初恋と花蜜マゼンダ

 僕には、何よりも大切で、大好きな彼がいた。
 お互いを運命の番だと、出会った時から思っていた。

 それなのに、なんで、彼がこんなにも遠くにいるんだろう。
 もう、彼の瞳は、僕を映さない。
 彼の微笑みは、見ることができない。

 それでも、僕は、卑しくも、まだ彼を求めていた。
 結ばれない糸なのに、僕はずっと、その片方を握りしめたまま、動き出せずにいた。
 あの、美しいつつじでの誓いを、忘れられずにいた。
 甘い花蜜をつけた、誓いのキスを、忘れられずにいた。


◇◇◇
 傍若無人の生粋のアルファである生徒会長と、「氷の花」と影で呼ばれている表情の乏しい未完全なオメガの話。
 オメガバース独自解釈が入ります。固定攻め以外との絡みもあります。なんでも大丈夫な方、ぜひお楽しみいただければ幸いです。


九条 聖(くじょう・ひじり)
西園寺 咲弥(さいおんじ・さくや)

夢木 美久(ゆめぎ・みく)
北条 柊(ほうじょう・しゅう)

◇◇◇


 ご感想やいいね、ブックマークなど、ありがとうございます。大変励みになります。
24h.ポイント 468pt
491
小説 2,683 位 / 183,955件 BL 610 位 / 23,792件