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七賀ごふん

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#1

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「大変な騒ぎだったわね。患者が同じ施設の患者を暴行なんて」
「まぁ、三百六十五日狭い建物の中に一緒に閉じ込められてたら……小さな不満が蓄積して爆発することはありそうですよね」

だからって、隔離施設を廃止するわけにはいかない。
通りすがりに聞こえた会話に思料する。

帰る場所がない人間達が暮らしている場所だ。いつか社会に出られるなら良いが、そのまま終の住処になる者も少なくない。
こんなものなければいいのに、と言いながら、実際はないと困る場所。
運営はしているものの外部の入設を制限し、封鎖された施設。その前で、近隣の住人は遠巻きに囁く。
数日前の事件は彼らにとって話が盛り上がる最高のネタなのだろう。出勤途中に立ち話している人達を毎日見かけた。

「今まであまり気にしなかったけど、よく考えたら怖いわよね。いつ暴れてもおかしくない人達がすぐ近くに住んでるんだもんねぇ」

そんな単純なものか。そんな括りで済ますな。
よく知りもしないことを、知ろうともせず、先入観だけで片付けて。

自分は関係ないと割り切るくせに批判だけはしっかりする奴ら、自分の幸せしか興味ない奴ら、誰かが何とかしてくれると思って、現状維持で満足する病人ども。皆クソだ。でも中途半端に首を突っ込んで、正義感に酔ってる奴らも虫唾が走る。

やらない善よりやる偽善。それは正しいと思う。テレビの前でねそべって綺麗事を並べ立てる奴より、自分の生活費の為だとしても、街頭で募金活動をしてる人達の方がずっと偉い。
……いや違う。そんなことも本当はどうでもいい。
何を考えていたのか……駄目だ、ムカついて忘れてしまった。

疲れた。

善人ぶったり悪人ぶったり、最終的には超自我を保とうとする馬鹿な自分に。





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