​マイクロビキニアーマーの美少女勇者 対 アナルバイブ男爵 ―アジル・イマ戦記 勇者ラピスラズリの性受験英雄譚 学歴の頂、露出の果てに―

あめの みかな

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『マイクロビキニアーマーの女勇者 対 アナルバイブ男爵:Re-Birth』

​第十二話:『第六の星「開」 ― 開田陽菜の二重星(後編)』

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「――見て、この輝き。これが数万人の『愛』の結晶よ。裸で踊るだけのあなたに、この熱狂は奪えないわ!」

​ ドームのステージ上、開田陽菜が指を鳴らす。
 彼女の背後にそびえ立つ巨大な影――『二重星・アルコル』が、観客から吸い上げた理性の残滓を、黒いレーザーへと変換して私を狙い打つ。

​「う……っ、あああああ!!」

​ 空中で回避する私の「原子的マイクロビキニ」が、黒い光に触れるたびに火花を散らす。
 でも、大丈夫。
 耳元に仕込まれた不可視の通信機から、わずかなノイズと共に「守られている」感触が伝わってくる。

 紬ちゃんが書き換えた会場のネットワークが、陽菜の背後のモニターに『不適切なノイズ』を紛れ込ませ、布津さんが事前に仕掛けた『特殊な試薬』が、魔王の影を物理的に実体化させている。
 お兄ちゃんの仲間たちが、この戦場を「魔王を殺せる場所」へと変えてくれているんだ! ふたりとも会ったことないけど! ありがとう!!

​「……お兄ちゃん! 準備はいい!? ……私、……一番恥ずかしいところ、……見せちゃうわよぉぉぉ!!」

​「……ああ。……ピントはすでに、……その『影』の奥にある。……瑠璃、最大出力でいけ」

​ お兄ちゃんの声が、ドームの喧騒を切り裂いて届く。
 私は、空中戦用装備の金鎖を自ら解き放った。

​「――っ、はぅううううううううう!! 見ないで! ドームの大型モニターいっぱいに、私の『羞恥の極致』を映さないでぇぇぇぇ!!」

​ ドゴォォォォォォォォン!!
​ 紬ちゃんのハッキングによって、会場中のモニターが、顔を真っ赤にして身をよじる私のアップで埋め尽くされた。
 数万人の観客が、一瞬にして息を呑み、理性を失う。
 その瞬間、陽菜が独占していた『熱狂』という名のエネルギーが、私の「あまりにもはしたない輝き」に引き寄せられ、逆流を始めた。

​「な……っ、私のファンが、……あんな全裸同然の女に……見惚れている!? 嘘よ、私の人気が……私の支配がぁぁぁ!!」

​ エネルギーの供給を断たれた陽菜の影が、苦痛にのたうち回りながら分離していく。
 光輝くアイドル・ミザールの裏側に潜んでいた、干からびた亡霊・アルコルが、その醜悪な姿を衆目に晒した。

​「――瑠璃、今だ! 影と光の『接点』……そのピントを固定した!!」

​ お兄ちゃんが、検眼枠(テストフレーム)を「偏光・二重像合致」モードに切り替え、ステージの奈落から飛び出した。
 観客が唖然とする中、彼は検眼枠のレンズ越しに、陽菜と影を繋ぐ「運命の二重結合」を見抜いた。

​「……度数固定。……開田陽菜。……お前の輝きは、他者の魂を喰らうだけの『寄生』だ。……俺の妹の、自らを焼き尽くすような『恥じらい』の足元にも及ばない」

​ お兄ちゃんが、影の中に潜む、六番目の星――『開陽』の核に、特製のメスを突き立てた。

​「――嫌ああああああ!! 私を、私を見捨てないでぇぇぇ!!」

​ パリンッ、という透明な音が響き、陽菜の身体を包んでいた偽りの光が弾け飛んだ。
 黒い影は霧散し、後に残されたのは、ステージの上で呆然と立ち尽くす、ただの、……けれどどこか憑き物が落ちたような少女の姿だった。


​ ドームの外。
 私たちは、紬ちゃんが用意した「死角のルート」を通って、待機していた布津さんの手配した車両へと滑り込んだ。

​「……はぁ、……はぁ……。……お兄ちゃん、……やったね。……六つ、目」

​ 私は、お兄ちゃんのコートに潜り込み、激しい動悸を抑えながら呟いた。
 ドームの周辺では、すでに警察の特殊部隊が展開を始めていたが、彼らはお兄ちゃんの仲間の手によって、一歩も近づくことができていない。

​「……ああ。……お前の羞恥心、……ついに『万単位の視線』を屈服させたな。……誇っていいぞ、瑠璃」

​「……だから、……褒める方向が……間違ってるってば……っ……(赤面)」

​ お兄ちゃんは、六つ目の瓶を手に取り、その中の結晶を愛おしそうに見つめた。
 
「……残るは一つ。……北斗の終端、死を司る星。……瑤光星(ようこうせい)」

​「……瑤島 光(ようじま ひかり)さん。……最後の一人……」

​「……彼女は、これまでの魔王たちが束になっても勝てない、……『死』そのものを操る存在だ。……警察も、いよいよ俺の正体にピントを合わせ始めた。……次が、本当の最終決戦になるだろう」

​ 夜空を見上げれば、北斗七星の柄の先端が、血のように赤く、不吉な輝きを放っていた。
 私たちの、血塗られた、けれど最高に恥ずかしい聖戦は、ついに最後の一ページをめくろうとしていた。
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