それでも幸せ

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窮屈な暮らし

未練

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元カレの子供と聞かされて僕は思考が停止した。
まさか親友のアイツがそんな無責任なことをするはずがない。
アイツは瀬良さんの体を一番いたわっていたし、大事にしていた。
直近で別れたのはアイツになるが、もし知らない人の子供だったら。
正直言って、知らない人の子供を育てるのは気が乗らない。
だけど、子供に罪はないのだから育てるしか手段がなかった。
結局、僕が時間をかけて考えぬいて出した答えは、我慢して
子供を育て上げながら、彼女と結婚するという未来だった。
もし、戻れるならば、高校生に戻りたい。高3の夏、初めての彼女と
海に行って満喫まんきつしたのが懐かしい。
結婚も考えていた。この子と付き合ったらどれだけ幸せなのか
そんな事ばかり考えていた。あの頃が恋しい。
大人になって初心な心は消えて、すっかり汚れきってしまった。
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