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第2章
27話目
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「では、この話はおしまいだな!
私はこれで失礼する」
長居は無用を体現する様に、無駄話を一切せずに、
エシャントさんはドラゴン体になって飛び立って行った。
私を残して・・・。
もちろん、事前に打ち合わせ済みの事だ。
私には最後の仕事が残っている。
これが終わったら、ドラゴンの里で打ち上げだ!
宰相様は未だ呆然としているが、大丈夫だろうか?
回りの野次馬達も、呆然としている。
後の仕事が有るのだが、任せても大丈夫だろうか?
そうでないと、この私が信念を曲げて、ここまで目立ったかいが無くなるんだけど・・・。
『語り部』って必要だよね?
国中で語り続けてもらいたいのに・・・。
皆さん、見て、聞いていたでしょ?
話続けて下さいね!
お願いしますよ!
「宰相様、大丈夫ですか?
頭は働いていますか?」
体をちょっとだけ揺すってみる。
「あ、ああ。
アヤノ殿か・・・。
申し訳無い。情けない話だが、緊張していてだな、見っもない姿を見せてしまった様だ・・・。
どこか、落ち着いた場所で、ゆっくり話をさせて欲しいのだが、良いだろうか?」
地位の有る男性が、かなり情けない顔と姿をさらしている。
これは、落ち着くことも必要だね・・・。
少し移動してギルドの会議室に来た。
相変わらずソアラさんがお茶を入れてくれる。
うん、 美味しい♪
お茶を楽しんでいると、宰相様も落ち着いた様だ。
「アヤノ殿、今回の事に関しての尽力、ありがとう。
貴女がいなければこんなに早く解決出来なかったであろう。
それだけではなく、もしかしたらこの国は終わっていたやもしれん。
だが、貴女のお陰でドラゴン達と和解をする事ができて、これ以上の被害を出さなくて済みそうだ。
ありがとう・・・。本当に感謝する。
まさか、ドラゴン達が『調節者』という役目を担っていたとは・・・。
知らなかったとはいえ、そのせいでこの様な事が起こった事を考えると、民達には申し訳無い思いでいっぱいだ!
また、今後まだ知らない事が有り、大変な過ちをしてしまうのではないかと怖くなる。
世の中には私の知らない事が、まだまだたくさん有るのだと、心していかなければ成らないと強く思うよ。
今回、この年になっても、色々学ぶ事が多かったし、たくさん考えさせられたよ・・・。
それで、貴女への報酬なんだが。
何か望みは無いかな?
陛下にはすでに報告している、貴女の功績は大きい、我国で出来る事は叶えられるだけ叶えよう。
貴女はそれだけの事をしてくれたのだ」
懺悔の様な、感想の様な宰相様の話・・・。
う~ん。私の望みですか・・・。
この国には、何の思い入れも無いんですよね。
「では、語り続けて下さい。
ドラゴンさん達が私達に与えてくれている恩恵を・・・。
今度こそ忘れずに!
人の生は短いですが、ドラゴンの生は長いのです。
私達が死んでも、ドラゴンさんは生きています。
生きているから、忘れません。
だから、私達が死んでも、今回の事が忘れ去られない様にして下さい。
私の望みはそれだけです。
悪徳貴族は処罰されたみたいですし・・・。
(あの領主は最低でしたが、今度は良い領主だと良いですね・・・。)
ギルドも少しは反省したでしょう。
貴族相手では分が悪かっでしょうしね」
うん、優しさの大安売りですよ。
ギルドマスターには、思う事が無いわけでは無いんですけど、もう二度と、この町に来る気が無いので、良しとします。
嫌なヤツとは、関わらないのが一番です!
膨大なお仕事を頑張って下さい!
ンッ?宰相様、お口を開けてのアホ顔公開ですか?
美形なのにもったいないですね。
「それだけなのか?
金でも、宝石でも、爵位でも、何でも望めば良いのだぞ!
なのに、語り継ぐだけで良いとは、そんな事、当たり前の事ではないか!
今回の事は全面的に我らが悪かったのだ、気付かずに蛮行を許してしまった。
ドラゴン達にも、我が国民にも被害と迷惑をかけてしまった。
二度と同じ過ちを犯さない努力をするのは当然だ!
そんな事は、貴女がした功績に対する褒美でも何でも無いではないか!」
そんな大きな声で力説されても・・・。
「う~ん。そう言われても・・・。お金はそこそこ有るし。宝石にもそれほど興味が無いし、爵位なんてめんどくさい物は絶対に要らないし。
欲しい物は特に無いんですよね・・・。
そうですね~。強いて言うならば、嫌な貴族達には敬語も礼儀もなにもしなくて良い権利を下さい!
でも、爵位は絶対に要りませんよ!
そのくらいですかね?私が欲しい物は。
まだまだいそうでしょ?
ろくでもない貴族。
煩わしい事や嫌な事、有ると思うんですけど、どんな事でも私が嫌だと思う事は拒否出来る免罪符?みたいな物をもらえたら、絡まれても撃退出来るかなぁと、思うんですけど駄目ですか?」
良いこと思い付いたよね♪
しばらくはこの国を離れるつもりだけど、また何かで来たときに、嫌なヤツと会う可能性か無いとは言えない。
クズ相手に我慢ってしたくないでしょ♪
私はこれで失礼する」
長居は無用を体現する様に、無駄話を一切せずに、
エシャントさんはドラゴン体になって飛び立って行った。
私を残して・・・。
もちろん、事前に打ち合わせ済みの事だ。
私には最後の仕事が残っている。
これが終わったら、ドラゴンの里で打ち上げだ!
宰相様は未だ呆然としているが、大丈夫だろうか?
回りの野次馬達も、呆然としている。
後の仕事が有るのだが、任せても大丈夫だろうか?
そうでないと、この私が信念を曲げて、ここまで目立ったかいが無くなるんだけど・・・。
『語り部』って必要だよね?
国中で語り続けてもらいたいのに・・・。
皆さん、見て、聞いていたでしょ?
話続けて下さいね!
お願いしますよ!
「宰相様、大丈夫ですか?
頭は働いていますか?」
体をちょっとだけ揺すってみる。
「あ、ああ。
アヤノ殿か・・・。
申し訳無い。情けない話だが、緊張していてだな、見っもない姿を見せてしまった様だ・・・。
どこか、落ち着いた場所で、ゆっくり話をさせて欲しいのだが、良いだろうか?」
地位の有る男性が、かなり情けない顔と姿をさらしている。
これは、落ち着くことも必要だね・・・。
少し移動してギルドの会議室に来た。
相変わらずソアラさんがお茶を入れてくれる。
うん、 美味しい♪
お茶を楽しんでいると、宰相様も落ち着いた様だ。
「アヤノ殿、今回の事に関しての尽力、ありがとう。
貴女がいなければこんなに早く解決出来なかったであろう。
それだけではなく、もしかしたらこの国は終わっていたやもしれん。
だが、貴女のお陰でドラゴン達と和解をする事ができて、これ以上の被害を出さなくて済みそうだ。
ありがとう・・・。本当に感謝する。
まさか、ドラゴン達が『調節者』という役目を担っていたとは・・・。
知らなかったとはいえ、そのせいでこの様な事が起こった事を考えると、民達には申し訳無い思いでいっぱいだ!
また、今後まだ知らない事が有り、大変な過ちをしてしまうのではないかと怖くなる。
世の中には私の知らない事が、まだまだたくさん有るのだと、心していかなければ成らないと強く思うよ。
今回、この年になっても、色々学ぶ事が多かったし、たくさん考えさせられたよ・・・。
それで、貴女への報酬なんだが。
何か望みは無いかな?
陛下にはすでに報告している、貴女の功績は大きい、我国で出来る事は叶えられるだけ叶えよう。
貴女はそれだけの事をしてくれたのだ」
懺悔の様な、感想の様な宰相様の話・・・。
う~ん。私の望みですか・・・。
この国には、何の思い入れも無いんですよね。
「では、語り続けて下さい。
ドラゴンさん達が私達に与えてくれている恩恵を・・・。
今度こそ忘れずに!
人の生は短いですが、ドラゴンの生は長いのです。
私達が死んでも、ドラゴンさんは生きています。
生きているから、忘れません。
だから、私達が死んでも、今回の事が忘れ去られない様にして下さい。
私の望みはそれだけです。
悪徳貴族は処罰されたみたいですし・・・。
(あの領主は最低でしたが、今度は良い領主だと良いですね・・・。)
ギルドも少しは反省したでしょう。
貴族相手では分が悪かっでしょうしね」
うん、優しさの大安売りですよ。
ギルドマスターには、思う事が無いわけでは無いんですけど、もう二度と、この町に来る気が無いので、良しとします。
嫌なヤツとは、関わらないのが一番です!
膨大なお仕事を頑張って下さい!
ンッ?宰相様、お口を開けてのアホ顔公開ですか?
美形なのにもったいないですね。
「それだけなのか?
金でも、宝石でも、爵位でも、何でも望めば良いのだぞ!
なのに、語り継ぐだけで良いとは、そんな事、当たり前の事ではないか!
今回の事は全面的に我らが悪かったのだ、気付かずに蛮行を許してしまった。
ドラゴン達にも、我が国民にも被害と迷惑をかけてしまった。
二度と同じ過ちを犯さない努力をするのは当然だ!
そんな事は、貴女がした功績に対する褒美でも何でも無いではないか!」
そんな大きな声で力説されても・・・。
「う~ん。そう言われても・・・。お金はそこそこ有るし。宝石にもそれほど興味が無いし、爵位なんてめんどくさい物は絶対に要らないし。
欲しい物は特に無いんですよね・・・。
そうですね~。強いて言うならば、嫌な貴族達には敬語も礼儀もなにもしなくて良い権利を下さい!
でも、爵位は絶対に要りませんよ!
そのくらいですかね?私が欲しい物は。
まだまだいそうでしょ?
ろくでもない貴族。
煩わしい事や嫌な事、有ると思うんですけど、どんな事でも私が嫌だと思う事は拒否出来る免罪符?みたいな物をもらえたら、絡まれても撃退出来るかなぁと、思うんですけど駄目ですか?」
良いこと思い付いたよね♪
しばらくはこの国を離れるつもりだけど、また何かで来たときに、嫌なヤツと会う可能性か無いとは言えない。
クズ相手に我慢ってしたくないでしょ♪
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