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序章 異世界転移でてんやわんや篇
3.ここは一体……??※夢オチ希望!!
しおりを挟む現れた男を見て、またまたゲンナリした。
金髪に、金茶色の目の恐ろしく派手な男。見た目はまんまチャラくて……
イケメンだ。
しかも、かなりの高身長。
男の美醜なんかどうでもいいが、いい加減剣をしまって起き上がらせてほしい。同じ男として、見下ろされ続けるのは気持ち的に微妙だ。
「一人でさっさと行かないで下さいよ~!そうじゃなくても、”鎮寂の森”は灯使ったって視界が効かないんスから~」
顔を顰めて抗議するチャラ男に、隊長と呼ばれた男は呆れ顔だ。
話から、関係性は上司と部下らしいが、硬い感じはなく些かフランク。
「ジディはどうした?」
「逃げた奴らを追撃してるっすよ」
「で?お前は何でここに?」
「俺は隊長を一人にはできないんで……」
言い終わらない内に、チャラ男の頭を、拳骨が襲う。
バコン!!
擬音的にはまさにそれ。見てるだけだが、かなりこれは…
「いーーーーーッッてぇーーーーーーーーー!!!!!」
だろうな……
呆気にとられる俺をよそに、チャラ男が頭を抱えてしゃがみこむ。
目端に涙を浮かべ呻くチャラ男と、俺の視線がかち合う。
チャラ男の金茶色の目が大きく見開かれた。
どうでもいいが、何でどいつもこいつも人を見るなり……
「うっわぁ~~!!黒髪に黒目じゃないっすか⁈隊長、この子何ですか?」
「それを問い質してる時に、お前が呑気に来たんだろうが!」
顔を盛大に顰める男に構わず、チャラ男が抱えていた頭を離し、俺に詰め寄る。
近い………
「逃げた奴らの仲間っすか?」
「だから!それも踏まえて、問い質してる時に、てめぇが呑気に来やがったんだろうが!!」
プッツンしたらしく、男の言葉が乱暴になる。
まぁ、気持ちは分からなくもない。
胡乱な目を向ける俺に、毒気を抜かれたらしく男が剣をしまう。
物騒なものが視界から消え、知らず入っていた緊張が若干解けた。
「そろそろ立っていい?あと、あんたどいてくれ」
「あっ!ごめんね?起こしてあげ……ぐえっ!」
「いい加減にしろ、キリアン」
手を差し出し……かけたチャラ男の首根っこを、男が掴んで引き戻す。
立ち上がり、体前面についた土や木屑なんかを払い落とす。暗くてよく分からないけど、あれだけ伏せてたからかなり汚れてるはず。お気に入りの服だっただけに残念だが致し方ない。
改めて目の前の二人に視線を向けた。
伏せていた時にもそうだと思ったが、二人ともかなり身長がある。
俺だって低い訳じゃないけど、キリアンと呼ばれたチャラ男は俺より頭半分は高い。
キリアンから視線を隣の男へ。
隊長らしい男は、俺より確実に頭一個は高い。
ムッとした。背も高く、地位もあって、尚且つイケメン。劣等感ではないが、先程までの仕打ちもあり、今現在で、およそ好感らしきものは微塵も持てない。
「ねぇ、ねぇ!君、名前は?何で、こんなとこいんの?あいつらの仲間?………いでデデデッッッ!!」
「懲りねぇな、お前は!ちょっと、黙ってろ!!」
男がキリアンの頭を鷲掴み、ギリギリ締め上げる。
痛そうだし可愛そうだが、男の言葉は最もなので黙ってる。
再び、頭を抱えてうーうー唸りながらしゃがみこむキリアンを放っておき、男が俺に向き直る。
紺碧の瞳が鋭く見つめてきた。いい男の睨みは迫力があり、ちょっと怯みそうになるが、そこは意地とプライドでなんとか耐える。
「改めて問う。お前は誰だ?逃げた奴らとはどういう関係だ?」
「それ聞く前にあんた誰?ってか、ここどこ?」
人に聞く前に、まず名乗れっての!
気がついたらこんな見知らぬ(何故か外っていうオマケ付き)場所。訳もわからず、見知らぬ男どもに絡まれ、追われ。助かったかと思えば、犯罪者かのような疑いかけられ、剣を突きつけられ……
と、そこでハタとなった。
「あんたらのその格好、そもそも何?コスプレにしては手が込んでる」
「こ?」
「あと、その剣本物じゃないよな?模造刀にしても、人にそんなの向けたら、銃刀法違反!」
「もぞ?じゅう、いは?さっきから何を言っている?」
「何って……」
反論しかけて、困惑気味に見つめてくる男二人に、俺も止まる。
本気で戸惑っているその様は、あきらか演技でもなさそうで……
「え…っ、と…あの、、ここ、本当に、どこ?」
もしかして、これは夢でしたとか、寝ぼけてフラフラ外に的な……(それにしたって、いきなり森はないけど…)オチを期待したけど……
目をパチクリさせ、チャラ男、キリアンが立ち上がる。
「隊長……この子、迷子?」
「キリアン、茶化すな。あの男どもの仲間ではなさそうだが、別の事情がありそうだな」
腕組みし、先程よりは軟化した態度で男が見つめてきた。
「あ、のさ……」
「カイザーだ」
「え?」
「俺は、カイザー。カイザー=ユグドラジェル。ミネルヴァ大陸、蒼の皇国アウランゼの皇室付き近衛隊隊長」
男、カイザーの言葉に目を瞠る。
ミネルヴァ大陸、蒼の皇国アウランゼって………………
「…………………………………………それ、、、どこ??」
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