている。私たちは互いにどう接すればいいか分からなくなっている。そりゃそうよね……。こんなことができる女なんて怖いでしょうね……。無理して誤魔化そうとしてるけど無駄なんだわ……。ゼクトの反応がどう出るか分からないけど、きっと……。
「ち、ちっくしょおおおおおおおおおお!!」
「ええ!? ちょ、ちょっと待って、どうしたのよ急に!?」
「く、悔しいんだよ! 先を越されるなんて~!」
「は、はあ? 先を越されるって、何言ってんの!?」
「だってそうだろうがよ~。この状況はつまり! ミエダが俺の助言ですっげえ強くなって魔物どもを一掃したってことだろ! 大活躍じゃねえか! 俺がやってやろうとしたのによ~、ちくしょー!」
「……悔しい? え? ええ~?」
……あ、あれ~? く、悔しいの? そんな反応するとは思ってなかったんだけど……? 私のほうはどう反応すればいいのかな? ゼクトの助言で魔力操作ができて、魔法を不用意に放って魔物の大半が一掃したのは事実なんだけど……まあ、確かに大活躍にはなるんだけどね。でも、なんか釈然としないわ……。
「あ、あの~、ゼクト~……じ、実は私、そんなつも……」
「だがしかし!」
「ふぇ!?」
「次は俺だ! 俺が活躍してやるんだ! 負けねえぞ! いいな、ミエダ!」
「は、はい! わ、私も負けません! が、頑張ってね!」
「おう!」
……しまった。流されて「頑張ってね!」なんて言っちゃった~! 何が「私も負けません!」よ! も~! ゼクトが悔しがるのは予想外だけど、これも時代の変化なのね。
「話は変わるけど、もう先に進もうかな? ダンジョンに森があるパターンは知らないからどうする?」
「え、う~ん、私もこんなパターンはよく知らないけど、迷路や中が広い部屋だと何かしらの仕掛けや目印があったりするから、この場合は何か目立つものを目指せばいいんじゃない?」
「目立つもの? いったいどんな?」
「そうねえ、森の中に大きな何かが……あっ! あれなんかそんな感じよ!」
「あれって? あ!」
ゼクトが急に話を変えてくれた。とりあえず私もそれに合わせよう。そして、私が見つけて指さしたのは、怪しい神殿のような建物だ。……もう少しでぶっ壊すところだったけどね。
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