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第二部4章 表裏一体 抱く光は闇 抱く闇は光の章

1.闇、始動。騙し騙されは世の常なり?!①

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「で?」
「何がだ?」

バルドとセレストのやりとり。
う~ん…なんか慣れたな、この光景。

「何がだ?じゃないだろ!何で、毎回毎回同じ事するんだ!?アヤをヘロヘロにするなって言ってるだろうが!!」
「興が乗ったんだ」
「それで世話につきっきりで仕事進まんのだろう?!お前の決済待ちの書類の山を見ろ!どうすんだ、あれ!」
「あんまり怒るとハゲるぞ?セレスト」
「やかましい!軽口たたいてる暇あったら、さっさと仕事に戻れッ!!」
「うるせぇな……」
「お前がうるさくさせてんだろッッッ!!!!!」
「分かった分かった……一人で大丈夫だな?」

最大音量の雷が落ちて、さすがのバルドも顔をしかめて、膝から俺をソファに移して立つ。
そっと気遣ってくれるのは嬉しいが、俺にまでとばっちり来そうだから、早く行ってくれ。
溜め息吐きつつ、部屋を出て行くバルドを見送る。
深く大きな溜め息が聞こえ、そちらに目をやると、セレストが疲れたとばかり、こめかみを指で押さえている。
疲れの原因、俺とバルドだから、なんか申し訳ない…

「神の台座が一番だが……事実を知らないものがほとんどなんだ…形だけでも何事もないよう振舞わんと、いたずらに騒ぎを大きくするわけにもいかん……」
「分かってる……多分、闇が動き出すだろうな。光はあと二つ。このまま黙ってるわけねぇもん」

セレストの言わんとする事は分かってる。
それ以前に………

「セレスト…」
「何だ?」
「ここまででさ……何か、俺、しっくりしないんだよな」
「と、言うと?」
「確かに、途中何度か茶々が入ったけどさ……闇勢力あいつらが妨害しようとすれば、いくらでもできるし、どんな手使っても俺と鍵を奪えたはず…なのに実際は………」

釈然としない。ここまででされた妨害は確かにあったし、退けるのも容易ではなかったが、目的を遂げるための妨害としては温過ぎる感が強い。
簡単ではなかったが、退ける事ができたのも解せない。

「神の台座はあいつらにとっても特別なものだ…絶対引かないと思ったんだけどさ……」
「それは……オレも感じている。何かあるかもしれん。用心した方が良さそうだな」
「ディオンから、土の光を受け取ってからが正念場だな。闇が動くんなら、そこかな……」
「だろうな……お前の事は、グレイが守るだろうし、二人の事はオレたちが守る。ただ、言えるのは………まぁ、いい。とにかく、お前はいらん事をするな」
「……………………」

ひどい……けど、相手がセレストじゃ文句言えない。

憮然とする俺に構わず、セレストも部屋を出て行き、俺一人残る。
テーブルからカップを取り上げ、温まったお茶を飲む。花の香りがする紅茶で、香りが良く美味しいからと、タータが贈ってくれた物。

「うっ……ってて!……うぅ~、腰痛い」

ツキンっと走った痛みに、顔をしかめる。
はっきり言って、凄かった。
何がって……何もかも全部。その証拠に、起きてからのバルドは終始上機嫌。風呂から着替えから食事からと、世話焼かれまくり、トイレまでついて入ろうとしたので、必死で固辞したほど。
うぅっ…思い出しただけで、恥ずい。あんなになるとは思わなかった。普段じゃやんない事もしたしされたし、言ったし言われたし……

半分は自分で招いた事だが……

「薬って怖い……」

その一言に尽きる。
カップをテーブルに戻し、行儀悪くソファに寝そべる。
体、だるいし。腰も、体の奥もシクシク痛む。

「………人間、やり慣れん事はすんなって事かな?」

乾いた半笑いを浮かべ、若干ウトウトしだしたので、瞼が下がるに任せ、ゆっくりと体から力を抜いていった。

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*新章突入!更新、めっちゃ遅れました(汗)
お待ちの方には、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんm(_ _)mまた、こっからがんばります!よろしくお願いします( ̄^ ̄)ゞ(今回ほどの遅れはもうないはず……多分(大汗))
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