ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。完全版

あめの みかな

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第二部「おにーちゃんとえっちしたい!」

「おにーちゃんとえっちした(い)。⑦」

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 わたしたちが生まれ育った愛知県弥富市は、近鉄の急行に乗れば、名古屋駅までたった15分で行けてしまいます。

 だから、弥富市は名古屋で働く人たちが多く住んでいて、さらにどんどん移住してくる、いわゆるベッドタウンというやつで、この少子化の時代に、何年か前に新しく小学校が作られるくらい、子どもたちがたくさんいる街でした。

 ロリコンのおにーちゃんは、近くの小学校(わたしとおにーちゃんの母校)から、

「小学生の下校の時間です。こどもたちが安全に帰れるように見守ってください」

 っていうアナウンスがお昼過ぎに流れる度に、

「さぁ、狩りの時間のはじまりだ……!」

 と言って、そのときに家のどこで何をしていようが、自分の部屋から模造刀やらモデルガンやらドミネーターやらを持ってくるという即興コントをはじめたりします。

 あれ? なんでわたし、この人のこと好きになったんだろ……


 でも、栄えてるのは駅とか国道がある北の方だけで、市の真ん中より若干南寄りにあるわたしたちのおうちは、最寄りのコンビニまで徒歩だと30分以上かかるド田舎だったりするんだけど。

 ちなみに、市の名産は金魚と鯉と、あと文鳥。
 市のゆるキャラは、金魚に手足が生えたやべーやつで、名前はきんちゃん。
 イラストはまだギリかわいいけど、きぐるみは、中の人なんていない! とは絶対に言えないくらいに、中の人の長い脚が際立つカオスなモンスター。
 ご当地ヒーローは、ヤトレンジャーみたいなのがいて、名古屋吉本の若手芸人さんたちがやってたんだけど、いつの間にか解散していたので、今はうちのおにーちゃんみたいな犯罪者予備軍が野放しにされている……弥富市はそんな、いわば日本のゴッサムシティです。

 愛知県の一番西になるのかな……何ていう川か忘れちゃったけど、確か木曽川だったかな……大きな川の上にかけられた橋をわたったら、もうそこは三重県。
 ナガシマスパーランドも近くて、夏はナガシマスパーランドの花火がおにーちゃんの部屋の窓から見えたりします。アウトレットのジャズドリームナガシマもそこ。

 以上、わたしたちの地元紹介でした!
 聖地巡礼するときは、連絡してね!!


 この日、おにーちゃんとわたしが名古屋に来ていたのは、ペアリングを買うためでした。

 おにーちゃんは、女の子の服に憧れていただけあって、中身が女子な部分が多々あって、そういうペアものが大好きなのです。

 でも、今回ペアリングを欲しがったのは、おにーちゃんじゃなくて、わたしでした。

 それは、おにーちゃんと彼氏彼女になれた日の夜、おにーちゃんのベッドで一緒に寝るときのことでした。

 その翌日から3日間、わたしとおにーちゃんは、ずーっとえっちなことばっかりしちゃうことになるわけですが……まぁ、いまもしたいんだけど……

 その夜はわたしがはじめてだったこともあって、ちゅーしたり、ぎゅーしたりはいっぱいしたけど、おにーちゃんはわたしの体のことをすごく心配してくれて、それ以上えっちなことはなかったのです。

 わたしは、おにーちゃんと恋人繋ぎした手を見ながら、しあわせでいっぱいな気持ちになって、

「おにーちゃんとおそろいの指輪がほしいな……」

 ふと思ったことを、思わず口にしてしまったのです。

 すると、おにーちゃんはすぐに、枕元で充電していたスマホを手に取ると、何やら調べものをしはじめて、

「こんなのは、どう?」

 と、わたしにとてもきれいな指輪を見せてきたのでした。

「それか、こういうの」

 おにーちゃんは、ほんとにわたしのことずっと好きでいてくれてたんだなぁ、ってわたしが改めて思うくらい、わたしが恥ずかしくなってしまうくらい、はしゃいでいました。

 でも、

「それ、婚約指輪か結婚指輪だよね?」

 おにーちゃんのスマホの画面に表示されていた指輪の値段は、何十万円もするものでした。

「おにーちゃんはすぐ物をなくすから、ふたりあわせて一万円(税抜き)までのもの!」

 放っておくと、せっかく貯めていた貯金を全部使ってでも買ってしまいそうな上、1ヶ月もしないうちにそれを失くしそうな勢いだったので、わたしはそう言って、

「通販じゃなくて、ふたりでちゃんとお店に買いに行こ?」

「うん!」

 どうやらわたしは、これまで以上にしっかりしないといけないみたいだとわかった瞬間でもありました。

 まぁ、でも、これまで以上にしっかりしなきゃいけないと気づいたはずのわたしは、その翌日から3日間、おにーちゃんとずーっとえっちなことばっかりしてたわけなんですが……(2回目)
 ほんと、いますぐにでもしたいんだけど、どうしよう!?


 そのあと、わたしは使わなくなっていた財布に一万円を入れて、そこにおにーちゃんにも一万円を入れさせて、

「いい? これが、わたしたちの1ヶ月のデート代。たぶん足りるとは思うけど、足りなくなったときは、お互いに5000円ずつ出すことにしよ?」

 その財布は、わたしが管理することにして、デートのお会計は全部その財布から出すことに決めたのでした。
 ちなみに、この日入れた分は、もう9月も終わりだから、10月の分。
 ペアリング代もその中にもちろん含まれていました。

 今はアルバイトをしていないけど、高校生の頃2年くらいバイトをしていたし、お年玉も毎年ほとんど使わずに貯金していたから、わたしもそれなりに、ほんとうにそれなりだけど、貯金があったのです。


 だから、今、わたしたちが名古屋駅の高島屋のエスカレーターをのぼっているのは、まだわたしたちには早いけれど、おにーちゃんが最初に買ってくれようとしていた指輪の実物を、ふたりとも一度見てみたかったからで、実際にペアリングを買うのは別のお店。

 わたしはあまりブランドにこだわりとかなくて、お洋服とかバックとか靴とか、安くておしゃれにかわいく、をモットーにしているので、プレゼントもそんなに高い物を欲しいと思ったことはありませんでした。
 お化粧品だって、おにーちゃんの女装用とほとんど同じ安物だし……
 今思い付くかぎり、わたしが一番ほしくて一番高いものは、Nintendo Switchとかだし。

 外食も、安くておいしくておなかがいっぱいになるのが一番!

 これを読んでくれてるみんなは、わたしのことをやべー妹だとか、はやくなんとかしないと、って思ってるみたいだから、わたしがちゃんとした女の子だということをアピールしてみました! てへぺろ。ちゅぱちゅぱ。


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