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第二章:新しい環境
第11話 寝所にて
しかしその夜、アイシャの思いもかけないことが起こった。
ライサの言った通り、カルラートが寝室に現れたのだ。
「陛下? どうしてここに……」
アイシャは取り乱してライサの姿を探すが、これから睦みごとになるかもしれないこの場に彼女がいるはずもなかった。
「周りの目がうるさいからな。……だが、寝所は共にしても、そなたは抱かない」
「そ、そうですか……」
カルラートのはっきりとした宣言に、もしかしてと少しでも期待してしまった自分をアイシャは恥じた。
そうこうするうちに、カルラートはさっさと寝台に横になってしまったので、アイシャは少し呆然としてしまった。
「……なにをしている。さっさとここに来て寝るんだ」
カルラートに言われて、アイシャは顔を赤く染める。
いくら手を出さないと言われていても、男性と同じ寝室で眠るというのは、いまだ乙女であるアイシャにとってはかなり恥ずかしいことであった。
しかし、いつまでもためらっていても仕方がない。アイシャは意を決して、「失礼します」と断って寝台に横になった。
……対外的には夫婦であるにしても、寝所を共にしているのがとてもはしたないことに思えて、アイシャは赤面し、緊張から身を堅くしていた。
「そなたはもう少し端に行け。わたしもそうする」
「は、はい」
カルラートがそう言ったことによって、二人の距離が遠ざかり、アイシャは少しほっとした。
本来ならカルラートに手をつけられないことは、大国から嫁いで来た者としては恥ずべきことなのだが、この時のアイシャはなぜか安心してしまっていた。
──それは真に愛する人が心にあったからかもしれない。
そして、出来る事ならばその方と結ばれたいと、叶わぬ夢をアイシャはいまだに願っていたのである。
「……そういえば、贈り物ありがとうございました」
ふいにアイシャは昼間のことを思い出して、カルラートに礼を言う。
あの金細工の腕輪と織物は美しく、アイシャ用に厳選されたものだと確かに感じ取れた。
それに対して返ってきたのは、ああ、というそっけない言葉だった。
それで彼がそのことにあまり乗り気ではなかったことがアイシャには分かった。
あれはきっと宰相の勧めで仕方なく贈ったのだろう。
カルラートの冷淡とも思えるその言動から、アイシャは抱かないという彼の言葉を信じて、すっかり安心しきってしまった。
先程まであれだけ羞恥を感じていたというのに、我ながらおかしいものだ。
それに、本当は彼に抱かれることが自分に課せられた責務なのに──
そう考えているうちに強烈な眠気が襲ってくる。
ここのところ、カルラートの訪れを待っていて、あまり眠っていなかったのだ。
「陛下……」
できれば隣で横になっているのはあの方であったら良かったのにと思いながら、アイシャは深い眠りに身を任せていった。
「陛下? どうしてここに……」
その夜、寝室を訪ねたカルラートにアイシャは相当驚いたようで、おろおろとうろたえていた。
その様子がまるで小動物のようで、カルラートは思わず笑ってしまう。
「周りの目がうるさいからな。……だが、寝所は共にしても、そなたは抱かない」
「そ、そうですか……」
そう言ったアイシャのどこか諦めたような瞳にカルラートは良心の呵責を覚えた。
元々、癪に障るのは大国の威を振るうトゥルティエール国王であって、アイシャではない。
彼女自身はとても可憐で美しく、求婚者が山といても不思議ではない姫君だとカルラートは感じていた。
しかし、ここまで来たら半ば意地のようなものだった。
カルラートはさっさと寝台の上に掛け布を被って寝転がった。
「……なにをしている。さっさとここに来て寝るんだ」
カルラートの突然の行動に戸惑った様子のアイシャを呼ぶと、彼女は「失礼します」と言っておずおずと寝台に横になった。
その途端、彼女からなんともいえない甘い香りがして、カルラートは一瞬理性を放り出しそうになってしまった。
ましてや、可憐で美しい姫が体の線も露わな寝間着姿でいるのだ。
彼とて若い男性なのだし、そうなっても無理はないだろう。
「そなたはもう少し端に行け。わたしもそうする」
「は、はい」
素直に寝台の端に寄ったアイシャにカルラートは息をつきながら、これからの難題に思いを馳せていた。
──これは、眠れない夜になりそうだな。
そして、その心配は現実のこととなるのであった。
アイシャとカルラートが初めて寝所を共にした翌朝。
カルラートはかなり不機嫌な様子で執務室に現れて、宰相のオルグレンを驚かせた。
「陛下? どうなされたのです。昨夜はアイシャ様と寝所を共になされたのではありませんか?」
オルグレンは、それなのになぜ不機嫌なのかという表情だ。
「……寝所は共にした。だが抱いてはいない」
そう言って、執務机の椅子にどさりと腰を下ろしたカルラートにオルグレンは目をむいた。
「陛下、つまらぬ意地をはるのはおやめください。それは寝所を共にしないことよりも、アイシャ様にとっては屈辱的なことです! なにより、このことがトゥルティエールに知れたらどうなさるんです!」
「うるさい、怒鳴るな。……昨夜は一睡もしていないんだ」
オルグレンからの叱責に、カルラートは不快そうに眉を寄せる。
それでもなお、オルグレンは呆れた様子を隠しもせずに続けた。
「自業自得です。陛下が眠れなかったのは、魅力的な女性と寝所を共にして、しなくてもいい自制をなさったからでしょう。やせ我慢も大概になさってください」
「……やせ我慢などしていない」
「ではなぜ一睡もしていないなどとおっしゃったのですか。アイシャ様を気にしておられなければそんなことにはならないと思われますが」
鋭すぎるオルグレンの言葉に、カルラートは思わずぐっと詰まった。
確かにオルグレンの言う通りだった。
昨夜は隣に眠るアイシャの存在が気になって一睡もできなかった。
お互いに寝台の端と端に寄って、なんとか最悪の事態だけは避けられたと思ったが、ふとアイシャが漏らした「陛下……」という一言に強く心を揺さぶられた。
その切なげな響きに、思わずアイシャの方を向いてしまったカルラートは、その直後それを後悔した。
カルラートを誘うかのように薄く開いたアイシャの唇。
掛け布越しでも分かる女らしく柔らかな曲線を描いた体。
そして、先程の「陛下……」という切なげな呟き。
自分がアイシャを抱かないことで、それほどまでに彼女が切ない思いをしているのならば、今すぐ彼女を起こして事に及んでしまおうかという衝動にカルラートはかられた。
……いや、だが駄目だ。
それでは己の言動に矛盾が生じてしまう。
カルラートはそれを避けたい一心で、魅力的に映るアイシャから目を逸らした。
……それからは、己との戦いだった。
寝台からもう少しで落ちるほど端に寄ったカルラートだが、それでも届くアイシャの甘い香りや、彼女が時折寝返りを打つ度に漏らす悩ましげな声が、彼を苛んだ。
……いったいこれはなんの苦行だ。
アイシャを抱きさえすれば、すべては丸く収まるというのに、カルラートはそれでもなお己を厳しく律し続けた。
そして、永遠のようにも思われた夜が明けると、カルラートはいまだ眠っているアイシャをそのままに寝室から自分の部屋へと戻った。
己の欲望に負けてアイシャを抱いてしまうという、彼にとっての最悪の事態はひとまず避けられたわけだが、こんなことを毎日続けるわけにはいかないだろう。
アイシャの元を訪れるのは三日に一度くらいで充分だ、とカルラートは溜息をつきながら思った。……これが毎日だったら、こちらの体力がもたない。
「陛下、我慢のしすぎは体に毒ですよ」
「……だから、我慢などしていないと言っているだろう。ところで今日決裁する書類はどこだ」
オルグレンに呆れと同情が混ざったような目で見られたのが癪だったが、カルラートはそれを隠すように執務に没頭した。
しかし、いつまでこんなことを続けるんだという疑問を彼自身も薄々とだが感じ始めていた。
ライサの言った通り、カルラートが寝室に現れたのだ。
「陛下? どうしてここに……」
アイシャは取り乱してライサの姿を探すが、これから睦みごとになるかもしれないこの場に彼女がいるはずもなかった。
「周りの目がうるさいからな。……だが、寝所は共にしても、そなたは抱かない」
「そ、そうですか……」
カルラートのはっきりとした宣言に、もしかしてと少しでも期待してしまった自分をアイシャは恥じた。
そうこうするうちに、カルラートはさっさと寝台に横になってしまったので、アイシャは少し呆然としてしまった。
「……なにをしている。さっさとここに来て寝るんだ」
カルラートに言われて、アイシャは顔を赤く染める。
いくら手を出さないと言われていても、男性と同じ寝室で眠るというのは、いまだ乙女であるアイシャにとってはかなり恥ずかしいことであった。
しかし、いつまでもためらっていても仕方がない。アイシャは意を決して、「失礼します」と断って寝台に横になった。
……対外的には夫婦であるにしても、寝所を共にしているのがとてもはしたないことに思えて、アイシャは赤面し、緊張から身を堅くしていた。
「そなたはもう少し端に行け。わたしもそうする」
「は、はい」
カルラートがそう言ったことによって、二人の距離が遠ざかり、アイシャは少しほっとした。
本来ならカルラートに手をつけられないことは、大国から嫁いで来た者としては恥ずべきことなのだが、この時のアイシャはなぜか安心してしまっていた。
──それは真に愛する人が心にあったからかもしれない。
そして、出来る事ならばその方と結ばれたいと、叶わぬ夢をアイシャはいまだに願っていたのである。
「……そういえば、贈り物ありがとうございました」
ふいにアイシャは昼間のことを思い出して、カルラートに礼を言う。
あの金細工の腕輪と織物は美しく、アイシャ用に厳選されたものだと確かに感じ取れた。
それに対して返ってきたのは、ああ、というそっけない言葉だった。
それで彼がそのことにあまり乗り気ではなかったことがアイシャには分かった。
あれはきっと宰相の勧めで仕方なく贈ったのだろう。
カルラートの冷淡とも思えるその言動から、アイシャは抱かないという彼の言葉を信じて、すっかり安心しきってしまった。
先程まであれだけ羞恥を感じていたというのに、我ながらおかしいものだ。
それに、本当は彼に抱かれることが自分に課せられた責務なのに──
そう考えているうちに強烈な眠気が襲ってくる。
ここのところ、カルラートの訪れを待っていて、あまり眠っていなかったのだ。
「陛下……」
できれば隣で横になっているのはあの方であったら良かったのにと思いながら、アイシャは深い眠りに身を任せていった。
「陛下? どうしてここに……」
その夜、寝室を訪ねたカルラートにアイシャは相当驚いたようで、おろおろとうろたえていた。
その様子がまるで小動物のようで、カルラートは思わず笑ってしまう。
「周りの目がうるさいからな。……だが、寝所は共にしても、そなたは抱かない」
「そ、そうですか……」
そう言ったアイシャのどこか諦めたような瞳にカルラートは良心の呵責を覚えた。
元々、癪に障るのは大国の威を振るうトゥルティエール国王であって、アイシャではない。
彼女自身はとても可憐で美しく、求婚者が山といても不思議ではない姫君だとカルラートは感じていた。
しかし、ここまで来たら半ば意地のようなものだった。
カルラートはさっさと寝台の上に掛け布を被って寝転がった。
「……なにをしている。さっさとここに来て寝るんだ」
カルラートの突然の行動に戸惑った様子のアイシャを呼ぶと、彼女は「失礼します」と言っておずおずと寝台に横になった。
その途端、彼女からなんともいえない甘い香りがして、カルラートは一瞬理性を放り出しそうになってしまった。
ましてや、可憐で美しい姫が体の線も露わな寝間着姿でいるのだ。
彼とて若い男性なのだし、そうなっても無理はないだろう。
「そなたはもう少し端に行け。わたしもそうする」
「は、はい」
素直に寝台の端に寄ったアイシャにカルラートは息をつきながら、これからの難題に思いを馳せていた。
──これは、眠れない夜になりそうだな。
そして、その心配は現実のこととなるのであった。
アイシャとカルラートが初めて寝所を共にした翌朝。
カルラートはかなり不機嫌な様子で執務室に現れて、宰相のオルグレンを驚かせた。
「陛下? どうなされたのです。昨夜はアイシャ様と寝所を共になされたのではありませんか?」
オルグレンは、それなのになぜ不機嫌なのかという表情だ。
「……寝所は共にした。だが抱いてはいない」
そう言って、執務机の椅子にどさりと腰を下ろしたカルラートにオルグレンは目をむいた。
「陛下、つまらぬ意地をはるのはおやめください。それは寝所を共にしないことよりも、アイシャ様にとっては屈辱的なことです! なにより、このことがトゥルティエールに知れたらどうなさるんです!」
「うるさい、怒鳴るな。……昨夜は一睡もしていないんだ」
オルグレンからの叱責に、カルラートは不快そうに眉を寄せる。
それでもなお、オルグレンは呆れた様子を隠しもせずに続けた。
「自業自得です。陛下が眠れなかったのは、魅力的な女性と寝所を共にして、しなくてもいい自制をなさったからでしょう。やせ我慢も大概になさってください」
「……やせ我慢などしていない」
「ではなぜ一睡もしていないなどとおっしゃったのですか。アイシャ様を気にしておられなければそんなことにはならないと思われますが」
鋭すぎるオルグレンの言葉に、カルラートは思わずぐっと詰まった。
確かにオルグレンの言う通りだった。
昨夜は隣に眠るアイシャの存在が気になって一睡もできなかった。
お互いに寝台の端と端に寄って、なんとか最悪の事態だけは避けられたと思ったが、ふとアイシャが漏らした「陛下……」という一言に強く心を揺さぶられた。
その切なげな響きに、思わずアイシャの方を向いてしまったカルラートは、その直後それを後悔した。
カルラートを誘うかのように薄く開いたアイシャの唇。
掛け布越しでも分かる女らしく柔らかな曲線を描いた体。
そして、先程の「陛下……」という切なげな呟き。
自分がアイシャを抱かないことで、それほどまでに彼女が切ない思いをしているのならば、今すぐ彼女を起こして事に及んでしまおうかという衝動にカルラートはかられた。
……いや、だが駄目だ。
それでは己の言動に矛盾が生じてしまう。
カルラートはそれを避けたい一心で、魅力的に映るアイシャから目を逸らした。
……それからは、己との戦いだった。
寝台からもう少しで落ちるほど端に寄ったカルラートだが、それでも届くアイシャの甘い香りや、彼女が時折寝返りを打つ度に漏らす悩ましげな声が、彼を苛んだ。
……いったいこれはなんの苦行だ。
アイシャを抱きさえすれば、すべては丸く収まるというのに、カルラートはそれでもなお己を厳しく律し続けた。
そして、永遠のようにも思われた夜が明けると、カルラートはいまだ眠っているアイシャをそのままに寝室から自分の部屋へと戻った。
己の欲望に負けてアイシャを抱いてしまうという、彼にとっての最悪の事態はひとまず避けられたわけだが、こんなことを毎日続けるわけにはいかないだろう。
アイシャの元を訪れるのは三日に一度くらいで充分だ、とカルラートは溜息をつきながら思った。……これが毎日だったら、こちらの体力がもたない。
「陛下、我慢のしすぎは体に毒ですよ」
「……だから、我慢などしていないと言っているだろう。ところで今日決裁する書類はどこだ」
オルグレンに呆れと同情が混ざったような目で見られたのが癪だったが、カルラートはそれを隠すように執務に没頭した。
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