未来星人ぷぷるん VS 強襲! スク水星人 , 激神!! ブルマー星人 , 烈戦!!!女児服星人 , 未来星人絶滅計画!!!!

あめの みかな

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第12話「日常は爆発するのだ♡」上

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「ねーレイタぁ、学校ってなんなのだ?」

 朝の食卓、ぷぷるんはリビングのソファに座り、隣に座るウルのスク水の胸の内側から取り出したタコせんべいを、

「やめろ、ぷぷるん。ボクのタコせんべいを勝手に食べるなっ。あっ、取るときはもっと優しく……」

 やめられない止まらないと言わんばかりの勢いで、次々にむしゃむしゃ頬張っていた。

「お前がクレーターにしたやつだよ……」

 レイタはトーストをかじりながらため息をついて言った。
 久しぶりに制服に袖を通してはいたが、彼はもうその左目に眼帯をつけていたり、学ランやシャツの下の右腕に包帯を巻いたりもしていなかった。
 とてもそんな気にはならなかった。彼の腕にも目にも、最初から悪魔の体や魂が封印されていたりはしないからだ。短い中二病だったなと懐かしく思えるほどだった。
 彼にはもう行く学校なんてものはなかった。
 いや、正確には校舎が町ごと吹き飛んでなくなっただけで、その日から市内の別の高校の敷地内にある旧校舎で、授業が再開される予定ではあった。
 だから彼は今日、久しぶりに制服に袖を通していた。

 レイタやマヒルがほんの数日だけ通った高校の跡地を含めたひとつの町は、いつの間にか「グラウンド・ゼロフォー」と呼ばれるようになっていた。
 その言葉を聞いて真っ先にレイタの頭に思い浮かんだのは、彼が生まれる10年ほど前に起きたアメリカ同時多発テロだった。
 テロの標的となったニューヨークのワールドトレードセンターが倒壊した跡地が、確か「グラウンド・ゼロ」と呼ばれていた。

 グラウンド・ゼロとは、元々は「爆心地」を意味する英語であり、広島と長崎への原爆投下爆心地や、ネバダ砂漠での世界初の核兵器実験場跡地、核保有国で行われた地上核実験での爆心地をそう呼ぶのが一般的だったらしい。
 だから、テロが起きた場所という意味ではないそうだ。ワールドトレードセンターの跡地が、広島の原爆爆心地である原爆ドームや近隣の病院付近を連想させるとして、アメリカのマスコミがそう呼び始めたのが定着しただけらしい。ウィキペディアにそう書いてあった。

 グラウンド・ゼロではなく、なぜかゼロフォーと呼ばれているのは、かつてこの国に原爆が落とされたふたつの場所が、当時の国の偉い人たちの間でグラウンド・ゼロワン、ゼロツーと呼ばれており、14年前に起きた震災でメルトダウン寸前にまで陥った原発周辺がゼロスリーと呼ばれていたかららしい。仮○ライダーかよと思った。

 核兵器ではないが、爆心地という意味では、確かにあの場所はグラウンド・ゼロだった。
 あの場所は、今は町ごと、というよりはクレーターごと、大きな壁に囲われていた。
 以前、テレビに映るグラウンド・ゼロフォーを観ながら別に人を喰う巨人が壁の外にいるわけでも、ゾンビが壁の中にいるわけでもないのにと、「進○の巨人」や父が昔プレイしていた「龍○如く OF THE END」をレイタが思い出していると、

「まるで『ぼく○の勇気 未○都市』なのだ」

 と、ぷぷるんは言った。
 なんだそれ? と思ってスマホで調べると、どうやら30年近く前のテレビドラマのようだった。
 本当に、なんでそんなものを知ってるんだろうと不思議だった。

 壁に囲われたあの場所は立ち入り禁止になっており、何が起きたのかいまだに明らかにはされていない。
 国や地方自治体、警察、消防は知っていて明かさないのではなく、本当に何が起きたのかわからないのだろう。

 それをたったひとりでやってしまった少女がレイタのそばにいたからだ。
 何が起きたかわかっていたなら、とっくにこの家はSATだかSITだかに取り囲まれ、ぷぷるんはもちろん、レイタやウル、ルゥ、ミズキはその身柄を拘束されてしまっていただろう。マヒルも巻き込んでしまっていたかもしれない。
 このまま何もわからないままでいてほしかった。

 ぷぷるんは張本人だから仕方がない。ウルたちも宇宙人だから仕方がないだろう。仕方がないで済ませたくはなかったし、そんなことが起きれば徹底抗戦する気満々だったが。
 自分のことも、彼女たちを匿っているのだから仕方がないだろうと思えた。
 だが、レイタはマヒルだけはどうしても巻き込みたくなかった。
 さんざん巻き込んでおいて今さらだよなと自嘲した。

 グラウンド・ゼロフォーで放射能が確認されたという話は、テレビでもネットでも報道されていなかった。
 だが、壁のそばにいくとガイガーカウンターが異常な数値を測定しただとか、地下に極秘の核施設があって不慮の事故で核爆発が起きただとか、様々なデマや都市伝説がネットを中心に飛び交っていた。
 くだらないなとレイタは思っていた。何千人もの人々が町ごと跡形もなく吹き飛んだか、あるいは蒸発したというのに、自分が死ぬことさえ気づけなかっただろうに、よくもまぁそんなデマをまきちらして自己顕示欲や承認欲求を満たせるなと。
 腹が立つだけだからずっと考えないようにしていたし、SNSの類いは見ないようにしていたが、その日は朝から何故かそんなことばかり考えてしまった。

「なぁ、ぷぷるん、あのとき、何で俺の名前を知ってたんだ?」

 だから、ついでというわけではなかったが、以前からずっと気になっていたことをぷぷるんに訊くことにした。

「ん? あのときっていつのことなのだ?」

「お前が町ごと学校を……俺たちが初めて会ったときのことだよ。マヒルの名前は知らなかったのに、俺の名前は知ってたろ? 未来星が滅びる運命にあるとか、俺がいたら未来星を救えるとも言っていたよな」

「ん~? ぷぷるん、そんなこと言ったのだ? レイタの名前も知らなかったはずなのだ」

 いや、間違いなく言っていたし、知っていた。何故今さら隠そうとするのだろうか。

「未来星って何なんだ? お前が宇宙人だってことはわかってるが、ただの宇宙人じゃなくて、未来人でもあるってことなのか?」

「ん~~、ぷぷるんにはよくわからないのだ……」

「未来星は、この星ともわたしたちのスク水星とも異なる時間の流れにある星なんですよ」

 ミズキが代わりに答えてくれた。
 だが、彼女が言った言葉の意味が、レイタにはよくわからなかった。

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