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今日のラッキーさんは?

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「今日の部活占いは…一位!その他の文化部!ラッキーさんは、『でこを出した人』!今日はその人があなたの部活に入るかも!?それでは明日もZiq(ジック)!」
朝の情報番組を見ながら眩魏は朝食を食べていた。
(でこをだした奴ねぇ…そんな人いたかな?)
「眩魏~!早く学校にいかないとおくれるわよー」
「はーい」
そういうと、前日準備した授業の用意を持って家を出た。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
(まさかなぁ~。んなわけないよな~)
結論から言うと『いた』のだ。でこの出ている人が。しかし、
(どう考えても入らないだろ…だって『生徒会』の役員だぜ…?)
この兎温中学校は、部活の他にもう一つ有名な事がある。それは『自治』だ。校則の変更の権限を持つのも生徒会であり、また皆の憧れの的である。しかし、それゆえに生徒会役員の規律は厳しく、少しの服装の乱れで大目玉を喰らう程である。そんな生徒会役員の一人、北上牡丹
(きたかみぼたん)がギター部に入る可能性は限りなく皆無である。
(ま、所詮占いだしな)
そう自分に言い聞かせると一時限目の準備をした。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「よし、今日の練習をはじめる。宜しくお願いします!」
『宜しくお願いします!』
「さて、いつもどうり一年はトルコ行進曲の練習、二年は『合わせ』を中心に練習!以上!」
『はい!』



練習を始めて数分がたったとき、眩魏達の耳を貫いた。
「一年生、北上さん。至急職員室まできてください。」

眩魏達に少しの沈黙が飲み込んだ。
「…まじかよ」
「けどきたっち何も悪いことしてないよ!?」
「まぁ、取り敢えず練習しようぜ」
そうだね、と少し不安そうに星柳は相槌を打った。
するとその十秒後、
ドカーン!!!!
と派手にドアを開ける音が聞こえた。
「何事だ!」
先輩達も気になって出てきた。
「何よ、大袈裟ね。私よ私、ここの顧問よ。まさか忘れた訳じゃないでしょうね?」
「なんだ、ドボちゃんかー!けど、どしたの?今日ドボちゃんの練習じゃ無いのに」
「知ってるわ。今日は『新入り』を連れてきただけよ。ほら、挨拶」
「失礼します」
そう言って挨拶をしたのは…
(占いって案外当たるもんなんだな)
でこを出した人、こと北上牡丹だった。
「うっそーきたっちギター部来たんだ!ようこそようこそ!」
「その呼び方はやめなさい!って言いたいけど今はもう生徒会じゃないからいいわよろしくね、星柳さん」
はて、今なんといったのだろうか
「まてまてまてまて!生徒会を辞めたって本当か?」
思わず平井先輩が質問した。
「ええ、本当よ。彼女、ギター部に入るために辞めたのよ」
「全く、無防というか根性があるというか」
はぁ、と平井先輩はため息を吐いた
「まぁ、取り敢えず、ようこそギター部へ!歓迎するよ!」
「はい!」
こうしてまた一人、ギター部に仲間が増えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ギター部が勢力を着けてきています。」
「まさか北上があっちに転がるとは…」
「人気の無い部活があるということは学校の評価が下がる事を意味する。早急に対象を消滅させるように」
『わかりました』
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