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第27話 竜騎士ニーズヘッグ・ファフニールは乗り物に酔いやすい。②
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竜騎士となるためには様々な条件が必要とされる。
乗り物に酔いやすいという、ニーズヘッグの体質は無論論外であるため、それ以外の条件の話である。
その前にまず、「竜騎士」や「ドラゴン」について記しておかなければならないだろう。
竜騎士とは、古来からある兵種の一つ、「騎兵」の最高位である。
騎兵とは、馬などの動物に騎乗して戦闘行動を取る兵士のことであり、最初はロバが使用されていたが、後に馬が主流になったとされている。
竜騎士とは、馬にまたがるように、竜の背にまたがり空を駆ける騎士のことだ。ドラゴンナイトと呼ばれることもある。
海の向こうにある国「ヘブリカ」には、翼を持つ馬・ペガサスや怪鳥グリフィンにまたがる騎士も存在するという。
彼らはペガサスナイトやグリフィンナイトと呼ばれているらしい。
ドラゴンとは、魔物の中で最も知性が高く、強靭な肉体を持つ存在である。
便宜上、魔物の中の竜属というジャンルにカテゴリーされてはいるが、他の魔物とは進化の過程が大きく異なり、実際には精霊に近い存在であった。
この世界には大気中にエーテルと呼ばれる魔素が存在する。
エーテルは魔法使いが火や水、土や風といった精霊の力を借りて使う魔法の源であると同時に、動植物に自我や高い知性を与え、魔物へと進化させたものでもあった。
魔物という表現は物騒ではあるが、魔素によって進化した動植物を意味し、人語を理解し、人間と共存が可能な存在であった。かつては魔物だけの国家も存在していた。
しかし、ドラゴンはエーテルによって進化を遂げた存在ではなかった。
ドラゴンは精霊がそうであるように、はじめからドラゴンであり、進化や退化とは無縁の存在であった。
だから、魔物と呼ぶべき存在ではなかった。
100年ほど前、この世界にはエーテルとは別にダークマターと呼ばれる魔素が生まれた。
エーテルによって進化した魔物は、ダークマターによって混沌化し、知性を失う代わりに獰猛さと強靭な肉体を持つカオスと呼ばれる存在となった。
しかし、ドラゴンはダークマターの影響を一切受けることはなかった。
ドラゴンは、火を司る精霊フェネクスが棲む山の火口からのみ産まれる。
ドラゴンは必ずその火口に卵を産み、卵の中の子は孵化した瞬間に燃え盛る炎にその身を焼かれるという。
炎に焼かれて死ぬ前に、飛ぶことを覚えた者だけが、ドラゴンとして産まれることができる。
そのようにして生まれたドラゴンは、この世界のどんな金属よりも堅く、あらゆる魔法を無効化する鱗や皮膚を持つ。
ドラゴンは数百年の時を生きるが、火の精霊フェネクスとの盟約で、その生涯でたったひとりだけ、自らの背に乗せる騎士を選ぶ。
その騎士は、火の精霊に愛されるランスの民でなければならず、ドラゴンという種の長い歴史の中でたった一柱だけ、「ドラゴン」と「人の女」の姿を持って生まれ、「人の男」との間に「子」を遺したエキドナの血を引いていなければならない。
エキドナはドラゴンの姿のときは卵を産むが、人の女の姿のときは人と同じように子を産んだという。
ドラゴンに選ばれるためには、騎士はドラゴンに力を示さなければならない。
火の精霊に愛され、エキドナの血を引く騎士だけが、その槍に自らの血を塗ることで、一度だけドラゴンの鱗や皮膚を貫く力を手にする。
ドラゴンが吐く炎を受ければ騎士は死を免れることはできない。
どんな鎧や兜や盾を身にまとっていたとしても、跡形もなく消える。
ドラゴンの翼が巻き起こす真空の刃は、騎士の死体こそ残るが鎧ごとその肉体はバラバラにされる。
ドラゴンの爪に切り裂かれたり、あるいは強靭な手足や尾による攻撃を受けてしまっても、騎士は死を免れることはできない。
一度も攻撃を受けることなく、一度だけ許された攻撃で槍をドラゴンに突き刺さなければならない。
騎士が示すべき力とは知恵だった。
ドラゴンは、炎の精霊に愛され、エキドナの血を引く騎士が知恵を示した時にだけ、その騎士の命が尽きるときまで、その背にその騎士だけを乗せる契約をする。
ニーズヘッグは、すでにドラゴン・ケツァルコアトルに力を示していた。
しかし、その背に彼が乗ったことは一度もなかった。
乗り物に酔いやすいという、ニーズヘッグの体質は無論論外であるため、それ以外の条件の話である。
その前にまず、「竜騎士」や「ドラゴン」について記しておかなければならないだろう。
竜騎士とは、古来からある兵種の一つ、「騎兵」の最高位である。
騎兵とは、馬などの動物に騎乗して戦闘行動を取る兵士のことであり、最初はロバが使用されていたが、後に馬が主流になったとされている。
竜騎士とは、馬にまたがるように、竜の背にまたがり空を駆ける騎士のことだ。ドラゴンナイトと呼ばれることもある。
海の向こうにある国「ヘブリカ」には、翼を持つ馬・ペガサスや怪鳥グリフィンにまたがる騎士も存在するという。
彼らはペガサスナイトやグリフィンナイトと呼ばれているらしい。
ドラゴンとは、魔物の中で最も知性が高く、強靭な肉体を持つ存在である。
便宜上、魔物の中の竜属というジャンルにカテゴリーされてはいるが、他の魔物とは進化の過程が大きく異なり、実際には精霊に近い存在であった。
この世界には大気中にエーテルと呼ばれる魔素が存在する。
エーテルは魔法使いが火や水、土や風といった精霊の力を借りて使う魔法の源であると同時に、動植物に自我や高い知性を与え、魔物へと進化させたものでもあった。
魔物という表現は物騒ではあるが、魔素によって進化した動植物を意味し、人語を理解し、人間と共存が可能な存在であった。かつては魔物だけの国家も存在していた。
しかし、ドラゴンはエーテルによって進化を遂げた存在ではなかった。
ドラゴンは精霊がそうであるように、はじめからドラゴンであり、進化や退化とは無縁の存在であった。
だから、魔物と呼ぶべき存在ではなかった。
100年ほど前、この世界にはエーテルとは別にダークマターと呼ばれる魔素が生まれた。
エーテルによって進化した魔物は、ダークマターによって混沌化し、知性を失う代わりに獰猛さと強靭な肉体を持つカオスと呼ばれる存在となった。
しかし、ドラゴンはダークマターの影響を一切受けることはなかった。
ドラゴンは、火を司る精霊フェネクスが棲む山の火口からのみ産まれる。
ドラゴンは必ずその火口に卵を産み、卵の中の子は孵化した瞬間に燃え盛る炎にその身を焼かれるという。
炎に焼かれて死ぬ前に、飛ぶことを覚えた者だけが、ドラゴンとして産まれることができる。
そのようにして生まれたドラゴンは、この世界のどんな金属よりも堅く、あらゆる魔法を無効化する鱗や皮膚を持つ。
ドラゴンは数百年の時を生きるが、火の精霊フェネクスとの盟約で、その生涯でたったひとりだけ、自らの背に乗せる騎士を選ぶ。
その騎士は、火の精霊に愛されるランスの民でなければならず、ドラゴンという種の長い歴史の中でたった一柱だけ、「ドラゴン」と「人の女」の姿を持って生まれ、「人の男」との間に「子」を遺したエキドナの血を引いていなければならない。
エキドナはドラゴンの姿のときは卵を産むが、人の女の姿のときは人と同じように子を産んだという。
ドラゴンに選ばれるためには、騎士はドラゴンに力を示さなければならない。
火の精霊に愛され、エキドナの血を引く騎士だけが、その槍に自らの血を塗ることで、一度だけドラゴンの鱗や皮膚を貫く力を手にする。
ドラゴンが吐く炎を受ければ騎士は死を免れることはできない。
どんな鎧や兜や盾を身にまとっていたとしても、跡形もなく消える。
ドラゴンの翼が巻き起こす真空の刃は、騎士の死体こそ残るが鎧ごとその肉体はバラバラにされる。
ドラゴンの爪に切り裂かれたり、あるいは強靭な手足や尾による攻撃を受けてしまっても、騎士は死を免れることはできない。
一度も攻撃を受けることなく、一度だけ許された攻撃で槍をドラゴンに突き刺さなければならない。
騎士が示すべき力とは知恵だった。
ドラゴンは、炎の精霊に愛され、エキドナの血を引く騎士が知恵を示した時にだけ、その騎士の命が尽きるときまで、その背にその騎士だけを乗せる契約をする。
ニーズヘッグは、すでにドラゴン・ケツァルコアトルに力を示していた。
しかし、その背に彼が乗ったことは一度もなかった。
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