王子の凱旋

小野あやか

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ルーファスSide

微R 突然ルーファスSide

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「んっ……ん……ど、どう……?」

レニドール殿下はベッドの上で私の股間に顔を埋めている。あぁ、あの殿下が……、麗しの殿下が私のイチモツを御口に含んで…………っ!
小さな舌が私の先端を、上目遣いで猫が水を飲むようにチロチロと舐めている……っ!
なんていやらしけしからん!
いえ、私が強要させているのですが……。
「……気持ちいいですよ。口を窄めて、動かしてみて下さい、ん……っ」
興奮しすぎて陰茎が怒張しているので、殿下のぎこちない動きがもどかしく、それもまた堪らないのですが。
あぁ、もうすぐにでも突っ込んで、朝まで激しく揺さぶっていたい……。


時は遡り、私はルーファス・ザクリシス。ザクリシス公爵家二男。兄と腹違いの弟妹がいる。兄が無事襲爵するまでは、私はスペアで、好きに振る舞うことはできなかった。
貴族の嗜みとして芸術の勉強も幼い頃からしていて、絵を描くことが私の趣味になり、家族や庭園をよく素描していた。

八歳の頃父に連れられて、兄と王宮へ参内した時の事。国王陛下に特別に招かれ、王族しか入れない宝物殿の前室へ入れてもらえた。歴史的な絵画、有名画家の絵が飾られている絵画の間とは違い、そこには歴代王族の詳細な肖像画が並べられている。その緻密で圧倒的な素晴らしさに息を呑み、一枚一枚食い入るように鑑賞した。絵に感動した私は、絵画の大家に弟子入りして修業しながらたくさんの絵を描きたいと強く願ったが、立場上許されなかった。
そんな幼少期。
そして貴族学院を卒業し、十四歳で士官学校に通いながら、従騎士として騎士団に入団させられる。運動神経や剣の実技はよかったが、何だか釈然としなかった。
騎士は良くて、芸術家は許されない理由が当時はよくわからなかったのだ。
一年経つ頃には厳しい訓練の上に雑事を押し付けられたり、絵を描く時間もなくて大分荒んでいた。
そんな時、

「そういえば近々第三王子が剣神パルムに師事するらしいが、しっているか?」
「……第三王子、確かレニドール殿下でしたっけ?」
「そうそう」
訓練に向かう途中、同期の侯爵家三男が騎士団訓練施設の廊下でおもむろに言う。
第三王子のレニドール殿下は、齢十歳ながらいい噂を聞かない王子だ。
曰く何をやらせても、容姿も平凡なくせに大変我儘でろくでもないんだとか。平凡で残念と言われている。どう平凡で、どう我儘なのか、具体的な内容は無いため、真偽の程はわからない。私のように荒んでいるのだろうか。
まだお会いしたことはないが、そろそろお披露目の時期だから、その時かパルムとの訓練中に見られるかもしれない。
「ろくでもない王子らしいしが、パルム副隊長は平民だから、大丈夫だろうか。王族の無茶振りに振り回されないといいのだが……。俺も、顔を合わせる機会が多くなると思うと気が重い……。」
隣の男は大きな溜息をつく。
まだ十歳な上に王族に対して散々な言われようのレニドール殿下。ご母堂は第二妃ではあるが、エウレニア公爵家長女といった由緒あるお血筋。いくら第二妃から産まれた第三王子で、平凡我儘であろうと、れっきとした王族なのだから周りの貴族がこき下ろしていいお方ではない。
ここまで広まるともはや陰口ではなく、公然になるが、不敬に当たらないのだろうか。本人に面と向かって言わなければ大丈夫か。
 
訓練場に着くと私達が一番乗りだったが、端にパルム副隊長と初めて見る少年がいた。
「おはようございます、パルム副隊長。本日もご指導宜しくお願い致します」
「はい、本日もビシビシいきますから、頑張って行きましょう」
剣の師であるパルムに挨拶に行くと、ふいに横にいる小柄な少年に目が行く。明らかに上質な服を着ている、後ろを向いている少年……。
「パルム副隊長、その子は新しい見習いですか?」
あ……、バカ……。
よせばいいのに、彼の出で立ちに気づかずに同期の男が少年の事を聞く。当然パルムは困った顔をして少年を見る。少年は困ったパルムに気づき、こちらを見ると
「俺はレニドール・ウィスタ・ゴートル、パルムに師事する事となった。訓練に加わる事もある。宜しく頼む」
「…………げ……」
やはり少年は第三王子のレニドール殿下だった。
同期の男は小さくはあるが、嫌そうな声を出した。多分彼にも聞こえただろう。初対面で、しかも王族への態度が明らかに悪くて失礼な同期に眉を顰めた。この男とは今後親しくなることはないな。
私は同期の非礼を詫びるように、レニドール殿下へ微笑み挨拶をした。
「私はルーファス・ザクリシス。ザクリシス公爵家二男です。こちらこそ訓練の際はお願い申し上げます」
レニドール殿下と目が合い、強い衝撃を受けた。
私のように荒んでいたり、周りから蔑まれ、腐って淀んだ目をしてるのかと思っていたが、強く澄んだ鋭い眼光に激しく胸を衝かれた。
猫を思わせるパッチリとしたやや吊り目がちの瞳は、紫水晶を思わせる神秘的な紫で。精霊の血が濃い者に出るという紫の瞳は、今の時代でこの国にはほぼいないだろう。
見つめると吸い込まれてしまいそうで、茶に近い濃い金髪と相まって、面妖というか神秘的な雰囲気だ。
しかもさすが王族なだけあり、陛下やご母堂、兄王子達のような華やかさはないが、慎ましい綺麗な顔立ちをしている。
本当に、何処が平凡な容姿なのだろう。彼が平凡なら殆どの人は平凡以下だ。

この時一目惚れに近かったのかもしれない。私は彼に会う度目で追うようになった。
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