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二人の思い
ルーファスside 王都への帰還
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王都への街道は森ほどではないが、まだ魔物が蔓延っている。身体強化を使って馬を走らせながら切りつけていく。
さすが、殿下は瞬殺です。普通はこうは行きません。美麗に戦うお姿に見惚れながら、なんとか殿下に遅れを取らないように切り進む。
一刻ほどで王都へ着けばヴェルカ国やアルハート国とは違う、普通の日常だった。
この日常を守れたのは嬉しい事ですが、殿下の苦しみの上に成り立っていると思うと複雑です。
確か隠密が二人、殿下に付いていたはずですが今日は気配がありませんね。先に王宮へ報告に行っているのでしょうか? それにしては外門に出迎えもありませんでしたね。門兵も戸惑った顔をしていましたし。
城門へ付き、城門兵に殿下の帰還を伝えると阿呆みたいな顔で突っ立っているものだから、怒りが爆発して殺気を飛ばしました。
周りにいた衛兵達が全員腰を抜かしていました。殺気程度で腰を抜かすとは、鍛錬が足りませんね。国を出る前に鍛え直さなければ。
殿下の帰還が国王陛下へ早急に伝わったようで、一刻後急遽謁見することになりました。
隣国や隠密から討伐成功の報告が行っているはずなのに、出迎えも無くこのグダグダ。危険な旅を殿下に押し付け、戻ればこの仕打ち。怒りが抑えられません。
謁見までの間に旅の汚れを清めたり、休息を取れたのがよかったですが。
謁見の間へ入ると、急遽駆けつけた重臣らや教会関係者と王宮にいた貴族、陛下がお待ちでした。殿下や私はすでに国を出るつもりなのと、怒りにより跪くことはしませんでした。若干殺気も飛ばしてます。
そんな私達の態度に貴族達はどよめく。
「……此度は魔王討伐の成功、大義であった」
陛下はなんだか疲れた様子でため息をつき労う。
「発言、宜しいでしょうか」
「……よい」
「討伐成功した者に対して、大義と言う割には随分な扱いですね」
「お、おい、ザクリシス卿、節度をわきまえよ」
横から青い顔した宰相が小声で言うが、ひと睨みして黙らせる。
「そ、そうだぞ! 不敬だぞ! 本当に魔王の討伐に成功したのか! 詐称ではなかろうな!」
重臣の一人が、そちらこそ不敬とも思える言葉を発する。なるほど、あれは正妃派か……。
「……殿下」
「ああ、証拠はあるよ。…………ふんっ」
袋から取り出した成人男性の頭蓋程ある巨大魔石を殿下は取り出し、陛下の手前にぶん投げた。毛の長いカーペットにかかわらず、ゴスンと鈍く重い音が響く。
王族らしからぬ雄々しい殿下に思わず胸がキュンと高鳴る。
「こっこれは……!」
「なっこんな禍々しい巨大な魔石……初めてみるぞっ」
「これは、確かに凶悪な気配は魔王のものですね……」
司祭長が魔石を鑑定する。
さらに殿下は袋から魔王の側近の拳大の大きさの魔石をゴロゴロと床に落としていった。計り知れない価値のある巨大魔石をぞんざいに扱う殿下にまたも胸が高鳴ってしまう。
「これでいいだろ」
陛下は顔が引き攣っておられる。
「あ……ああ……。確かに、この禍々しい気配の巨大魔石は、魔王のものだろう……。ありがとう、レニドールとザクリシス卿によってこの国、ひいては近隣諸国は救われた。褒美を取らせる。なんでも好きなものを望め」
「ふぅん、褒美、ねぇ……」
殿下は一考すると、
「じゃあルーファスと恋仲になったことだし、一緒に外国に渡って結婚するわ。俺が王宮出た方がいいだろ? まあ、ルーファスも家の事や仕事の事があるから、すんなりとはいかないだろうけど、何の障害もなく二人を見送ってくれればそれでいいよ」
「は、はあっ!? な、何を言っておるのだ、レニドール!!」
殿下の衝撃発言に驚き過ぎたのか、さすがの陛下も目を剥いて動揺しておられる。珍しいものが見れましたね。陛下の狼狽えている姿を見て少し溜飲が下がりました。
何気に公衆の面前で求婚されてしまいました。私からするはずでしたのに!
「俺に今までかかった養育費は、そこに転がってる魔石で十分足りるだろ?」
「こ、これらは国宝級だから過分だ……いや、そうではなくて……二人はこの後執務室へ来なさい……」
「チッ仕方ないな」
陛下は何だかぐったりしていますね。
この国への情を振り切っている殿下の、陛下への態度はぞんざいで、私はやはり胸が……以下省略。
謁見は終了し、私達は陛下の執務室へ向かった。
さすが、殿下は瞬殺です。普通はこうは行きません。美麗に戦うお姿に見惚れながら、なんとか殿下に遅れを取らないように切り進む。
一刻ほどで王都へ着けばヴェルカ国やアルハート国とは違う、普通の日常だった。
この日常を守れたのは嬉しい事ですが、殿下の苦しみの上に成り立っていると思うと複雑です。
確か隠密が二人、殿下に付いていたはずですが今日は気配がありませんね。先に王宮へ報告に行っているのでしょうか? それにしては外門に出迎えもありませんでしたね。門兵も戸惑った顔をしていましたし。
城門へ付き、城門兵に殿下の帰還を伝えると阿呆みたいな顔で突っ立っているものだから、怒りが爆発して殺気を飛ばしました。
周りにいた衛兵達が全員腰を抜かしていました。殺気程度で腰を抜かすとは、鍛錬が足りませんね。国を出る前に鍛え直さなければ。
殿下の帰還が国王陛下へ早急に伝わったようで、一刻後急遽謁見することになりました。
隣国や隠密から討伐成功の報告が行っているはずなのに、出迎えも無くこのグダグダ。危険な旅を殿下に押し付け、戻ればこの仕打ち。怒りが抑えられません。
謁見までの間に旅の汚れを清めたり、休息を取れたのがよかったですが。
謁見の間へ入ると、急遽駆けつけた重臣らや教会関係者と王宮にいた貴族、陛下がお待ちでした。殿下や私はすでに国を出るつもりなのと、怒りにより跪くことはしませんでした。若干殺気も飛ばしてます。
そんな私達の態度に貴族達はどよめく。
「……此度は魔王討伐の成功、大義であった」
陛下はなんだか疲れた様子でため息をつき労う。
「発言、宜しいでしょうか」
「……よい」
「討伐成功した者に対して、大義と言う割には随分な扱いですね」
「お、おい、ザクリシス卿、節度をわきまえよ」
横から青い顔した宰相が小声で言うが、ひと睨みして黙らせる。
「そ、そうだぞ! 不敬だぞ! 本当に魔王の討伐に成功したのか! 詐称ではなかろうな!」
重臣の一人が、そちらこそ不敬とも思える言葉を発する。なるほど、あれは正妃派か……。
「……殿下」
「ああ、証拠はあるよ。…………ふんっ」
袋から取り出した成人男性の頭蓋程ある巨大魔石を殿下は取り出し、陛下の手前にぶん投げた。毛の長いカーペットにかかわらず、ゴスンと鈍く重い音が響く。
王族らしからぬ雄々しい殿下に思わず胸がキュンと高鳴る。
「こっこれは……!」
「なっこんな禍々しい巨大な魔石……初めてみるぞっ」
「これは、確かに凶悪な気配は魔王のものですね……」
司祭長が魔石を鑑定する。
さらに殿下は袋から魔王の側近の拳大の大きさの魔石をゴロゴロと床に落としていった。計り知れない価値のある巨大魔石をぞんざいに扱う殿下にまたも胸が高鳴ってしまう。
「これでいいだろ」
陛下は顔が引き攣っておられる。
「あ……ああ……。確かに、この禍々しい気配の巨大魔石は、魔王のものだろう……。ありがとう、レニドールとザクリシス卿によってこの国、ひいては近隣諸国は救われた。褒美を取らせる。なんでも好きなものを望め」
「ふぅん、褒美、ねぇ……」
殿下は一考すると、
「じゃあルーファスと恋仲になったことだし、一緒に外国に渡って結婚するわ。俺が王宮出た方がいいだろ? まあ、ルーファスも家の事や仕事の事があるから、すんなりとはいかないだろうけど、何の障害もなく二人を見送ってくれればそれでいいよ」
「は、はあっ!? な、何を言っておるのだ、レニドール!!」
殿下の衝撃発言に驚き過ぎたのか、さすがの陛下も目を剥いて動揺しておられる。珍しいものが見れましたね。陛下の狼狽えている姿を見て少し溜飲が下がりました。
何気に公衆の面前で求婚されてしまいました。私からするはずでしたのに!
「俺に今までかかった養育費は、そこに転がってる魔石で十分足りるだろ?」
「こ、これらは国宝級だから過分だ……いや、そうではなくて……二人はこの後執務室へ来なさい……」
「チッ仕方ないな」
陛下は何だかぐったりしていますね。
この国への情を振り切っている殿下の、陛下への態度はぞんざいで、私はやはり胸が……以下省略。
謁見は終了し、私達は陛下の執務室へ向かった。
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