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(※流血有り)吸血衝動
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※流血注意(吸血シーンあります)
尊さんが戻って来るまで、傷薬がどこまで効くのかやってみようと思い、ノートと傷薬を準備する。
「まず、自分の手を切ってみるかな……」
ぼそっと呟き、棚からペーパーナイフを取り出す。
実験内容の目的は、傷薬が吸血鬼に効くのか(僕を含め)、また傷の深さでそれは変わるのかを知れたらまた違うのかもしれない。
スパッと腕にナイフを通す。
「薫兄様!?」
「どうかした?あ、血が苦手だった?」
ゔ、鉄の臭いがする。
少し深めにナイフを入れた為、ポタポタと血が落ちる。慌てて、受け皿の上に腕を移動させる。
「違います!!実験台なら僕がします!!ご自身の身体を大切にしてください!!」
凄く泣きそうな顔をして訴えられた。
「大丈夫だよ。治癒魔術がどこまで効くか自分でこう、してたし。さほど痛くないよ?」
そう言いながらナイフを置き、瓶の蓋を開けて傷薬を傷口に掛けてみる。
「……っ」
「兄様!?」
ぐわっと傷口が熱くなった。
「だ、いじょうぶ……ほら、傷口は無くなったよ?」
傷口を見ると、綺麗に無くなっていた。
おお、凄い。
忘れない様に、ノートにメモをする。
傷薬(紫草)
ナイフでの切り傷、深さ2センチほど
傷薬3分の1で、綺麗に治る。
少し、患部に熱さを感じる程度。
「よし!じゃあ、次はー」
「兄様!!僕が実験台になりますから、兄様は見ていてくださいっ」必死に止められて、仕方なく了承した。
「で、何をしたらいいでしょうか?」
切ったらいいですか?とサラッと聞かれた。
「飲んでも効くのか知りたくて、」
ノートに、頓服する場合と書いていると、「なるほど、では切りますね」と同時にスパッと躊躇い無く煌が腕を切った。先程の僕が切った傷より深い。
怖くないのだろうか?
ふわっと、甘い匂いがした。
自分の血は、鉄の臭い……お世辞にも良い物じゃないけれど、他人の血の匂いはいい匂いがするのだろうか??
思わず、指で鼻を触った。
鼻が鈍っている……?訳じゃないよね?
「薫兄様?」
呼ばれてハッとする。
いかんいかん、流血させたまま考え事をしていた。
「ごめん、考え事をしてた。この瓶残ってるのを全て飲んでみてくれる?」
瓶を煌に渡す。
「はい」
グッと一気飲みした煌の顔は、普通だ。
苦くないのだろうか?
「味とかって…」
「とても苦いですね……」
食い気味にそう行ってきた。相当、苦いのだろう。表情には出てないけれど。
少しして、甘い匂いが薄れて来た。
傷口を見ると、無くなっていた。
「おお!!この傷口って飲んでもよし、掛けてもよし!凄いなー!!どう??腕に違和感無い?」
手をグーパーグーパーしたり、ふるふる振っているところを見ると、大丈夫なのだろう。
その様子などをノートに書いていると、
「に、いさまっ……」
そう呼ばれ、煌を見ると
「煌……?」
喉を抑え、その場に蹲り何かに耐えていた。
どうしたのかと駆け寄り、煌の顔を見た。
「は、なれてくださいっ……」
口からは、ヨダレが出て、いつも紫色の目をしているのに、今は紅くなっていた。
これは、吸血衝動……?!
なんで……
吸血鬼の子どもは、吸血衝動を乗り越えて、一人前の吸血鬼になる。
けれど吸血衝動が来る歳にはまだ早い……
だとしたら、服用した傷薬が吸血衝動を加速させたのだろうか?!
実際、吸血衝動を目の前で見るのは初めてだ。どうしたらいいのかも分からない。
ただ、目の前の煌が血に飢えているのだけは、分かった。
「煌……僕はどうしたら、いい?」
手を差し伸べようとするが、
「お、願いですからっ……離れてくださいっ!!!兄様をっ、傷付けたくないっ!!」
額には汗をかいている。
「僕は、煌に何されても構わないよ……大丈夫。僕はどうしたらいい?」
煌の目を見て、手を差し出した。
「にい、さまっ……」
グッと後ろに押され、天地が逆転した。
床に今、寝転がった僕は煌に見下ろされている。
とても目が綺麗だ……
首元でブツッと言う音と、鈍い痛みが走った。
「っぁ……」
「ああ、……とてもっ」
ジュルッと言う音と、何かを身体から抜き取られるような感覚……
身体が言う事をきかない……
「煌君……?!薫!?何があったんだ!?」
この声は尊さんだろうか?
「先生にっ、……伝えてくださ、いっ、……こうが、吸血っ衝動を、!」
途切れ途切れに何とか伝えた。
「わ、わかった!!」
尊さんには伝わった様で、人払いをするする様にと周りに叫んでいるのが聞こえた。
_________________。
「樹央先生!先日の血液検査の結果です」
スッと渡された、封筒を受け取る。
中身は、薫の血液検査の結果だ。
「ありがとう。急がせて、悪かったね」
そう言って、中身を見る。
「これは、」
結果の表を見て、驚愕する。
すると、バタバタと音がして焦った様子の尊がいた。
「樹央先生!!!!」
「珍しいな、尊がそんなに息切らして走って来るなんて、何かあった?」
「煌君が、吸血衝動を!!今、薫君が」
それを聞き、走り出す。
「先生!!!場所はっ!!」
大丈夫、聞かなくても微かな匂いがする方向へ走る。
「大丈夫!!尊は、研究所にいる職員に早退命令を出して!!!」
「分かりました!!」
と同時に、伝書魔術で玖央家に送る。
煌 吸血衝動有り。
薫の血を吸っている可能性有り。
樹央
「頼むから間に合ってくれよっ!」
匂いの元へ足を動かす。
吸血衝動に対して、大人は神経質になる。吸血衝動で事故が起こるのを防ぐ為だ。
その子どもが大人の目の前で吸血衝動が出れたら御の字だ。
もし、目の前に子ども、人間が居れば被害者はその者達になる。
吸血衝動が来た、吸血鬼は理性が外れる。本能のままに、目の前の血を貪る。
だから、被害者達は血を抜かれ命を落としかねない。
まだ、吸血衝動が済んでいる大人なら他で血を得れば、貧血程度で済むのだが……
もし、薫が煌に吸われているのだったら薫は直ぐに貧血を起こし、最悪死ぬだろう。 薫の場合、吸血衝動が来ていない。足りない血は、献血でしか補えない。
「薫!!」
現場に足を踏み入れると、濃い血の匂いがした。
「……っ」匂いに酔わないように、魔術を自分にかける。
「煌!!それ以上は辞めろ!!」
薫の上に跨り、血を貪っている煌を後ろから羽交い締めにする。
「は、なせっ!!!」
暴れる煌を押さえ込みながら、薫から距離を取る。
薫を見ると、気絶していた。
けれど、顔色が真っ青だ。
「これでも食べてろ!」
暴れる煌の口に、ラムネのような物を入れ込む。
「ー!!!」
「少しは落ち着いたか?」
さっきまでの暴れ様が嘘のようで、ピタッと動きが止まった。
目の前の光景を理解したのか。
「か、おるっ……」
フラフラッと薫の傍に行き、噛み跡を押さえた。
「煌、よく聞け。このままだと、薫は死ぬ」
「っ!!!い、やだっ!!!」
珍しく、煌が泣き叫ぶ。
「だから、別室で薫を処置する。だから、薫に触れる。いいな?」
コクッと頷いたのを見て、薫を抱き上げる。
「薫に付き添うかどうかは任せるが、口元は拭いておきなさい」
煌の口の周りは、薫の血がべったり付いていた。
瞳は、紫と紅色がグルグルと混ざらない状態で色が変化していた。
まだ衝動は、落ち着いて居ないようだった。
「か、おる……」
ボソッと呟いた煌の声が響いた。
尊さんが戻って来るまで、傷薬がどこまで効くのかやってみようと思い、ノートと傷薬を準備する。
「まず、自分の手を切ってみるかな……」
ぼそっと呟き、棚からペーパーナイフを取り出す。
実験内容の目的は、傷薬が吸血鬼に効くのか(僕を含め)、また傷の深さでそれは変わるのかを知れたらまた違うのかもしれない。
スパッと腕にナイフを通す。
「薫兄様!?」
「どうかした?あ、血が苦手だった?」
ゔ、鉄の臭いがする。
少し深めにナイフを入れた為、ポタポタと血が落ちる。慌てて、受け皿の上に腕を移動させる。
「違います!!実験台なら僕がします!!ご自身の身体を大切にしてください!!」
凄く泣きそうな顔をして訴えられた。
「大丈夫だよ。治癒魔術がどこまで効くか自分でこう、してたし。さほど痛くないよ?」
そう言いながらナイフを置き、瓶の蓋を開けて傷薬を傷口に掛けてみる。
「……っ」
「兄様!?」
ぐわっと傷口が熱くなった。
「だ、いじょうぶ……ほら、傷口は無くなったよ?」
傷口を見ると、綺麗に無くなっていた。
おお、凄い。
忘れない様に、ノートにメモをする。
傷薬(紫草)
ナイフでの切り傷、深さ2センチほど
傷薬3分の1で、綺麗に治る。
少し、患部に熱さを感じる程度。
「よし!じゃあ、次はー」
「兄様!!僕が実験台になりますから、兄様は見ていてくださいっ」必死に止められて、仕方なく了承した。
「で、何をしたらいいでしょうか?」
切ったらいいですか?とサラッと聞かれた。
「飲んでも効くのか知りたくて、」
ノートに、頓服する場合と書いていると、「なるほど、では切りますね」と同時にスパッと躊躇い無く煌が腕を切った。先程の僕が切った傷より深い。
怖くないのだろうか?
ふわっと、甘い匂いがした。
自分の血は、鉄の臭い……お世辞にも良い物じゃないけれど、他人の血の匂いはいい匂いがするのだろうか??
思わず、指で鼻を触った。
鼻が鈍っている……?訳じゃないよね?
「薫兄様?」
呼ばれてハッとする。
いかんいかん、流血させたまま考え事をしていた。
「ごめん、考え事をしてた。この瓶残ってるのを全て飲んでみてくれる?」
瓶を煌に渡す。
「はい」
グッと一気飲みした煌の顔は、普通だ。
苦くないのだろうか?
「味とかって…」
「とても苦いですね……」
食い気味にそう行ってきた。相当、苦いのだろう。表情には出てないけれど。
少しして、甘い匂いが薄れて来た。
傷口を見ると、無くなっていた。
「おお!!この傷口って飲んでもよし、掛けてもよし!凄いなー!!どう??腕に違和感無い?」
手をグーパーグーパーしたり、ふるふる振っているところを見ると、大丈夫なのだろう。
その様子などをノートに書いていると、
「に、いさまっ……」
そう呼ばれ、煌を見ると
「煌……?」
喉を抑え、その場に蹲り何かに耐えていた。
どうしたのかと駆け寄り、煌の顔を見た。
「は、なれてくださいっ……」
口からは、ヨダレが出て、いつも紫色の目をしているのに、今は紅くなっていた。
これは、吸血衝動……?!
なんで……
吸血鬼の子どもは、吸血衝動を乗り越えて、一人前の吸血鬼になる。
けれど吸血衝動が来る歳にはまだ早い……
だとしたら、服用した傷薬が吸血衝動を加速させたのだろうか?!
実際、吸血衝動を目の前で見るのは初めてだ。どうしたらいいのかも分からない。
ただ、目の前の煌が血に飢えているのだけは、分かった。
「煌……僕はどうしたら、いい?」
手を差し伸べようとするが、
「お、願いですからっ……離れてくださいっ!!!兄様をっ、傷付けたくないっ!!」
額には汗をかいている。
「僕は、煌に何されても構わないよ……大丈夫。僕はどうしたらいい?」
煌の目を見て、手を差し出した。
「にい、さまっ……」
グッと後ろに押され、天地が逆転した。
床に今、寝転がった僕は煌に見下ろされている。
とても目が綺麗だ……
首元でブツッと言う音と、鈍い痛みが走った。
「っぁ……」
「ああ、……とてもっ」
ジュルッと言う音と、何かを身体から抜き取られるような感覚……
身体が言う事をきかない……
「煌君……?!薫!?何があったんだ!?」
この声は尊さんだろうか?
「先生にっ、……伝えてくださ、いっ、……こうが、吸血っ衝動を、!」
途切れ途切れに何とか伝えた。
「わ、わかった!!」
尊さんには伝わった様で、人払いをするする様にと周りに叫んでいるのが聞こえた。
_________________。
「樹央先生!先日の血液検査の結果です」
スッと渡された、封筒を受け取る。
中身は、薫の血液検査の結果だ。
「ありがとう。急がせて、悪かったね」
そう言って、中身を見る。
「これは、」
結果の表を見て、驚愕する。
すると、バタバタと音がして焦った様子の尊がいた。
「樹央先生!!!!」
「珍しいな、尊がそんなに息切らして走って来るなんて、何かあった?」
「煌君が、吸血衝動を!!今、薫君が」
それを聞き、走り出す。
「先生!!!場所はっ!!」
大丈夫、聞かなくても微かな匂いがする方向へ走る。
「大丈夫!!尊は、研究所にいる職員に早退命令を出して!!!」
「分かりました!!」
と同時に、伝書魔術で玖央家に送る。
煌 吸血衝動有り。
薫の血を吸っている可能性有り。
樹央
「頼むから間に合ってくれよっ!」
匂いの元へ足を動かす。
吸血衝動に対して、大人は神経質になる。吸血衝動で事故が起こるのを防ぐ為だ。
その子どもが大人の目の前で吸血衝動が出れたら御の字だ。
もし、目の前に子ども、人間が居れば被害者はその者達になる。
吸血衝動が来た、吸血鬼は理性が外れる。本能のままに、目の前の血を貪る。
だから、被害者達は血を抜かれ命を落としかねない。
まだ、吸血衝動が済んでいる大人なら他で血を得れば、貧血程度で済むのだが……
もし、薫が煌に吸われているのだったら薫は直ぐに貧血を起こし、最悪死ぬだろう。 薫の場合、吸血衝動が来ていない。足りない血は、献血でしか補えない。
「薫!!」
現場に足を踏み入れると、濃い血の匂いがした。
「……っ」匂いに酔わないように、魔術を自分にかける。
「煌!!それ以上は辞めろ!!」
薫の上に跨り、血を貪っている煌を後ろから羽交い締めにする。
「は、なせっ!!!」
暴れる煌を押さえ込みながら、薫から距離を取る。
薫を見ると、気絶していた。
けれど、顔色が真っ青だ。
「これでも食べてろ!」
暴れる煌の口に、ラムネのような物を入れ込む。
「ー!!!」
「少しは落ち着いたか?」
さっきまでの暴れ様が嘘のようで、ピタッと動きが止まった。
目の前の光景を理解したのか。
「か、おるっ……」
フラフラッと薫の傍に行き、噛み跡を押さえた。
「煌、よく聞け。このままだと、薫は死ぬ」
「っ!!!い、やだっ!!!」
珍しく、煌が泣き叫ぶ。
「だから、別室で薫を処置する。だから、薫に触れる。いいな?」
コクッと頷いたのを見て、薫を抱き上げる。
「薫に付き添うかどうかは任せるが、口元は拭いておきなさい」
煌の口の周りは、薫の血がべったり付いていた。
瞳は、紫と紅色がグルグルと混ざらない状態で色が変化していた。
まだ衝動は、落ち着いて居ないようだった。
「か、おる……」
ボソッと呟いた煌の声が響いた。
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