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『マイクロビキニアーマーの女勇者 対 アナルバイブ男爵:Re-Birth』
第三話:『第二の星「璇」 ― 璇堂美玲の氷結(前編)』
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都内の気温が、異常な速度で低下していた。
もう三月だというのに、街路樹の葉がダイヤモンドダストのように凍りつき、道行く人々の吐息は白さを超えて、アスファルトに氷の粒となって落ちている。
「さ、さむい……っ。お兄ちゃん、これ絶対、普通の冬じゃないよ……!」
私は、お兄ちゃんの黒いロングコートの中に潜り込むようにして、ガタガタと震えていた。
コートの下は、相変わらずのゼロ・ナノビキニ。肌を刺す冷気が、私の羞恥心を無理やり「生存本能」へと書き換えようとする。けれど、この格好でお兄ちゃんのコートの中に密着しているという事実が、私の頬に消えない熱を灯していた。
「……当然だ。第二の星、天璇。……名を璇堂(せんどう)美玲。……彼女が、このエリアの『熱』を奪い、自らの魔力に変換している」
お兄ちゃんは、検眼枠(テストフレーム)のレンズをカチャリと切り替えた。
彼の視線の先にあるのは、都心にそびえ立つ全面ガラス張りのオフィスビル。その最上階、外資系コンサルタントとして名を馳せる美玲のオフィスからは、絶対零度の冷気が濁流のように溢れ出していた。
「……度数調整、マイナス8.00。……表面的な知性の奥に隠された、凍てついた傲慢(ピント)を見抜く。……瑠璃、コートを脱げ」
「ええっ!? 今ここで!? 外はマイナス10度くらいあるよ!? 凍死しちゃうよ!!」
「……安心しろ。お前の羞恥心による熱暴走(サーマル・スロットリング)があれば、氷点下など風呂上がり同然だ」
お兄ちゃんは、無慈悲に私の肩からコートを剥ぎ取った。
「――っ、ひ、……ひぃぃぃぃ!! 恥ずかしい! 寒い! でもやっぱり恥ずかしさが勝つぅぅぅ!!」
ドォォォォォン!!
極寒の街角で、ほぼ全裸の美少女が紫色のオーラを噴き上げる。その熱量で周囲の雪が瞬時に蒸発し、一面に深い霧が立ち込めた。この蒸気こそが、私たちの隠れ蓑だ。
私たちは、その霧に紛れてビルへと突入した。
最上階。そこは、床も壁もすべてが青白い氷で覆われた、死の玉座の間だった。
中央のデスクに座る璇堂美玲は、冷徹な美貌に眼鏡を光らせ、こちらを蔑むように見下ろした。
「おやおや、……下品な熱源が紛れ込んだと思えば。……天城星哉。そして、死んだはずの妹、瑠璃……。……学歴も教養もない者が、私の神聖な領域に足を踏み入れるなど、計算外の汚物ね」
美玲がペンを走らせると、空間の水分が結晶化し、無数の氷の刃となって私に降り注いだ。
「――『氷結選民(フリーズ・エリート)』!!」
「くっ……! 見ないで! 見ないでって言ってるでしょ、この氷の眼鏡女!!」
私は、飛び散る氷の刃を、恥じらいのオーラを纏った「王授剣(おじゅけん)」で叩き落とした。
だが、美玲の冷気は並大抵のものではない。一撃防ぐごとに、私のナノビキニの鎖が凍りつき、輝きを失っていく。防御力が……冷え切っていく。
「ふふ、……無駄よ。私の冷気は、あなたのその『安っぽい感情』ごと、無機質なデータへと変えてあげる。……裸で踊るだけの勇者に、何ができるというの?」
「……っ……。お兄ちゃん……! ダメ、身体が動かなく……」
その時、お兄ちゃんが背後から私の耳元で囁いた。
「……瑠璃。……装備のパッチ(更新)だ。……今ここで、生着替えをしろ」
「――はあぁぁぁぁ!? 今、この女の前で!? 絶賛戦闘中なのに!?」
「……そうだ。お前が今、最も見られたくないタイミングで、最も見られたくない姿を晒す。……その時、羞恥心は『核融合』に達する。……行け」
お兄ちゃんが、トライアルレンズセットから「七色のプリズムレンズ」を取り出し、検眼枠に差し込んだ。
「……ええい、もう、どうにでもなれぇぇ!!」
私は、凍りついたナノビキニを自らの手で引きちぎった。
全裸。
一瞬、オフィス内の温度が、絶対零度から火口付近の熱度へと跳ね上がった。
私の身体を、新しい黄金の光が包み込む。
それは、ナノを超え、原子レベルで肌に吸着する『原子的(アトミック)マイクロビキニ』。
「――恥ずかしいいいいいいいいいいいい!! 今、私、一番見られたくない瞬間に! 世界で一番はしたない格好になったわよぉぉぉぉ!!」
ドゴォォォォォォォォン!!
オフィス全体を揺るがす、超高温の羞恥ウェーブ。
美玲の作り上げた氷の世界が、断末魔のような音を立てて溶け出した。
「な……っ、何ですって!? 私の完璧な理論値が……、……あんな、あんな破廉恥な感情に……蒸発させられるなんて……っ!!」
「――今だ、お兄ちゃん!! 彼女の『凍った心』、……そのピントを狂わせて!!」
お兄ちゃんが、虹色の残光を引いて宙を舞った。
検眼枠の中、美玲の喉元にある「第二の核」が、赤々と強調(ハイライト)されていた。
もう三月だというのに、街路樹の葉がダイヤモンドダストのように凍りつき、道行く人々の吐息は白さを超えて、アスファルトに氷の粒となって落ちている。
「さ、さむい……っ。お兄ちゃん、これ絶対、普通の冬じゃないよ……!」
私は、お兄ちゃんの黒いロングコートの中に潜り込むようにして、ガタガタと震えていた。
コートの下は、相変わらずのゼロ・ナノビキニ。肌を刺す冷気が、私の羞恥心を無理やり「生存本能」へと書き換えようとする。けれど、この格好でお兄ちゃんのコートの中に密着しているという事実が、私の頬に消えない熱を灯していた。
「……当然だ。第二の星、天璇。……名を璇堂(せんどう)美玲。……彼女が、このエリアの『熱』を奪い、自らの魔力に変換している」
お兄ちゃんは、検眼枠(テストフレーム)のレンズをカチャリと切り替えた。
彼の視線の先にあるのは、都心にそびえ立つ全面ガラス張りのオフィスビル。その最上階、外資系コンサルタントとして名を馳せる美玲のオフィスからは、絶対零度の冷気が濁流のように溢れ出していた。
「……度数調整、マイナス8.00。……表面的な知性の奥に隠された、凍てついた傲慢(ピント)を見抜く。……瑠璃、コートを脱げ」
「ええっ!? 今ここで!? 外はマイナス10度くらいあるよ!? 凍死しちゃうよ!!」
「……安心しろ。お前の羞恥心による熱暴走(サーマル・スロットリング)があれば、氷点下など風呂上がり同然だ」
お兄ちゃんは、無慈悲に私の肩からコートを剥ぎ取った。
「――っ、ひ、……ひぃぃぃぃ!! 恥ずかしい! 寒い! でもやっぱり恥ずかしさが勝つぅぅぅ!!」
ドォォォォォン!!
極寒の街角で、ほぼ全裸の美少女が紫色のオーラを噴き上げる。その熱量で周囲の雪が瞬時に蒸発し、一面に深い霧が立ち込めた。この蒸気こそが、私たちの隠れ蓑だ。
私たちは、その霧に紛れてビルへと突入した。
最上階。そこは、床も壁もすべてが青白い氷で覆われた、死の玉座の間だった。
中央のデスクに座る璇堂美玲は、冷徹な美貌に眼鏡を光らせ、こちらを蔑むように見下ろした。
「おやおや、……下品な熱源が紛れ込んだと思えば。……天城星哉。そして、死んだはずの妹、瑠璃……。……学歴も教養もない者が、私の神聖な領域に足を踏み入れるなど、計算外の汚物ね」
美玲がペンを走らせると、空間の水分が結晶化し、無数の氷の刃となって私に降り注いだ。
「――『氷結選民(フリーズ・エリート)』!!」
「くっ……! 見ないで! 見ないでって言ってるでしょ、この氷の眼鏡女!!」
私は、飛び散る氷の刃を、恥じらいのオーラを纏った「王授剣(おじゅけん)」で叩き落とした。
だが、美玲の冷気は並大抵のものではない。一撃防ぐごとに、私のナノビキニの鎖が凍りつき、輝きを失っていく。防御力が……冷え切っていく。
「ふふ、……無駄よ。私の冷気は、あなたのその『安っぽい感情』ごと、無機質なデータへと変えてあげる。……裸で踊るだけの勇者に、何ができるというの?」
「……っ……。お兄ちゃん……! ダメ、身体が動かなく……」
その時、お兄ちゃんが背後から私の耳元で囁いた。
「……瑠璃。……装備のパッチ(更新)だ。……今ここで、生着替えをしろ」
「――はあぁぁぁぁ!? 今、この女の前で!? 絶賛戦闘中なのに!?」
「……そうだ。お前が今、最も見られたくないタイミングで、最も見られたくない姿を晒す。……その時、羞恥心は『核融合』に達する。……行け」
お兄ちゃんが、トライアルレンズセットから「七色のプリズムレンズ」を取り出し、検眼枠に差し込んだ。
「……ええい、もう、どうにでもなれぇぇ!!」
私は、凍りついたナノビキニを自らの手で引きちぎった。
全裸。
一瞬、オフィス内の温度が、絶対零度から火口付近の熱度へと跳ね上がった。
私の身体を、新しい黄金の光が包み込む。
それは、ナノを超え、原子レベルで肌に吸着する『原子的(アトミック)マイクロビキニ』。
「――恥ずかしいいいいいいいいいいいい!! 今、私、一番見られたくない瞬間に! 世界で一番はしたない格好になったわよぉぉぉぉ!!」
ドゴォォォォォォォォン!!
オフィス全体を揺るがす、超高温の羞恥ウェーブ。
美玲の作り上げた氷の世界が、断末魔のような音を立てて溶け出した。
「な……っ、何ですって!? 私の完璧な理論値が……、……あんな、あんな破廉恥な感情に……蒸発させられるなんて……っ!!」
「――今だ、お兄ちゃん!! 彼女の『凍った心』、……そのピントを狂わせて!!」
お兄ちゃんが、虹色の残光を引いて宙を舞った。
検眼枠の中、美玲の喉元にある「第二の核」が、赤々と強調(ハイライト)されていた。
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