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第三章:愛されし姫君
第23話 略奪
「わたしはおまえを妹とは思っていない。愛しい一人の女だ」
毅然とした態度を取ったアイシャが珍しかったのか、彼女を興味深そうに見つめながらルドガーは言った。
だが、その言葉を素直に受け取れるほど、既にアイシャは彼に従順ではなかった。
どうしても納得できない出来事に直面して、アイシャはルドガーを初めて睨みつけた。
「あなた様は、わたしと縁が切れて清々するとまでおっしゃられていたではないですか。あれは嘘だったのですか」
ルドガーはアイシャの反抗的な態度に気を悪くする様子もなく、むしろそれが当然だというように頷いた。
「もちろん嘘だ。こんな言葉で許してもらえるとは思わないが、今まで酷い扱いをしていて悪かった。すまない」
これがルドガーの本心ならば、今までの彼の態度は演技だったのだろうか。
ルドガーの謝罪にアイシャはそう思うが、首を振ってその考えを閉め出した。
「そんなことはどうでもよいことです。それより、今すぐわたしをハーメイにお返しください。……こんなこと、外交上大問題です」
「分かっている。……だがしかし、ハーメイのような小国ではこの国には対抗できまい。ただ、指をくわえて見ているだけだ」
分かっていると言いつつ、願いを聞こうとしないルドガーに、アイシャは怒りを露わにした。
「酷すぎます! ハーメイがなにをしたと言うのです。こんなことは侮辱以外の何物でもありません」
ルドガーがしたことは、いきなり威圧的にアイシャを王に娶らせ、そしてやはりやめたと言って簡単に奪っていく非常に身勝手なものだ。やられた方はたまったものではない。
これでは、ハーメイがトゥルティエールに馬鹿にされたと受け取るのが当然だろうとアイシャは憤った。
「侮辱なら、おまえもハーメイ国王にされただろう、アイシャ。おまえがしばらくあの王に手を出されていなかったのをわたしは知っているぞ」
ルドガーはやはりそのことを知っていたのだ。アイシャは思わず目を瞠った。
「ハーメイへの密偵としたこのライノスから詳細は聞いている」
ルドガーが、アイシャ達を連れてきた魔術師を指し示す。
焦げ茶だったその髪と瞳は既に黒へと変わっていて、それがルドガーが重用している魔術師だとアイシャは思い出した。
「……密偵」
「ハーメイは城周りの結界は強化していますが、王宮内は全くの手薄です。おかげで調査もし易かったですよ。多少あなた様の警護を増やしても同じことです。……魔法大国のガルディアならこうはいかなかったでしょうね」
ライノスがこう言うということは、ハーメイには今現在も各国の密偵が暗躍しているということか。これは国としては相当危うい状況ではないだろうか。
カルラートは果たしてこれを知っているのだろうか。
アイシャがハーメイの現状に思わず溜息をつくと、ルドガーが再び抱き寄せてきた。
「おまえには先王の望み通りこの国の正妃の座を用意しよう。……これでハーメイの王妃という立場は消える」
それを聞いて、彼の腕から逃れようともがいていたアイシャは驚愕した。
確かに先王の時代にアイシャを正妃にするという誓約書にルドガーと署名したのは事実だ。
しかし、既に純潔を失った者を正妃になど、おかしいではないか。
それにその誓約書もルドガーが即位した時に、焼いてしまってないと告げられたはずだ。
「なにをおっしゃいますの。それでも、わたしがハーメイ王妃だったと言う事実は変わりません。正気の沙汰とも思えませんわ」
アイシャが首を振りながら言うと、ルドガー自身もその意見に同意らしく、そうだろうな、と頷いた。
「……それでも、わたしはおまえを手に入れたい。他の男になど渡したくはないのだ」
──だったら、なぜ初めからそうしなかったの。
アイシャはかっとしてルドガーに食ってかかった。
「……でしたら! なぜ、わたしをハーメイにやったのです。あなた様がそうしなければこんなことにはなりませんでした」
「……そうだな」
アイシャのもっともな抗議に、ルドガーが苦く笑う。
「……それともこれは、わたしに対する復讐の一環ですか? あなた様はわたしがこの状況に苦悩するのを見て楽しんでおられるのですか」
ルドガーは先の第一王妃を死に追いやったアイシャ達母娘が憎いはずだ。
だとしたら、彼の『愛している』という言葉もただの甘言だろう。
「アイシャ、それは違う」
アイシャのその言葉に少々焦ったようにルドガーが彼女をさらに強く抱きしめて言う。
「なにが違うのです。結果的にあなた様はわたしをこうして苦しめています。それも関係のないハーメイまで巻き込んで」
いろいろあったが、深く愛してくれるカルラートや、親切にしてくれたハーメイ王宮の者達にはこんな事態になってしまって非常に申し訳なかった。
アイシャが高ぶる感情から一筋涙を流すと、ルドガーは苦しげに顔を歪ませた。
「……今までの仕打ちを考えれば、おまえがそう思っても仕方がない。だが、わたしはおまえを愛している」
そう言うと、ルドガーはアイシャの頤に手をかけて顔を上向かせた。
そして、アイシャの唇に長い長い口づけを落とした。
「い、や……っ」
アイシャがルドガーの唇を避けようとしたが、彼はそれを許さなかった。
アイシャの柔らかい唇を求めて、さらにルドガーは深く口づけると、彼女の体から力が抜け始める。
「ん……ぅ、や……」
それでも抵抗しようとするアイシャの唇から甘い呻きが漏れ、ルドガーを追い立てる。
やがてルドガーが唇を離すと、アイシャは息を乱して、彼の腕の中でくたりと力を失っていた。
「アイシャ……」
ルドガーはアイシャの灰桜色の髪を愛しげに撫でると、彼女を素早く抱き上げた。
「! 陛下、お離しください!」
「駄目だ、おまえはまともに歩けないだろう。……それに」
ルドガーはいったんそこで言葉を切ると、アイシャを愛しげに見つめた。
「わたしはこのままおまえを己のものにする」
その宣言に、アイシャが絶望的な瞳でルドガーを見た。
「……! やめてください! お願いです」
アイシャがルドガーの胸を叩きながら懇願する。
それを無視して、ルドガーは彼女を己の寝室まで連れてきた。
寝台にどさりとアイシャを降ろすと、彼女は慌ててそこから逃れようとする。
しかし、ルドガーがそれを押さえる方が速かった。
「い、いやっ!」
ルドガーに押し倒されて、アイシャが悲鳴を上げる。だが、それを聞いても助けるものは誰もいなかった。
「ライサ、助けてっ」
「いくら呼んでも無駄だ。ライサは以前からわたしの気持ちを知っている。助けにはこない」
「そんな……」
初めて知ったらしい事実に、アイシャは一瞬暴れるのも忘れて、ルドガーを見つめた。
その間にルドガーはアイシャの両腕を頭の上にまとめて片手で押さえつけた。
そしてアイシャのドレスをもう一方の手で大きく引き裂く。
「い、いやあああっ!」
露わになったアイシャの白い肌に、所有の印がつけてあるのを見つけて、ルドガーは顔を歪めた。
「……カルラートか」
「そ、そうです。わたしはカルラートのものです。ですから、こんなことはおやめください!」
アイシャの必死の言葉に、ルドガーはくっと皮肉気に笑った。
「ならば新たにつけるまでのこと。もうやつはおまえを抱くことは出来ないのだからな」
ルドガーがそう言うと、アイシャの瞳に涙が溢れた。
「やめて……やめてください……っ」
弱々しくそれでも逃れようと、健気に身じろぎするアイシャに、ルドガーは口づけた。
「どんなに懇願しようとも、わたしはおまえを手に入れる。もうあの男のことは忘れろ」
そう言うと、ルドガーはアイシャの柔らかな膨らみに口づける。
「や、あ……っ」
それにびくりと体を震わせるアイシャに、ルドガーはこれまででは考えられないほど優しく笑った。
「……おまえはわたしのものだ」
夢にまで見た、柔らかで白い体。
それが今、彼の手に入ろうとしていた。
アイシャの白い頬に幾つもの涙が伝っている。
ルドガーはアイシャの頬に唇を寄せてそれを拭った。
ルドガーの執拗な責めにより、彼女は既に意識を手放していた。
長き間、思いを寄せていた少女がようやくこの手に入った。
ルドガーはアイシャの美しい髪を撫でながらその白い裸身を己の胸に抱き寄せる。
たとえこの後、カルラートが抗議してこようと、ルドガーは無視を決め込むつもりだった。
そして、このままアイシャをこの国の正妃にする予定だ。
反対はもちろんあるだろうが、ルドガーはすべてそれを排除するつもりでいた。
ただ、カルラートの存在はやっかいだとルドガーは感じていた。
きっと、あの男はただこの国に抗議してくるだけでは済まさない。
必ず愛しいアイシャを取り返しにくるだろう。
そんな確信をルドガーは感じていた。
だが、その時はその時だ。
今は、アイシャを己のものとした余韻を味わおうとルドガーは決め、意識のないアイシャを深く抱きしめた。
毅然とした態度を取ったアイシャが珍しかったのか、彼女を興味深そうに見つめながらルドガーは言った。
だが、その言葉を素直に受け取れるほど、既にアイシャは彼に従順ではなかった。
どうしても納得できない出来事に直面して、アイシャはルドガーを初めて睨みつけた。
「あなた様は、わたしと縁が切れて清々するとまでおっしゃられていたではないですか。あれは嘘だったのですか」
ルドガーはアイシャの反抗的な態度に気を悪くする様子もなく、むしろそれが当然だというように頷いた。
「もちろん嘘だ。こんな言葉で許してもらえるとは思わないが、今まで酷い扱いをしていて悪かった。すまない」
これがルドガーの本心ならば、今までの彼の態度は演技だったのだろうか。
ルドガーの謝罪にアイシャはそう思うが、首を振ってその考えを閉め出した。
「そんなことはどうでもよいことです。それより、今すぐわたしをハーメイにお返しください。……こんなこと、外交上大問題です」
「分かっている。……だがしかし、ハーメイのような小国ではこの国には対抗できまい。ただ、指をくわえて見ているだけだ」
分かっていると言いつつ、願いを聞こうとしないルドガーに、アイシャは怒りを露わにした。
「酷すぎます! ハーメイがなにをしたと言うのです。こんなことは侮辱以外の何物でもありません」
ルドガーがしたことは、いきなり威圧的にアイシャを王に娶らせ、そしてやはりやめたと言って簡単に奪っていく非常に身勝手なものだ。やられた方はたまったものではない。
これでは、ハーメイがトゥルティエールに馬鹿にされたと受け取るのが当然だろうとアイシャは憤った。
「侮辱なら、おまえもハーメイ国王にされただろう、アイシャ。おまえがしばらくあの王に手を出されていなかったのをわたしは知っているぞ」
ルドガーはやはりそのことを知っていたのだ。アイシャは思わず目を瞠った。
「ハーメイへの密偵としたこのライノスから詳細は聞いている」
ルドガーが、アイシャ達を連れてきた魔術師を指し示す。
焦げ茶だったその髪と瞳は既に黒へと変わっていて、それがルドガーが重用している魔術師だとアイシャは思い出した。
「……密偵」
「ハーメイは城周りの結界は強化していますが、王宮内は全くの手薄です。おかげで調査もし易かったですよ。多少あなた様の警護を増やしても同じことです。……魔法大国のガルディアならこうはいかなかったでしょうね」
ライノスがこう言うということは、ハーメイには今現在も各国の密偵が暗躍しているということか。これは国としては相当危うい状況ではないだろうか。
カルラートは果たしてこれを知っているのだろうか。
アイシャがハーメイの現状に思わず溜息をつくと、ルドガーが再び抱き寄せてきた。
「おまえには先王の望み通りこの国の正妃の座を用意しよう。……これでハーメイの王妃という立場は消える」
それを聞いて、彼の腕から逃れようともがいていたアイシャは驚愕した。
確かに先王の時代にアイシャを正妃にするという誓約書にルドガーと署名したのは事実だ。
しかし、既に純潔を失った者を正妃になど、おかしいではないか。
それにその誓約書もルドガーが即位した時に、焼いてしまってないと告げられたはずだ。
「なにをおっしゃいますの。それでも、わたしがハーメイ王妃だったと言う事実は変わりません。正気の沙汰とも思えませんわ」
アイシャが首を振りながら言うと、ルドガー自身もその意見に同意らしく、そうだろうな、と頷いた。
「……それでも、わたしはおまえを手に入れたい。他の男になど渡したくはないのだ」
──だったら、なぜ初めからそうしなかったの。
アイシャはかっとしてルドガーに食ってかかった。
「……でしたら! なぜ、わたしをハーメイにやったのです。あなた様がそうしなければこんなことにはなりませんでした」
「……そうだな」
アイシャのもっともな抗議に、ルドガーが苦く笑う。
「……それともこれは、わたしに対する復讐の一環ですか? あなた様はわたしがこの状況に苦悩するのを見て楽しんでおられるのですか」
ルドガーは先の第一王妃を死に追いやったアイシャ達母娘が憎いはずだ。
だとしたら、彼の『愛している』という言葉もただの甘言だろう。
「アイシャ、それは違う」
アイシャのその言葉に少々焦ったようにルドガーが彼女をさらに強く抱きしめて言う。
「なにが違うのです。結果的にあなた様はわたしをこうして苦しめています。それも関係のないハーメイまで巻き込んで」
いろいろあったが、深く愛してくれるカルラートや、親切にしてくれたハーメイ王宮の者達にはこんな事態になってしまって非常に申し訳なかった。
アイシャが高ぶる感情から一筋涙を流すと、ルドガーは苦しげに顔を歪ませた。
「……今までの仕打ちを考えれば、おまえがそう思っても仕方がない。だが、わたしはおまえを愛している」
そう言うと、ルドガーはアイシャの頤に手をかけて顔を上向かせた。
そして、アイシャの唇に長い長い口づけを落とした。
「い、や……っ」
アイシャがルドガーの唇を避けようとしたが、彼はそれを許さなかった。
アイシャの柔らかい唇を求めて、さらにルドガーは深く口づけると、彼女の体から力が抜け始める。
「ん……ぅ、や……」
それでも抵抗しようとするアイシャの唇から甘い呻きが漏れ、ルドガーを追い立てる。
やがてルドガーが唇を離すと、アイシャは息を乱して、彼の腕の中でくたりと力を失っていた。
「アイシャ……」
ルドガーはアイシャの灰桜色の髪を愛しげに撫でると、彼女を素早く抱き上げた。
「! 陛下、お離しください!」
「駄目だ、おまえはまともに歩けないだろう。……それに」
ルドガーはいったんそこで言葉を切ると、アイシャを愛しげに見つめた。
「わたしはこのままおまえを己のものにする」
その宣言に、アイシャが絶望的な瞳でルドガーを見た。
「……! やめてください! お願いです」
アイシャがルドガーの胸を叩きながら懇願する。
それを無視して、ルドガーは彼女を己の寝室まで連れてきた。
寝台にどさりとアイシャを降ろすと、彼女は慌ててそこから逃れようとする。
しかし、ルドガーがそれを押さえる方が速かった。
「い、いやっ!」
ルドガーに押し倒されて、アイシャが悲鳴を上げる。だが、それを聞いても助けるものは誰もいなかった。
「ライサ、助けてっ」
「いくら呼んでも無駄だ。ライサは以前からわたしの気持ちを知っている。助けにはこない」
「そんな……」
初めて知ったらしい事実に、アイシャは一瞬暴れるのも忘れて、ルドガーを見つめた。
その間にルドガーはアイシャの両腕を頭の上にまとめて片手で押さえつけた。
そしてアイシャのドレスをもう一方の手で大きく引き裂く。
「い、いやあああっ!」
露わになったアイシャの白い肌に、所有の印がつけてあるのを見つけて、ルドガーは顔を歪めた。
「……カルラートか」
「そ、そうです。わたしはカルラートのものです。ですから、こんなことはおやめください!」
アイシャの必死の言葉に、ルドガーはくっと皮肉気に笑った。
「ならば新たにつけるまでのこと。もうやつはおまえを抱くことは出来ないのだからな」
ルドガーがそう言うと、アイシャの瞳に涙が溢れた。
「やめて……やめてください……っ」
弱々しくそれでも逃れようと、健気に身じろぎするアイシャに、ルドガーは口づけた。
「どんなに懇願しようとも、わたしはおまえを手に入れる。もうあの男のことは忘れろ」
そう言うと、ルドガーはアイシャの柔らかな膨らみに口づける。
「や、あ……っ」
それにびくりと体を震わせるアイシャに、ルドガーはこれまででは考えられないほど優しく笑った。
「……おまえはわたしのものだ」
夢にまで見た、柔らかで白い体。
それが今、彼の手に入ろうとしていた。
アイシャの白い頬に幾つもの涙が伝っている。
ルドガーはアイシャの頬に唇を寄せてそれを拭った。
ルドガーの執拗な責めにより、彼女は既に意識を手放していた。
長き間、思いを寄せていた少女がようやくこの手に入った。
ルドガーはアイシャの美しい髪を撫でながらその白い裸身を己の胸に抱き寄せる。
たとえこの後、カルラートが抗議してこようと、ルドガーは無視を決め込むつもりだった。
そして、このままアイシャをこの国の正妃にする予定だ。
反対はもちろんあるだろうが、ルドガーはすべてそれを排除するつもりでいた。
ただ、カルラートの存在はやっかいだとルドガーは感じていた。
きっと、あの男はただこの国に抗議してくるだけでは済まさない。
必ず愛しいアイシャを取り返しにくるだろう。
そんな確信をルドガーは感じていた。
だが、その時はその時だ。
今は、アイシャを己のものとした余韻を味わおうとルドガーは決め、意識のないアイシャを深く抱きしめた。
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