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◇誕生日
#9
しおりを挟む少し恥ずかしそうに微笑む。その華奢な背に手を回し、准は成哉を抱き締めていた。
時間が止まった。時針の進む音も、もう二人には聞こえない。
この世界で繋がった。それだけを確かに感じていた。
「もちろん。そんで、永遠に愛するって誓うよ」
互いの肩に顔をうずめ、強く抱き締め合う。
准は目元をわずかに擦った後、成哉の顔を見た。
「困ったな。俺、ずいぶん愛されてたみたいで」
「えぇ。准さんは世界で誰よりも、俺に愛されてますよ」
「お前もな。俺に愛されてる」
またふざけた掛け合いをして、笑い声が重なった。
幸せな時間。互いの想いを認識した時間。
一日は終わっても、これはいつまでも続いてほしい。日付が変わった後も、准は指輪をつけたまま窓の側へ歩いた。
疲れきって眠ってしまった彼を横目に、窓を少しだけ開け放す。
今夜も、彼と出逢ったあの日のように星が瞬いていた。
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