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考察⑵
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しおりを挟む矢代は口端を吊り上げ、大きなモーションで下から腰を突き上げた。
当然、その上に座る秋はそれ以上の衝撃を受ける。
「ん──っ!」
互いの唇が離れる。普段とは違う体勢だからか、中に食い込む部分も違う。
だから一番感じる場所とはズレていたが、あまり攻められたことがない場所を突かれていた。
腹の中の臓器を押し上げられてる様な圧迫感もあって、正直な話気持ち悪い。……なんて言っても解放はしてもらえないだろう。
「ん、ん、んうっ!」
肩までガクガクと揺れ動いてしまう。気持ちいいからじゃなくて、どうしようもないからだ。
逃げられないけど大人しくしてられないから、気を紛らわす為に動いてしまう。上に逃げることができればいいけど、腰をホールドされたらどうにもできない。
「秋。イきたい?」
矢代は秋の耳元で囁く。欲しいものを懇願する子どもを惑わすように。
「イきたい……! せんせ……早く、一緒に……!」
もう、行為を嫌がる以前の自分はいなかった。
そうさせたのは、間違いなく彼だ。
「あぁ。ふたりでイこうな」
軽く微笑んだ後、秋の性器を握って激しく腰を動かした。
「あ、イク、イ……あぁっ!!」
尻の中に熱いものを感じる。秋もまた、矢代の掌の中に快感を吐き出した。
「あっ! や、もおイッてるって……!」
もう終わりだと油断していたら、また律動が始まった。矢代は出しながら動いている。
立て続けの絶頂に仰け反り、秋は身体を大きく震わせた。
感覚だけなら、本当にとけてしまったみたいだ。
射精するまでが長過ぎて、我慢していた精液はかなり濃い。突かれる度に吹き出し、矢代の腹筋を汚した。
「やばい。全然おさまんない」
矢代は苦笑しながら秋の首元に吸い付く。
「もうずっとこのままでいたいぐらいだな……」
それは独白のよう。だがやがて、差し込んでいた性器をゆっくりと抜いた。
さっきまで矢代の性器を受け入れていた後ろの部分はだらしなく開いてしまっている。当分閉じそうにない。指で少しだけ中をほぐし、自然に閉じるように刺激した。
「秋、気持ちよかった?」
矢代はともかく、秋は気を失いかけていた。疲れたし、眠いし、腰が痛いし。限界だ。
……もう目を開けていられない。
「秋?」
矢代が顔を覗き込んだ時には、もう寝息を立てていた。
さすがに無理をさせ過ぎたか。
淫らにぬれた全身を愛撫し、宝物のように口付ける。触れた赤い頬は熱くて、彼の中にたまった熱をそのまま感じてるようだった。
愛らしくて仕方ない。
本当に、大変な少年と出逢ってしまった。
「ごめんな。……ゆっくりおやすみ」
矢代は新しいシーツを秋にかけると、静かに眠る彼の額に口付けを落とした。
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