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第壱式

14話 竜装一体2

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    前回のあらすじ

   失踪したかと思ったか?残念だったな!完結させるまで居なくならねぇぞ!

 ⌬アデル山の窪地 洞穴にて⌬

音乃葉 「こ…これは…。」

    黒い霧が霧散した後自分の体を確認する

ゼラフ 『竜装一体りゅうそういったいヲ成シ遂ゲルトハ、すさマジイ決意ノ強サダ。』

    頭の中に直接話しかけられるような感覚がした

音乃葉 「竜装…一体。日乃葉を助けた時にもこの状態だったな。」

    全身の力が湧き上がってくるのを感じる

音乃葉 「これなら…行ける!」

    右拳を強く握りしめる

音乃葉 「よっしゃこいやぁ!!」

    フルヘイムに向かって叫ぶ

ニブル 「グォォォォ!!!」

    激しい咆哮をあげる

秋咏  (あ、あれは…。)

    壁にもたれかかった状態の秋咏

??? 「マスターあれは…竜装では?!」

秋咏  「…っ!」

秋咏  (おー…ちゃん。)

    立ち上がろうとするもそのまま気絶してしまう

    そしてその後、数分も経たずに決着がつく

・・・

 ⌬アデル山脈けもの道⌬

    先程の雨は止み今はおよそ昼前の時間帯

秋咏  「…ん、んん?」

    ゆっくりと目を開ける秋咏

音乃葉 「お、目覚めたか?」

秋咏  「…ここは?」

    寝ぼけた状態で体を起こそうとすると
秋咏  「なっ!」

    自分が音乃葉にお姫様抱っこされていることに気がつく

秋咏  「は、早く下ろしてくれ!」

    秋咏が暴れようとすると

秋咏  「いっ…!」

    身体中が痛いのを感じた

音乃葉 「怪我してんだから無茶すんなって。」

    秋咏を持ち直す

秋咏  「君に…助けられてしまったな。」

    顔を少し染める秋咏

音乃葉 「気にすんなよ。おっそろそろ学校が見えてきたな。」

    後数十メートルの地点で立ち止まり

音乃葉 「ここで一旦下ろそうか?」

    秋咏に尋ねる

秋咏  「いや…保健室まで運んでいってくれると有難いのだが。」

音乃葉 「皆に見られても大丈夫なのか?」

秋咏  「私は別に構わない。」

音乃葉 「さいですかっと。」
音乃葉 (…あれ?秋咏って自分のことって言ってたっけ?)

    そんな事を考えながら歩くも

音乃葉 (まぁ、いっか。)

 ⌬ナベル学園 アデル山脈付近のグラウンドにて⌬

音乃葉 「ふいーようやく学園に帰ってこれたな。」

    山道の入口付近で一息つく

秋咏  「ここまで運んでもらって済まないな。」

ルクス先「…!二人とも無事だったかい?」

    二人に気がつき駆け寄る

音乃葉 「なんとか生き残ってますわ。」

    苦笑いを浮かべる

ルクス先「そうだったか…秋咏君はどうしたんだ?」

秋咏  「申し訳ありません。魔獣との闘いで怪我をしてしまって…。」

ルクス先「そうか…災難だったな。」

音乃葉 「んで今から保健室に連れてこうと思ってるんですよ。」

ルクス先「あぁ、すぐに行くといい。結果は後ほど聞くよ。」

秋咏  「すいません…。」

音乃葉 「そんじゃちょっと行ってきます。」

    秋咏をお姫様抱っこしたまま保健室へと向かう

 ⌬剣術士棟 保健室にて⌬

音乃葉 「ちわー先生いますか?」

    秋咏に案内されて保健室へときたが

秋咏  「留守か…。」

音乃葉 「えぇ…。どすりゃいいんだ。」

秋咏  「いつもの事だから大丈夫だ。」

音乃葉 「いつもの事かよ!」

秋咏  「とにかくそこの椅子に座らせてくれ。」

    近くにあった椅子を指さす

音乃葉 「おっおう。」

    ゆっくりと秋咏を座らせる

秋咏  「後手前の棚にキズ薬があるからそれも頼む。」

音乃葉 「へいよー。」

    秋咏に言われて棚からキズ薬を探していると何やら布がこすれる音が聞こえる

音乃葉 「えっとキズ薬…キズ薬…キズ…ん?」
音乃葉 (まて、今何か聞こえたな…。)

    キズ薬を持った手が止まる

秋咏  「…ふぅまだ体が痛むな……どうかしたのか?」

音乃葉 「っ!」

秋咏  「早く持ってきてくれないか?」

音乃葉 「いい、今行くから待ってくれ。」

    恐る恐る振り返って見ると

音乃葉 「のわっ~~~~!!!」

    後の薬品棚に勢いよく倒れかかってしまう

秋咏  「どうかしたのか?!」

音乃葉 「こ、こっちのセリフだ!」

    咄嗟に棚の方へ体を向ける

秋咏  「…。」

音乃葉 「な、何か言ってくださいよ…。」

    棚の方を見ながら真っ赤な顔で訪ねる

秋咏  「服を脱がずにどうやって薬を塗るつもりだったんだ?」

    秋咏は苦笑いを浮かべる

音乃葉 「いやまぁ…そうですけど。」

音乃葉 「もう少し恥じらいとか…年頃の男もいる訳でして…。」

秋咏  「別に…君だけなら気にはしない。」

音乃葉 「いや待て待て。もしかして襲っちゃうかもしれないだろ!その辺とかは…」

秋咏  「君は怪我をした私を襲うというのか?」

音乃葉 「うぐっ…。」

    不意を突かれた言い方にどもってしまう

秋咏  「そういう事だ。君は背中の方を頼む。前は自分で出来るからな。」

音乃葉 「は、はい。」

    出来るだけ秋咏の方を見ないようにキズ薬を渡す

秋咏  「どうも。」

    人差し指でキズ薬のクリームを取り出すと音乃葉へ渡す

音乃葉 「~~~!!!」

    音乃葉は無心で薬を塗ろうと背中を見るととあることに気がつく

音乃葉 「…。」
音乃葉 (ほとんど周りの肌色と同化してて見えにくいけど傷跡が所々あるな…。)

音乃葉 「…結構無茶してんだな…。」

    小さく言葉をこぼす

秋咏  「何か言ったか?」

    秋咏は顔を音乃葉の方へと向ける

音乃葉 「い、いや何でもない!すぐに済ませるから待っててくれ。」

秋咏  「あ、あぁ頼む。」

    再び顔を前へと向ける

    すっすっと薬を塗っていくととある事を思い出す

音乃葉 「あ、一つ気がついたんだけどさ。」

    秋咏の体がビクッとする

秋咏  「な、何だ?」

音乃葉 「あぁ、前俺に使ってくれた魔法(第7話参照)使えばこんな事しなくていいんじゃないかなって思ってさ。」

秋咏  「回復魔法の事か。」

音乃葉 「あーそれそれ。」

秋咏  「あれは他の人を対象にした時にしか使えない魔法なんだ。」

音乃葉 「地味に不便だな。」

秋咏  「それと。いくらその様な魔法はあってもいつか人間の体が持たなくなる。」

音乃葉 「どういうことだ?」

秋咏  「回復魔法アレは体の劣化が進みやすくなるんだ。」

音乃葉 「えっーとつまり…どういうこと?」

秋咏  「要するに怪我をした部位の治癒能力を魔法で高めているため人間の体にかなりの負担がかかってしまう。」

秋咏  「だからマンガや小説などに出てくる回復魔法の様に無闇に使うことはあんまり良くないんだ。」

音乃葉 「あっそういう事か!なるほど。」

    手でポンと叩く動作をする

秋咏  「少し雑な説明になってしまったが頻繁に回復魔法を使わない理由はそういう事だ。」

音乃葉 「はえぇそういう事だったんだな。」

秋咏  「だからよっぽどの事がない限り基本人間が本来持ってる力で治していくのがいい。」

音乃葉 「お前頭いいな!」

秋咏  「ほ、褒めてるのか?!」

音乃葉 「いやぁ、俺あんまり頭良くねえからな。頭良い奴が羨ましくって。」

秋咏  「そ、そうか…。」
秋咏  (…僕は…君の方がとても羨ましいよ)

音乃葉 「…よしっ取り敢えず塗り終わったぞ。」

秋咏  「迷惑をかけたな。」

    秋咏は先程脱いだ体操服を着直す

音乃葉 「午後の授業までには出られそうか?」

秋咏  「大丈夫だ。この程度ならすぐ治る。」

音乃葉 「そうか、なら大丈夫そうだな。」

秋咏  「心配をかけてしまったな。」

音乃葉 「あ、あぁ。」

音乃葉 「そう言えば、もうすぐ昼だし一緒に飯でも食わないか?」

秋咏  「私とか?」

音乃葉 「お前以外に誰が居るんだよ。」

秋咏  「…。」

    少し考える素振りをする

秋咏  「…すまない、この後少し予定があってな。」

音乃葉 「そうなのか、残念だな。」

    丁度授業の終了を知らせる鐘が鳴る

音乃葉 「チャイム鳴ったな。」

    時計を見れば12時を指している

音乃葉 「秋咏はまだここで休んでいくのか?」

秋咏  「あぁ、暫く休んでから行くとする。」

    秋咏は椅子から立ちベットに腰掛ける

音乃葉 「んー、一応俺もいた方がいいのか?」

秋咏  「別に私に構わず昼食でも食べてきたらどうだ?」

音乃葉 「いやでもな…」

    その時、音乃葉の腹の音がなる

秋咏  「…君のお腹は正直のようだな。」

音乃葉 「すんません。」

秋咏  「私の事は気にしなくていい。早く行ってくるといい。」

音乃葉 「何かすまん。それじゃあ行ってくるわ。」

    部屋から退室する直前

音乃葉 「そんじゃまた昼の授業の時にな、秋咏。」

    そう言うと音乃葉は保健室のドアを閉める

✝︎  秋咏's Perspective  ✝︎

    音乃葉が立ち去った後、秋咏はベットに倒れ込み思考を巡らせる

秋咏  (又…助けられてしまった。)

??? 「マスター…。」

    ベットの近くに立て掛けてある剣から光の塊が人の形をして具現化する

秋咏  「どうかしたの?ナベル?」

    倒れた体をベットから体を起こす

ナベル 「本当にこのままで良いのですか?」

    優しい女性の声で心配そうに尋ねる

秋咏  「ううん、もっと強くならなきゃ…。」

    首を横に振りナベルの方へと顔を向ける

ナベル 「違いますマスター!」

秋咏  「…どういうこと?」

ナベル 「彼にマスターの事を伝えなくていいのですか?!」

秋咏  「…。」

    秋咏は少し暗い顔をするが

秋咏  「いいんだ。僕の事なんか忘れて他の子と付き合った方が彼にとっても幸せなんだ。」

    弱々しい物言いになる

ナベル 「マスターはそれで本当に満足なのですか…。」

    ナベルは少し強めの口調で言う

秋咏  「僕だって…。」

    小声で呟く…そして

秋咏  「僕だって!諦めたくない!」

    秋咏の目に少し涙が浮かぶ

ナベル 「!」

秋咏  「僕の事を好きだと言ってくれた彼を!おーちゃんを!」

秋咏  「でも…怖いんだ。」

秋咏  「もし記憶が戻ってしまって、彼が私を拒絶するかもしれないって考えると…。」

     思わず涙をこぼしてしまう

ナベル 「あの日の事…ですか…。」

    悲しげな表情を浮かべるが

秋咏  「…。」

ナベル 「私にはマスターをどうこうする権利はありません。」

ナベル 「ですが、悔いは出来るだけ残さなないで欲しいです…。」

ナベル 「の様に…。」

秋咏  「うん。」
秋咏  (悔い…か…。)

    二人はそんな事を話しながら時間を過ごしていく







     つづくぅ~
 ⌬何処かのライブスタジオ⌬
メル「皆さんお久しぶりでございまする~!!」
ナレータ「ようやく投稿しやがったな。」
メル「多分大半の人はもう存在すら忘れてそう。」
ナレータ「間違いねえわ。」
メル「で、でもほら始めて見てくれる人がいるかもしれないしさ!」
ナレータ「こんな下手くそ執筆者のラノベ見てくれる人なんてよっぽど物好きだけだと思うんですけど…。」
メル「なんも言えねえよちくせう。」
ナレータ「そもそも前回投稿したの去年の夏じゃないですか。」
メル「…………………………………………。」
ナレータ「今まで何してたんですか全く。」
メル「執筆サボっててすみません…。」
メル「いやでも!仕事中に今後の展開とか考えてるし!」
ナレータ「いや、仕事中に何考えてんすか。」
メル「そうでもしないといつまでもこの物語終わんないよ!」
ナレータ「一応忘れてると思いますけど他の娘達のルートも書かないといけないの憶えてますよね?」
メル「あ、ああぁ!あぁ!ちゃ、ちゃんと憶えてますよ!」
ナレータ(嘘くせぇ…。)
ナレータ「まぁいいです。それより今回は結構ページありますね。」
メル「そりゃ前回の投稿からずっと投稿せずに(サボってたものをそのまま)書いてましたからね。」
メル「まぁあれだ、こんな感じの激遅更新だけど、のんびり待っててくださいな。」
ナレータ「そもそも待ってる人がいるのかどうかだけどな。」
メル「それは言わないで。」
ナレータ「まぁとにかく次回 第15話 力の使い方」
メル「次回まで気長に待て!」
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