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第壱式

15話 力の使い方

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    前回までのあらすじ

    でっけぇ魔物倒してなんとか無事に生還した

  ⌬剣魔学園 魔剣士学科教室にて⌬

    時間にして丁度昼の時間帯音乃葉と日乃葉は二人で昼食をとっていた

音乃葉 「いや~日乃葉が作った飯はうまいなぁ~ゼラフも食ってみろよ。」

    弁当にあった唐揚げをゼラフに与える

ゼラフ 「中々美味デアルナ。」

    日乃葉が作った弁当を食べながら会話をはずませる

日乃葉 「それはどうもありがとう。」

    にっこりとほほ笑む

日乃葉 「そういえばお兄ちゃん。今日の午前中雨降ってたけどそっちは大丈夫だった?」

音乃葉 「あぁ。そん時は丁度近くのよさそうな洞穴に居たから大丈夫だったけどな。」

日乃葉 「そう?ならいいんだけど。」

音乃葉 「あーそうそう聞いてくれよ。訓練してる最中にさでっけぇ魔物が表れて結構ピンチだったけど、何とか倒してやったぜ。」

    日乃葉の方を向きドヤ顔をする

日乃葉 「えぇっ!それ大丈夫だったの?怪我とか無い?」

ゼラフ 「サホド大キイ怪我は負ッテナカッタナ。」

音乃葉 「俺は大丈夫だけど、秋咏がちょっと怪我しちまってな。軽い打撲とかで済んだけど、ちょっと心配だな。」

日乃葉 「秋咏さんがペアだったのね。」

    何かを心配するような目つきをする

音乃葉 「ん~?秋咏がどうかしたのか?」

日乃葉 「あ、うんん。何でもないよ。それより早く弁当食べないとチャイムなっちゃうよ?」

    時計を見ると昼休憩が終わろうとしていた

音乃葉 「あ、やばっ。早く食うぞ」

ゼラフ 「ウム。」

 ⌬剣術士棟 Aクラス…業後にて⌬

    授業の終わりを告げるチャイムが鳴りもう夕暮れとなっている

音乃葉 「ぶへぇ~~疲れたぁ~~。」

    体ごと机に突っ伏す

秋咏  「お疲れ様。あまりだらしない声を上げないで欲しいんだが。」

    隣の席の秋咏が話しかけてくる

音乃葉 「申し訳ない。」

    舌を出し悪気のない声で謝る

秋咏  「全く…君もこの学園の生徒なんだからシャキッとしたらどうだ?」

    カバンから今日使用したノートを広げまとめているようだ

音乃葉 「そう言えばお前、今朝の怪我大丈夫だったのか?」

    突っ伏した体を起こす

秋咏  「それなら大丈夫だ。今日しっかりと休めば明日には治る。」

秋咏  「それに今日みたいなことは剣術士棟ここじゃよくあることだ。」

音乃葉 「あー…そうなのか…。」

    制服の合間から見える包帯が痛々しく見える

音乃葉 「……。」

秋咏  「音乃葉ちょっといいか?」

    急に秋咏が話しかけてくる

音乃葉 「んあっ?ん?何だ?」

秋咏  「あぁいや。今日助けてもらったしお礼でもしようかと…。」

音乃葉 「…っ!お…お礼…だと…?!」

秋咏  「そうだ。何か君にしてやれないか?」

音乃葉 (それはつまりあんなことやこんなことを…。)

    ✓〇???  △???『解放条件:To√確定,一定数の好感度値』

秋咏  「もし良ければなんだが、明日の休日に私の行きつけの喫茶店に行ってみないか?」

音乃葉 「あぁ…別に…いいぞ。」
音乃葉 (デスヨネー)

秋咏  「良かった…。」

    小声でつぶやく

音乃葉 「ん?なんか言ったか?」

秋咏  「いや、何でもない。それより連絡手段は持っているのか?」

音乃葉 「あ、そういえばじゃ携帯使えないんだったな…。」

秋咏  「それを貸してくれ。」

    ノートを描く手を止めて音乃葉の方へと体を向ける

音乃葉 「おう。」

    ポッケに仕舞っておいた携帯を秋咏へ手渡す

    すると秋咏が携帯の画面を手で覆うと青色の小さな魔方陣が表れる

音乃葉 「うおっ!」

秋咏  「これでいいはずだ。電話帳を開いてみてくれ。」

音乃葉 「おっおう。」

    言われるまま携帯を起動し電話帳を見てみると何やら通帳欄に秋咏の名前とその横にデフォルメ化された秋咏の顔が描かれている

音乃葉 「これ…か?」

秋咏  「使い方だが、いつも通りに電話に掛けるようにしてくれればいい。」

音乃葉 「試しにかけていいか?」

秋咏  「構わないぞ。」

音乃葉 「それじゃあかけるぞ。」

    音乃葉は秋咏のアドレスをタップして電話をかける

秋咏  「!」

    秋咏は右手を耳の近くに持って来ると先ほど出てきた魔方陣が出てくると携帯の画面が通話中になっている

音乃葉 「おぉ…。」

秋咏  「まあこんな感じか。」

    秋咏の右手の魔方陣が閉じると同時に音乃葉の通話状態が途切れる

音乃葉 「どうなってんだそりゃ。」

秋咏  「君も覚えればすぐに出来るようになる」

秋咏  「まぁ本来なら基礎魔術で学ぶものなんだけど今回は特別だ。」

音乃葉 「き…基礎…魔術…?」

秋咏  「街の本屋に行けば生活魔法の本が色々あるから気になったら見に行ってみるといい。」

秋咏  「何なら明日ついでに街の本屋に行ってみるか?」

音乃葉 「おっ!ありがてぇ…けど、そこまでしてもらっていいのか?」

秋咏  「こっちこそ。これでお礼になってくれると良いんだけど…。」

音乃葉 「いやいや、十分すぎるどころかお釣りが出そうな勢いなんだけど。」
音乃葉 (ぴええぇ女子と出かけるなんて妹以外と行ったこと無いんだけどぉぉ。)

    内心バクバクの音乃葉

秋咏  「そ…そうなのか…。」

    たわいもない会話をしていると

ルクス先「まだ誰か教室にいるのかい?」

    教室のドアを開けるとルクス先生が入ってくる

秋咏  「あっルクス先生。」

音乃葉 「あ、先生。」

ルクス先「おや、二人だけかい。もうすぐ下校時間が過ぎてしまうのだけど。」

秋咏  「申し訳ありません。直ぐに下校します。」

音乃葉 「やべっそういえば荷物魔剣士棟あっちだったわ。」

    二人は荷物を急ぎまとめる

ルクス先「慌てなくていいから。まだ余裕があるしゆっくりでいいよ。」

    荷物も元々少なかったためか先に音乃葉が準備を終え教室から出る

音乃葉 「それじゃあ秋咏待ち合わせとかは後で決めようぜ!じゃあな!」

    音乃葉は教室を出て魔剣士棟の方へと向かっていく、それに合わせて秋咏も続いて出ていこうとすると

ルクス先「秋咏君ちょっといいかい?」

    教室を出ていこうとするとルクス先生が秋咏を呼び止める

秋咏  「何ですか?」

    秋咏が振り向く

ルクス先「ちょっと大切な話がある。」

秋咏  「?」

ルクス先「彼…音乃葉君のことに関してだが…。」

秋咏  「彼が一体どうしたんですか?」

ルクス先「…彼が記憶を失ってるのは秋咏君…君は自分のせいだと思っているようだが…。」

秋咏  「なっ…何で知ってるんですか!」

ルクス先「まぁまって。僕の話を先に聞いてくれ。」

    ずれた眼鏡をかけなおす動作をする

ルクス先「彼が竜の力を宿しているのは君も今日の授業で見たはずだよね。」

秋咏  「竜の…力…。」

ルクス先「彼の記憶はゼラフ君との契約によって蓋がしている状態なんだ。」

秋咏  「記憶に…蓋が…?どういうことですか?」

ルクス先「ゼラフ君がおそらく記憶を呼び起こさないようにしているのだろう。」

秋咏  「なっ…何でそんなことを…。」

ルクス先「それは今は言えない。」

    ルクス先生は廊下に出る

秋咏  「ま、待ってください。まだ聞きたいことが…。」

ルクス先「悪いけど今僕が話せる部分はここまでが限界だ。時がくるまで待っててくれ。」

ルクス先「いずれ君にもわかる日が来るはずだ。」

    ルクス先生はそう告げると教室から離れる

秋咏  「…おーちゃんの記憶は…やっぱり…。」

    夕焼けの教室に秋咏は一人佇む

✝︎  音乃葉's Perspective  ✝︎

  ⌬魔術士棟踊り場にて⌬

音乃葉 「うへへへ秋咏と出かける約束出来ちまったぜ。」

    思わずにやけるのを我慢しつつ教室の方へ向かっていると背後に違和感をおぼえる

音乃葉 「ん?誰かいr…のあっ!。」

    急に音乃葉の視界が手で覆われ立ったまま身動きが取れない状態になる

音乃葉 「だ、誰だ!」
音乃葉 (何でだ?体を抑えつけられている訳じゃねえのに体が動かねぇ。)

    必死に体を動かすもびくとも動かない

??? 「さぁて誰なんだろうね?」

    突然少女の声が聞こえる

音乃葉 「???」

??? 「別に取って食おうってわけじゃないから安心していいよ♪」

音乃葉 「じゃあ俺に何の用だ。」

    抵抗を止め落ち着いた口調で話す

??? 「ちょっとしたことだよ。今日の授業でニブルフルヘイム倒したんだってね。」

音乃葉 「なっ…何で知ってる?!」

??? 「何々。ちょっと観測てただけだよ。」

音乃葉 「?」

??? 「大したものだよ。まだこの次元に来て間もないのに冥界の猟犬を倒しちゃうなんて。」

??? 「流石…回帰の力だね。」

音乃葉 「回…帰…?何を言ってるんだ?」

??? 「まだ貴方には早い力よ柊音乃葉君♪」

音乃葉 「何で俺の名前を……っ!」

    自分の名前を言われると思わず体を動かそうそすると

音乃葉 (体が徐々に動くようになってきてる)

    体が徐々に動くようになり思いっきり体を動かしてみる

??? 「っ!」

    何かを悟ったのか目を覆っていた手を外し消えると音乃葉の体が自由に動くようになった

音乃葉 「なっ!体が動く…。」

    自分の手を握ったり開いたりする

音乃葉 「何だったんだ…あいつは…。」

    制服を着なおして何事もなかったように自分の教室へと戻ろうとすると向かいからゼラフが来る

音乃葉 「ん?おっゼラフ迎えご苦労さん。」

    音乃葉の手前まで来るといつものように頭にしがみつく

ゼラフ 「主ヨ、妹君ガ待ッテ居ルゾ。」

音乃葉 「あっやば急いで教室に向かうぞ!」

    音乃葉はダッシュで教室へと向かう・・・・




つづく



 ⌬どこかのライブスタジオ⌬
メル「ぬわぁぁぁぁぁ↑↑↑↑」
ナレータ「不快な声を出すな!ぶっ■すぞ!」
メル「いや辛辣過ぎないか?」
ナレータ「今回もやけに投稿遅かったじゃないですか。」
メル「うるせぇ激遅更新って書いてるからセーフだ!ばーかばーか!」
ナレータ「グツグツのシチューにしてやろう。」
メル「やめろォ!(建前)やめろォ!(本音)」
メル「話変わるけど最近会社が残業だらけでもう気が狂う。」
ナレータ「大変だなぁ。(適当)」
メル「できるだけラノベの方早くあげるようには心掛けてるんですけど時間要相談の件。」
メル「まじでこのままだと精神壊れちゃうんでつらみが。」
ナレータ「何というか…がんばれうん。」
メル「オッスオッス。」
メル「んじゃ次回よろしく。」
ナレータ「次回16話 デートだけどデートじゃない!」
メル「それっぽいタイトル!次回をお楽しみに~。」
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