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『マイクロビキニアーマーの女勇者 対 アナルバイブ男爵:Re-Birth』
真・エピローグ:『永遠のフォーカス』
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その日は、抜けるような青空だった。
アジル・イマなる神々の神話と、その教えを千年に渡り守り続ける大国『アルジュイエム』。
その王都エデュカシオンの城下町には、年に一度の「選別の儀」はもうない。アナルバイブ男爵も七人の魔王ももういないからだ。
宿屋『合格屋』の娘である私、ラピスラズリ――愛称・瑠璃は、いつものように山積みの洗濯物を取り込んでいた。
「……ふぅ。今日もいい天気」
シーツをはためかせ、私はふと、遠い空を眺めた。
この世界を救った勇者としての記憶。それは、私の頭の中では「お伽話」のような手触りになっていた。でも、時折、心臓の奥がキュンと締め付けられるような、言いようのない喪失感に襲われることがある。
……お兄ちゃん。
いつからか、私は見知らぬ「誰か」をそう呼んで、夜中に涙を流して目覚めるようになった。
その人は無事なのだろうか。誰かに捕まったり、暗い牢獄に閉じ込められたりしていないだろうか。
私や、向こうの世界の両親を殺したのは、本当にあの優しかった「おじさま」だったのか。
そして――その人は、復讐をやり遂げられたのだろうか。
思い出そうとするほど、ピントが合わずにボヤけていく記憶。
でも、右の肩甲骨に刻まれた「北斗七星」の紋章だけが、熱を持って、そこにあるはずの真実を訴え続けていた。
「瑠璃! お客さまだよ! 案内しておくれ!」
一階からお母さんの呼ぶ声がした。
「はーい、今行きます!」
私は、山のような洗濯物を抱えたまま、パタパタと階段を駆け下りた。
宿の入り口。逆光の中に、一人の旅人が立っていた。
その人は、この世界では見たこともないような「真っ白なタキシード」を纏っていた。
ところどころ、赤い染みを無理やり洗い流したような、不思議な風合いの服。
そして、その顔には、カチャカチャとレンズを入れ替える、奇妙な銀色の眼鏡――『検眼枠(テストフレーム)』が嵌められていた。
「……あ」
洗濯物が、手からこぼれ落ちた。
その人の顔が見えた瞬間、私の世界中のピントが、カチリと音を立てて一点に結ばれた。
「……いらっしゃいませ。……ええと、お名前を伺ってもいいですか?」
声が震える。涙が溢れそうになるのを、必死でこらえた。
その人は、検眼枠のダイヤルを指先で軽く回すと、口角をわずかに上げて、懐かしい、あまりにも懐かしい声でこう言った。
「……名乗るほどの者ではないが。……そうだな。人からはよく、こう呼ばれている」
男は、私の瞳を……その奥にある「羞恥の残り火」を慈しむように見つめ、静かに、けれど傲然と名乗った。
「――『星喰いの凶星(ステラ・ディヴォアラー)』。……君の、未来の度数を測りに来た」
あの日、新宿の闇に消えたはずの殺人鬼。
でも、私の目の前にいるのは、世界で一番不器用で、世界で一番私を愛してくれた、たった一人の――。
「……遅かったじゃない、……お兄ちゃん」
私は、溢れ出した涙を拭いもせず、満面の笑みで、彼の手を取った。
新しい物語のレンズは、もう、曇ることなんてない。
【マイクロビキニアーマーの美少女勇者 対 アナルバイブ男爵 ―アジル・イマ戦記 勇者ラピスラズリの性受験英雄譚 学歴の頂、露出の果てに― 完】
アジル・イマなる神々の神話と、その教えを千年に渡り守り続ける大国『アルジュイエム』。
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宿屋『合格屋』の娘である私、ラピスラズリ――愛称・瑠璃は、いつものように山積みの洗濯物を取り込んでいた。
「……ふぅ。今日もいい天気」
シーツをはためかせ、私はふと、遠い空を眺めた。
この世界を救った勇者としての記憶。それは、私の頭の中では「お伽話」のような手触りになっていた。でも、時折、心臓の奥がキュンと締め付けられるような、言いようのない喪失感に襲われることがある。
……お兄ちゃん。
いつからか、私は見知らぬ「誰か」をそう呼んで、夜中に涙を流して目覚めるようになった。
その人は無事なのだろうか。誰かに捕まったり、暗い牢獄に閉じ込められたりしていないだろうか。
私や、向こうの世界の両親を殺したのは、本当にあの優しかった「おじさま」だったのか。
そして――その人は、復讐をやり遂げられたのだろうか。
思い出そうとするほど、ピントが合わずにボヤけていく記憶。
でも、右の肩甲骨に刻まれた「北斗七星」の紋章だけが、熱を持って、そこにあるはずの真実を訴え続けていた。
「瑠璃! お客さまだよ! 案内しておくれ!」
一階からお母さんの呼ぶ声がした。
「はーい、今行きます!」
私は、山のような洗濯物を抱えたまま、パタパタと階段を駆け下りた。
宿の入り口。逆光の中に、一人の旅人が立っていた。
その人は、この世界では見たこともないような「真っ白なタキシード」を纏っていた。
ところどころ、赤い染みを無理やり洗い流したような、不思議な風合いの服。
そして、その顔には、カチャカチャとレンズを入れ替える、奇妙な銀色の眼鏡――『検眼枠(テストフレーム)』が嵌められていた。
「……あ」
洗濯物が、手からこぼれ落ちた。
その人の顔が見えた瞬間、私の世界中のピントが、カチリと音を立てて一点に結ばれた。
「……いらっしゃいませ。……ええと、お名前を伺ってもいいですか?」
声が震える。涙が溢れそうになるのを、必死でこらえた。
その人は、検眼枠のダイヤルを指先で軽く回すと、口角をわずかに上げて、懐かしい、あまりにも懐かしい声でこう言った。
「……名乗るほどの者ではないが。……そうだな。人からはよく、こう呼ばれている」
男は、私の瞳を……その奥にある「羞恥の残り火」を慈しむように見つめ、静かに、けれど傲然と名乗った。
「――『星喰いの凶星(ステラ・ディヴォアラー)』。……君の、未来の度数を測りに来た」
あの日、新宿の闇に消えたはずの殺人鬼。
でも、私の目の前にいるのは、世界で一番不器用で、世界で一番私を愛してくれた、たった一人の――。
「……遅かったじゃない、……お兄ちゃん」
私は、溢れ出した涙を拭いもせず、満面の笑みで、彼の手を取った。
新しい物語のレンズは、もう、曇ることなんてない。
【マイクロビキニアーマーの美少女勇者 対 アナルバイブ男爵 ―アジル・イマ戦記 勇者ラピスラズリの性受験英雄譚 学歴の頂、露出の果てに― 完】
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