ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。完全版

あめの みかな

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第二部「おにーちゃんとえっちしたい!」

「おにーちゃんとえっちした(い)。⑪」

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 おにーちゃんとわたしの「結婚」について、おにーちゃんの話は続きました。

「それから、ちゃんと式も挙げる。
 式場とか教会とかは、ぼくの今の貯金じゃとても借りられないから、どこかきれいな場所で。許可を取ったりしなくてもいいようなところでしかできないけど。
 必要なものはふたりで全部作って。
 ちょっと先になりそうだけどね。
 ぼくは招待できる友達なんていないけど、みかなはいるよね」

 おにーちゃんには、友達と呼べる人は誰もいませんでした。

「みかなも、佳代ちゃんくらいしかいないよ?」

 わたしもそう。幼なじみの佳代ちゃんだけが唯一のお友達。


 おにーちゃんもわたしも、ふたりとも、小学校や中学校でひどいいじめを受けていました。

 そのせいで、おにーちゃんは、成人式に行けなかった。

 わたしも来年? 再来年かな? 成人式だけど、今でもたまに夢に出てくる、名前も忘れてしまったような人たちの、意地の悪い顔だけはしっかりと覚えていて、その人たちに会うなんて絶対に無理でした。
 だから、佳代ちゃんはきっと行くだろうから、わたしも行きたいけど、行きたくても恐くて行けない。

 わたしたちは、ふたりとも、空気を読むとか、人との適度な距離感をはかることがうまくできなくて、友達が出来てもすぐに離れて行ってしまうのです。
 現実でも、ネットでも。
 何度も何度もそういうことを繰り返してきて、おにーちゃんもわたしも、友達を作ることを、もう完全に諦めてしまっていました。

 わたしには、おにーちゃんと佳代ちゃんさえいてくれたら、それでよかった。

 でも、おにーちゃんには、わたししかいない。

 もしかしたら、おにーちゃんにとっては、友達を作るより彼女を作る方がずっと簡単なことだったのかもしれません。

 わたしを諦めさせたり、わたしのことを諦めたりするためだけじゃなくて、わたし以外の理解者が欲しかったのかもしれない。

 おにーちゃんが抱えている闇は、わたしよりもたぶんずっとずっと深い。

 そのことに、わたしはそのとき、はじめて気づきました。


「そっか。じゃあ、佳代ちゃんにだけ来てもらおう。佳代ちゃんは一応ぼくの友達? 幼なじみ? になるもんね」

 おにーちゃんはそう言って、わたしの頭を撫でてくれました。

 おにーちゃんは、わたしとのことについて、もうそこまで考えていてくれたのです。

 普通の、まったくの赤の他人から仲良くなって付き合うようになった女の子だったら、付き合いはじめたばかりでそんなことを言われたらきっと引いてしまうと思うけど、わたしはそうじゃないから、ずっとおにーちゃんだけを見てきたから、それは本当にうれしくて、しあわせなことでした。

 だから、わたしは、思わずおにーちゃんにキスをしてしまいました。
 いっぱいいっぱいキスをしました。

 ほんとは、もっといろんなこと、えっちなことたくさんしたかったけど……

「みかな、まだ朝早いし、市役所はたぶん夕方の5時くらいまではあいてるから、もう少し寝よっか」

 おにーちゃんも、たぶんわたしと同じ気持ちのはずなのに、おにーちゃんはいつも自分の気持ちより、わたしの体の心配を先にしちゃう。

 わたしの大好きな人は、本当に本当に優しくて素敵な人。


「お昼くらいまで?」

「そうだね、お昼くらいまでかな……」


 わたしは、確かにまだ少し眠かったけど、なんだかおにーちゃんがすごく無理をしているような気がして、とても心配でした。

 おにーちゃんは、この10日間でびっくりするくらいに元気になっていました。

 男の娘というチョイスはさすがにどうかなって、いまだに思ったりもするけど、今までにしたことがなかった新しいことを始めて……

 それから、わたしと付き合うようになって、毎日いっぱいえっちをするようになって……

 本当に見違えるくらいに元気になっていました。

 だけど、わたしには、その元気は、今にも切れてしまいそうな、張り詰めた一本の糸だけで成り立っているかのような、とても不安定なものに思えてしかたがありませんでした。

 前に、おにーちゃんは言っていました。


――ぼくも父さんと同じで、人の愛し方がよくわからないみたいなんだ。
  好きになった子をいつも大切にできない。
  相手の言葉やしぐさから、愛されてることや、必要とされていることを感じることも、うまくできない。
  体を重ねてるときだけ、ちゃんと愛を表現できてる気がする。
  愛されてるのを感じる。
  必要とされていると感じる。
  生きていてもいいんだって思える。


 その言葉を聞いたときに、わたしはネットで調べたり、調べてわかったことをもっと詳しく知るために本を読んだりして、おにーちゃんはセックス依存症なんじゃないのかなって、ひとつの可能性にたどり着きました。

 セックス依存症の主な原因は、幼児期に親からちゃんと愛情を受けていなかったこと……
 それは、おにーちゃんだけじゃなくて、わたしにも当てはまることでした。


「ねぇ、おにーちゃん」

 だから、わたしはどうしても、おにーちゃんに伝えておかなければいけないことと、確認しておかなければいけないことがありました。
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