101 / 127
ep.1-8
しおりを挟む考えに耽っていると、キスをしながら彼は、僕の下でベルトを外し、チャックを降ろした。ぶる、と勢いよく彼の分身が僕に擦り付いて、あまりの熱さに後ろがひくん、と反応してしまう。がさがさと購入してきたビニール袋から箱を取り出して、中から何かを取り出していた。けれど、彼の舌が容赦なく僕の好きな上顎と舌裏の付け根をくすぐるから気にする余裕がなかった。
「聖」
下唇を舐められて名前を囁かれる。瞼をあげると、滲んだ青があって、僕を見つめていた。柔らかい声で名前を呼ばれる。
「ゆっくり、いれて」
孔に彼の先端が宛がわれれる。ひや、と先ほどと感触が異なるが、彼の優しい眦に、小さくうなずいて、ゆっくりと腰を落とす。にゅ、ずにゅ、と自分の重さによって、彼が奥へと割り入ってくる。
「あ、あ…っ、さ、く、うぅ…んん…」
僕を一つも見逃さないと言わんばかりに、彼は僕の着ていたセーターの裾を右手で捲り上げて、それを僕の左肩に添えていた。右乳首だけさらされていて、恥ずかしさに自分のペニスがふる、と小さく震えて、雫を零した。
「あぅ、んんっ…んん」
こりゅ、としこりに彼の亀頭が当たってしまって、腰が跳ねる。にゅぽ、と抜けてしまいそうになるのを急いで腰を落として捕まえる。そうすると、またしこりを撫でられて、腰が落ち着かなくなってしまう。奥に入れるのが怖くて、腰が逃げてしまい、しこりと入口付近を行き来するくらいで、前後に振ることしか出来なかった。物足りないけど、彼と交われることの多幸感に身体からは力が抜けていく。上半身をそのまま彼に預けてしまうと、露わにされていた右乳首を摘ままれる。
「ひゃ、あ、んぅ、うっ」
芯を持ったそこと転がされると、びり、と電流が流れて、頭を溶かして、腰に溜まる。くちゅ、くちゅ、と音を立てながら必死に腰を振る。自分でもわかる下手な技巧に情けなくて、足りなくて、涙が溢れる。それを慰めるように乳首を、よしよしと擦られると、全身が粟立つ。
「あぅ、あ、さくぅ、さくうっ、あん、う」
「ん、気持ちいいよ、聖…」
ん、と彼が甘い喘ぎを耳元で漏らすからそれだけで達してしまいそうになって、内腿がびくびくと痙攣した。ぎゅう、とナカが強く彼を締め付けて、さらに彼が息をつめる。必死に彼に抱き着いて、甘い波がひと段落するのを待っていると、さらりと髪の毛を撫でられる。
「上手、聖、気持ちいいよ」
上手だと頭を撫でながら、彼が褒めてくれた。顔をあげると、僕に微笑みかけている甘い顔立ちに、素直に身体が喜んでいる。
「う、そ…ぼく、ぜんぜん…」
上手にできてない。熱に犯されている自分の身体が一番わかっている。
それなのに、彼は首をかしげた。
「なぜ? すごく、気持ちいいが?」
つ、と彼のこめかみから汗が滴って、また甘露な香りが漂う。
「ほ、んとに…? さく、きもちい…?」
上目で覗き込むように彼の顔をうかがうと、また笑みを深めて、彼はうなずいた。
「ああ、すごくいい…、聖のナカ、とろとろなのに、すごくきつい…それに、」
「あっ…」
首筋に顔を寄せられて、すん、と息が動く。それだけでくすぐったくて、声が漏れてしまう。さらに顔が熱くなるのを、彼がゆっくりと顔を動かして確かめるように見つめていた。
「聖、すっごくいい匂いがする…」
おかしくなりそうだ。
眉をつめて、彼がそうつぶやいた。勝手に身体がきゅん、と締め付けられて、自分で声があふれてしまう。口元を急いで覆うが、その手に彼の手が重ねられる。
「聖の声、すごくかわいい…もっと聞かせろ…」
「や…、はず、かし…っん…」
その時、彼が腰を、小さくゆすった。硬いそれが、ナカをかき混ぜて、どろり、と溢れるような感覚がした。手に触れた彼の片手に両手でしがみついて、唇を寄せた。少しでも恥ずかしい声をこれ以上出さないように。
けれど、彼が頭を撫でて褒めてくれるから、もっと彼によくなってほしくて、彼にすべてを見せてしまう座り方に変える。膝を開いて、膝ではなく床に足をつく。体重をかけて、ゆっくり、彼をもっと奥に向かえる。たくさんのひだが彼の登場に歓喜し、ぞわぞわとよどめきながらも、悦に染まる。
「ん、んう…っ、あ、さ、く…ぅ」
深くに彼がやってきた悦びに、どれだけの快感が待っているかを昨夜、教え込まれた身体は期待に濡れそぼっていた。しこりよりもさらにさらに奥にある腹側を撫でられると、ぞわ、と全身が痺れる。口元にあった彼の指に吸い付き、甘く噛みながら、涙を零す。
「ん、ん、んん…っ、あ、う…っ」
「聖、無理するな…」
足の付け根を彼が撫でて、ぴくん、と身体が跳ねると、思わず彼を最奥まで迎えてしまう。ぐぽ、とナカから耳の奥に音が響いて、何かが開く感覚があり、全身がびりびりと震えた。前から、とぴゅ、と勢いよく白濁が彼の胸元までかかってしまう。
「ご、ごめ、さく、ぼく、だけ…あ、でも、だ、めぇ…とまん、な…」
は、は、と短く呼吸をして、涎が口の端から溢れる。快感がずっと、びりびりと全身を包んでいて、びくん、びくん、と痙攣が収まらない。力が入らなくて、彼に寄りかかるしかできない。でも、そうすると全身で彼の湿度も熱さも、匂いも感じてしまって、さらに快感が強まってしまう。
「いい、ん…、たくさん、気持ちよくなってくれ、聖…」
頭を優しく撫でられて、耳朶に小さくリップ音が響く。ぞく、と背筋が震えて、さらにがくがくと腰が言うことを聞かない、恥ずかしい反応を見せてしまう。
「ゃ…ら、め…、いま、やさしく、しな、で…っ」
「んっ…、やだ…今まで出来なかった分、優しくさせろよ…」
「ら、めぇ…あ、あ…っんぅ」
セーターの裾から手が入り込んできて、背骨を撫でながらあがってくる。それだけでも、身体が跳ねてしまう。垂れた汗をなぞって、指先が遊ぶようにしていると、手のひら全体で強く抱きしめられると、愛情いっぱいに注がれている感じがして、しあわせで、もっと欲しくなってしまう。耳の中に滑った舌を挿入しながら、彼がかすれた誰にも見せない声色で僕にだけ甘えるように囁くから、それにだって身体は正直に喜んで、震えてしまう。
その間にも、ナカは最奥の部分に、くっぽりとはまった彼をぎゅうぎゅうと締め付けて、ずっと快感に悶えていた。
彼が僕を抱きしめたまま、押し倒してくる。腕をとられて、ベッドにもたれるように促される。上半身を彼から、ベッドに頼る形になると、彼は身体を起して、僕の足を自身の肩にかけた。ぐう、と腹が自然と圧迫されるようになると、より彼のものを感じられてしまい、唇を噛んで泣いた。くぷ、とさらに奥に入り込む感覚があって、熱がむくむくと起き上がってくる。
ゆす、とゆるやかに彼が腰をゆらめかすと、同時にナカから、くぽ、くぽ、と奥まった出入り口の開閉の音がして、快感と羞恥に脳が支配される。
「あ、それっ、ら、め…ああっ、や、きもち、すぎ、る、あっ、あ」
彼の亀頭がぐり、と奥の壁を撫でると、触れられることのなかった場所はより敏感に彼の存在を僕の全身に伝え、深く深く、僕たちがつながっている現実をわからせてくる。
「ああ、気持ちいいな?」
「んっ、ん…、さ、くも、…? んぁ…」
奥をなじませるように彼が少しずつゆらす。その度に、僕の爪先がゆらゆらと揺れて、今、全てを彼に預けているのだと思う。
汗と垂らしながら、微笑む彼は、僕の質問に嬉しそうに笑みを深めてうなずいた。
「聖が気持ちいいと、俺はもっと気持ち良くなる」
ありがとう、と長い腕が伸ばされて、僕の黒子を撫でて涙をさらった。胸の奥が、じわ、と温かく滲むと、彼が眉間に皺を寄せて、小さく喘いだ。
(僕が、気持ちいいと、さくも気持ちいいの…?)
頬を包む手を取って、指を絡める。もう片方はシーツを握りしめて、腰を軽くゆすってみた。くぽ、と奥から彼が抜けて、僕の体重の勢いでまたそこを叩いて戻ってくる。ぞり、とナカをこすられると、びりびりと全身が悦くなってしまい、きゅう、とナカが締まる。そうすると彼が険しい顔をして、頬をさらに上気させた。
「ひじ、り…」
「さくぅ…っ」
快感に耐えながら、彼がかすれた声で僕を必死に呼ぶから、じりじりとうなじが騒いで、下腹部がさらに反応してしまう。彼も腰の速度に合わせて、僕も気持ちがいいままに腰をゆする。そのうち、快感がいきすぎて辛くて、涙が止まらなくなってくる。
「らめっ、あ、めぇ…っ、あ、んぅ、とま、とまっ、て、も、あ、ああっ」
止まってと懇願するのに、彼は最奥を叩き、しこりのある所までずるり、と抜いてから、勢いよくまた叩きに戻ってくる。これまでも、日ごろ、快感とは遠ざかった清い生活を送っていた僕とはかけ離れた時間に陶酔していたが、今の快感はあまりにも強すぎた。だから、止まってほしいのに、僕の腰も言うことを聞かずに、かくかく、と彼の肉棒をいいようにこすりつけていた。
「ぅ、聖、…っ聖…好きだ、好きだ…っ」
「さく、さく、んあっ、さ、くう…ぅあ、ああっ、んぅう…っ!」
びくんっ!、と背を反らせて、足を突っ張らせて、僕は長い快感の渦に連れ去られた。ぴゅ、ぴゅ、と吐精が弱まっても、びりびりと僕の神経を焼く快感はずっとあって、か細い呼吸で酸素を取り込むことで手一杯だった。
僕の意識がぼんやりと戻ってきたのは、彼の長い射精が終わったころで、汗で湿った身体に包まれて、愛していると何度も囁かれて、顔中にキスをされてからだった。
40
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる