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長い月曜日

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ホールに響く音は、果たしてどの様に会場の中にいる人に届いたか眩魏達にはわからない。あの時見たホームレスの老人のように、沢山の人を感動で包んだかと言われれば、その質問に対して眩魏はノーといわざるをえない。しかし、『あの時の演奏に近づけたか?』と尋ねられたらとき、迷わず、『イエス!』と胸を張って言える。そうも思いながら眩魏は演奏していた。穏やかな雰囲気から激しい雰囲気へと変わり、そう思ったらまだ静かな雰囲気に変わるトルコ行進曲は、誰も目立った失敗もせず、とどこおりなく終わった。気づけば辺りは拍手喝采の海になっていた。
『それでは、評価に移ります。それではお願いします』
とアナウンサーが言うと、次は結構お年を召していそうなお爺さんの声が聞こえた。
『皆さんこんにちは。いやぁ、こんなに速い曲をここまで弾けるようになるとは思いませんでした!ただetc…』
と評価している声は、達成感とまだ残った緊張感のある眩魏達には届かなかった。
(やべぇ、これが大会かぁ…苦しい程の緊張感、けど、これはクセになりそうだな…)
と、思いながら眩魏達は舞台上を去っていった。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「さぁ、どうだった?一年生達、初めての大会は」
結局大会は、全六校中、二校が金賞、一校が銀賞、残りの三校が銅賞と言う結果で、兎温中は、金賞だった。
「…とてもすごかったです。始めから終わりまでずっと緊張してました」
と、北上の感想に、だよなーと弦や、確かに~!と、星柳達も呟いた。
「けど嫌な緊張感じゃなかったよな。なんていうかこう…クセになるって言うか楽しさの緊張感って言うか…」
「まぁ、個人個人思う事はあるでしょうけど、みんなよく頑張ったわ。それじゃ、今日はこの辺で解散!明日遅刻しないでねぇ~」
『はい!』
「なのー」
と、それぞれ返事を返してそれぞれの家に帰る…はずがなかった。
「ふふふ、眩魏く~ん。ちょっと時間開いてるかい?いや、開いてるよね、開いてないとおかしいよね?」
「どうして秋空先輩は事あるごとに遊びに連れて行こうとするんですか?」
「そういう人種なんだ。あいつは」
と平井先輩に諭されている間にも、次々と秋空先輩は遊び場を提案している。
「あ、そう言えば近くにムエタイのジムあるんだった!とするとやることは一つ!今から一発ギャグをして笑った人がそこに行ってタイキックしてもらうってどうかなぁ?」
「どこの年末番組ですか?!嫌ですよ!」
「えぇ!そんなぁ~!」
「取り敢えず、カラオケにしませんか?先輩の歌聴いてみたいなぁ!」
「カラオケかぁ…よーし!みんなぁ、カラオケボックスへダッシュだー!」
「えぇ~!」
と言いつつも、全員秋空先輩についていった。
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どうも、最近なぜか好きな人がバレてきたたらしゅーです。女の尋問は怖いです…本当に。いきなり『好きな人誰ー?』と聞いてきて、逃げまくっていたら口にするのも恐ろしい言葉を投げかけられ、今に至ります。本当、どうしてこうなった…。あと最近合気道を習い始めました。それだけです。さて、もはや尺稼ぎのコーナーになりつつあるので、ここいらでお知らせを。Wi-Fiが復活しかけてます!イヤッホーイ!…コホン!失礼しました。なので、また平常運転いけると思います。これからも宜しくお願いします!
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